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2019年01月19日
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カテゴリ: 仕事
「こんな夜更けにバナナかよ」
主人公の鹿野靖明さん(故人)を演じているのが、北海道出身俳優の大泉洋ということで多くの人が劇場に足を運んでいるようだ。
しかし、私はまた見ていない。
誰かに誘われたら観に行くかもしれないが、まだその予定はない。
でも、できるだけ多くの人に見てもらいたいと思っている。

彼の名前を知ったのは、ずいぶん昔のことのように思う。
彼が所属していた 「札幌いちご会」 の活動を知り、衝撃と感動を受けたのである。
そういえば、はっきりとは覚えていないが、それより以前に「青い芝の会」という脳性麻痺者を中心とする会の集会にも行ったことがある。

私が関わっている障害児は学齢前だったが、やがて彼らも成長し大人になる。
その子たちの将来のことを思うと、現在障害を持つ人たちがどのように暮らしているのかを知りたかったのだ。
とにかく、私には決定的に知識や経験が不足していたから、そのような集まりにはできるだけ出かけていたような気がする。
そんなこともあり、「青い芝の会」や「札幌いちご会」の集まりにも顔を出したりしていた。

その当時、まだ重度の障害児は「就学免除」がされていて、公立小学校ではよほど軽度でなければ義務教育さえ受けられなかった。
重度のハンディを抱えて生まれた子どもたちは、親が頑張れる間は在宅で家族と暮らせるけれど、将来は施設に入所して生涯を終える道しか想像できなかった時代だ。
だから、「この子ができるだけ早く施設で馴染めるようにすることが、幸せにつながる」と思い、学齢時期になった頃に施設に入所させるのが珍しくなかった。
私自身も、「重度の障害を持つ人は最終的には施設で暮らす」という発想で、ハンディを持つ子や保護者と向き合っていた。

そんな私は、障害者自身の集まりに行って本当に驚いた。
そのような会では、障害を持つ人(多分脳性麻痺)が「これから自立生活に向けて闘う!」などと発言していた。
言語障害を持つ人の言葉は聞き取りにくかったけれど、叫ぶように全身で発言する姿は、「私たちだって人間らしく生きたい。自分の意志で生きたい」という魂の叫びのようだった。

「できるだけ他人に迷惑をかけないで生きる」ことが人としての道のように考える日本社会において、彼らの主張は「人の世話をあてにしながら、自分の思い通りに生きたい」という、わがままのように感じられるということだ。
一言でいえば、それまでの障碍者観をひっくり返すようなことにもなり、ご本人たちもそれを十分自覚しながら、そんな世間に戦いを挑むような気負いが感じられた。
私はなぜ彼らに感動したかと言えば、冷たい世間の目に負けずに自分の気持ちをはっきりと表明し、かつ行動しようというその勇気にであった。

それまで、先天性障害や病気や事故で障害を持つようになった人たちは、社会で発言することは少なかった。
発言しているのは、戦争で傷痍軍人になった人たちくらいで、当時の障害者団体はそのような人たちの集まりだったように思う。

私自身、障害を持つ人たちを対等な人間として見ているというよりは、「気の毒な人。お世話をしてあげなくてはならぬ人」という見方だったと思うし、自分が我慢していることをその人たちが主張したら「わがままだ」と感じていたはずだ。
しかし、彼らの発言を聞いていると、「わがままというより、当然の願いだ」と私には感じられるようになったのだ。

しかし、同行した障害児父母の会の人は、「あの人たちに批判的な障害者もいるんだよね」とも言っていた。
当時の私には、多少はその批判も上記のことから理解も出来た。
つまり、それまで是としてきた「障害者としての生き方モデル」を否定しているようにも感じられるからだ。
詳細は記憶してはいないが、これからのいちご会の道のりは「山あり谷あり、波乱万丈だろう」と思い、どこまで頑張れるだろうかと少し危惧したような気がする。

しかし、いちご会の人たちは強かった。
いちご会の中心メンバーとして今も頑張っている小山内美智子さんがいる。
最初に彼女を知った時から、私は彼女のパワーに圧倒された。
私には決定的に欠けている積極性や明るさがあった。
脳性麻痺なので言語障害もあり、顔をゆがめながらも一所懸命に話すのだが、その笑顔はとても魅力的だった。
私は、自分が関わっている何人もの脳性麻痺の子どもたちを思い浮かべ、ハンディはあってもそれを自分の個性として、堂々と生きて行ける、彼女のような人になってほしいと思った。
いちご会のメンバーは、協力者と共に次々と新しい取り組みをはじめ、社会の偏見という壁をブルドーザーのように打ち壊していったという印象だ。
その後私は、結婚や子育てと仕事に精一杯で、あまり彼女たちの活動を応援する力になることはできなかったが、障がい者関連の大会等で彼らの姿を見ることがあったし、その中に鹿野さんもいたと思う。

彼らの活動は、多くのハンディを持つ人たちに勇気を与えたと思うし、ボランティアや支援者として関わる人たちに、本当に様々な学びの機会を与えてくれてきたと思う。
直接関わってはいない私も、彼らの行動力、組織力、周りの人たちを巻き込む信念など、常に考えさせられて来た。
きっと、「こんな夜更けにバナナかよ」も、多くの人に様々なことを感じさせるものだろうと思う。


小山内さんは今どうしてるかなと検索したら、彼女のブログがありました。
ぜひ読んでみてください。
小山内美智子のブログ



私が仕事をしている頃、福祉関係の大会や集会で、元気な大地君がいつも小山内さんのそばにいたことを思い出しました。
彼女が子どもを産むと知った時、正直なところとても複雑な気持ちになりました。
小山内さんが恋をして子どもを産みたいと思うのは理解できる。
でも、子どもにとってはどうなのだろうと。
私のその時の思いは、まったく杞憂でした。
多くの人に支えられ、愛されて育った大地さんは、本当に素晴らしい若者になりました。
きっと小山内さんは、子どもにとって多くの人に愛され、可愛がられることが子育てに一番大切なことだと確信していたのでしょうね。
あの時の私の危惧を、今の私は恥じています。






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最終更新日  2019年01月19日 16時33分57秒
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