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2020年05月29日
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テーマ: 家族(384)
カテゴリ: 家族・親族
母は、いったん退院してしばらく在宅生活をした後に、
腎臓結石除去手術が可能かどうかを検査し、可能なら入院・手術ということは、
担当医と私たち姉妹の既定事項であった。
しかし母には、「検査の結果で次の予定が決まる」と言ってあった。
「この年で手術はいやだ。もう、入院はイヤだ。そんなことくらいなら、早く死んだ方が良い」というような気がしたからだ。
ということで、この日はその検査の日。
妹が別の用事と重なり、付き添いは私となった。
足腰が弱くなった母は、それでも車いすは嫌がり、手押しの歩行器を使って広い病院内を移動。
それだけでも、多分母には大変なことだろう。

その様子を見ていた母は言う。
「若い人たちが一杯だねえ。みんなどこか悪いのだろうか」
「ここは病院だから、付き添い以外はみんな病気の人ばかりだよ」
ここで私は、母の状態は思ったより良い感じだと思う。
周囲の目を気にするタイプの母は、意識もクリアーになっているようだ。
それで私は、母がどのような状態で入院し、今日の検査結果で手術しなくてはならないかもしれないことを話す。
母は、ゆっくりと一語一語理解のスピードに合わせて話すと、結構理解できる。
だから、「もう、この年で手術はイヤだねえ」とは言ったが、
「お医者さんが言うことには従わなくちゃ駄目だよ。まえより大変なことになったら困るでしょ」というと、「そうだねえ…」と頷く。
しかし、検査は次々と一時間以上も続き、検査結果を聞く待ち時間では結構疲れた様子。
私の予想では、もう抵抗する力が弱まっているかもしれないので、案外手術を了解するかもと感じる。

診察室に入って私はすぐに担当医に早口で話す。
「母には、今日の検査結果でどうなるか決まるので、ちゃんとお医者さんの話を聞こうと言ってあります」
手術が既定路線と知ったら、母が混乱するのが怖かったのだ。
担当医師は、うなずきながら母に向かって話し出す。
「〇〇さん、随分よくなりましたねえ。残っていた小さな石はなくなりましたよ。

これをこのままにしておくと、また大変なことになるかもしれません」
私は、その医師に心の中で拍手した。
まず、状態を褒められたことで母の気持ちを前向きにして、その上でこれからのことを説明する。
それが説得の王道なのだが、なかなかそれが上手にできない人もいる。
ああ、これで多分、母は手術を納得できるだろうと安堵した。

ということで、「手術はイヤだけど…、仕方がないねえ」という感じであったが、
私としては「案ずるより産むがやすし」のような感じで、母は次の入院と手術を了解してくれた。

とりあえず、第一関門通過である。





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最終更新日  2020年05月31日 09時00分51秒
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