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2026年08月15日
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テーマ: 戦争と人間(208)
カテゴリ: 読書
今日は終戦記念日。
あの戦争で、多くの人達が理不尽にも命を奪われた。
生き残った人たちはそれぞれの立場で運命と向き合い必死に生きた。
戦争によって親や家族を失った子ども達「戦争孤児」は、12万人以上だという。
その子たちが戦後をどう生きたのかと、ずっと気にかかっていた。
その一端を教えてくれる本があった。


「戦争孤児」を生きる

解説


これまで沈黙してきた戦争孤児の当事者たちにロングインタビューをおこない、浮浪生活、自殺を考えるほどの親戚宅での冷酷な処遇、教育にアクセスできない困難、就職の難しさ、家族をつくることの願いと拒否感など、これまで歩んだ生活実態を明らかにする。

戦争孤児が自らを語り、社会的な承認を求める契機になった東京大空襲集団訴訟などについての思いも聞き書きして、「戦争で親を失った子どもたち」が、抱え続けてきたスティグマとどう向き合い、自らの来歴をどのように語るのかを検証する。

目次
はじめに

第1章 問題の所在
 1 本書の視座
 2 「戦争孤児」たちがたどった道程
 3 研究視座――ライフストーリー研究と「語りの産出/不在」を分析すること
 4 理論枠組み
 5 調査対象
 6 本書の構成

第2章 「戦災孤児」のメディア表象――敗戦後日本の自画像としての
 1 「戦災孤児」、浮浪児の飢餓と貧困
 2 「親がない子ども」をめぐる新聞記事件数の推移
 3 「慈しむべき哀れな孤児像」
 4 「不良化し犯罪化する危険な浮浪児像」
 5 「平和への祈願としての原爆孤児像」の形成
 6 「戦災孤児」たちの「親探し運動」と「親子再会の物語」

第3章 語りの制約――沈黙の背後にあるもの
 1 調査対象者の生活史と出身階層
 2 なぜ自分の「戦災孤児」経験を語れない/語れなかったのか
 3 「戦災孤児」だったことの沈黙
 4 語り始める契機

第4章 社会的信用の失墜と孤児たちの経験――浮浪生活、施設生活、親戚宅での生活をどのように語るのか
 1 「戦災孤児」というカテゴリーを付与されること
 2 疎開経験、空襲経験、親の死を知る
 3 浮浪生活(に至った経緯)/施設経験をどのように語るのか
 4 里親宅/親戚宅での生活をどのように語るか――いちばんつらい時期として
 5 自殺を考える
 6 他家での家族関係で先鋭化するスティグマ

第5章 「戦災孤児」を生きること――学校生活、就職、そしてその後の人生
 1 就学/進学
 2 就職
 3 体の不調
 4 「家族」をつくること、「子ども」をもうけることへの願いと拒否感
 5 その後の人生

第6章 「戦災孤児」から「戦争孤児」へ――カミングアウトと裁判
 1 アイデンティティの承認をめぐる闘争
 2 語りだすきっかけ
 3 「戦災孤児」から「戦争孤児」へ
 4 信念
 5 ライフストーリー産出をめぐる政治と闘争

終 章 沈黙と語りの歴史社会学
 1 社会的カテゴリーとしての「戦災孤児」「戦争孤児」
 2 承認をめぐる闘争とループ効果
 3 戦争社会学との接点
 4 「語りの不在」自体を問題にする視座
 5 戦争の記録、記憶、語りの継承
 6 東日本大震災の経験、子どもたちの脱スティグマ化のために


戦争で孤児になった子ども達は、その人生のなかで自分が戦争で孤児になったと語ることはほとんどなかったという。
また、孤児になった後に親戚に引き取られたり、施設に入ったり、浮浪児として生き延びたりしているが、ほとんどの人は親戚宅や里親家庭での暮らしが一番みじめで辛かったという。
それはなぜなのか、そしてその体験を口にすることでどんなめに逢ったのか、想像できる人はいるだろうか。
この本で体験を語った人はほんの一握り。
語ることなく子どもの頃に打ち捨てられたように死んだ子供も多かったことだろう。
心に様々な思いを秘めながら、這いつくばるように生きて死んでいった人もいるだろう。
未だに、子ども時代のトラウマや苦しさを抱えたままに生きている人もいるはずだ。
戦争とは、このような人たちを大量に生み出すものなのだ。

ぜひ多くの人に、特に政治家たちには読んでほしいと思う。





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最終更新日  2026年08月15日 14時23分45秒
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