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"DRACULA 2000","DRACULEA" 監督・・・パトリック・ルシエ 出演・・・クリストファー・プラマー、ジョニー・リー・ミラー、ジャスティン・ワデル、ジェラード・バトラー、ジェニファー・エスポジート、他。・物語序盤・英国はロンドン。サイモンは、カーファックス遺物館の館長ヘルシングの部下。ヘルシングは、アブラハム・ヴァン・ヘルシングの孫に当る男で、骨董を集めるのが趣味だった。ある夜、マーカス率いる窃盗団が館内に侵入し、地下金庫に保管されていた銀の棺を盗み出した。その後、自家用機で逃走した一味は、棺の中から蘇ったドラキュリアによって惨殺され、飛行機は墜落した。ヘルシングはサイモンには事情を告げずに、棺を追って一人窃盗団の行方を追う事に。CDショップの店員マリーは、日毎夜毎奇妙な幻覚に悩まされていた。見知らぬ男が目の前に現れ、彼女を誘うのである。不思議とその男に惹かれるマリー。彼もまた、マリーをずっと探し求めていた様子だった…。何故邦題は「ドラキュリア」なのでしょうか?素朴な疑問です。映画は結構面白いです。人気作でアメリカでは三作目まで作られたとか。ドラキュリアの俳優さんの風貌が、わりと野生的なんですよね。もう少し美形でワイルドだったら、こちらも素敵~となったのですが、少々中途半端なお顔立ちでした。ヴァンパイア物としては、基本に忠実です。退治するには、銀の銃で撃ち、首を落すか心臓を貫く方法を取る所など、古典的解釈に基づいていました。マリーの立場が結構複雑なんですよね。彼女の立場になったら、どうするか迷ってしまうかも。私なら、人間なんかやめて、いっその事、ヴァンパイアになってしまいたいです。選択できるのなら、敢えて退治しませんよね?永遠の命と、朽ちない美貌、そして超人並の身体能力ですよ。昼間出掛けられないのは、個人的には全く苦になりませんし(笑)あまり目立ちませんが、そこそこ面白い作品でした。
Jan 31, 2004
"CATCH ME IF YOU CAN" 監督・・・スティーヴン・スピルバーグ出演・・・レオナルド・ディカプリオ、トム・ハンクス、クリストファー・ウォーケン、マーティン・シーン、ナタリー・バイ、他。・物語序盤・高校生のフランク・W・アバグネイル・ジュニアは、仲の良い両親と三人暮らし。父は文具商を営み、その長年の実績から、ロータリー・クラブへの入会も認められた。順風満帆な生活に思えたが、父の経営する店が脱税容疑が元で経営不振に陥り、一家は自宅や車を手放す羽目に。父フランクは息子の誕生日に、彼名義の銀行口座を作り、小切手帳を手渡す。家計の逼迫に伴い、フランクは私立高から公立高校へ転校した。クラスメイトにからかわれた彼は、咄嗟にフランス語の代理教師になりすます。彼の偽装は見事で、クラス全員が騙された。その後、フランクの母親は浮気をするようになり、夫妻は遂に離婚する事になった。両親の離婚に際して、父母どちらの元で暮らすか選択を迫られたフランクは、ショックのあまり衝動的に家出をする。生活費を稼ぐため、小切手の偽造を始めるフランク。初めの内こそ上手くゆかなかったが、大手航空会社パンナムの副操縦士になりすます事に成功すると、彼は多額の偽造小切手を現金に変えてゆく。この事件を担当していたFBI捜査官カール・ハンラティは、フランクを追い詰めるもなかなか逮捕に至らない。実在の元詐欺師フランク・アバグネイルの原作を基にして作られた作品です。とても面白かったですね。映画館で観ると物足りないけれど、ビデオでのんびり鑑賞するにはもってこいといった作品です。逮捕された当時、まだ十九歳にも満たなかったとは驚きです。犯罪ですし、無論褒められた行為ではありませんが、十代の少年が世界を股に掛けて、あれだけ巨額の金を詐取するとは天晴れ(笑)。賞賛してはいけないけれど、知能犯の考え出す犯罪って、いつも凄いなぁと思うんですよ。誰も考え付かないようなアイデアを次々に出してきますよね、犯罪者の皆さんは。その知恵を善行に使えなんて、野暮な事は言いっこなしですよ。この映画の主人公も、まさに天才でした。父親役のクリストファー・ウォーケンがアカデミー賞にノミネートされましたが、良い味出してます。フランクの詐欺師的資質は父親譲りのようですが、悪戯がバレても顔を見合わせて笑ったり、金持ち連中を見て、「みんな、カモだぞ」とほくそ笑む二人は、親子というより悪ガキコンビ。奪われた幸せな家庭を取り戻したいと願うフランクには、少し切なかったですね。この作品を観て、つくづく思ったのは、人間は外見や権威に弱いという事。高校生の家出少年がパイロットの制服を着ているだけで、誰もがすっかり信用し慇懃な態度で接する。学生の頃に習ったイデアを思い出しました。人間て愚かだわ…笑。しかしフランクは羨ましいですねぇ。やはり明晰な頭脳と雄弁さは、人生最高の財産です。
Jan 30, 2004
映画の感想ではありません。完璧に私事です。「赤い月」は、太平洋戦争の頃の満州を描いた作品ですが、観ていてふと考えた事があります。私の母がその当時、満州に居たんですよね。それで帰宅してから尋ねました。「お母さんて、いつまで満州に居たの?」昭和十九年という事でした。祖父は内地に居た頃は役人だったのですが、満鉄の社員として、一家で満州に渡ったのです。所謂エリート家庭だったので、結構裕福な暮らしだったそうです。中国人の使用人なども居て、家も広くてと。中国語を話せない祖母が、使用人達を叱る時に使った呪文のような中国語らしき言葉の事を、母はよく話しています。興味深いエピソードとしては、祖父が祖母に美容整形を受けさせたという事。(お祖母ちゃん、内緒話を漏らしてゴメンネ。時効って事で。)今の時代なら珍しくもないですが、当時美容整形など受ける人は稀だったのではないでしょうか。費用もかなり高額だったと思います。「奥さんが綺麗になれるようにと、美容整形させてくれるなんて、優しくてハイカラなお祖父ちゃんだったんだね~。」と思わず感心。本当に優しい人柄で、母も祖父に叱られた事が全然無かったとか。今でも「親から貰った体にメスを入れるなんて」などと黴臭い意見を吐く人もいる中で、なんと進歩的な祖父だったのでしょう。その祖父がチフスで急逝したのが、昭和十九年の事。祖母は子供達を連れて内地に戻った訳ですが、翌年には終戦。満州に取り残された日本人がどうなったかは周知の事です。一家の大黒柱を失って、帰国した祖母のその後の苦労は、言葉では語りつくせませんが、もし祖父が終戦まで存命だったら、一家は無事に帰国できたかどうか。何が不幸で何か幸いなのかと、運命の皮肉を感じました。戦後、母の一家は裕福な家庭から赤貧の生活に。祖母は子供達を養う為に、文字通り朝から晩まで働きづめ。ずっと良い所の奥様だった祖母が、子供達を育てる為に必死に働き続けた。その生き様が映画の主人公波子と重なったんですよね。小説にはならないけれど、あの時代、物凄く沢山の「波子」が居たのだろうなぁと。今になって、もっと祖母に色々な話を聞いておけば良かったと後悔しています。私にとっては、「お祖母ちゃん」という認識しかありませんでしたが、祖母も過酷な時代を生き抜いた一人の女性だったんですよね。ぬるま湯に浸かってぐちぐち言っている私などには、想像も付かないような壮絶なドラマがあったでしょう。語り継がなければ、消えてしまうドラマが。もし話を聞けるような人が周りに居るのなら、色々と聞いてみてほしいです。そして記憶に留めている人は、何かの形で残してほしい。私「ねえ、お母さん。戦時中の事、小説に書いてよ~。後世の為に書き残すべきだってば。」母「なん~も覚えてないわ。ははは…」かくして、母の小説で長閑な印税生活を送ろうと目論んだ私の小さな夢は、儚く消え去ったのでありました。ちゃんちゃん(笑)
Jan 29, 2004
2/7より全国東宝系にて公開。監督・・・降旗康男出演・・・常盤貴子、伊勢谷友介、香川照之、布袋虎泰、他。・物語序盤・昭和20年、満州・牡丹江。満州でも有数の造り酒屋である森田酒蔵に、関東軍の兵士が詰め掛けてきた。開門せよと怒号を飛ばす兵士達に従って、女主人の森田波子は彼等を庭内に入れる。兵士達の目的は、森田家の家庭教師をしているロシア人女性エレナだった。エレナはロシアのスパイだという事で処刑される事に。彼女の首を撥ねたのは、波子の知人で関東軍の諜報員・氷室だった…。時を遡る事、十一年前。波子は夫・勇太郎と三人の子と共に、新天地である満州にやってきた。見渡す限り地平線しか見えない広大な台地。案内してきた陸軍中佐・大杉は田舎過ぎて驚いただろうと言うが、波子は地の果てとは素晴らしいと目を輝かせる。その後、勇太郎と波子夫妻は、かつて誓い合ったように、満州の地で造り酒屋として大成する。しかし徐々に日本の戦況は悪化し、彼等の安泰な生活にも過酷な時代の波が押し寄せてくる…。なかにし礼氏が実体験を基にして書いた小説の映画化です。撮影を中国東北部で行った事もあり、満州の広大さ・圧倒的な大陸の風景が堪能できました。主人公のモデルとなるのは、なかにし氏の母親ですが、非常に逞しい女性です。それと共に、とても進歩的で開放的な婦人でもあります。日頃贔屓にしてもらっている関東軍への慰労の為の園遊会で、真紅のドレスを纏いワルツを踊る波子。多くの女性が、もんぺ姿でお洒落など許されない時代です。ハイカラな女性だったのでしょうね。恋愛にも奔放で、かつての恋人である陸軍中佐と怪しいムードだったり、若い諜報員の氷室にも惹かれたりと、自分の意志のままに生きてゆきます。でも厭味は全く感じませんでした。時代の荒波に立ち向かい、子供達を守りながら、懸命に生きようとする強い意志があったからでしょうね。守ると言っても、一方的に保護するのではなくて、「子供でも母親に頼りきるな。自分で生きようと強く思うんだ」と教え込む厳しさが、生温い時代の母親にはない凛々しさを感じさせました。一人一人精一杯生きていなければ、すぐに死んでしまう時代だったんですものね。彼女に関わる男達が全て潔い死を選択してゆく中で、人間の価値は生き抜く事にあると執念を燃やす波子。贖罪と言って死を選ぶ事は逃げでしかない。生きてこその勇気・強さであるという彼女の信念を強く感じました。映画は波子達が満州を去る所で終わりますが、この後も壮絶な人生があったのだろうなぁと想像してしまいます。なかにし氏の別の小説「兄弟」では、凄絶な兄弟関係が描かれていますが、それがこの作品の途中で出征した兄であると考えると、感慨深いというか、戦争の重々しい傷跡を思わずにはいられませんね。氷室役の伊勢谷さんですが、途中で阿片中毒になります。それがとても顔色の良い艶々とした中毒患者で(笑)。モデル出身で顔が命なのかもしれませんが、患者を演じる時は窶れる位のプロ根性は見せてほしかった。あと中国人役で出てきた大杉漣の、中国訛りっぽいけどとても流暢な日本語には苦笑しました。何故普通に中国人俳優を起用しなかったのか謎です。全体的にはなかなか良かったと思います。でも波子って、実は結構悪い女なんですよ。それくらいの根性が無いと、生き抜けないですけどね。エンディングのテロップ、俳優や関係者の名前が全部手書きでした。それぞれ筆跡が違うので、多分全て自筆なのでしょう。細かいけれど、お洒落だなぁと思いました。
Jan 28, 2004
最近、コンスタントに読書してます。一時期全然読めなくて、自信を喪失していたのですが。電車の中で本を広げて、いくら読んでも頭に入らず、気持ちが苛々…。今は寝る前にお布団の中で読むと、リラックスして読み耽る事が出来ると発見して、毎晩読んでます。でもつい夜更かししてしまうのが難点ですね。「エンダーのゲーム」"Ender’s Game"著者・・・オースン・スコット・カードハヤカワ文庫・物語序盤・人類はバガーと呼ばれる知的地球外生物によって、侵略を受けていた。これまで二度の侵攻は辛うじて撃退できたものの、次なる侵攻を防ぐのは困難だった。迫り来る第三次攻撃に備え、アメリカ合衆国は、優秀な司令官を育成する為のバトル・スクールを設立。資質を見込まれる少年・少女達を見つけ出しては、密かにテストを行っていた。ウィッギン家のアンドリュー(エンダー)もその一人。人口抑制政策の為に、本来ならば出産を許されない筈の、三人目の子供サードだったエンダー。かつて彼の兄ピーターと姉ヴァレンタインも、司令官候補としてモニターテストを受けていた。エンダーも一度はモニターを外され、兄弟同様不合格になったかに思われた。しかしある日、バトルスクールの長を務めるグラッフ大佐が、彼を迎えに来る。かくしてエンダーは地球を離れ、小惑星帯にあるバトルスクールに向かう事に…。1985年度に、ヒューゴー&ネビュラ賞のダブルクラウンに輝いた有名なSF小説です。ずっと以前に、カードの処女作である短編の「エンダーのゲーム」を読んで、非常に引き込まれたのを今でも覚えています。(短編版はハヤカワ文庫「無伴奏ソナタ」の中に収録。残念ながら絶版。)それから、いつか長編も読んでみたいと思いつつ、とても長い年月が経過してしまいました。短編の方は、緊迫した戦闘シュミレーションが次々に行われて、ずっと興奮状態で一気読みといった感覚でしたが、長編では、エンダーの兄弟や対戦するバガー達についての記述もあり、心に沁みる作品に仕上がっていましたね。同著者の「ソンクマスター」に類する寂寥感を秘めた優しさのようなものを感じました。(これもハヤカワ文庫より発行された名作。悲しいかな絶版。)エンダー・シリーズでは次の「死者の代弁者」も、翌年度のヒューゴー賞・ネビュラ賞を獲得という快挙を成し遂げていますね。その後もシリーズは続き、「ゼノサイド」、「エンダーの子どもたち」、「エンダーズ・シャドウ」、「シャドウ・オブ・ヘゲモン」がハヤカワ文庫より刊行されています。
Jan 26, 2004
楽天フリマに不要になった物を以前から出品しているのですが、今日は身内の依頼品という事で、エロ小説!を多数出品しました。自分のブースはこちらのサイトにもリンクされるので、ちょっぴり恥ずかしいぞ(笑)。普段からこんな本を読んでるスケベ女だと誤解(?)されたらどうしましょ。いえ、個人的にエログロ、ノープロブレムですけど。でもこの本達は私が買ったんじゃないよ~。(弁解すると余計に怪しいかも…)エロ小説を読みたい方は買って下さい f(^O^;)まとめ買いすると送料がお得ですよ。まだ反映されてない模様です。興味のある方は暫くしてから覗いてみてね(笑)
Jan 25, 2004
日程的には「赤い月」より後ですが。公開は2/7です。公式サイトhttp://www.loveactually.jp/ 19人が織り成すそれぞれの恋愛模様。ヒュー・グラント、エマ・トンプソン、リーアム・ニーソン他、豪華スターが勢揃いの話題作です。恋愛やコメディー映画は苦手な部類なのですが、評価も高い作品なので、頑張って行ってきます。ってまだ先ですけどね。
Jan 24, 2004
「赤い月」公式サイトhttp://www.akaitsuki.jp/ 2/7全国ロードショー。主演は常盤貴子、原作はなかにし礼です。邦画は殆ど観ない私ですが、常盤貴子は結構好きなので。大コケしない事を祈っております。戦中・戦後の満州、激動の時代を生き抜いた人々の物語、ジャンル的に大好きなので、少し期待しても良いかな。
Jan 23, 2004
"GLOOMY SUNDAY - EIN LIED VON LIEBE UND TOD" 監督・・・ロルフ・シューベル 出演・・・エリカ・マロジャーン、ステファノ・ディオニジ、ヨアヒム・クロール、ベン・ベッカー、他。 ・物語序盤・第2次世界大戦直前のハンガリーはブダペスト。ユダヤ人ラズロは美貌の恋人イロナと、レストランを開店させる。二人は、ピアニストのアンドラーシュを雇い入れる。アンドラーシュはイロナに心を奪われ、彼女の為に自ら作曲した曲を捧げた。イロナの心は徐々にアンドラーシュに傾く。一方レストランの常連客だったハンスも、イロナに思いを寄せていた。ドイツに発つ直前、ハンスはイロナに求婚するが断られる。失望して衝動的に橋から身を投げたハンスを助けるラズロ。ハンスはラズロに感謝しつつ、ドイツへと旅立った。イロナはアンドラーシュと恋愛関係になるが、ラズロは彼女を失うよりは、アンドラーシュと共有する形でもイロナとの関係を続けたいと望む。微妙なバランスを保ちながら交際を続ける三人。そんな中、以前アンドラーシュが作曲した曲が、音楽関係者の目に留まり、レコーディングされる事になる。憂いを含んだ甘美な旋律は人々を魅了し、その曲「暗い日曜日」は世界中で大ヒットする。しかしその一方で、この曲を聴きながら自殺する者が続出し、「暗い日曜日」は自殺を誘発する曲として非難されてしまう。
Jan 22, 2004
"THE RECRUIT" 公式サイト・・・http://www.movies.co.jp/recruit/ 監督・・・ロジャー・ドナルドソン 出演・・・アル・パチーノ、コリン・ファレル、ブリジット・モイナハン、ガブリエル・マクト、他。 ・物語序盤・マサチューセッツ工科大学(MIT)学生ジェイムズ・クレイトンは、天才的なプログラミング技術を持つ優秀な人材で、大手企業からも引く手数多なエリート。ある晩、彼のアルバイト先であるバーに、バークという男が現れる。彼はCIAのリクルート担当者で、ジェイムズをCIAにスカウトしにきたと話す。かつて飛行機事故で死亡したとされるジェイムズの父親は、表向きは石油会社の社員だったが、CIAの秘密工作員(NOC)という顔も持ち合わせていた。以前から父親の死の真相を調べていたジェイムズは、悩んだ末にバークの誘いを受ける事にした。試験会場に集まった大勢の就職志願者の中に混じり、採用試験を受けるジェイムズ。難関を通過したジェイムズ他の者達は、訓練生としてファームと呼ばれる訓練施設に連れて行かれた。彼等を待ち受けていたのは、ベテラン教官でもあるバークだった。どうしたら本職のスパイになれるか知ってますか?CIAに就職しただけではダメですよ。そして一口にスパイと言っても、ランクがあるのです。スパイ志願者の方は、この映画を観ましょう(笑)という事で感想をば。以前、同じくコリン・ファレル主演の映画「SWAT」という作品がありましたが、少しそれを思い出しました。あの作品はSWATとは何ぞやという、一種の解説映画でしたが、この「リクルート」ではCIAの組織やスパイになるにはどういう手順を踏めば良いのかを、丁寧に観せてくれます。 当然と言えば当然ですが、CIAの工作員でも、一般の企業のように、ちゃんと就職試験があるのですね。ジェームズ・ボンドはイギリスのスパイですけど、彼も若い頃、せっせと就職試験を受けて合格したのかなぁ、なんて想像したりして違和感が(笑)。この作品を作るに当って、CIAの方も協力したとの事ですので、試験から採用や配属の仕組みなど知られざる一面を垣間見られた事はなかなか興味深かったですね。そして一本の娯楽作品としても纏まっています。一体何が本当なのか、誰が味方で誰が敵なのか…。「何一つ信じるな、自分の五感でさえも」まさにこのルールの通り、観ている側も、誰も何も信じられなくなってゆきます。トリッキーでスピード感もありましたし、最後まで飽きずに楽しめました。笑えたのは、コリン演じるジェームズの超人ぶり。頭脳明晰、運動能力抜群。養成所で射撃訓練の時、全弾的の中央に命中させた時は、「コイツ、確か工科大学の学生だったよな…。」と思わずツッコミ。何者だ、お前は…?確かにスカウトされるだけの事はあるけど。しかし、バークがジェームズに拘った理由は、結局の所、あまり納得は出来なかったですねぇ。その辺の説得力は薄かったです。ただアル・パチーノは例によって、少し草臥れた渋いおじさんを上手く演じていました。映画の最後に熱弁を振るうのも、彼の十八番ですね(笑)。この作品では控えめでしたが。
Jan 21, 2004
"RUNAWAY JURY" 監督・・・ゲイリー・フレダー 原作・・・ジョン・グリシャム『陪審評決』(新潮文庫刊) 出演・・・ジョン・キューザック、ジーン・ハックマン、ダスティン・ホフマン、レイチェル・ワイズ、他。 ・物語序盤・ニューオーリンズのとある証券会社。社員達が出社して間もない朝、突然オフィスに銃声が響き渡った。訳も分からぬまま逃げ惑う社員達。犯人は銃を乱射し続け、16人を死傷させた上、自らの命を絶った。犯人は前日解雇された証券会社の元社員だった。それから二年後。その惨劇で夫を失った未亡人が、地元の辣腕弁護士ローアを雇って、銃の製造メーカー・ヴィックスバーグ社を相手に民事訴訟を起こした。企業側は万一敗訴して判例を残せば、同様の訴訟が各地で起こり、致命的な大打撃を受ける事になる。絶対に負けられない被告側の切り札は、伝説の陪審コンサルタント、フィッチだった。陪審コンサルタントの仕事は、裁判で勝訴する為に、自分達寄りの評決を下しそうな陪審員を選出する事。ちょうどその頃、ゲームソフト店の店員ニックの元に、この裁判の陪審員に選定されたという通知が届いていた。陪審員など面倒臭いので、上手く免除してもらえる弁解は無いかと同僚達に相談するニックだが…。 原題の中の"jury"は「陪審」という意味です。日本の司法制度には陪審員制度はありませんが、アメリカの法廷モノを観れば必ず出てくるので、わりと馴染みはありますよね。でも陪審コンサルタントという職業は、聞き慣れない仕事です。私はこの作品で初めて存在を知りました。審理では被告・原告側双方とも、明らかに偏見を持っているような問題人物を予め排除する為、選出された陪審員達の採否を決める事が許されています。アメリカの裁判では陪審員の評決が重要視される為、この事前の採否決定が審理の勝敗を分けると言っても過言ではありません。そこで登場するのが、陪審コンサルタントという訳です。彼等は、選定された陪審員候補達を徹底的に調査し、審理でどちら寄りの評決を下すかを見極めて、採否の指示を出します。訴訟王国アメリカらしい職業ですよね。前置きが長くなりました。作品は被告・原告、そしてこの陪審員制度を利用して大金を手にしようとする謎の男女ニックとマーリーという三つの要素が絡み合って、互いに駆け引きをし合う三竦みの状態を非常に巧みに描いています。法廷サスペンスとして佳作だと思いますね。陪審員達の心を操る事で、判決を商品とし、原告・被告の両方に売り込む二人組。ジョン・キューザックも良かったのですが、マーリーを演じるレイチェル・ワイズの存在感が大きかったです。共演の大物俳優達に負けない力演でしたね。テンポ良く進む物語も、三者の心理戦と時間との戦いを上手く演出していて、最後まで緊張感を失いませんでした。一言で言って、とても面白い作品でした。ただ少し残念というか、個人的に引っ掛かったのは、企業を悪者と捉える視点。民事訴訟というのは、刑事訴訟のように極悪な犯罪者と気の毒な被害者が存在するものではありません。原告と被告は、訴えた側と訴えられた側という立場の違いこそあれ、互いの正義は同等のレベルにある筈。大企業対個人と聞けば、ついつい悪徳企業を相手に勝ち目の無い戦いを挑む非力だが善良な市民と思いがちですが、それは違いますよね。製造物責任が非常に厳しく問われる、アメリカらしいと言えばその通りなのですが。こうあってほしいという製作者の願いなんでしょうね。でも敢えて、その個人的感情は作品から排除してほしかったです。という事で、ラストがくどくなければ、もっと評価は高かったかな。でもなかなかの力作でした。
Jan 20, 2004
"Nuovo Cinema Paradiso" 監督・・・ジュゼッペ・トルナトーレ 出演・・・フィリップ・ノワレ(Alfredo)、ジャック・ペラン(Salvatore)、サルヴァトーレ・カシオ(Salvatore (child))、マリオ・レオナルディ(Salvatore (adolescent))、アニェーゼ・ナーノ(Elena)、他。89年カンヌ映画祭審査員特別大賞受賞 ・物語序盤・ローマ郊外。夜遅く帰宅した映画監督のサルヴァトーレ・ディ・ヴィータは、留守中に母からアルフレードが死んだという電話がかかっていたことを知らされる。その名を耳にしたサルヴァトーレの脳裏には、シチリアのジャンカルド村での少年時代の思い出が甦るのだった。当時トトことサルヴァトーレは、母マリアと妹の三人暮らし。父親は戦争でロシアに行ったきり行方不明だった。トトが夢中になっていたのは映画。トトは映写技師のアルフレードと仲が良く、いつも映写室に入り浸っていた。映画上映の前には、必ず司祭の検閲があり、キスシーンなどの淫らな映像はカットされていた。切り取られたフィルムをこっそりと持ち帰っては宝物にしているトト。トトはアルフレードのような映写技師になりたがっていたが、母親は息子の映画狂いをあまり歓迎していなかった。映画史上に残る名作の一本として名高い作品なのですが、実は今回が初見でした。以前途中まで観たことはあるのですが、退屈な映画だなぁとやめてしまいました(笑)。そして漸くこの度、最後まで観通したのですが…。どうも完全版の悪い所が出てしまったような気がしました。劇場公開版というのは、複数の関係者が関与して、興行に耐え得る作品として、不要な部分はカットし、丁度良い塩梅に仕上げたものな訳ですが。はっきり言って長くて、メリハリが無い…。確かに監督の意図を知る上では、収録された全てのシーンを観た方が良いとは思います。監督にとっては、全てが大切なシーンですから。でもこれを観ていて、やはり独断は控えて、色んな人の意見を聞くものだと思いましたね(笑)。トトとアルフレードの友情とも親子愛とも言える絆には、心が温まります。狭い世界の中だけのちっぽけな人生を顧みて、トトには田舎から離れて、もっと広い視野を持った大人になってもらいたいと望むアルフレードの思いもよく分かります。トトが映画監督として大成できたのは、アルフレードが背中を押してくれたから。しかし同時に、トトは若き日に失った恋を忘れられず、結局心から愛し合える伴侶や子供達には恵まれなかった…。自分の成功は嬉しいけれど、心のどこかで愛する家族を得られなかった侘しさは残る。無論、世の中には愛と成功のどちらも手に入れてしまう器用な人種も居ますが。トトと母親との会話の中で、母親が「誠実な人間は孤独なのよ」と語る言葉は深く響いてきました。三十年ぶりに帰郷した息子と母親の会話は、親の愛と懐の深さをひしひしと感じましたね。兄妹は成長してしまうと他人になってしまうけれど、親子っていつまでも親子なんだなぁと。ラスト近く、思いで深い映画館が取り壊されるシーンで、老人達が涙ぐむ一方、若者達はイベントを見物するように笑っていた所も対称的で印象に残りました。彼らが年老いた時には、彼等の若かりし頃の思い出が刻まれたもの達を眺めながら、感慨に耽ったりするのでしょうね。かくして時は流れゆく、でしょうか。
Jan 18, 2004
久し振りにコミックス話を。著者・・・芳崎せいむ 発行・・・少年画報社・YKコミックス 既刊二巻まで。・解説・2000/10/30に、少年画報社「YOUNG KING OURs」の増刊として発売された少女コミック誌「OURs girl(アワーズガール)」に掲載された作品の一つ。雑誌は季刊で“男もハマる少女マンガ”がキャッチフレーズだったが、現在は発刊されていない模様。 作品は一話完結形式。舞台になるのは「金魚屋」という古本屋。簡単に言えば、漫画愛好家の楽園のような古本屋です。そこに行けば、どんな漫画も手に入るというマニア垂涎の店。勿論、今時の大手古書店のような、適当な値段の付け方はしておりません。古ければなんでも百円とかね。これはこれで掘り出し物を安く買える喜びを味わえるのですが(笑)店の経営者は創設者の孫娘・菜月、そして漫画にあまり精通していない彼女を支えるのが、目利きの店員・斯波。この古書店を中心に、ここを訪れる客達の悲喜こもごものお話が毎回展開するという漫画です。各話、じわ~っと心に沁みてくるストーリーが、良い味出してます。絵柄は今風過ぎず古風過ぎず、どの年代からも受け入れられると思います。ペンタッチはとても細くて繊細ですね。背景も丁寧に描かれています。一話目に取り上げているのが「サイボーグ009」という辺り、著者は若いわりに渋いなぁと笑えます。携帯の着メロが「誰がために」というネタが、中間世代という感じで個人的にニヤリ。「赤~いマ~フ~ラー、なび~か~せて~」だったら、年代が上がり過ぎですが。漫画好きの方は、是非一度読んでみて下さい。そうでない方も、お話がしみじみしていていい感じなので、すんなり読めると思います。
Jan 16, 2004
「ニューオーリンズ・トライアル」公式サイトhttp://nt.eigafan.com/ 原作はジョン・グリシャム。出演は、ジョン・キューザック、ジーン・ハックマン、ダスティン・ホフマン他です。前評判もなかなか良いので、ちょっと期待してます。骨太の法廷劇だと良いけれど。今年になってから、まだ大きなスクリーンで映画を観ていません。これが一発目になりそうです。
Jan 15, 2004
"FINAL FANTASY THE SPIRITS WITHIN" 監督・・・坂口博信 声の出演・・・ミン・ナ、アレック・ボールドウィン、ジェームズ・ウッズ、スティーヴ・ブシェミ、ドナルド・サザーランド、他 ・物語序盤・ 西暦2065年。人類は隕石と共に襲来した地球外生命体“ファントム”によって、滅亡の危機に瀕していた。ファントムを研究している科学者アキ・ロス博士は、時折彼等の夢を見ていた。それは彼女に何かのメッセージを伝えているようだったが、その真意は謎である。アキは共同研究者であるシド博士と共に、ファントム対策に有効であると考える「スピリット」を収集する為、危険な地上での探索を行っていた。ある日ファントムに包囲されたアキを救ったのは、彼女の旧友グレイ大尉の率いる兵士達だった。ファントムに侵食されたグレイを緊急手術によって救うアキ。今や地球各地のバリアシティに隠れ住む人類は、ファントムに対する対抗策について、日々議論を続けていた。徹底的な武力での攻撃を主張するハイン将軍。シドとアキは、武力攻撃では地球=ガイアをも傷付けてしまう恐れがあると反対するが…。フルCGによって作られた「ファイナル・ファンタジー」のオリジナル・ストーリー。公開当時、非常に話題になったので、あまり説明は要らないと思います。興行成績が不振だったのが残念ですね。酷評も多いですが、話題作の宿命でしょう。その他、ストーリーや世界観が少々理解しづらかった事も、不評の一因だったと思います。ですが個人的には、わりと好きな作品です。全世界向け作品という事で、登場人物や物語をゲームの時より大人っぽくしてありますが、根底に流れる精神は正に「ファイナル・ファンタジー」だったと思います。つまり地球、そしてあらゆる生命への賛歌。全てに対する愛、全てに対するyes。それが脈々と続く「ファイナル・ファンタジー」シリーズの中核だと、私は考えているのですが。この作品では、全て地球上の生物はその生の間、知識や経験を蓄え、生命の終わりには、それらが地球(ガイア)に戻り、スピリットとして新たな命へと受け継がれてゆくという思想を基本としています。この辺りは輪廻転生に近い思考ですね。ファントムの正体についても、如何にも「ファイナル・ファンタジー」っぽいなぁと、私は思いました。精神の残骸とでも言いましょうか。「FFX」でもこれに似た発想がありましたね。その他、シドという名前の人物は絶対に出てくるという点も、FFでのお約束(笑)。改善してほしいと思った点は、アキと共に行動する兵隊の描き方。「エイリアン2」と被り過ぎです…笑。部外者のアキとそれを守る兵士達という構成からそうなんですけど、内部の構成メンバーもちょっとステレオタイプ過ぎました。お決まりの男勝りの女隊員や道化役のお喋りな隊員など。深い世界観を考えるなら、キャラクター設定にも拘ってほしかった。最後のスピリットがアキとグレイの間に生まれた新しい生命だというのは、かなり曖昧な表現でしたね。そう解釈しているのですが、それで良いのかな?エンディングも、希望を持たせつつも何処か物悲しい終わり方というのが、またまたFFらしかったです。
Jan 13, 2004
"Existenz" 監督・・・デイヴィッド・クローネンバーグ 出演・・・ジェニファー・ジェイソン・リー、ジュード・ロウ、イアン・ホルム、ドン・マッケラー、ウィレム・デフォー、他。・物語序盤・近未来のアメリカ。巷では、脊髄に穴を開けてバイオポートを取り付け、そこにゲームポッドを差し込んで遊ぶ、仮想現実ゲームが流行していた。 今日は、新作ゲーム「イグジステンズ」の発表会。期待に胸膨らます参加者の前に、天才ゲームデザイナーのアレグラ・ゲリーが登場する。会場内から選ばれた体験者達に、ゲームをダウンロードするアレグラ。しかし突然、一人の客が隠し持っていた武器で、アレグラに発砲した。警備員のテッドは、彼女を連れてその場から避難する。この事件の背後には、会社も絡んだ陰謀があるらしい。自分のゲームプログラムが損傷した可能性があるので、至急チェックしなければならないと迫るアレグラに、テッドは渋々バイオポートを装着する羽目に…。日進月歩のゲーム業界ですので、今観ると少し感覚が古いかなという気はします。アメリカ映画らしい、と言うかクローネンバーグらしい、グチャグチャの物体が沢山出てきて、グロテスクな雰囲気が満載でした。天才クリエーターが作ったゲームという設定ですが、肝心のソフトの内容に全く魅力を感じなかった点は痛いです。あのゲームは、多分誰も買わないと思いますよ(笑)。ぶよぶよしたバイオポートとゲームポッドも、新しいんだか古いんだか…。近未来なんだから、そもそも線で繋ぐという発想がなんとも…。主軸となるテーマが、仮想現実の脅威とそれに対する警鐘ですので、その辺も流行りの思考を扱った作品の弱点を曝け出しています。「現実と区別が付かなくなる仮想現実は有害だ。だからそれらを作り出すクリエイター達を粛清しろ。」その思考回路自体が安直すぎて、共感する事ができません。もう一捻りほしいですね。観ている側も、ゲームと現実の境界線が分からなくなる手法は巧みだったと思います。ラストまで観ても、まだゲームの続きなのかと錯覚させる辺りは上手い。将来、人間の神経系に直接アクセスして、自分の五感で体験するようなゲームは開発されるのでしょうか?それが実現した時、人間の感覚は、正にこの作品のように、どれが現実であるか判別できなくなるでしょうね。実際誰もが一度は空想するゲームなので、怖いけれどやってみたい気持ちはあります。
Jan 12, 2004
"The Man Who Wasn’t There" 監督・・・ジョエル・コーエン、(イーサン・コーエン) 出演・・・ビリー・ボブ・ソーントン、フランセス・マクドーマンド、マイケル・バダルッコ、ジェームズ・ギャンドルフィーニ、他。2001年カンヌ国際映画祭最優秀監督賞、同年ナショナル・ボード・オブ・レヴュー最優秀主演男優賞、同年ロサンゼルス映画批評家協会最優秀撮影賞ほか受賞。 ・物語序盤・ 1949年、北カリフォルニアのサンタ・ローザ。エド・クレインは、妻の弟フランクの経営する小さな理髪店で働く寡黙な床屋。家庭は妻との二人暮らし。そこそこの生活に満足すべきなのだろうが、お喋りな義弟と退屈な仕事をこなすだけの日々に空虚な思いを感じていた。妻ドリスはデパートで帳簿係をしていたが、上司のデイヴと浮気をしている様子だった。しかし彼女の人生なのだから、別に腹も立たない。ある日、床屋の閉店時間になってから、一人の男が髪を切ってくれと入ってくる。店じまいだと断るフランクに代わって、エドは彼の髪を切る事に。男はトリヴァーという名の起業家で、当時はまだ知られていなかった活気的な洗濯方法ドライ・クリーニングについて話し、店を開く為の資金交渉に来たが無駄足だったと言う。帰宅したエドは、胡散臭いと訝りつつも、トリヴァーの話が気に掛かる。もしかしたらこの空しい人生から抜け出せる千載一遇の好機かもしれない。そう考えたエドは、開店資金を得る為、デイヴに不倫を暴露するという匿名の脅迫状を送り付けた…。原題が示すように、主人公エドはここに存在しない男。現実感が無く、いつも別の世界に生きているような人間です。彼にとって現実は、ヴェール越しに見える自分とは関わりの無い空間。まるで映画でも観るように、自分の人生すら常に第三者的な感覚で捉えている。この辺の感覚が、自分とオーバーラップしました。私も自分自身を誰かの夢の登場人物のように感じる事が多々あるんです。目が覚めたら、私は居ないんじゃないかと…。living another daysってやつですかね。自分の意識とは無関係に、伸びては切られ捨てられてゆく髪達。それは意味も価値も無いままに生きて、やがては終わる自分の人生と同じ。映画の中の主人公の回想で、夫婦の馴れ初めの話があるのですが、それが心に残りました。ドリスは会ってから二週間後に結婚しようと言ってきた。エドは自分を知らないのにと困惑する。「知れば魅力が増すの?」とアンタ馬鹿?という顔で尋ねるドリス。その程度で男と女は暮らせるのだ、とエドは語る。エドが自分の今を愛せない男なら、別の意味でドリスもまた現実を愛してはいない。エドは別の人生を夢想するが、ドリスは所詮くだらないと分かりきっている人生という現実を、それなりに楽しもうとしている女。諦観からくる開き直りみたいなものを感じました。無実の罪で逮捕されても、泣き喚くでもなく弁解するでもなく、ただ乾いた笑いを漏らすのみ。上司と浮気をして、彼に頼まれて店の帳簿を偽装しているような女なのですが、嫌悪感を感じないのも、彼女のなかにある冷めた心のせいでしょうね。映画は終始静寂で淡々と進みます。どのシーンも余韻を残して消えるので、途中で何度も、ここで終わるのかと思ってしまう場面が。しかし正直、もう終わっても良いよという位、長く感じました。実際には二時間弱なのですが、静かなので余計長く感じたのかもしれませんね。物語は因果応報のような形で終わってゆきます。最終的に主人公の幻想と現実が合致して彼が納得したので、結末としては良しでしょうか。凹む映画ではないですが、楽しい映画でもないですね。ノスタルジックな映像は美しく、この作品の雰囲気に合っていました。
Jan 11, 2004
"FEAR DOT COM" 監督・・・ウィリアム・マローン 出演・・・スティーヴン・ドーフ、ナターシャ・マケルホーン、スティーヴン・レイ、ウド・キア、他。 ・物語序盤・ニューユークの地下鉄構内を一人の男が歩いていた。彼は鼻や目から出血し、何かに怯えている様子だった。男はホームで少女が線路に降り立つのを見て、思わず線路に降りる。その後彼は電車に撥ねられて死亡した。事件の調査に現れたNY市警刑事マイクは、異様な男の死顔に疑問を抱く。警察署に戻ったマイクは、錯乱した一人の若者が警官達に連行される場面に遭遇する。若者は目から出血しており、恋人が死んだと叫んでいた。先刻見た男の死顔と同じ症状に、マイクは新種の伝染病ではないかと危惧する。若者の自宅に踏み込んだマイクは、バスタブで若い女の遺体を発見した。彼女も同様に顔面から出血していた。マイクは保険局の調査官テリーと共に、彼等の死因を調査する事に…。「リング」などのジャパニーズ・ホラーに、大きく影響を受けた作品で、恐怖の対象の重点を精神的・視覚的な物に据えています。一言で言えば"パクリング"(笑)です。サイトにアクセスした(見てしまった)人間が、一定の制限時間後に変死するというアイデアは、鈴木氏に使用料を払わないと苦情が来そうな程、「リング」そのもの。その他細かい部分も、相当似てます…。しかしパクリ疑惑は脇に置いて、一本のホラー作品として観た場合、結構楽しめる映画に仕上がっています。静寂感と共に視覚的恐怖を煽る端正な映像。短時間で切り替わる残虐シーンの数々。この監督は「TATARI」でも同様ですが、ストーリー以前に、各シーンの目と耳から脳に伝えられる情報によって、恐怖感を高める技術が巧みですね。無意識の内に、不気味な気分になってきます。ところでアメリカ人て、虫が好きですよね。ゴキブリで不快感を演出する手法は、個人的にやめてほしいんですけど。観ただけで寒気が…。体中にゴキブリを纏い、更に口の中からゴキブリを出して見せた女優さんの勇気に、私、敬服致しました。どんなにギャラ貰っても、絶対に出来ない…。ジャパニーズ・ホラーに色濃く影響された作品と書きましたが、事件を確り解決させて、起承転結のある勧善懲悪ストーリーに纏めたあたりは、やはりハリウッド的ですね。貞子の怨念の求めるものは謎ですが、この映画の怨念が求めるものは明快です。自分からぺらぺら喋ってくれますし。(アメリカ産ホラーの恐怖を削ぐ一因・・・幽霊が普通に話すという事を、この映画も踏襲していますが、それほど悪い方向には働いていないので救われました。)総合的には、上手く纏まっていて面白いホラーでした。ただ途中で水中に沈む遺体をテリーが見付ける所など、もう少し演出を変えられないものですかねぇ。その辺まで結構「リング」を忘れていられたのですが…。
Jan 9, 2004
プラットフォーム・・・DreamCast 発売元(開発元)・・・クレイジーゲーム 発売日・・・2001年03月29日 定価・・・5800円 概要とストーリー全てクリア出来たら賞金一億ドルという宣伝が売りの、ホラー・テーマパークの各アトラクションを巡り、無事に生還する事が目的のゲームです。アメリカの高校生エリコ・クリスティは、移動式お化け屋敷を経営している父を持ち、ホラー漬けの環境で育った筋金入りのホラーマニア。高校では生徒会長を務め、ホラー映画研究会部長もこなす人気者。ある日、同クラブの部員ミシェルが、ホラー・テーマパーク「イルブリード」の招待券を手に入れる。ミシェルと他の部員ケヴィン、ランディは喜び勇んで出掛けようとするが、エリコは「賞金一億ドル」など胡散臭いと言って辞退する。それから数日後。ミシェル達は出掛けたきり戻らなかった。行方不明の友人達を探しに、単身「イルブリード」へと向かうエリコ…。ハードがDCという事が災いして殆ど売れず、埋もれた名作になってしまったソフトです。カルト的な人気は高いけれど…。元々数が出なかったので、中古市場でもあまり見掛けませんが、見付けたら是非遊んでみて下さい。特にB級ホラー映画ファンの方は。ソフト自体のテイストも完璧にB級を意識しています。シリアスな雰囲気では無いので、そこは誤解の無いように。勿論、ゲームとしては良く出来ていますが。映画仕立てのお化け屋敷を歩きながら、行方不明の友人達を探すというものですが、どのアトラクションも何処かで観た様なストーリーです。ブラックなノリがお好きな方なら、思わずニヤリとしてしまうでしょう。血も激しく流れますが、それ自体がブラックジョークの様に感じられます。視覚・聴覚・嗅覚・第六感の四感センサーを頼りに、トラップやモンスターの出現に備えます。パラメーターも体力・心拍数・出血量・アドレナリンと四つ。それぞれに気を配っていないと死に繋がります。またパーク内のERでは人体強化手術も行えます。生身の人間なのに、変なパーツを埋め込んで良いのか…笑。これに限らず、全てにおいてインチキ臭~い香りが漂っています。こういうノリを愛される方はどうぞ。でもあまり小さなお子様にはオススメできませんね。ブラックジョークをジョークとして笑える年齢以上の方に。
Jan 8, 2004
監督・・・石井聰亙 出演・・・隆大介、浅野忠信、永瀬正敏、岸部一徳、他。 ・物語序盤・ 平安時代末期の京都。都は平家に支配されていた。しかし五條橋では、夜毎平家武者が鬼に襲われ、斬殺されるという怪事件が頻発していた。夢の中で鬼を退治するようにとお告げを受けた破戒僧・武蔵坊弁慶は、恩人である高僧・阿闍梨の忠告も聞かず、鬼切丸を手に鬼の征伐に向かう。一方、平家一門も一族の沽券に掛けて、鬼の成敗に乗り出す。果たして現れた鬼。しかしそれは鬼の面を被った三人の武者であった。そしてその正体は、遮那王こと源義経と、影者・芥子丸、護衛僧兵・剛人であった。彼等は源氏再興を誓って、都で殺戮を繰り返していたのだった。弁慶の気に只ならぬものを感じた遮那王は、彼との決着を付けぬ限り、奥州へ行き元服する事は出来ないと考え始める。あまりにも有名な弁慶と牛若丸の物語をモチーフに、新たに作り上げられた御伽噺。発案としては、なかなか面白いと思いました。ただ内容としては、弁慶と遮那王(義経)との対決でしかないので、これだけで137分という長さはかなり単調な印象が。中弛みする中盤部分をコンパクトに纏めていたら、もっと良い作品になったと思うので惜しいですね。弁慶との対決に執念を燃やし、源氏再興の悲願も忘れてゆく遮那王。最後には神仏までも切り倒し、徐々に鬼と化してゆく展開は面白い。そして因縁の五條橋での、「鬼」対「鬼」の対決…。義経に成敗されて弁慶が家来になったというバックボーンがあるだけに、どういう結末にするつもりかと観ていましたが。締め括り方は、個人的にあれで良かったと思います。殺陣のシーンは、わりと見応えがありました。鬼達が一振りの刀で防具も無しに、鎧で重装備した武者達をバサバサ斬り殺してゆくのは、時代劇を見慣れている人間にも、流石に有り得ない…という気持ちを喚起させましたが。まあ、その辺も含めて、御伽噺なので許せる範囲かな。血飛沫の色は、もう少し血液っぽくしてほしかったですね。ラストの五條橋でのガチンコ対決も、なかなかの迫力でした。全体的にはまずまずの娯楽作品ではないでしょうか。
Jan 7, 2004
"NO GOOD DEED" 監督・・・ボブ・ラフェルソン 原作・・・ダシール・ハメット『ターク通りの家』(『コンチネンタル・オブの事件簿』ハヤカワ・ミステリ文庫収蔵) 出演・・・サミュエル・L・ジャクソン、ミラ・ジョヴォヴィッチ、ステラン・スカルスガルド、ダグ・ハッチソン、他。・物語序盤・チェロが趣味の窃盗課の刑事ジャックは、隣人の婦人に懇願されて家出娘を捜索することに。聞き込みをしながらターク通りにやって来たジャックは、玄関先で老婦人が転倒するのを見て、思わず駆け寄って助け起こす。彼女の荷物を部屋の中まで運んだ彼は、老夫婦からお茶を勧められる。自分は警官で金髪で青い目の人物を探している所だと話したジャックは、突如背後から後頭部を強打されて気絶してしまう。彼を殴ったのは金髪碧眼の若い男だった。ジャックが足を踏み入れたのは強盗団のアジトで、男は彼を自分を探しにきた警官と早合点したのだった。椅子に縛られて身動きできないジャックの運命は…。サスペンスとしては、今ひとつの印象が否めないですね。緊迫感も無いですし、テンポも歯切れも悪い。これをサスペンスと考える事自体が誤りなのかもしれません。この作品は、エリンという一人の女性の動向を描いたドラマとして捉えるべきなのかも。所謂、悪女モノかと言えば、そうでもない。悪女・・・つまり計算高くて強かで、周囲の者達を意のままに操り、己の欲望を満たしてゆく女。彼女の行動を見ていると、一見これに類似しているかに思えるのですが、決定的に違う部分があります。それは彼女が行き当たりばったりな点。周りの男達を自分の性的な魅力で惹き付け、上手くその気にさせるのですが、その行動に遠方を見据える視点が感じられません。だから悪女サスペンスとして観ると、一貫性が無くて、一体どうしたいんだという消化不良な気分が残ります。でも、そもそも彼女にこれといった筋道など無いんです。……目の前に居る男を、取り敢えず手懐けて、その場を上手く乗り切ろう。その先が何処へ繋がるかは、自分には分からない。先の事など、その時に考えれば良いのだ。また適当にやれば、いつものように乗り切れるさ。……こんなタイプの女性でしょうか。例えるなら、浮遊しながら生きる寄生物体のようなもの。作品中ジャックが言っていますが、彼女自身、自分がどういう特質を持っているかはっきりとは自覚していません。悪意の無い悪女…。それこそが真の意味で魔性の女なのかもしれませんね。それにしてもサミュエル・L・ジャクソンは、女性に誘惑されたりする役が似合いませんね。ミラとのツーショットが不自然に思えました。しかし捉えどころの無いミラの容貌は、主人公の女性にぴったりでした。肉感の乏しいボディも。ミラって綺麗…。ぼーっとした雰囲気が好きです。
Jan 4, 2004
"DONNIE DARKO" 監督・・・リチャード・ケリー 出演・・・ジェイク・ギレンホール、ジェナ・マローン、メアリー・マクドネル、ドリュー・バリモア、他。・物語序盤・1988年、アメリカ・マサチューセッツ州ミドルセックス。高校生のドニー・ダーコは、精神を少し病んでいる青年。時折夜中に夢遊病のように、ふらふらと出歩いたりする。家族は両親と二人の姉妹。ドニーの精神状態は心配の種だが、家族の仲は良く、円満な家庭だった。ある晩、銀色の兎の着ぐるみを着た人物が現れ、ドニーを外へ誘い出す。兎はドニーに世界の終わりを告げた。残された時間は、28日6時間42分12秒。翌朝、ゴルフ場で目覚めたドニーが帰宅すると、なんと自宅の彼の部屋に飛行機のジェット・エンジンが落下していた。そして不思議な事に、そのエンジンが何処から落ちてきたのか、航空局も突き止める事が出来なかったのである。一言で言うと、とても面白かったですね。こういう不思議ムービー、大好きなんですよ。「メメント」と比較されたりしますが、物語としては一本道で分かり易いです。とは言え、あれこれディテールまで深く考え出すと、難解な部分も多々あるのですが…。多分、ストーリー全体としての解釈も、十人十色ではないでしょうか。「世界の終わり」。一人の人間にとって、この言葉は二通りの解釈が出来ます。一つは文字通り、地球の滅亡や人類の消滅などの終わり。そしてもう一つは・・・言わずもがなです。前者の終わりは、望んだとてそうそう訪れるものではない。という事は、この作品の意味する終わりは、自ずと後者に絞られてくる…。これは序盤でも推測できるのですが、だからと言って、この作品への興味は全く薄れません。如何にして、この結末へと物語を運んでゆくのか。観れば観るほど、画面の中に吸い寄せられてゆくような感覚に捉われます。ラストは素直に、「やられた」と思いましたね。切ないとか悲しいとかじゃなくて、「そう来るか~」という感嘆にも似た衝撃がありました。その他、仔細は語るべき映画ではないです。それぞれが自分の目で観て、自分で感じて下さい。ドリューはプロデュースも手掛けていますが、出演の方では脇役であまり目立ちません。金は出しても、でしゃばらないという姿勢は、大いに結構ですわ(笑)。ドニーの彼女グレッチェン役のマローンは、透明感のある美貌が素敵でしたね。
Jan 2, 2004
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