わたしのこだわりブログ(仮)

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2011年03月07日
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カテゴリ: クイズ


クイズ陶磁器工場 1-2 解答
マイセン(Meissen)
ドイツのザクセン州マイセンで生まれた硬質磁器(ポーセリン)がマイセンです。

創業1710年に王立の工房として誕生した事は前回紹介しましたが、現代も造り続けられている 300年の歴史を持つ老舗の陶磁器会社 です。
そこで生産され印の入った品がマイセン(Meissen)と呼称されるのです。

もともと貴族の趣味やたしなみとしての磁器ですから、過去の作品は美術館入り。もしくはアンティークとしてコレクターに絶大な人気を誇っている陶磁器なのです。


マイセン陶器 8
二本の交差する剣の印はこの窯のトレードマークとなっています。
この印のないものはマイセンとは呼ばない のです。
(最も古い時代の、剣の印のないものも多少残っているようですが・・。)

1723年に印は剣となり、その印は年代で微妙に異なっている事からこの窯の陶器の製作年代を推定する印としてアンティークの世界では重要視 されています。

ドイツで自生する草花を題材とする染付食器シリーズ
マイセン陶器 14
コーヒーポッドとミルクピッチャーとシュガーポットのセット 5つ花のブーケ

コーヒーカップとソーサーと受け皿の3点一組
マイセン陶器 15
これらの裏には全て剣が焼き込まれて印されています。

マイセンでは一見一色でも下絵も入れると最低3回は焼かれています。
さらに色一色につき一回の窯焼きをすると言われているので、当然色数の多い品ほど窯に入れる回数が多くなるので、壊れる率も高く、値段も高額


花シリーズもメイン一輪だけの品から上の3つ花、そしてさらに5つ花のブーケとなると値段は同じコーヒーカップ一つに見ても万単位で異なってくるのです。

3つ花
マイセン陶器 9

3つ花
マイセン陶器 10

ブーケ
マイセン陶器 11

マイセン陶器 12

オープンワークの飾り皿
マイセン陶器 13
18世紀には完成されていたと言われるオープンワークは、鋭利なナイフを使って、焼成前の作品に職人が手作業で切り込みを入れて制作。
熟練の職人の技がいる作品だそうです。

ブルーオーキッド
1977年~78年に発表された新しいシリーズ
マイセン陶器 16
最近のティーカップのソーサー部分の絵付けをみてもらう為にのせました。
こうしたものは色も少ないので案外安いのです。

磁器の制作
白い金と呼ばれた東洋の磁器。
中世ヨーロッパでの磁器の開発 はポーランド・リトアニア共和国の国王にしてザクセン公国の選帝侯であった アウグスト2世(1670年~1733年)によって始められます

1705年若い 錬金術師ヨハン・フリードリッヒ・ベトガー(1682年~1719年 ) は王から命を受け、協力者としてヨーロッパで最も早く磁器の焼成に成功した人物として知られる学者でもあるエーレンフリート・ヴァルター・フォン・チルンハウス伯爵と共に磁器の焼成の研究をしたのだそうです。

ザクセン近郊で産出されるカオリンを使って1350度から1400度と言う焼成温度を発見し 磁器の製造に成功したのが1709年 です。

アルブレヒトブルク城
ザクセン王アウグスト2世は、すぐに王立工房を設置するのですが、同時にこの製造の秘密を門外不出 とする為に窯を守る事を決めます。

工房自体を鉄壁の要塞の中に閉じ込めたのです。
と同時に開発者ヨハン・フリードリッヒ・ベトガーも秘密をもらさない為に幽閉したと伝えられています。

それが現在のドイツ東部、ザクセン州のマイセンの街の旧市街にある城なのです。
アルブレヒツブルグ城
エルベ川を見下ろす丘の上にある15世紀に建造された後期ゴシック様式のアルブレヒトブルク城。

ちょうどアウグスト2世の居城がドレスデンに移った為にザクセンの城があいていた事もあったようです。
この写真の城に1710年にマイセンの王立磁器製作所が最初に置かれ、 以降150年ここに工房がありました。

今この城に当時のものは何もないようですが、 アウグスト2世が、ドレスデンに建てたツヴィンガー宮殿は、今までの王の磁器のコレクションを並べたコレクター宮殿として存在 しています。
日本の古伊万里や柿右衛門の名品もならぶ、マイセン磁器の象徴的な城と呼ばれているそうです。(ツヴィンガー宮殿の写真見つけたら次回のせるかも・・)

因みに幽閉されていた錬金術師ヨハン・フリードリッヒ・ベトガーはこの城の中で1719年37歳の若さで亡くなっています。

マイセン陶器 17
マイセンの工房で撮影した花瓶

最初の染め付け絵付けは1717年に始まったそうです。
プリント式の絵付けが主流になっている今時の陶磁器会社から考えると昔からの手書きをかたくなに守っているマイセンは今も職人の技の賜なのでしょう。

だからこそ誕生から今も西洋陶磁器の頂点に君臨していると言えるのです。


最後に・・マイセンは王侯貴族の陶磁器なので、調度品としての美術品のようなものが多かったはずです。
しかし最近のマイセンは家庭のテーブルウェアとして多く造られているので身近に? ちょっとなってきたのかもしれません。


リンク ​ クイズここはどこの陶磁器工場? Part 1







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Last updated  2024年04月05日 01時56分18秒
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