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2014年12月23日
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北海道新聞に「豆タンたちの占守島」が連載中だ。
電子版でも読めるので、リンクしておこう。
<1>終戦2日 深夜の敵襲
<2>激戦 戦車相次ぎ炎上
<3>敵兵の手に家族写真

まだ連載途中だが、後の記事も楽しみである。
戦争体験者はどんどん少なくなっている。
戦争の体験は、その人の性別、年齢、学歴、軍隊での所属部隊や階級によって随分と異なるだろう。
連載中の体験談は、戦車部隊の少年兵だった人のものである。
実は、私の父も同じ占守島の歩兵部隊の中隊長として終戦後にソ連と戦い、
その後約二年間のシベリアでの抑留体験後に帰還している。
戦車部隊と歩兵部隊では与えられている武器も戦い方も異なる。

一番下っ端の少年兵で、上官の命令に従うしかなかった人との体験や思いも、ずいぶんと違うものだろう。
多分、階級が上になるに従い色々な意味で責任も重くなり、
人には言えないことをすることも増えるだろうということが想像できる。
戦場であるから人を殺すことは当たり前である。
平時に戻れば絶対に出来ないことを、戦場では感覚も麻痺して鬼畜ともなるだろう。
高等教育を受けていて召集された学徒兵たちは、世界の情勢の中での日本の戦いに葛藤することも多かっただろう。

そして多くの戦争体験者は、「最も言いたいけれど平時では言いにくいこと」は黙して語らず、次々と亡くなっていった。
私の父も、元気なころはほとんど戦争体験を語らなかった。
私は「語れないことをしてきたからだろう」と思っていた。
しかし、それもあったかもしれないが、父が語らなかった一番の理由は、
帰国してこの日本社会で生きていくためだっただろうと今は思っている。

晩年、「抑留生活で一番嫌だったのは、軍隊組織と日本人の厭らしさ」と言っていた。
人一倍体力に恵まれていて、かつ北海道の田舎育ちの父は、厳寒の食料の乏しいソ連でも
山野草やヘビや蛙、野兎など、食べられるものを得る技術と知恵があり、
十分に煮炊きしないものでも食べる事のできる丈夫な胃腸を持っていた。
しかし、それらの力がない人達は、飢えや体調を壊すことで亡くなっていったという。


さて、極限の状態になって生き残れるのは、
どのような場所にあっても運に恵まれ体力気力に恵まれている人だろう。
普通の庶民は、そんなに力のある人達ばかりではない。
多くの人は、物を言うこともできずに淘汰されてゆくしかない。
戦争の最も悲惨な実態、人が鬼畜になってゆく実態、上に立つ者が自己保身にまみれてゆく実態は、
当事者からはほとんど語られぬまま、歴史の闇の中に埋もれてゆく。

私達はきれいごとの歴史ではなく、庶民を否応なく巻き込んでいく戦争というものを、
限られた記録をてがかりに想像力を駆使してくみ取ってゆくしかないのだろう。

参考までに、その頃の父のことをもう少し書いたものが下記。
父が戦争後に受けた心の傷 2007年04月02日





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最終更新日  2014年12月23日 10時26分29秒
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