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2020年07月23日
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テーマ: 読書(10262)
カテゴリ: 読書
Milkywayさんの日記で紹介されていたのを読み、図書館にリクエストをして読んだ。

上下二冊なので、返却期間の2週間では読み切れないかと思い、まず上巻を三分の一くらい読んだところで下巻をリクエストした。

「あるときの物語」ルース・オゼキ著、田中文訳

内容(「BOOK」データベースより)


著者について
アメリカのコネチカット州で、アメリカ人の父と日本人の母のもとに生まれる。スミス・カレッジにて英文学とアジア研究で学位を取得したのち、文部省の留学生として奈良女子大学大学院で日本古典文学を学ぶ。1985年に帰国。ホラー映画のアート・ディレクターを経て、「世界の車窓から」をはじめとするNHK、フジテレビなどの日本のテレビ番組の制作に携わる。後に自身で映画を撮りはじめ、手がけた作品は各地の映画祭で上映されるなど高い評価を受けた。1998年にデビュー長篇『イヤー・オブ・ミート』を発表し、大型新人として注目を集める。2003年に第二作All Over Creationを発表。2013年に刊行した第三作にあたる本書は、有力紙誌に絶賛され、ブッカー賞最終候補となった。2010年に曹洞宗で得度。現在カナダのブリティッシュコロンビア州とニューヨーク市で暮らす。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
オゼキ,ルース
アメリカのコネチカット州で、アメリカ人の父と日本人の母のもとに生まれる。スミス・カレッジにて英文学とアジア研究で学位を取得したのち、文部省の留学生として奈良女子大学大学院で日本古典文学を学ぶ。1985年に帰国し、ホラー映画やテレビ番組の制作を経て、映画を撮りはじめる。手がけた映画作品は各地の映画祭で上映されるなど高い評価を受けた。1998年にデビュー長篇『イヤー・オブ・ミート』を発表し、大型新人として注目を集める。2010年に曹洞宗の僧侶となる

田中/文
東北大学卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


いじめ、現代の日本の若者文化(?)、自殺、東日本大震災、世界とこの場所、生きる意味、命のつながり、魂の存在など、
結構重いテーマを時空を超えての登場人物の関わりや相互作用の中で考察し、
「今生きる」ことと結び付けてゆく。
うーん、このテーマをこのような形で小説にするか…と、何度もうなってしまった。

Milkywayさんは、「仏教的要素と量子物理学の要素の巧みな絡み合い」と書いていたが、残念ながら量子力学の要素については私にはピンとこなかった。
しかし、その要素を除いても様々な考えが脳や心をグルグル回してくれる感じがした。

上巻でつまんないと感じる人もいるかもしれない。
でも、それではとてももったいない本だと思うので、これから読む人は絶対に最後まで読むことをお勧めしたい。

この本の中で「有時(うじ)」という言葉が出てくる。
私は禅宗や道元、「正法眼蔵」についても詳しくはないので、
「有時(うじ)」 の意味もこの本を読んで初めて調べてみた。
解説を読みながら、ハイデガーの「存在と時間」を連想していた。
しかし、ハイデガーも私にはわかったようでよくわからない理論であったので、
思い出したというだけだ。
(慶應通信で学んでいた時、ハイデガーを専門としている教授の講義を受けたのだが、はっきり覚えていない)
記憶しているのは「世界内存在」という言葉で、私は正しい理解はできなかったけれども、
「私の存在は世界内存在であり、私の世界は今ここが原点だけど、過去も全世界ともつながっているんだな」と勝手に納得していた。

今の自分を大切に生きるということは、過去の歴史や世界の人々ともつながりがあるということを、年と共に感じることが多くなっている。
こうやってブログを書くことは全く個人的な趣味と言えることだけど、
結構時空を超えて多くの事象や人々と関わりあっていることであり、
それは自分の存在にも間違いなく意味を感じられるということでもある。

こう書いていて、以前にネットで無視されて怒りが爆発し事件を起こした人がいたと思い出した。

みんなきっと、自分の存在を確かめたいし、自分の言動が他者に影響を与えることを望んでいるからだろう。
しかし、それでは「意味のある存在になった」とは言えない。
刹那的な高揚感はあるかもしれないけれど、持続的な充足感にはつながらないだろう。

ふと、「有時」があるなら「無時」もあるだろうと検索した。
今見つけたのは これ 。
「無事」とはいわば、求めなくてもよいことに気づいた安らぎの境地といえます。

「無事」は「ぶじ」と読むようだが、作品の中のジコウの弟子の名前「ムジ」に使っているのだろうか。

とりとめのない感想だけれど、とりあえずこれまでにしよう。

【追記】
最初に書いた時に、「有時」を「有事」と変換ミスをしていて、その後も「無事」にしたまま調べてしまった。
今、それを訂正しながら「無時」で検索して見つけたのがこれ。
「時無(ときなし)」
さて、作者はどちらの意味をイメージしていたのだろうか。





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最終更新日  2020年07月25日 08時03分09秒
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