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ネット上の宣伝がそれに最適化されるためだと思うのですが、株式投資をしていると良く 勝率92%の投資術 とか、ヤ●ーファイナンス64連勝の必勝法 みたいな投資法の広告を見ることがあります。
長年株式投資をしている人が見たら、そんなことは決してあり得ないと分かっているし、むしろこんな宣伝文句を使うなんて 「自分が馬鹿であると額に大きく書くのに等しい」 愚行なのに恥ずかしげも無く良くやるよ、とちょっと苦笑してしまうくらいの内容なのですが、投資初心者の方の中にはもしかするとそういった宣伝を信じ込んでしまう純粋でナイーヴな 方がいるかも知れないので、今日はちょっとこの 株式投資の勝率 という問題を考えてみたいと思います。
まず結論から一言で言うと、 株式投資での勝率はほぼ50% という理解で良いと思います。 未来のことは誰にも分からないわけですから、確率から考えて当然そうなります。 でも、
ナニ言ってるんだ、それはへタレのおまえだけだろう。 凄腕投資家の勝率はもっと遥かに高いに決まってるだろう。
と思う方も当然多いと思います。それでは実際に世界最高水準の投資家の方の勝率を見てみましょう。
には株式投資で年間数十~数百%という驚異的なパフォーマンスを長年に渡って叩き出し続けているスーパートレーダーが多数登場しています。そしてその中でもマーク・ミネルヴィニとスティーブ・コーエンは特に突出した成績を上げ続けている「ベスト・オブ・ベスト」のトレーダーです。
それではこの2人の勝率はどのようなものなのでしょうか?
ミネルヴィニは本書の中で、「 平均すると勝率は50% に過ぎない」 と述べています。
またコーエンは、「自社のトレーダーに関して統計を取っているけれど、 最高のトレーダーさえ利益を上げるトレードは63% に過ぎない。 ほとんどのトレーダーの勝ちトレード比率は50~55%。 つまり、間違いを犯す確率は非常に高い。」と述べました。
ではなぜ彼らが勝てるのかについて、ミネルヴィニは、「僕の運用成績が一変したのは、正しい判断をどれだけ数多く下せるかということではなく、勝てるトレードで得る利益をどれだけ膨らませ、負けるときにどれだけ損を抑えられるかということの方が重要だということを理解したから」 だと述べ、コーエンも、「損失は出来る限り小さく、利益を上げられるときはより確実にそれを大きなものにしなければならない」 と言っています。 つまり、
株式投資で大切なのは勝率ではなく、勝てる勝負で大きく取ること
なんですね。
その観点からすると、良く宣伝で見かける「勝率92%のようなもの」を目指すことは2重の意味で間違っていることが分かります。それは、
1. 誰にも正確には見抜けない未来を扱う勝負である株式投資では、決してそのような勝率は手に入らない。
2. 大切なのは勝てる勝負で大きく稼ぐことであって、勝率が高いことは株式投資で成功するための絶対条件では全くない。
からです。
そして更に言うと、
高い勝率を誇る投資法というのは実は非常に危険なやり方
でもあります。何故かというと、 勝率を高めるためには勝ちトレードは薄い利益で迅速に利益確定をし、負けトレードはナンピンを繰り返して平均単価を下げて強引に勝ちに持ち込む、と言っているに過ぎない からです。
こういうやり方をすれば確かに勝率は非常に高くなります。でも勝った時の利益は薄く、負けトレードはナンピン地獄で凌ぐ事になるため万一本当に駄目だった場合の損失は致命的で膨大なものとなります。つまり、 勝率92%でもトータルではボロ負け という事もあり得るんですね。
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