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2026年01月23日
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テーマ: 不登校(809)
30年以上も前に私が主任児童委員を引き受けた頃、
中学生の息子が突然学校に行かなくなってしまったというお母さんに出会った。
それがきっかけとなり、数年後に同じように学校に行かなくて悩んでいるお母さん達と親の会を開催するようになった。
月に一度、会館の一室にお母さん達が集まって、
子どもの様子や学校の関係、学校に行かくなったことでの家族の空気の変化など、
みんな涙を流しながら心にため込んでいた不安や苦しさを吐き出すような例会だった。
私は主任児童委員という立場だったので、その会の世話人を引き受け、
数か月後には他の地区の主任児童委員だったIさんも世話人として共に活動してくれるようになった。
その会がスタートした頃は、学校に行かないことを「登校拒否」と言うことが多かったように思う。
今から思えば、登校拒否という方が子どもの主体性を尊重していたように感じるが、
その時は「拒否はしていないけれど、行けないのだ」というニュアンスを込めて
「不登校」という言葉を採用して会の名前にもした。
その後は、どのような経緯なのかよく覚えてはいないが、
学校に行かない状態の子ども達を「不登校」と称するようになって現在に至っていると思う。

先日、時々拝見しているFacebookで、下記のニュースを知った。

不登校のイメージを変える 群馬県が新名称を使用へ 1/18(日)
学校を長期的に欠席する不登校について、山本知事はネガティブなイメージを払拭したいと新たな名称を使用すると発表しました。 「不登校」に代わる名称として山本知事が発表したのは、 「UniPath(ユニパス)」 です。
「ひとり一人の」という意味の「unique(ユニーク)」と、「道」を意味した「path(パス)」を合わせた造語で学校に通わないことは悪いことではなく、「ひとり一人の道を歩んで良い」という考え方を示しています。

県では2023年度から高校生が知事の相談役となる「リバースメンター」制度を設けていて、今回、「不登校という言葉にネガティブなイメージが強い」というメンターの高校生から「ユニパス」の提案を受け検討を進めてきたということです。
山本知事は不登校のイメージを変えていくため、「ユニパス」の考え方を県外にも広めていきたいとしました。
県教育委員会によりますと、昨年度、不登校の小中学校の児童生徒数は4731人と過去最多でした。
知事は学校に通うことに不安があれば抱え込まずに専用の相談ダイヤルや学校の職員に相談してほしいと呼びかけました。


それに対して、紹介していたFacebookでは
でも、文科省の調査には「不登校〇〇人」って回答するんでしょう。
うちには不登校はありません、みなそれぞれの道を歩んでいるだけですとは言わないわけでしょう。
どんな子供でも安心して成長できるのが大事で、学校はその一部なのに、どうしてそこだけ取り出そうとするんだろう。
「不登校」として切り分けられたところへさらに特別な名前をつけられて、子供は喜ぶのか。


群馬県では、高校生の「不登校という言葉にネガティブなイメージが強い」という言葉を受けて検討してきたということで、
その姿勢は良いと思うのだが、やっぱり私も少しひっかかる。
子ども達は、「不登校」とネガティブなレッテルを貼られるのはいやだろうが、
言葉を変えたらポジティブな気持ちになるのだろうか。
最近は造語が多くて、古い人間の私はそれにしばしば混乱する。
日本語での造語ならまだしも、カタカナ語の造語はなかなか定着しないだろうし、
それで本質的なことを胡麻化される気分にはならないのだろうか。

先日、以前に親の会に参加してくれていたお母さん達三人と、久しぶりに会う機会があった。
それぞれお子さんが小学校から中学校にかけて学校に行けなかったという体験の持ち主で、
いつのまにかそのお子さん達は30代を超えていた。
学校という場に辛さを感じて行くことができなくなるお子さんは、
それぞれきっかけは違うけれど、繊細で優しく真面目な子が多かったように思う。
嫌なことがあっても「自分が悪いのだろうか」と思ってしまったり、
心配する親や先生に対して申し訳ないと頑張ったり、クラス内の不穏な空気に怯えてしまったり。
それが積もり積もって心身への変調となり、病院に行ったら色々な病名がついて薬まで服用したり…などなど。
多かれ少なかれ、ほとんどの人がそんな経験をしているような気がしている。
その間には、色々傷つくこともあり、時には嫌な体験がトラウマになったりと、
その後もなかなか生きづらくなることは多いとは感じる。
でも、私が見聞きしてきたところでは、小中学校で学校に行かなくなっても、
家庭で普通の生活を過ごすことができていたら、それぞれ何とかなっているなという印象だ。
もちろん、その途中で不幸なアクシデントが重なってさらに辛いことになる人もいるが、
それは学校に行っていても同じことだと思う。
親から見たら順調に何事もなく大学進学や就職してから、思いもよらないことに遭遇して苦しむことも良くある話。

はっきり言いたいのは、小中学校でしばらく学校に行かなくなったなら、
それがその子や家族のチャンスなのかもしれないということだ。
それをきっかけに子ども一人一人が自分の頭で考えて、(当然親も真剣に考えて)
自分がどのような気質や個性で何が好きなのか、何をしている時が一番楽しいのか、
それはなぜなのか、気付いていくことではないだろうか。
親はその成長を見守り応援し、
「人生色々あるよ。いつも味方だよ」と笑顔で励ますことが一番でしょう。

それぞれのお子さんの今の様子を聞きながら、
「あの時は子どもに対しては反省ばかり」というお母さんに、
その姿勢こそが一番大切なのだろうと思っていた。

昔、親の会の世話人をしていた頃に、お母さん達からよく聞く言葉があった。
「例会で色々話しているうちに心が軽くなって、今日からは子どもに優しくしようと思うんだけど
何日か経ったらまた忘れてしまって元に戻ってしまうんだよね(笑い)」

私はいつも、それでもいいんだと思っていたし、そう言っていたと思う。
そうやって子どもへの思いを確かめ確かめ、子どもの気持ちを受け止めようとしていたら
一時期は悪化していた親子関係も、きっと何とかなっていくでしょう。

人は色々な成長の仕方があるのです。
成長のための社会資源として学校もあるということだろう。
「不登校」という言葉が悪いせいではなく、その状態を良くないことと決めつけることが悪いのではないかと思っている。





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最終更新日  2026年07月26日 07時33分12秒
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