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2025年03月13日
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テーマ: 恩師(12)
私の中学時代の担任の先生は、大学卒業したばかりの美術教師だった。
長年、教師を続けながら彫刻制作を続けてきた。
若くて生徒たちと遊ぶことが大好きだった先生も、いつの間にか85歳。
当然、教え子の私達も高齢者である。
教師と彫刻家の二足の草鞋を愚直に歩み続けてきた恩師である。

その先生の彫刻の多くが、最初に教師として赴任した当市に寄贈されることになり、
3月12日に寄贈式&先生の講演会が開催された。
寄贈された彫刻のお披露目をするため、5月末から6月半ばまで、市内で彫刻展が開催される。
その運営は教え子や市内の文化協会が中心となった実行委員会が担うことになり、
私もその末席に加わることになった。

寄贈式&講演会のお知らせは、先生が担任した生徒たちがしていると思う。
私も、道内の同級生にはチラシを送ったりしてきた。
すると、当日は思いがけない同級生も顔を見せてくれて、とても嬉しい時間になった。
しかし、肝心の先生は講演会の準備などでかなりお疲れになっていたようである。
だから、久しぶりの教え子たちともちゃんと話も出来なかったり、
声をかけられても咄嗟に思い出せなかったりで、残念な思いをされたようだ。

​先生の彫刻人生60年の彫刻展​ を見た時に、
野外彫刻を60点も制作していることを知り、本当に驚いたものだ。
私達は残念ながら芸術分野に進んだ同級生がいないこともあり、
先生と会っても彫刻の話題になることはほとんどなくて、
かつての思い出話に終始するばかり。
彫刻制作を続けながらも私たち教え子との時間を大切にしてくれていたことに、
改めて感謝するばかりであった。

そして、こう書いていて気付いたことがある。
先生は具象彫刻家である。
ブロンズ作品も多いけれど、近年はテラコッタの作品が多い。
どの彫刻にもモデルを使い、丁寧に観察して制作していくことを続けていらっしゃったようだ。
それは、先生の彫刻の恩師の教えでもあるそうだ。
彫刻家として対象を深く見つめるまなざしは、教え子たちに対しても同様だったのではないか。
先生は中学時代からしっかりと子どもを見つめている人だった。
それを苦手に感じる時もあったけれど、先生のまなざしは私達の表情や行動をしっかり見つめ、
生徒たちにしっかりと向き合ってきてくれたから、先生に対しての感謝につながっているのではないか。
「先生は私を見ていてくれる」「先生は私を理解しようとしてくれている」
そう感じることは、どれほど生徒たちを励ましてくれていたことだろう。
生徒たちの中に美しいもの、感動することを先生はもれなく見つけようとしていたと思う。
人と人との関りで、実はそのことが一番大切なことではないか。
つまり、それは教育の原点ではないかとすら思う。
自分の中にある自分では気づかない良さを先生に見つけてもらった時、
子どもはどれほど嬉しく自分の良さに向かって励もうとするだろう。

芸術家として一流だった先生は、教師としても一流だったのだとあらためて思っている。





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最終更新日  2025年03月15日 09時27分08秒
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