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6/10(土)より全国ロードショーです。"INSIDE MAN" 監督・・・スパイク・リー出演・・・デンゼル・ワシントン、クライヴ・オーウェン、ジョディ・フォスター、ウィレム・デフォー、キウェテル・イジョフォー、他。 ・物語序盤・ダルトンをリーダーとする4人組みが、白昼のマンハッタン信託銀行に変装して侵入し、銀行強盗として客や行員を人質に立て篭る事件が発生する。事件発生の連絡を受けたNY市警の警官フレイジャーとミッチェルは、上司に命じられて、交渉人役として現場に急行する。フレイジャーは以前担当していた事件で、事件絡みの金が紛失し、窮地に立たされていたので、汚名返上とばかりに張り切る。しかし犯人グループは用意周到に計画を立てており、なかなか隙を見せなかった。ダルトンは人質全員に、自分達と同じ服装をさせ、警察を翻弄する。事件の発生を聞いた銀行会長のアーサー・ケイスは、敏腕弁護士のマデリーンを呼び出す。犯人達が立て篭もっている支店の貸し金庫には、彼にとって人に知られたくない秘密が隠されていたのである。密命を受けたマデリーンは、市長に接触し、この事件に関与できるよう取り計らってもらう。 オープニングとエンディングに掛かる曲は同じなのですが、とても印象的な曲でした。あまり宣伝はされていませんが、何気にキャストが豪華なこの映画。大ヒットするようなタイプの映画ではありませんが、大人向けの渋い映画だったと思います。初めに出てくるのは、クライヴ・オーウェンの観客への語り掛け。何やら狭い場所に居て、自分は最近銀行強盗をやったと告白します。彼は逮捕されて牢獄の中に居るのでしょうか?それは映画を最後まで観てのお楽しみです。観終わっての感想は、なかなか良く練られた脚本だったなという気持ちと、何だかすっきりしない気分の両方でした。結局、誰も正義の味方じゃないんですよね。銀行強盗は当然悪人ですが、周りを固める連中も眉唾な人達ばかり。貸し金庫に絶対に知られたくない過去の秘密を隠している銀行家ケイス。ケイスの依頼を受けて、秘密の漏洩を防ごうとする女弁護士。そして、事件解決に向けて、犯人と交渉していた刑事。どいつもこいつも胡散臭い。そして全員が金や昇進の為に、臭いものに蓋をするように、秘密を闇から闇へと隠してしまいます。所詮、世の中そんなものと言ってしまえばそれまでですが、全て損得だけで片付けてしまう感覚に、抵抗を感じずにはいられませんでした。この映画の面白さは、人間同士の駆け引きと、それを少しずつ見せてゆく展開です。単純な銀行強盗に見えて、実は裏には隠された秘密がある。犯人達は全員が同じ服装で覆面をしていて、人質達にも同様の服装を強制する。観客もその格好に惑わされて、クライヴ・オーウェン以外、誰が犯人なのか判らなくなり、混乱してしまいます。ケイスの秘密が何なのかという事は、わりと序盤で分かります。この秘密は結構有り勝ちなネタです。でも話は簡単に進まず、最後までどうなるんだろうと見守らねばなりません。それなりの要求は出すものの、殆ど行動を起こさない犯人グループ。交渉役の警官は、別件でミスを犯したままで、何とかこの事件で手柄を立てたいと考えているが、事態は進展しない。その内、妙な女弁護士も割り込んでくるし、何かが可笑しいと気付く。まるで立て篭もる事自体が目的のような犯人グループの真の狙いとは…?この結末はどうよ?という爽快感の無さは引っ掛かりましたが、プロットそのものは面白いです。細かく考え出すと、無理がある部分も目に付いてきますが、良く出来た犯罪映画だと思います。(警察の対応は間抜けすぎとか、あの計画では絶対に逮捕されるとか、根本的なツッコミを考え出したら破綻する映画です。若干温かい目線で観るべしよ。)残酷なシーンなどは一切無く、頭を使って観るタイプの映画なので、血の苦手な方も安心して鑑賞できます。インパクトは若干弱いですが、後から色々と考えて、あれは何だったっけ?と頭を悩ませるタイプの映画ですね。↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。以下、ネタバレ。犯人グループは4人と思わせておいて、実は5人居ましたね。年配の男性は、銀行の客として居たユダヤ教のラバイだと思ったのですが、この点、もう一度確認したいです。ネタ的に、ナチスによるユダヤ人弾圧の過去が関っていたので、間違いないと思うのですが。実際ユダヤ人によるナチ狩りは今でも行われていますし、それをモチーフにした作品でした。他の部分も細かい部分で幾つか確認したい点があるので、もう一度ゆっくり観たいです。余程確り観ていないと、後からあれ?と思う部分が多い映画です。そういう点では、自宅鑑賞向きかな。銀行家は戦時下にナチスに協力して、私腹を肥やしていた訳ですが、ダイヤは取られるわ、危険な証拠品は取られるわ、弁護士にも小切手を脅し取られるわ、散々な目に遭っていましたね。事件は被害ゼロという理由で無かった事にされ、社会的地位は保たれましたが、一応罰は受けたから納得しろという事なのでしょうかねぇ。しかし警官も資産家ユダヤ人の遺品であるダイヤを追い掛けるまでは良かったけど、結局、事件解決の為じゃなくて、脅迫して昇進したかっただけなのかよ…というのは何とも。しかも銀行強盗から彼女にプロポーズする時の為のダイヤの石までプレゼントされて喜んでるしさ…。どいつもこいつも汚れてるって感じ。
May 31, 2006

"ANGEL-A" 監督、製作、脚本・・・リュック・ベッソン出演・・・ジャメル・ドゥブーズ、リー・ラスムッセン、ジルベール・メルキ、セルジュ・リアブキン、他。 ・物語序盤・パリに暮らすアンドレ(一応、国籍アメリカ)は、ギャング絡みの借金で首が回らない冴えない小男。あちこちから返済を迫られて、このままでは48時間後には殺されてしまう。絶望したアンドレは、アレクサンドル三世橋からセーヌ河に飛び込み、自殺しようと考える。しかし隣をふと見やると、同じように河に飛び込もうとする美しい女性が。彼女が身を投げたのを見て、とっさに助けようと、河に飛び込んだアンドレは、無我夢中で彼女を岸まで運び上げる。アンジェラと名乗るスレンダーな金髪美女は、アンドレを助ける為に身を捧げると言って、彼の後を付いて回る事に。 リュック・ベッソン監督が、「ジャンヌ・ダルク」以来6年ぶりに自らメガフォンを取った新作。主演のジャメル・ドゥブーズは「アメリ」にも出演したコメディアン。アンジェラ役のリー・ラスムッセンは、スーパーモデルとして活躍する女性。海外ではあまり相手にされていないが、日本では頗る有名・人気の監督リュック・ベッソン。プロデュース作品は多いですが、自ら監督をするのは、これで十本目。以前から、自分は生涯に十本しか映画を撮らないと宣言していた彼。本当にこれで引退するんでしょうか?その真偽はさておき、映画の感想をば。六年の沈黙の後の、記念すべき十本目の作品という大層なお題目を付けられると、少しばかり地味な印象は禁じ得ませんが、個人的にはなかなか良い感触の映画でしたよ。観る前は、普通のラヴ・ストーリーかと思いきや、ファンタジーなのですね。アンジェラは、その名の通り、本物の天使。窮地に立たされた冴えない男を救うミッションを与えられ、天から遣わされた天使だったのです。見た目は、スレンダーなボディにミニスカで、とてもセクシーな彼女。借金で命の危機に晒されているアンドレの為に、体を張って、お金を作ってくれます。でも実は、綺麗な顔に似合わず、暴力的だったりします。映像は全編モノクロなのですが、これがファンタジックな世界観にマッチしていたと思いますね。もしもカラーだったら、リー・ラスムッセンは色気と生々しさがありすぎたかもしれません。セクシーでありながら、何処か神秘的な雰囲気を漂わせるアンジェラを表すのに、モノクロの映像は相性が良かったと感じました。背の低いジャメル・ドゥブーズと、長身のリー・ラスムッセンのデコボコ・コンビがキュートでしたね。ジャメル・ドゥブーズは映画の中では特に触れられていませんでしたが、片手は義手ですよね。実際に義手なので、敢えてその部分には触れなかったのかもしれません。でもいつも片手をポケットに突っ込んでいたので、違和感を持った人も多かったと思います。ストーリーはまったりとしていて、特に凄いエピソードはありません。アンドレの為に、クラブで次々に売春して、お金を稼ぐアンジェラの行動には引きましたが、後で種明かしがあったので救われました。一風変わったアンジェラのキャラクターは、個人的にはマル。恋愛物というより、ファンタジー色が強くて、パリの風景もファンタジックな撮り方をしていたと思います。世間一般のウケは悪くて、あちこちで酷評されていますが、全く期待していなかったせいか、不思議な世界観に魅せられて、個人的にはわりと好きな作品となりました。リュック・ベッソン監督の、理想というか妄想の世界には違いないのですが…。エンディングはハッピーなのかは、微妙な所ですね。アンドレがダメダメな奴である事は変わりないし、あの後アンジェラと二人で幸せになれるのでしょうか?↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。
May 30, 2006

本日も昨日に引き続き、大量のコメントスパムが書き込まれました。明日以降も、この状態が続くと思われます。海外の訳の判らない連中に屈するのは、とても口惜しいのですが、現時点では個人レベルでは防ぐ手立てもありません。そこで無念ですが、書き込み設定を、「楽天・インフォシークユーザーのみの書き込み許可」に変更させて頂きました。従って、楽天ユーザー以外の方からコメントを受け取る事はできません。皆様、本当に申し訳ありません。コメントを残されたい方は、トップページに別途掲示板を設置してありますので、そちらをご利用下さい。楽天が有効な対策を講じてくれるか、事態が沈静化しましたら、またどなたでもコメントができるように設定し直したいと思っております。それまでご不便をお掛けしますが、宜しくお願い致します。↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。
May 30, 2006

最近、連日のように、英語のコメントスパムが書き込まれています。大体数件で、鬱陶しいと思いつつも、一つ一つ削除していました。「今日もスパムがあるんだろうなぁ~」と思って管理画面を開いてみたら、凄い量のコメントスパムが!数十件のコメントスパムが、短時間に続けて投稿されていました。管理画面の記録では追い付かない量のコメントなので、何処かに消し残しがあるかもしれません。どうして、今日に限って、こんなに大量に?と言うか、これから毎日こんな状況なんですかね?コメントを書き込めないように設定すれば、善意の方との交流ができなくなるし…。かと言って、毎日日課のように、一つ一つスパムを削除していくのかと思うと、憂鬱な気分になります。頭を抱えてしまいます。エロサイトのTBに続いて、今度は英語のコメントスパム。楽天さんも対応に苦慮していると思いますが、何とか対応策を考えてほしいです。半角のみの書き込みは禁止するとか、他のブログではあるそうですね。そういう事をできるようにしてほしい。宜しくお願いします、楽天さん。↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。
May 29, 2006

6/17(土)より全国ロードショーです。監督・・・出目昌伸出演・・・松平健、ブルーノ・ガンツ、高島礼子、阿部寛、國村隼、大後寿々花、中山忍、板東英二、大杉漣、泉谷しげる、平田満、市原悦子、オリバー・ブーツ、コスティア・ウルマン、他。 ・物語序盤・1914年、第一次世界大戦に参戦した日本は、ドイツの極東拠点である中国の青島を攻略した。この戦闘によって、ドイツ兵捕虜4700名が日本に送られてくる事に。彼等は日本各地の捕虜収容所に送還される。厳しい待遇が当然の収容所の中で、徳島県にあった坂東俘虜収容所だけは全く違った気風であった。所長を務める会津人の松江豊寿は、捕虜の人権を尊重し、寛容な待遇をしていた。捕虜達は、製パン所で作業したり、印刷所で新聞を作ったり、楽器を演奏したりと、多くの自由を与えられていた。また異文化との交流を目指して、地域の人々と触れ合う機会も作られていた。 試写会場では待ち時間の間、第九でも流しておけば良いものを、何故かマツケンの新曲"マツケンのAWA踊り"をBGMとして延々と流していました。全然映画と関係ないじゃん!何気に宣伝したいのは判るけど、そういうキャラから脱皮する為に、今度の映画に力を入れたんじゃないのか、マツケンは?今回の映画は飽く迄、俳優・松平健をアピールしたい筈なんですよ。そこにあのBGMは…。今では恒例行事のようになった、ベートーベンの第九の合唱。あれ、個人的には、ちょっと気持ち悪くて鳥肌なんですけど…笑。この超有名な曲が、日本で初めて演奏されたのは、何と第一次大戦下の捕虜収容所の中でしたというお話です。でも私が予想していたように、第九を演奏するまでの紆余曲折を描いた映画ではなくて、第九自体は最後にちょこっと出てくるアイテムのようなものでした。この映画は一応、実話を基に作られています。実在した人物と実在した俘虜収容所、そして第九の演奏会。収容所があった二年半の期間の間に起こったお話を、長閑なペースで描いています。映画としては、かなりのぬるま湯系です。性善説に立った人間描写で、出てくる人全員がいい人達ばかりです。最初に出てきた、日本軍の何人かは、ちょっと意地悪なタイプの人でしたが。板東英二が久留米の方の収容所の所長役で出てきた辺りから、この映画に期待するのはやめました。下手な演技と、非常に聞き取りにくい発音。何故、こんな人をキャスティングしたんですかねぇ?ともかく降伏したドイツ兵を卑怯者と考え、過酷な環境下で管理する板東英二所長の所から、遥々徳島の坂東俘虜収容所へ連行されてきたドイツ兵達。そこで待っていたのは、まるでパラダイスのような待遇。ここの所長である松江は、ドイツ兵を祖国を守る為に命懸けで戦った勇士だと褒め、彼等を同じ軍人として尊敬します。そして捕虜としては異例の条件で、彼等を優遇します。収容所は一つのコミュニティーとなり、中では飲酒さえも許可されていました。そんな平和な環境下で、ドイツ兵と地域の日本人は、戦時中というのも忘れたかのように仲良く交流する。色んな人物が登場して、それぞれにドラマが用意されているのですが、心を打つような深いものは一つもありません。非常に薄っぺらい脚本で、その脚本通りに動く俳優達を眺めている気分でした。決して悪い話ではないと思いますが、どの人の描写も甘くて、本当に物語の中の登場人物だなとしか感じられません。ブルーノ・ガンツも何の為に、こんな映画に出たんだか…。名前が大きく出ている割に、大した役ではありませんでしたし。松平健のドイツ語は悲惨でしたね。主役ならもう少し練習しろよ、と完璧なカタカナ発音に溜め息が…。それに比べて、彼の副官?補佐?役の國村隼さんのドイツ語は流暢でした。こればっかりは天性のセンスですから、仕方ない部分もあるのですが。「SAYURI」で少女期を演じた大後寿々花ちゃんが、ドイツ人と日本人のハーフの子供として登場しています。今回もまた青い目をしていました。この子、可愛いから好きなんですよね。クライマックスの第九は、カラヤンが指揮をした演奏を使用しています。明らかに吹き替えと判るので、画面から浮き上がっている音楽に気分は萎えます。別に音源として素晴らしい演奏でなくても良いから、実際にその場で演奏したものを聴かせてほしかったですね。クラッシックを聞きながら、体を揺らしてノリノリで聞いている日本人客の様子も、結構恥ずかしかった。初めて聞いた曲だし、昔の人達だし、そんな筈はないと思うぞ…。映画としては凡作ですが、こんな心温まるお話がかつてあったんだよという事を知る機会を与えてくれる作品としては、それなりの意義もあるのでしょうかね。かなり脚色されて、美化・奇麗事化されていると思われますが。(^_^;)↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。
May 26, 2006

6/3(土)より全国ロードショーです。"BOOGEYMAN" 監督・・・スティーヴン・T・ケイ出演・・・バリー・ワトソン Barry Watson エミリー・デシャネル Emily Deschanel スカイ・マッコール=バートシアク Skye McCole Bartusiak ルーシー・ローレス Lucy Lawless ・物語序盤・ティムは出版社の副編集長を務める有能な若者。同僚のジェシカと婚約し、人生は順調に進んでいるかに見えた。しかしティムには今から15年前、8歳の時の恐ろしい記憶があった。父親が謎のモンスター・ブギーマンによって、クローゼットの中に引きずり込まれたのを目撃したのである。周囲では父親は家出をしたという事になり、ティムは小児精神科に通う羽目となった。成人したティムは、クローゼットの恐怖を忘れてはいなかった。婚約者の家族と対面した夜、叔父から母の訃報を知らされたティムは、急遽母の葬儀に向かう。そして長年足を踏み入れていなかった生家を訪れるのだった。 ストーリー性は殆ど無くて、ただ"奴"が来るという恐怖と戦う映画。B~C級ホラーマニアにしかオススメはしません。エンドロール後に、ワンシーンありますが、大して意味はありません。要するに、"奴"が居る!って事ですわ。ブギーマンとは、アメリカではお馴染みのモンスター。何処からともなく現れて、子供を攫ってゆくのだそうです。親が悪戯っ子などを叱る時に、「悪い子はブギーマンに連れて行かれるよ~!」などと言う訳です。心理的にじわじわっと来るタイプではなくて、わっ!と出てきて驚かすタイプのホラーです。昔ながらのアメリカン・ホラーですね。でも、この辺で何か来るぞというのが判るので、全然怖くないです。驚かせようと思うのなら、もう少し読めない所で突然、わっ!とやらかしてほしいものです。監督さんも、人間を怯えさせるテクニックってものを勉強しよう。確かに、クローゼットとかベッドの下とかって、暗くて見えないから気持ち悪いですよね。日本で言うなら、押入れですね。少し開いた扉の隙間の向こうに見える闇。何かが潜んでいそうで、今すぐ灯りを点けないと、ヤバイ事になりそうな気がして心臓がドキドキ。そういう経験は私もします。暗い部屋に居ると急に気持ち悪くなって、電灯のスイッチの紐を引っ張ったり。子供みたいだと自分でも可笑しいのですが、大人になった今でも、押入れの奥に霊でも湧いてるんじゃないかと、不意に臆病になったりします。この映画の恐怖の原点は、そんな誰もが一度は感じた事のある筈の感覚です。そして映画では、それが"奴"となって、実際に人を襲ってくるのです。アイデアとしては、悪くはないのかもしれません。でも1本の映画として観た時、何処をどう褒めてよいのやら、かなり困惑してしまいます。ホラーとしたら全然怖くないし、ドラマで見せるタイプでもない。ツッコミ所と言っても、ラストでほったらかしな所くらいしか、お笑いのネタに出来る所も見当たらず…。強いて挙げるなら、終盤のブギーマンとの追いかけっこの死闘あたりは、スピード感があって良かったかな、と。キー・パーソンとして、とある少女が主人公の前に現れます。この少女が何者であるかは、本編を観て頂くとして、彼女は言います。「救えるのは自分だけなの…。」凄く突き放した言葉=設定なんですよね。映画にはティムに関る何人かの人物が出てきます。婚約者や叔父さんなど、はっきり言って、ブギーマンには何の関りも無い人達です。何も知らないし、何もしていないのに…。たった一つ、イカレ野郎のティムなんかと関ったが為に…笑。幾ら三流俳優で如何にも殺されそうなキャラでも、この人達が気の毒過ぎます。お願いだから、何か救済手段を設けて下さい。主人公プラスちょっと彼とイイ感じになりそうなヒロインだけ助かれば、それで良いんですか?他はほったらかしかい?!と結末でズッコケました。取り敢えず、ブギーマンの表現もチープで、如何にも低予算な映画という感じでした。名の知れた俳優も一人も居ないし…。サム・ライミが今でもホラー好きなのは判りました。でもどうせプロデュースするなら、予算面ももう少し考えてあげようよ。脚本も脚本だけど…。観終わって、大抵の人は溜め息と共に脱力する一本でしょう。↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。
May 25, 2006

只今、公開中です。"THE DA VINCI CODE" 監督・・・ロン・ハワード 原作・・・ダン・ブラウン『ダ・ヴィンチ・コード』(角川書店) 出演・・・トム・ハンクス Tom Hanks ロバート・ラングドン オドレイ・トトゥ Audrey Tautou ソフィー・ヌヴー イアン・マッケラン Ian McKellen リー・ティービング アルフレッド・モリナ Alfred Molina アリンガローザ司教 ジャン・レノ Jean Reno ベズ・ファーシュ ポール・ベタニー Paul Bettany シラス ユルゲン・プロフノウ Jurgen Prochnow エチエンヌ・シコ Etienne Chicot ジャン=ピエール・マリエール Jean-Pierre Marielle ジャック・ソニエール ・物語序盤・ある晩、フランスのルーヴル美術館で、館長のジャック・ソニエールが謎の侵入者に殺害される。ソニエールは銃弾を受けながらも、死に際にダイイング・メッセージらしきものを遺していた。彼は奇妙な体勢(ウィトルウィクス的人体図の姿)で横たわり、自分の体に星印を血で描いていた。そして床にも幾つかの血文字を残していたのである。講演の為にパリに滞在していた宗教象徴学の権威であるハーバード大学教授ロバート・ラングドンは、フランス司法警察のファーシュ警部によって、事件現場に呼び出される。ファーシュはソニエールの残した暗号の解読をロバートに依頼するが、ファーシュは彼を容疑者として疑っていた。実はロバートはその日、ソニエールと会う約束をしていたのだった。そこへ現れた暗号解読官ソフィー・ヌヴーは、ファーシュに内密にロバートに危機が迫っている事を知らせる。ソフィーはソニエールの孫娘で、この事件解決には、ロバートの協力が必要である事を見抜いていた。 知っていると映画が楽しい豆知識です。シオン修道会について 巷の評判はともかく、私は面白かったですよ~。公開前の海外のプレビューでは散々に貶されていて、一体どんなひどい作品なんだろう?と心配しておりました。取り敢えず、少し安めのチケット(微妙に安くゲット)を入手していたので、公開前から観る気は満々だったのですが。原作は今更書く必要も無いですが、ダン・ブラウンの同名小説です。私はいつものように未読で鑑賞。オチまで判った上で観たら、つまらないですもの。それに分厚い小説を2時間強の時間に詰め込む訳ですから、先に小説を読んでしまったら物足りないと思うに決まってます。という訳で、殆ど予備知識無しで鑑賞に臨みました。小説の表紙はダ・ヴィンチの「モナリザ」だったので、てっきり私は、謎が隠されているのは「モナリザ」だと思っていました。重要なのは「最後の晩餐」なのですね。内容は、敬虔なクリスチャンなら、ビックリ仰天・怒り心頭でございましょう。ヴァチカン激怒、各国でボイコット運動が起こっているというのも納得の真相です。映画のラストに、これはフィクションです云々という但し書きが出たのも、クリスチャンの皆様に対する配慮でしょう。でも無宗教な大半の日本人や、他宗教の信徒の方なら、なるほどね、と楽しめる筈です。聖書が今の形に統一されて久しいですが、それが最初から一冊の書物でなかった事は、誰でも知っている事実です。世界には、イエス・キリストに纏わる記述のある古文書が多数あって、その内容も様々。結構、エログロ・ナンセンスなのもあって笑えます。教会のお偉いさんが集まって、都合の良い所を集めて、不適切な記述は捨てて作られたのが、現在の聖書と言われるものです。だから、もしもこの映画のような事実があったとしても、個人的には特に驚きません。だって、凄く昔の人のお話ですもんね。本当はどんな人物だったかなんて、誰にも判らないでしょう?キリスト教では、イエス=神の子と位置付けているので、"人物"という定義すら誤りになってしまいますが…。私は、イエスは一宗教家と考えているので、個人的に親密な女性が居たとしても、不思議ではないと思っています。あんまり書くとネタバレになりますね(笑)映画はキリスト教や歴史的な事柄に触れる部分が多いですが、それぞれ台詞の中で説明してくれているので、詳細は知らなくても置き去りにされる事はないと思います。一般常識程度に知っていればOKでしょう。悪役(一応)で、ポール・ベタニーが出演していますが、存在感がありました。今迄あまり意識した事が無かった俳優さんですが、この映画では、盲目的に使命を果たす信徒役が光っていました。彼が太腿に巻いている鉄の帯、イエスの痛みを感じる為の物ですが、本気で痛そう…。自らを鞭打つシーンも、修行の為とは言え、痛々しく見えました。軟弱な私には、到底真似できません。主役のトム・ハンクスは、今迄演じてきた役柄から怜悧な人物というイメージが湧かなくて、少し戸惑いました。それ以前に、あの髪型に違和感が…。(^_^;)しかし難しいアナグラムを一瞬で解いた時は慄きました。あの暗号から、鍵の隠し場所まで辿り着くのは無理だろう…と私は真剣に思いましたから。鍵を見付けないと話が進まないんですけどね(笑)。取り敢えず、トム・ハンクスもオドレイ・トトゥも頭脳明晰な人達なので、ついでにイアン・マッケランも、私が一生掛かっても思い付かない様な謎解きをいとも容易く解いてくれます。この辺は、皆お悧巧さんなのね、と脚本の進行任せに。取り敢えず、脚本の流れに素直に乗っかっていれば、結末まで確り導いてくれるので、その点は安心な作りになっています。流石にラストの方は、真相が読めてきて、早くはっきりさせようよと、ちょっとじれてしまいましたけど。でも本当の結末(マグダラのマリアの安置場所)は観るまで判りませんでしたよ。て言うか、ここまで具体的に判らせる事が、映画的に必要なのかなと思ったりもしました。私としては、あのシーンは蛇足に感じられました。1本のサスペンス映画としては、よく出来た作品だと思います。話題作なので作る側も期待に応えねばと神経を使ったと思いますが、個人的には満足できる内容でした。↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。
May 23, 2006

監督・・・前田哲 原作・・・伊坂幸太郎『陽気なギャングが地球を回す』(祥伝社刊) 出演・・・大沢たかお 成瀬 鈴木京香 雪子 松田翔太 久遠 佐藤浩市 響野 大倉孝二 地道 加藤ローサ 祥子 三浦知紘 慎一 中山祐一朗 赤嶋 古田新太 田中 大杉漣 国元 篠井英介 漆原 松尾スズキ 鴨打 木下ほうか 林 光石研 朝倉 ・物語序盤・4人の男女が組んで銀行強盗を始めたのは、偶然の出会いが切っ掛けだった。とある銀行で、銀行員が自作自演で爆弾騒動を起こし、金を奪おうとする。この男の間抜けな行動を見て、そこに居合わせた4人の男女は、自分達ならもっと上手くやれると確信して意気投合する。他人の嘘を確実に見破ってしまう男・成瀬、一秒の誤差も無い正確な体内時計を持つ女・雪子、天才的スリの久遠、喋り出したら止まらない演説の達人・響野の4人である。かくして4人は銀行強盗チームを結成し、見事銀行から現金四千万円を強奪した。しかし逃走の途中で、覆面をした男達に襲撃され、まんまとその現金を奪われてしまう。 エンドロール後に、キリンを冷蔵庫に入れる四つの条件が明かされますので、最後まで席を立たないようにね。(^^♪因みにこれは劇中で、雪子の息子が出すなぞなぞです。最初の、象を冷蔵庫に入れる三つの条件も、人をバカにすんのも大概にしなさいというような答えでしたが、キリン・ヴァージョンも是非聞いて納得して下さいね。なかなか良く出来た映画でしたよ。面白かったと思います。日本版「オーシャンズ11」、人数少ないヴァージョンでしょうか。「オーシャンズ11」はメンバーの数が多すぎて、それぞれの特殊技能や必要意義が曖昧なまま終わってしまったのですが、こちらは犯人グループが4人なので、全員を認識し易いです。オープニングから気になったのは、CGのチープさ。車をCGで描いているのですが、これが正に「CGでーす♪」というようなテカテカな丸判りCGなんですよね。予算と時間の都合もあるとは思いますが、もう少し丁寧に描けないかな…。全体的に、それ程お金を掛けて作った雰囲気は無くて、ドラマの展開や会話で盛り上げようという作りでしたけど。ジャンルは、クライム・コメディーです。日本でこのジャンルの映画って珍しいんじゃないですかね?日本では犯罪モノは、大抵重い空気になってしまうので。タイトル通りに陽気な気分で観られる所が良いですね。物語としては、メインのメンバーに加えて、それに絡んでくる人達が色々と居る訳です。その人達との駆け引きがなかなか面白くて、ドラマは二転三転します。最後までどうなるのか判らなくて、ラストで笑うのは誰だ?と画面に見入っておりました。結末は、凄く捻ってあるという訳ではないですが、"陽気なギャング"なので、まあ無難な所に落ち着いたかな。4人の特技の中で一番羨ましいのって何でしょうね?正確な体内時計というのも便利そう。天才的スリは実用的でいいですね。実用に使っちゃダメ?嘘を見抜ける能力は、不幸になりそうなので要らないですねぇ。人生、知らない方が幸せな事の方が多いもの。延々と喋り続けられるっていうのは、口下手な私にはわりと羨ましい、かも。でも実際に響野みたいな人が居たら、煩くて鬱陶しいでしょうけどね(笑)天才スリ・久遠役の松田翔太君は、松田龍平さんの弟なのですね。観た時に、なんか顔が似てるなぁと思っていました。二人の息子が俳優として活躍して、松田優作さんも天国で喜んでいる事でしょう。演技がまだまだじゃ~!と怒ってるかもしれませんが…。「キャッチ・ア・ウェーブ」で、大根ぶりを発揮してくれた加藤ローサちゃんは、今作では可愛く見えました。佐藤浩市さんの奥さん役ですが、年が離れすぎてないかい?佐藤浩市さん、若く見えるからいいけど。ロマンを熱く語っているので、今回の役は特に若く見えましたし。歯切れの良い軽妙な会話にそこそこ笑えて、テンポも良くて、最後まで退屈しない映画でした。いつもより多目にお金を払って(幾らやねん?)観ましたが、心地良い気分になれました。↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。
May 22, 2006

6/3(土)より全国ロードショーです。監督、脚本・・・是枝裕和 出演・・・岡田准一 青木宗左衛門 宮沢りえ おさえ 古田新太 貞四郎 浅野忠信 金沢十兵衛 香川照之 平野次郎左衛門 國村隼 伊勢勘 原田芳雄 小野寺十内 中村嘉葎雄 重八 田畑智子 おのぶ 夏川結衣 おりょう 石橋蓮司 青木庄三郎 上島竜兵 乙吉 木村祐一 孫三郎 千原靖史 留吉 加瀬亮 そで吉 平泉成 善蔵 絵沢萠子 お勝 寺島進 寺坂吉右衛門 ・物語序盤・時は元禄15年。生類憐れみの令が出ていた頃、徳川5代将軍綱吉治世の泰平の世の中。仇討ちなどもとんと見掛けなくなった時代に、青木宗左衛門は父の仇・金沢十兵衛を追って、信州松本から江戸に出てきていた。しかし二年半の時が流れようとしているのに、一向に手掛かりも掴めず、貧乏長屋で寺子屋のような真似をして生計を立てている有様だった。長屋には店賃も払えないような貧しい町民が大勢暮らしていた。中には、切腹させられた浅野内匠頭の家臣の赤穂浪士達が、その仇を討とうと密かに集まる部屋もあった。宗左衛門の父は剣術道場の師範であったが、息子の宗左衛門は武士とは名ばかりの滅法弱い若者であった。漸く仇の居所を掴むものの、全く勝ち目が無さそうな相手に怯む宗左衛門。その内、同じ長屋に住む未亡人・おさえに恋心を抱いてしまい…。 「誰も知らない」の是枝監督が、時代劇に挑戦という事で話題の映画です。コメディータッチの人情話でしょうか。まあ、そこそこ面白かったです。5代将軍綱吉の治める天下泰平の時代。主人公・宗左こと青木宗左衛門は、父親を殺した仇を探して上京してきた若侍。今にも潰れそうなおんぼろ長屋に住み、長屋仲間の貞四郎の協力を得て、仇の居所を探っているが、なかなか相手が見付からない。そうこうしている内に二年半もの月日が流れてしまったという次第。武士という事で、それなりに威厳を保ちつつ生活しているが、戦のない世の中では、武士の存在意義そのものが薄らいでいる。仇討ちなどというものも殆ど見られなくなり、成功すると結構な額の報奨金が貰えるので、長屋仲間の万年浪人・平野次郎左衛門からは羨ましがられている宗左。しかしこの宗左、武門の家柄に生まれ付き、子供の頃から道場で稽古に励んでいたにも関らず、剣の腕はからっきし。同じ長屋に住む風来坊のそで吉に、こてんぱんにのされて馬鹿にされてしまう始末…。物語は、有名な赤穂浪士の面々が主の仇を取ろうと画策する話と、父親の仇討ちを志す宗左との関係を上手く絡めながら進んでゆきます。おんぼろ長屋の住人は、結構な人数ですが、どの人も個性的で記憶に残りました。基本的にコメディーなので、あちこちにクスッと笑える会話やシーンが沢山あります。そしてそこに、長屋に住む人々のそれぞれのドラマを織り込んで、温かい人情を感じさせる雰囲気を作っていました。コメディー面は普通に面白いのですが、個人的には、ちょっと説教臭いかな、と感じる面がありましたね。要するに言いたい事は、「人間、人を憎むばかりじゃ空しい。憎いけど許して、前向きに生きようよ。」というような事です。"クソを餅に変える"、つまり自分の中で、憎しみを昇華させて、希望へと変化させる事が肝要なんだと。判るんだけど、それをくどくどと何度も繰り返して噛み砕くように言われると、押し付けられてるような気がして、逆に反発したくなってくるんですよね。確かにどのキャラクターも愛嬌があって面白いんだけど、何処か気持ちよく笑い切れない映画だなと感じたのは、この辺が原因です。エピソード的には、そで吉とおりょうの叶わぬ恋が切なかったですね。お前が年を取ってゆくのを、ここから見ていて良いか?という台詞は、結構ぐっときたかな。俳優陣は豪華なので、眺めるだけでも楽しいのですが、個人的に印象に残ったのは、香川照之さん。万年浪人で年の瀬には決まって切腹未遂をする困った人でした。香川照之さんて、色んな映画でお目に掛かりますよね。見た目は華やかでもないのに、不思議と存在感を感じる役者さんです。存在感と言えば、浅野忠信さんも殆ど台詞は無いのに、そこに居るだけでオーラがありました。過去を背負った寡黙な男役が似合います。あと、寺島進さんは、本当に何処にでも脇役で出てますね~(笑)。決して主役では登場しないけれど、引っ張りだこの脇役俳優で、この人を探すのがちょっとした楽しみでもあります。桜が潔く散れるのは、来年また咲けるから。でも人は散ったら、それっきり。宗左の仇討ちは成功するのか否か。その辺の顛末は映画館で確かめて下さい。(#^.^#)↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。
May 20, 2006
どうしよう書けないよ…。観るのが精一杯で、感想を書く暇がありません。その日の事はその日の内にというのが鉄則なのですが、夜は疲れ果てて寝てしまいます。とりあえず、コツコツと一つずつ潰していこうと思う次第です。マジで内容、忘れそう…。ってか、既に忘れてる。
May 19, 2006

6/3(土)より全国ロードショーです。"THE TRANSPORTER 2" 監督・・・ルイ・レテリエ出演・・・ジェイソン・ステイサム、アレッサンドロ・ガスマン、アンバー・ヴァレッタ、ケイト・ノタ、マシュー・モディーン、ジェイソン・フレミング、キース・デヴィッド、他。 ・物語序盤・訳アリの荷物を運ぶプロの運び屋フランク・マーティン。しかし現在は骨休み中で、運転手として資産家の子息ジャックの送迎をしている。ある日、ジャックが掛かりつけの病院で予防注射を受けるのに付き添ったフランクは、病院の異様な空気を察する。そこに居たのは、冷徹な女殺し屋と仲間だった。彼らはジャックに何かを注射しようとするが、危機一髪でフランクが少年を救う。だが悪党達は諦めず、ジャックの誕生会の日に、少年の乗った車を襲撃してくる。銃で脅され、仕方なく彼等に従うフランク。警察は単なる営利目的の誘拐事件として捜査を開始するが、敵の本当の狙いは身代金ではなかった…。 前作がわりとツボだったので、続編が作られると聞いて何気に期待していました。裏世界の運び屋フランクのルールは三つ。契約厳守・名前は訊かない・依頼品は開けない。しかし今回の彼は、いつもとはちょっと違う仕事をしています。普通の運転手として、上流階級のお坊ちゃまの学校送迎をする毎日です。クールなフランクが、初っ端から子煩悩な優しいおじちゃんになっていたので笑えました。しかしルールを重んじるのは相変わらず。子供向けのルールも三つです。車に敬意を払うこと・挨拶をすること・シートベルトをすること。前作を観ていない人も、オープニングで彼の人となりは大体判ると思います。駐車場で悪ガキ共に襲われますが、至って冷静沈着。男達を軽くノックアウトしてから、銃を持った少女に向かって「宿題はしたのか?」。いいですねぇ、このキャラ。(*^。^*)映画もとても面白かったです。一時間半くらいの短い映画なのですが、まさにジェットコースター・ムービー。息つく暇もなく、アクション・アクションの連続です。それがまた全て「有り得ねぇ~!!」って感じのアクションなんですけど、何故か許せてしまうんですよね。普通の映画なら、ツッコミ入れる所なんですが、この映画の場合、そういう行為が逆に邪道に感じられます。有り得ないレベルとしては、ルパン三世のようなノリと思っていただければ良いでしょう。絶対に実現は不可能だけど、痛快だからそれで良い、と思える作品でした。車の裏側に付けられた爆弾を、反転してクレーンに引っ掛けて取るとか、今にも離陸しそうになっているジェット機に飛び移るとか、列挙し出したらキリが無い程の仰け反りアクションの連続です。と言うか、そればっかりなんですけど…笑。でもそれらが全て悪乗りに感じられなくて、丁度いい具合に面白いと感じられるのが、この映画の良い所です。ジェイソン・ステイサムは元々水泳の飛び込み選手だったのですね。体が確りと出来ているので、身のこなしも軽々としていて自然でした。殆どのアクション・シーンをスタントマン無しで演じたという事なので、彼の頑張りに拍手。正面衝突してくる車の間でジャンプするシーンも自分でやったのかな?仕掛けが無いとしたら、凄い跳躍力だよ…。ドラマ面では、結局悪役達の狙いが身代金目的の誘拐ではなく、ウィルスの拡散だったのですが、冷静に考えてみると、子供を介するという遠回りな方法を使わなくても実現可能だったのでは?と思いました。しかもラスト、あの状況ではウィルスが広がりすぎて、全員をアンチドートで助けるのは無理っぽかったですよね。そのアンチドートもあいつの体から、どうやって抽出したんだか…。まあ、アクション面同様、あまり深く考えてはいけない映画なので、さらっと流しましょう。アクションはジェイソン・ステイサムの生身の格闘シーンも見応えたっぷりですが、カーチェイスも迫力があります。職業がプロの運び屋というだけあって、高級車で街中を爆走するシーンは格別。次々に高級車が出てきて、猛スピードで走りまくるので、車好きの人は目が釘付けかも。フランクが悪党相手に消防ホースで戦うシーンは、以前ジェット・リーが同じような事をしていたような。別にパクリとか言うんじゃなくて、ふと思い出しました。敵の女殺し屋を演じているケイト・ノタは、モデル出身というだけあって、とてもスリム。何故かいつも下着のような格好で出てくるのですが、貧乳なんだなぁ(笑)。セクシーというより、ぺったんこの胸ばかりが気になって…。全編、滅茶苦茶なアクション・シーンの連続なのですが、スカッと楽しめる映画に仕上がっていました。ある意味、おバカ映画でもあるのですが、娯楽には最適だと思います。↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。
May 18, 2006

5/27(土)より全国ロードショーです。"DREAMER: INSPIRED BY A TRUE STORY" 監督、脚本・・・ジョン・ゲイティンス出演・・・カート・ラッセル Kurt Russell ダコタ・ファニング Dakota Fanning クリス・クリストファーソン Kris Kristofferson エリザベス・シュー Elisabeth Shue デヴィッド・モース David Morse フレディ・ロドリゲス Freddy Rodriguez ルイス・ガスマン Luis Guzman オデッド・フェール Oded Fehr ケン・ハワード Ken Howard ホームズ・オズボーン Holmes Osborne ・物語序盤・ケンタッキー州レキシントン。ケール・クレーンの家はかつては多くの馬を所有する厩舎であった。しかし今は一頭の馬も居ない。父親のベンは元は優秀な騎手で、現在は調教師として大牧場のオーナー・パーマーに雇われ、牝馬ソーニャドールの調教を請け負っていた。あるレースの出走前、ベンはソーニャの脚に異変を感じ、出走を見合わせるようパーマーに進言するが、彼は聞き入れなかった。その結果、ソーニャは転倒し、脚を骨折するという競走馬としての致命傷を負う。心配そうに見守るケールの前で、容赦なく安楽死を命ずるパーマーだが、ベンは今迄の報酬とソーニャを貰って、パーマーと決裂した。その後ベンはソーニャを引き取って治療し、手厚い看護をする。ベンと厩務員達は、血筋の良いソーニャに子馬を生ませれば、採算が取れると踏んでいたが…。 一応、実話が基になっています。基にしたと言っても、脚を負傷した馬が再起してレースに出たという程度の一致で、後は全てフィクションなのですが。ドリーマーって、何とも安直なタイトルだと思ったら、馬の名前の意味なのですね。"ソニャドア"というスペイン語で、ドリーマーという意味らしいです。チラシなどではソーニャドールと表記されていますが、字幕はより発音に近いものになっていました。少し前に邦画ですが「雪に願うこと」で競馬の世界を観たばかりでしたので、ちょっと内容的に被る部分がありましたね。更にこの手の話では、名作「シービスケット」もありました。これと比較してしまうと、物語の深みや感動の大きさは雲泥の差なのですが…。でもこれはこれで爽快感やほのぼのした温もりが感じられて良かったと思います。ストーリーとしては、正直、結末を見通せるものなのですが、競馬って何故か見ていると力が入りますね。絶対に勝つでしょ…、と判っているのに、拳を握り締めて応援してしまいました(笑)。いやぁ、やっぱり馬は良い。(*^。^*)しかし競馬って、お金が掛かるんですね。種付け一つにしても、良い牡馬を選んだら、法外な値段が…。それ以前に、馬一頭買うだけでも、とんでもない価格です。この映画では、馬を一頭も所有していないクレーン家が、ある切っ掛けでタダ同然の値段で、ソーニャを手に入れるのですが。しかしそこからが大変。競走馬として最も大切な脚を負傷して、再起不能になった馬をリハビリさせ、子供を生ませようとするのですが、先ず種付けの費用が捻出できず。息子と不仲だったケールの祖父の貯金で、何とか資金が調達できたと思ったら、今度は肝心のソニャドアが不妊だと診断されてしまう。そんな中、リハビリ中のソーニャの走行タイムを見ていたベン達は、意外に走れている事に気付きます。子供が生めないなら、もう一度ソーニャをレースに出そうじゃないかという事で、皆が盛り上がる。まあ、こんな感じの流れになっています。当然ですが、馬をレースに出走させるのにも参加費用が掛かります。これがメジャー・レースだと、またとんでもなく高い。果たして貧乏なクレーン一家は、どうやってこの金を工面するのでしょうか。それは映画を観てのお楽しみです。ダコタ・ファニング、相変わらず、可愛いし演技が上手いですね。ソーニャを家族のように思い遣り、もう一度昔のように、活気のあった厩舎に自分の家を戻したいと願うケールを、健気に演じていました。父親と祖父との寡黙な関係も良かったです。あと、厩舎の仲間のキャラクターも魅力的に描かれていました。少し太り気味の元騎手のお兄ちゃん、本当にお腹がぷっくり出ていて可笑しかった。あれは役作りなのでしょうかね?爽やかな余韻の残るサクセス・ストーリーです。何より安心して観られるのが良いですね。↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。
May 17, 2006

全国ロードショー中です。"UNDERWORLD: EVOLUTION" 監督・・・レン・ワイズマン出演・・・ケイト・ベッキンセイル Kate Beckinsale セリーン スコット・スピードマン Scott Speedman マイケル トニー・カラン Tony Curran マーカス ビル・ナイ Bill Nighy ビクター シェーン・ブローリー Shane Brolly クレイヴン デレク・ジャコビ Derek Jacobi スティーヴン・マッキントッシュ Steven Mackintosh マイケル・シーン Michael Sheen ・物語序盤・今から数百年の遥か昔。マーカスとウィリアムという双子の兄弟が居た。マーカスは蝙蝠に噛まれてヴァンパイアに、ウィリアムは狼に噛まれてライカン(狼男族)となった。自制心を失ったウィリアムを、マーカス達ヴァンパイアは捕獲し、永遠に封印する事にした。そして現代。家族を殺したライカンへの復讐心から、闇の処刑人となったヴァンパイアのセリーン。だが実際に彼女の家族を殺したのが、統治者ビクターである事を知り、セリーンはビクターを殺害した。しかしその事で、同族からも追われる身となったセリーン。今、彼女は唯一の味方である、ライカンとヴァンパイアの混血種であるマイケルと行動を共にしていた。 前作公開後に、続編が作られるという噂を聞いて、作られたら是非観たいと思っていました。そして漸く日本にも公開のニュースが届いた頃、私はいつものように試写会を待ち焦がれておりました。しか~し、この映画は試写会が無かった。正確に言うと、首都圏ではあったようです。でも私の地方では一度も無し…。前作を観た時に、正直傑作だとは思いませんでした。でも私の好きなヴァンパイア物なのと、ケイト・ベッキンセールの新境地という事で、今回の続編は押えておきたかったんですよね。という事で、自腹を切って上映終了ぎりぎりに観て来ましたよ。ぶっちゃけ、前作のストーリーは完全に忘れておりました。という訳で、オフィシャル・サイトを見て、軽く予習しただけで観ました。前作はお話が入り組んでいて、ちょっとややこしいなという印象だったのですが、今作は物語が一本道で前作よりも判り易かったと思います。ただやはり続編なので、前作に関連する要素が出てきて、その辺は頭の中ですっ飛ばして観るしかなかったです…。レンタルで観る人は、ちゃんと前作から観て下さいね~。前作の好きだった要素の一つとして、ラヴシーンが無かった事がありました。でもセリーンとマイケルは今や孤立無援の状態。二人が恋愛関係になるのは自然な流れなんですよね。それでも敢えて、あの不自然な場所でエッチまでする必要は無かったような…。抱擁し合うだけでも、二人の心の絆は表現できる訳ですから。一歩譲って、エッチまでしたとしても、抱き合うシーンを延々と映す必要性は無かった気がします。しかもエッチシーンと言っても、ケイトの胸は見えないしね(笑)今回鍵を握るのは、ビクターやマーカスによって捕えられ、幽閉されたライカンの始祖ウィリアムの存在。マーカスにとっては正気を失ったとは言え弟で、彼はこの弟を解放しようと考えます。そしてウィリアムを閉じ込めた檻の場所を、"血の記憶"として持っているのがセリーン。この為に、セリーンはマーカスによって、執拗に付け狙われます。(この映画では、吸血鬼は相手の血を舐めると、その記憶をも理解する事ができるという設定。)主人公が夜の住人という事で、今回も画面は全般的に暗いです。でも前作ほど観辛いという印象は無かったですね。蝙蝠の羽らしき翼を生やして飛んでくるマーカスとのチェイスは、なかなか見応えがありました。このシーンに代表されるように、今作はセリーンとマイケルの逃走劇がメインです。映画はその行程をスピード感たっぷりに描いていました。二人の逃避行を一緒に体感する形なので、観ている間は急流に流されるように時間が経ってゆきます。その経過の中で、色々な要素が絡んできて…、というような展開でした。またCGやアクション面が前作より向上していたので、視覚的にも楽しめる作品でした。ガチンコ勝負が何度かあったのですが、誰が誰より強いかという基準が、全然判らないまま。混血種は何故か強いらしい。セリーンもパワーアップ。この辺は、あまり深く考えちゃいけないのかもしれません。取り敢えず、今の正直な思いとしては、もう一度前作から続けて観させて下さいという感じです。やっぱり続き物は復習なしではダメですねぇ…。でも充分に面白かったです。ケイト・ベッキンセールは黒のレザー・スーツが良く似合います。これは彼女の当たり役ですよね。まだお話的に続きを作れそうな感じなので、是非完結編を~。↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。
May 16, 2006

全国順次ロードショー中です。関東では5/20(土)より。監督・・・根岸吉太郎 原作: 鳴海章 『輓馬』(文藝春秋刊) 出演・・・伊勢谷友介 矢崎学 佐藤浩市 矢崎威夫 小泉今日子 田中晴子 吹石一恵 首藤牧恵 香川照之 小笠原 小澤征悦 須藤 椎名桔平 黒川 津川雅彦 大関 でんでん 藤巻保 山本浩司 加藤テツヲ 岡本竜汰 富永 出口哲也 湯原(チン) 草笛光子 矢崎静子 山崎努 丹波 ・物語序盤・矢崎学は13年ぶりに、田舎の北海道帯広へ帰ってきた。そこで初めて見る輓馬達の障害レース“ばんえい競馬”を見る学。学はそこで、見知らぬ男・丹波に教えられるままに、女性騎手・牧恵の操る"ウンリュウ"に僅かな全財産を賭け、見事にすっからかんになる。彼の帰郷は幸福なものではなかった。東京で経営していた貿易会社が倒産し、妻とも離婚、友人にも迷惑を掛け、逃げるように田舎へ舞い戻ったのである。学は兄・威夫の経営する厩舎に転がり込んだ。家族を顧みなかった弟に怒りをぶつける威夫だったが、弟の窮状を知り、自分の厩舎で働かないかと誘う。そこで学は、負けが続き食肉用として処分されかかっている馬"ウンリュウ"と再び会う。敗北者の自分の姿と重ね合わせ、"ウンリュウ"と心を通わせる学。 東京国際映画祭で四冠を達成した作品です。非常に丁寧に作ってあって、好感の持てる映画だったと思います。一人一人のキャラクターの心情を丁寧に拾い上げており、上手く表現していましたね。全ての人が自然体で、人間の優しさや悲しさを素直に感じる事ができました。田舎暮らしが厭で、世間を見返してやると東京に出て行った弟・学。彼は会社を興し、成功を収めるが、やがてトラブルが起こり、賠償金問題で会社は倒産。気が付くと、東京に出て以来、一度も連絡を取らなかった田舎に辿り着いていました。一方、帯広で厩舎を営む兄・威夫は、そんな弟を冷たい目で見る。母の消息を尋ね、会いたいと言う学に、今更母親に会える資格があるかと怒る威夫。全てを失い、生きる希望も覇気も無くした学が、心惹かれるのは、同じく敗北者である馬のウンリュウ。学はウンリュウの世話をし、厩舎の仲間達と触れ合う中で、少しずつ生きる気力を取り戻してゆきます。威夫と学の関係が良いですね。自分勝手だった負け犬の弟に、決して同情や憐れみを与えない威夫。それでも無骨な態度の裏には、弟を思い遣る家族としての心が見え隠れする。また脇役達のそれぞれのドラマも心に残ります。ばんえい競馬が開催されている間だけ、賄い婦として厩舎の仲間の世話をする晴子。それなりの過去を背負っている晴子は、威夫を愛しつつも、ただ競馬の時期だけ一緒にいる事で満足だと言う。そして多分、心中では同じく晴子を思っている威夫も、黙したまま何も語らない。また、天才と謳われた騎手の娘・牧恵は、借金を抱えて蒸発した父の後を継いで、自らもばんえい競馬の騎手となった。なかなか勝利を掴む事が出来ず低迷しているが、いつか父親に再会できる日を願っている。雪に閉ざされた世界の中で育まれてゆく小さな物語達全てが、静かに降り積もる雪のように、心に染み入ってきました。ところでばんえい競馬というものを、私は初めて知りました。普通の競馬とは違って、坂道の障害が2ヶ所ある直線200mのコースを、橇を引いた輓馬が走るレースです。重い橇を引いているので、坂の前で休憩して力を溜めたりと、騎手による駆け引きが必要になる。橇が完全にゴールラインを越えた所で、ゴールとなるので、この点も普通の競馬とは異なります。輓馬は元々は農耕馬で、サラブレッドの倍ほど、約1tの体重がある巨大な馬です。映画の中のドラマは、何処にでもある有り触れたお話かもしれませんが、それだけに多くの人の共感を呼ぶストーリーではないでしょうか。ラストはハッピーエンドなのかどうか、観た人によって判断は分かれると思います。まだまだ漸く再生が始まったばかり、これからが大変なのだという所で終わっているので。でも少し顔を上げて、前向きに生きられそうな予感を感じさせる結末でした。↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。
May 15, 2006

全国ロードショー中です。"EVERYTHING IS ILLUMINATED" 監督、脚本・・・リーヴ・シュレイバー原作・・・ジョナサン・サフラン・フォア『エブリシング・イズ・イルミネイテッド』(ソニーマガジンズ刊) 出演・・・イライジャ・ウッド Elijah Wood ジョナサン ユージン・ハッツ Eugene Hutz アレックス ボリス・レスキン Boris Leskin 祖父 ラリッサ・ローレット Laryssa Lauret リスタ ・物語序盤・ユダヤ系アメリカ人青年のジョナサンは、家族にまつわる品物を片っ端からビニール袋に入れて、コレクションするという変わった趣味の持ち主である。祖父が亡くなり、ジョナサンは祖母から、祖父からの品だと一枚の写真を受け取る。そこには若き日の祖父と、アウグスチーネという名の見知らぬ女性が写っていた。彼女の胸に掛かっているのは、祖父が遺したバッタの入ったペンダントトップ。ジョナサンはこの写真の女性が何者か突き止める為、祖父の故郷であるウクライナへと向かった。そんな彼を出迎えたのは、変な英語を喋る通訳の青年アレックスと、自分は盲目だと言い張りながら、運転手を務めるアレックスの祖父、そしてジョナサンの苦手な犬のサミー・デイヴィス・Jr.Jr.だった。ジョナサンは少ない手掛かりから、何とか写真の女性を探し出そうとするが、裏に書かれたトラキムブロドという場所は地図にすら載っていなかった…。 チラシから想像するような映画ではありませんでした。因みにチラシは、空色の眼鏡を掛けたイライジャ・ウッドのアップに、バックは一面の向日葵という絵柄です。かなりインパクトがあります。最初の荒筋を読む限り、ヘンテコな一行のほのぼのロードムービーかと予想しました。出だしはまさにそんな感じなのです。主人公からして、家族の物を何でも集めて壁に貼り付ける、風変わりな青年です。祖母の入れ歯や兄の使用済みのコンドームなど、到底コレクションには向かない物ばかりです。この青年ジョナサンが、亡き祖父の若い頃の写真を手に入れた事から、この物語は始まります。一緒に写っているのは、見識の無い女性。この人は誰なのか?祖父とはどういう関係なのか?ジョナサンは押えられない好奇心か、義務感のようなものから、遠くウクライナへ旅立ちます。ところが迎えに来てくれたのは、ヘンテコな英語をベラベラ喋る陽気な若者アレックス。彼の表現する所の"難い人探し"の旅への運転手は、これまた変わった老人。何故かは判りませんが、自分は盲目だと言い張り、変わった名前の盲導犬を連れています。盲導犬というより獰猛犬なのですが、一応メス。この3人と一匹が、"難い人探し"の為に、ウクライナの田舎道を車で旅します。しかし手掛かりとなる地名は、地図にも無く、人に訊いてもなかなか判りません。時々笑えて、まさに珍道中という感じのロードムービーです。けれども物語は意外な方向に進みます。アウグスチーネの姉に漸く出会えたジョナサンが聞かされたのは、とても悲しい物語。ネタバレになるので書けませんが、ジョナサンがユダヤ系の青年である事が、ストーリーの鍵を握っています。そしてアレックスの祖父にも、その話は関係していました。今迄数十年、掘り起こされる事の無かった過去の悲しい出来事と真相。アウグスチーネが念の為にと埋めて隠していた指輪。姉の言葉が心に残りました。「人が物を探すんじゃない。物が人を呼ぶんだ。」と。いつか見つけ出される時の為に、物は息を顰めて、そこに在り続ける。最初は陽気な話かと思わせておいて、実は暗く切ない真相を見せる。それでいて、何かほっとしたようなものを心に残してくれる不思議な映画でした。↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。
May 14, 2006

全国ロードショー中です。"BLOODRAYNE" 監督・・・ウーヴェ・ボル出演・・・クリスタナ・ローケン Kristanna Loken レイン ミシェル・ロドリゲス Michelle Rodriguez キャタリン ベン・キングズレー Ben Kingsley ケイガン マイケル・マドセン Michael Madsen ウラジミール マシュー・デイヴィス Matthew Davis セバスチャン ビリー・ゼイン Billy Zane エルリッチ ウィル・サンダーソン Will Sanderson ドマスティール ウド・キア Udo Kier リーガル・モンク ミート・ローフ Meat Loaf レオニド マイケル・パレ Michael Pare イアンク ジェラルディン・チャップリン Geraldine Chaplin ロバート・ベア Robert Baer ・物語序盤・18世紀のルーマニア。見世物小屋に囚われていたレインという若い女は、水に濡れると皮膚が焼け爛れるが、血を飲むと傷がすぐに回復するという奇妙な体質の持ち主だった。レインは吸血鬼と人間のハーフ、ダムフィアだったのである。ある晩、小屋の男に襲われそうになったレインは、ヴァンパイアの本能を覚醒させ、周囲に居た人間達を血祭りに上げて、小屋から逃走した。そんなレインの行方を、父親である強大なヴァンパイア・ケイガンは探していた。レインにとってケイガンは、母親を殺した憎い仇であった。一方、ヴァンパイアの殲滅に命を懸ける集団“業火の会”のメンバー、キャタリン、ウラジミール、セバスチャンの3人は、ケイガンを追う手掛かりとして、レインを追跡するのだった。ケイガンはヴァンパイアとしての弱点を克服する為、かつて最強だったヴァンパイアの封印された目・肋骨・心臓を捜し求めていた。 ウーヴェ・ボルお坊ちゃまですよ。世間ではクソみそに貶されながらも、自分の撮りたいゲームネタの映画を撮り続ける監督。「ハウス・オブ・ザ・デッド」も観ましたよ。「アローン・イン・ザ・ダーク」も観たいなぁと思っております。はっきり言って、なんじゃこりゃ~なクソ映画を作って喜んでいる、オタク系ぼんぼんです。でもなんか憎めないです、個人的には。私にとって馴染みのあるゲームを、監督も愛しているんだなぁと思えるからでしょうか?映画の質は、まあ笑って許しましょう。今作も出演者の顔触れのわりに、なんだかなぁ~な映画に仕上がっております。でも主演のクリスタナ・ローケンは華が無かったですね。ハーフ・ヴァンパイアであるレインの魅力を全然感じませんでした。もっとカリスマのある、別の女優は居なかったのかな?女優もイマイチだけれど、コスチュームが悪いですね。時代を過去に設定し直しているので、ピカピカのレザーは浮くかもしれませんが、せめてなめし革の衣装を着せてあげてほしかったです。布は無いと思う。本当に安っぽくて、主人公なのに全く目立っていませんでしたから。あと、レインのトレードマークとも言える、特殊な形状をした2本の剣も、もう少しカッコ良く作れなかったのか…。とってもチープな印象の主人公になってしまいました。ただ、映画の時代設定や画面の雰囲気などは、然して悪いものだとは思いませんでした。時代物のおどろおどろしい空気はわりと感じられたし、この辺は評価できると思いました。それだけに勿体無いと思ったのが、それぞれのキャラクターの見せ方。レインは勿論の事ですが、ミシェル・ロドリゲスやマイケル・マドセンといった、実力派の中堅俳優を使っているのですから、もっと彼らを引き立てないと。画面がすぐに次の場面に切り替わってしまうので、じっくりと各登場人物が見られません。間を持たす所は、充分に時間を割いて、キャラクターを立たせてほしかったです。同じく、戦闘シーンも迫力不足で残念でしたね。折角、ヴァンパイアという超人を主人公に据えているのに、レインの人間離れした戦闘能力が全く感じられませんでした。ワイヤーやCGなどを使って、普通の人間ではない所を見せ付けられなかったのかな…。あと、お約束かもしれませんが、レインのエッチシーンは全くもって蛇足でした。宿敵ケイガン役には、名優ベン・キングズレーが出演しております。頑張っていましたが、こんな映画で頑張ってもなぁ(笑)チョイ役ですが、ウド・キアーも出でましたね。結構、色んな顔触れが観られるので、その点は意外に美味しいかもしれません。最初からB級と割り切って観れば、痛い目には遭わなくて済むと思います。ところでラスト、レインが一人黙って座っていたのは、どういう意味だったのでしょうか?彼女が支配者になったって事?なんか良く判らん結末でした。↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。
May 13, 2006

5/27(土)より全国ロードショーです。"DAISY" 監督・・・アンドリュー・ラウ Andrew Lau 出演・・・チョン・ウソン、チョン・ジヒョン、イ・ソンジェ、チョン・ホジン、他。 ・物語序盤・オランダで暮らすヘヨンは、平日は祖父の骨董店を手伝いながら、週末には街角で似顔絵を描いて生計を立てている画家の卵。彼女はもうすぐ初めての個展を開く予定である。ヘヨンには運命の人だと信じる、ある思い人が居た。その人物に、ヘヨンは会った事はないが、彼はいつも店先にデイジーの花を届けてくれる。以前、ヘヨンが田舎に絵を描きに行っていた際、彼は川に落ちたヘヨンの為に、渡り易い橋を作ってくれた。そのお礼に、ヘヨンはデイジーの絵を橋の上に置いたのだった。ある日、ヘヨンの前にデイジーの鉢を持ったジョンウが、似顔絵を描いてほしいと現れる。ヘヨンはジョンウを待ち焦がれた運命の人だと思い込むが、彼の正体はアジア系麻薬ルートを追うインターポールの刑事だった。ジョンウは身分を隠して、ヘヨンと親密になってゆくが…。 映画を観ていて、これは感想の書きにくい映画だなぁ、とぼんやり考えていました。何と表現したら良いのでしょう?自分の分析力の無さと発想力の乏しさを痛感します。(-_-)韓国映画でラヴ・ストーリーと言うと、必ずと言っていいほど、コミカルな遣り取りを挿入します。私はこれが苦手で、韓国の恋愛映画が嫌いなんです。しかしこの映画はその手のお笑い要素はありません。舞台が全てオランダという事もあって、他の韓国映画とは少し異なった趣がありました。一言で言うと、非常に静かな映画でした。序盤から静かな雰囲気の中で始まったのですが、途中であるアクシデントによって、ヒロイン・ヘヨンが言葉を失ってしまいます。映画の中心に居るヒロインが喋らないのですから、画面はしーんと静まり返ってしまいます。また彼女の脇を固める男二人、一人はインターポールの刑事ジョンウ、もう一人はヒットマンのパクウィ。彼らもまた寡黙な人種です。という訳で、全編に渡って、静けさが会場を支配する展開となりました。物語はこの三人の男女の、微妙で歯がゆい三角関係を描いています。序盤の展開は、ヘヨン、ジョンウ、パクウィ、それぞれの視点から見たお話を、三度繰り返して見せるという手法を取っていました。三度も同じお話を見せられるのですが、不思議と鬱陶しさは感じなかったです。少しずつ手の内の札を明かしつつ、ストーリーを発展させていったからでしょうね。ジョンウを自分の運命の人だと、彼が去った後も待ち続けるヘヨン。自分はその人物ではなく、彼女を利用している事に後ろめたさを感じつつ、ヘヨンに惹かれてゆくジョンウ。そして殺し屋という職業から、ヘヨンを愛しつつも、静かに見守る事しかできないパクウィ。そもそもジョンウは、アジアの麻薬ルートを追跡していた筈なのに、いつの間にか、その事件は立ち消えになって、殺し屋組織の殲滅に話が流れていったのは、どう考えてもツッコミ所だと思うんですけどねぇ(笑)。でも圧倒的な静寂に押し切られて、強引に丸め込まれてしまった感じでした。ラストはあまり救われない話でしたね。結局誰も幸せになれないのは、悲恋好きの韓国映画のセオリー通りでしょうか。だからって、泣ける類の映画ではないのですが。しかしオランダで祖父の店を手伝いつつ、悠長に絵を描いていられるヘヨンの身分は羨ましかった。売れない画家や画家の卵と言うと、普通貧しさを連想するのですが、彼女は優雅に暮らしてましたね。↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。
May 12, 2006

"DUELIST" 監督・・・イ・ミョンセ 原作・・・パン・ハッキ『茶母』 出演・・・ハ・ジウォン ナムスン カン・ドンウォン “悲しい目” アン・ソンギ アン刑事 ソン・ヨンチャン ソン長官 ・物語序盤・朝鮮王朝時代。巷では朝廷の混乱に乗じて、偽金が大量に出回る事件が発生していた。アン刑事や若き女刑事であるナムスンは、この事件の捜査に当たっていた。市場での潜入捜査の際、ナムスンは仮面を付けた男が、犯人と思しき男達を斬り殺し、金の仏像を奪い取る現場に遭遇する。即座に追跡し、仮面の男と剣で戦うナムスン。ナムスンの刃によって、割れた男の仮面の陰からは、悲しげな目をした美しい顔立ちが垣間見えた。そして割れた仏像の中からは、偽金を造る為の鋳型が出てきた。だが結局、ナムスンは仮面の男を取り逃がしてしまい、それ以来、偽金事件の容疑者として男を追うのだった。 ベースとなったのは、コミックという事です。この映画、どう評すべきなのでしょうね…。ストーリーに関る大切な台詞を集めて、そこだけで構成すると、多分10~15分くらいで、映画は完結してしまいます。それ位、中身の無い映画でした。偽金事件が起こり、刑事達がそれを追う。そこへ怪しげな刺客が現れ、関係者をぶった斬って逃げる。その男はある権力者の元で暮らしている若者。彼は幼い頃から名前を呼ばれる事もなく、ただ刺客として育てられ生きている。事件の裏にあるのは、揺れ動く王朝の跡継ぎ問題。刺客を追う女刑事は、知らず知らずの内に、悲しげな目が印象的な刺客に惹かれてゆくのだった。しかし彼らは刑事と刺客、所詮は戦う運命なのだ…。と、まあ、こんな感じです。後は、この短いお話を、如何に引き伸ばして、綺麗に華麗に見せるかに努力を注いでいます。取り敢えず、メインになるのは、ナムスンと悲しい目の刺客との美しい戦いです。短い2本の剣を操るナムスンと、長剣で華麗に立ち向かう刺客。戦うシーンも、迫力や現実味を感じさせるかよりも、どれだけ綺麗に見せるかに集中しています。スローモーション、ストップモーションの多用です。戦う時だけではなく、普通に動くシーンでも、これらの演出は使われています。たまに挿入されると、華やかに見える効果も、ここまで多用されると鬱陶しい限りです。ストーリーに中身が無いから、無理矢理引き伸ばしてるだろ…と思いたくなります。カン・ドンウォンが美形なのは、よく判りました。これだけ一杯、彼のアップを見せられたら、そう言うしかありません。中性的な美貌は、確かにアップに耐える美しさです。ハ・ジウォンも可愛いです。でも二人の恋愛感情には全く共感できませんでした。何故ナムスンが、刺客にそこまで感情移入するのか、全然判りません。だから二人を可哀想とも何とも思いませんでした。大体時代物なのに、女刑事が居るのが不自然です。今みたいに、女性の職業選択の範囲は広くなかった筈ですから。とにかくこれは、綺麗なカン・ドンウォンの顔を、延々と見続ける映画だと思えば間違いないでしょう。プロモーション・ビデオと言い切っても良いかもしれません。↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。
May 11, 2006

"THE NEW WORLD" 監督、脚本・・・テレンス・マリック 出演・・・コリン・ファレル、クオリアンカ・キルヒャー、クリストファー・プラマー、クリスチャン・ベイル、オーガスト・シェレンバーグ、ウェス・ステューディ、デヴィッド・シューリス、ラオール・トゥルヒロ、ヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン、他。・物語序盤・1607年、現在の北アメリカのヴァージニア近辺。新たな開拓地を求めて、数隻の船がイギリスから遥々やって来た。しかしそこには、原住民達が既に集落を作って生活していた。互いに言葉も通じない人々だったが、原住民は温厚で好意的な態度を示していた。反乱罪で捕えられていたジョン・スミス大尉は、ニューポート船長によって処刑を免れる。船長はスミスに、原住民の王と会い、交易ができるよう交渉して来るように命令する。数名の仲間とはぐれたスミスは、原住民達に捕えられ殺されそうになる。だが王から深く愛されている末娘ポカホンタスは、彼の命を救うように頼むのだった。それ以降、集落で暮らす事を許されたスミスは、ポカホンタスと言葉と文化の壁を越え、心を通わせてゆくが…。 ポカホンタス(1595年頃~1617年3月21日)。この方、実在の人物だったんですね。ディズニー・アニメで「ポカホンタス」として映画化されていましたが、そちらは未見です。伝説なのか実在なのか、自分の中で確信できるものがなくて、今回初めて判りました。でもジョン・スミスとのお話は、眉唾な部分も多いみたいです。何しろアメリカに初めて、白人が渡ってきた頃のお話ですから、絶対に間違いないという記録は殆ど残っていない訳で…。映画は、先ず予想外に静けさたっぷりのお話でした。もっとポカホンタスの波乱万丈の人生が、派手な演出で描かれているのかと思っていたので、とにかく静かな雰囲気に驚きました。初めて遭遇した人種同士ですから、当然ながら言葉が通じません。会話するという基本的なコミュニケーションができない訳ですから、映画が静かになってしまうのも当たり前なのですが。奥地に居る部族の王に謁見して、交易を持ち掛けるように命じられたスミス。一度は殺されかけますが、ポカホンタスの願いによって、一緒に暮らす事を許されます。その後、わりと長い時間、スミスは彼等と生活を共にしていたと思われるのですが、彼等の言葉を学習する気配は全くなし…。もしかして、現実には覚えていったのかもしれませんが、少なくとも映画の中では、学習意欲の全く無い男でした。少しはインディアン語を喋れよ、スミス。逆にポカホンタスは、凄いスピードで英語を覚えてゆきます。そんな早く喋れるようになるか~?実際、喋れる場面は中盤までは無いのですが、ナレーションがポカホンタスの英語なんですよね。観ている方は、彼女の英語力について把握できず戸惑ってしまいます。幾らアメリカの映画だからと言って、英語をメインにしすぎ。スミスとポカホンタスの恋愛は、よく分かりませんね~。何処から彼等の間に恋愛感情が芽生えたのか、境界線が見えにくかったです。そもそも言葉が通じない相手同士、恋愛する事は可能なのでしょうか?映画を観る限り、二人が親しげに会話しているシーンは無くて、どういう風に交流を持ち、互いに惹かれあっていったのか、説得力を感じませんでした。彼等の間に、どれだけ深い愛情が存在したか、もう少しこちらに伝わる形で描いてほしかったです。逆に、ポカホンタスが実際に結婚した相手ジョン・ロルフとの関係は、判り易くて良かったと思います。激しい愛情ではないけれど、孤独を癒してくれる安らぎの相手。訳の判らん男スミスよりは、分別のあるロルフの方が余程いい伴侶でしょう。ポカホンタスって、かなり有名な存在だったのですね。イギリスまで渡って、国王夫妻と謁見までしていたという事実には驚きました。アメリカでは彼等の子孫にあたる家系に居る事は、凄いステイタスみたいです。彼女自身はイギリスからアメリカに帰る途中で病に倒れ、そこで亡くなっています。享年23歳。昔とは言え、若いですね。冷静に考えると、とても波乱に満ちた人生だったと思います。ただ映画は、ひたすら静かで、山あり谷ありの人生を感じさせません。たまにはこういうしーんとした映画も良いのかもしれませんが、もう少し盛り上げる部分も作ってほしかったというのが本音です。↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。
May 10, 2006

6/17(土)より全国ロードショーです。監督・・・小泉徳宏 原作、脚本・・・坂東賢治 主題歌・・・YUI『Good-bye days』 出演・・・YUI、塚本高史、麻木久仁子、岸谷五朗、通山愛里、田中聡元、小柳友、ふせえり、小林隆、マギー、山崎一、他。 ・物語序盤・雨音薫は16歳の少女。しかし普通の少女とは異なり、高校に通学する事もなく昼間は自宅で眠り、夜になると、ギターを持って駅前の広場で歌うという毎日を送っていた。薫は日光に当たると死んでしまう難病XP(色素性乾皮症)を患っていたのだった。孤独な彼女の密かな楽しみは、明け方自分の部屋の窓から、サーフィンに向かう少年・孝治を眺める事。ある晩、幼馴染で唯一の友人である少女と共に、いつもの駅前に陣取った薫は、偶然通り掛った孝治を反射的に追い掛け、面喰っている彼に自己紹介をするのだった。 個人的に「HINOKIO/ヒノキオ」の主題歌「Tomorrow's way」がとても気に入って覚えていた、若きシンガーソングライターYUIさんが、スクリーンデビューを飾った作品です。また監督の小泉徳宏氏は弱冠25歳の新鋭。先日試写した「キャッチ・ア・ウェーブ」では、若者ならではの瑞々しい感性とやらに、思い切り痛い目を見た私でしたので、今回も司会のお姉さんが、同じ表現を使った時には、二の舞なのかと正直びびりました。監督は若いし、題材は若者の恋。しかも男の子の方は、サーフィンやってるし…、本当に厭な記憶が蘇りましたよ。しかし、観始めて暫く経つと、その不安感は無くなりました。自分の年齢からは、遥か昔に過ぎ去った青春時代を生きる主人公達の筈なのに、彼女らの気持ちに自然と共感できて、同じ高さの目線で観られる作風です。押し付けがましさも、わざとらしさも無く、すっとスクリーンに入ってゆける映画でしたね。間の取り方も上手くて、台詞の無いシーンでも、一緒に時間を過ごせる感じでした。大きな障害に行く手を阻まれた二人の儚い恋を、思わず応援してあげたくなるような、優しい気持ちになれる映画とでもいうのでしょうか。なかなか良い映画だったと思います。しかしこの映画をここまで引き立てた立役者は、偏にYUIさんです。演技が抜群かと言えば、そうではないのですが、この辺は台詞の少ない役という事で、上手くカバーできていました。何が素晴らしいのかと言うと、彼女の歌声。非常にピュアで透明感のある声質でありながら、圧倒的な存在感を放つ声です。日頃、映画の中で聴く歌には、あまり魅力を感じない私ですが、YUIさんの歌には痺れました。長く歌われても全然鬱陶しくない、それ所か、もっと聴いていたいと思わせる魅力を持っていました。悲恋であるという事は初めから判っているし、ストーリー的には結末まで見通せる内容なのですが、それでもやっぱり泣いてしまうというのも、YUIさんの歌あっての事です。もしもヒロインが別の人だったら、この映画をいいとは思わなかったかもしれません。それ位、心に響く歌声でした。すっかりファンになってしまいましたよ。女優というより、今後注目のアーティストですね。勿論、ルックスもキュートですけど。↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。
May 9, 2006

5/13(土)より全国ロードショーです。"THE PINK PANTHER" 監督・・・ショーン・レヴィ出演・・・スティーヴ・マーティン、ケヴィン・クライン、ビヨンセ・ノウルズ、ジャン・レノ、クリスティン・チェノウェス、エミリー・モーティマー、ヘンリー・ツェーニー、クライヴ・オーウェン、ジェイソン・ステイサム、他。 ・物語序盤・フランスと中国のサッカー親善試合の会場。フランス代表が勝利を決めた直後、フランスチームの監督イヴ・グルアンが首を刺されて殺害される。そして彼が嵌めていた超高価なピンクダイヤ"ピンクパンサー"も消えてしまっていた。捜査を指揮するドレイフェス警視は、フランス中で一番間抜けな警官に表向きの捜査をさせて犯人と世間を撹乱し、その間に真相を突き止めて、手柄を独占しようと考える。そして抜擢されたのが、何をやってもドジばかりのクルーゾー3級警官。ドレイフェス警視によって、警部に昇進させてもらったクルーゾーは、監視役として付けられた真面目で職務熱心なポントン刑事と共に、事件の捜査に乗り出すが…。 故ピーター・セラーズがドジな警部ジャック・クルーゾーに扮して、人気を博した往年の大ヒットシリーズを、キャストも新たにリメイクした作品です。昔のシリーズは、ちらっと観た事はあるのですが、殆ど記憶にありません。あの有名なアニメのキャラクターと音楽は、勿論知っておりますが。オープニングはアニメ・キャラのピンクパンサーを意識して、可愛いアニメで作られていました。いやぁ、ホントに面白かったです。全編通じて、おバカ道まっしぐらですが、全く厭味を感じませんね。素直に「もう~おバカなんだから~。」とくすくす笑えます。スティーヴ・マーティン、いい味出してますね。私が思い出した映画は「ジョニー・イングリッシュ」。あれはスパイ物でしたが、今作同様おバカに厭味が無くて、全編笑える映画でした。クルーゾー警部はフランス人で舞台になるのも殆どフランス。しかし喋っているのは皆さん英語。でもフランス語訛りのネタなど、フランスの香りがそこここに漂う作風となっていました。出てくるキャラクター皆がチャーミングでしたね。クルーゾー警部は勿論、その相棒(実は監視役)として配属されたポントン刑事も良い。演じているのはジャン・レノですが、職務熱心でつべこべ文句を言わずに働く真面目な警官です。ドレイフェス警視から命じられ、フランスで一番間抜けな警官クルーゾーと、常に行動を共にし、クルーゾーのアホアホな振る舞いに溜め息を漏らしつつも、黙って従うポントン。でも結構いいコンビで、息が合っているんですよね。一番可笑しかったのは、クルーゾーとポントンの変装シーンと、それに続くダンスシーン。思わず声を出して笑いそうになりましたよ。(*^。^*)この作品、何気にキャストも豪華です。意地悪なドレイフェス警視にはケヴィン・クライン、ヒロイン・ザニヤには今を時めくビヨンセを据えており、終盤では彼女の歌声も聞けます。他に、ほんの脇役に、クライヴ・オーエンが出ていたり、序盤で殺されるグルアンには、ノン・クレジットでジェイソン・ステイサムが配されています。ちょい役の有名俳優さんは、観ている間はご本人だと確信できなくて、帰宅して調べて初めて判りました。だって、まさかこんなちょい役で出ないよね?と疑いますもん(笑)そっくりさんと思い込んでいました。(^_^;)あと、個人的に可愛いなと思ったのは、クルーゾーの秘書役のエミリー・モーティマー。何処かで見た様な気もするのですが、取り敢えずキュートでした。事件の真相は、そんなんあり?とズッコケてしまう部分もありましたが、コメディなのでハッピーにしないとね。しかしクルーゾー警部、おマヌケちゃんの割りに、実は意外とやり手?と思わせる結末でした。コメディとしては一級品の仕上がりだと思います。観終わった後、幸せな気分になれるので、笑いたい人にはオススメです。↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。
May 8, 2006

"L' ENQUETE CORSE""CORSICAN FILE" 監督・・・アラン・ベルベリアン原作・・・ルネ・ペティヨン 出演・・・クリスチャン・クラヴィエ、ジャン・レノ、カテリーナ・ムリーノ、ディディエ・フラマン、アルベール・ドゥレ、ピエール・サラスカ、ピド、他。 ・物語序盤・パリの私立探偵ジャックは、公証人からコルシカ島でレオーニという男を見つけ出し、遺産相続の不動産登記証書を手渡して欲しいとの依頼を受ける。簡単な仕事と、コルシカ島へやってくるジャック。しかしジャックがレオーニという名を口にした途端、島民は頑なな態度になって、彼を無視する。訳も判らぬまま困り果てるジャックだが、何とかレオーニを見付けだそうと奮闘する。余所者には冷たい島民の心を掴もうと、きつい地酒を一緒に飲み、真夜中に歌うジャック。実はレオーニという男、コルシカ島民族主義グループのリーダーで、警察が血眼になって捜しているお尋ね者だったのである。 地中海北部、イタリア半島の西方に位置し、フランス領でありながらまるで違った風土と文化を持つコルシカ島。原作はフランスの人気漫画らしいです。『おかしなおかしな訪問者』『ビジター』でコンビを組んでいたクリスチャン・クラヴィエとジャン・レノが、再びコメディーで集結。率直な感想としては、地方都市の場末の映画館(決して、お洒落なミニシアターではない)にしろ、公開に踏み切った事に感銘すら受けました。とにかく、日本人が観て、解かる内容のコメディーではないんですよ。確かに薄っすらとは可笑しさが伝わるのですが、この映画はフランス人向けに作られた、純粋な国内向け作品です。コルシカ島民気質を熟知しているフランス人ならば、「そうそう、そういう所あるよね、あそこの人達ってさ。」という風に笑えると思います。しかしコルシカ島について、何の予備知識も無い日本人が観ても、本当の意味での面白さは理解不可能です。また言葉遊びもありますので、フランス語に堪能でないと、字幕で笑うのは厳しい部分もあります。この映画は、コルシカ島の人々の習性をデフォルメする事によって、それを笑いに変えるという映画です。例えば、非常に余所者には冷たいという習性。飲み屋で情報収集中のジャックが、トイレの場所を尋ねても、その場に居る全員は固まったまま。後になって、一人の男が意味ありげに近付いてきて、実は…と仰々しく打ち明けてくる。レオーニの居場所に関する情報かと思いきや、店のトイレの場所を教えて満足顔の男。とまあ、こんな感じのバカバカしい遣り取りが続くわけです。他には、民族運動が盛んな事をネタにして、彼らをおちょくった感じで描写しています。別荘を島に買って住んでいる夫婦が、民族運動のメンバーに家を爆破されると怯えてみたりと、全編に渡って、コルシカ島の人々を面白可笑しく誇張して描いています。ストーリー展開は、緩いアホアホ・コメディーなので、結構行き当たりばったりです。一応、レオーニを探すという依頼には、裏に隠された陰謀があったのですが。そこに主人公ジャックの恋愛話なども絡んできて、なんとなく観ている内にハッピーエンドでした。告白しますと、終盤は時々意識が飛んでいました(笑)。なかなか笑うのが難しいコメディーなので、観ているのも疲れるんですよね。コメディー映画と言っても万国共通の笑いではなく、地元民をターゲットにした、果てしなくストライクゾーンの狭いお笑い映画でした。日本人には、余程のフランス通にしかお勧めしません。↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。
May 5, 2006

"THE LONGEST YARD" 監督・・・ピーター・シーガル出演・・・アダム・サンドラー、クリス・ロック、バート・レイノルズ、ジェームズ・クロムウェル、ネリー、ボブ・サップ、ウィリアム・フィクトナー、マイケル・アーヴィン、デヴィッド・パトリック・ケリー、ビル・ロマノウスキー、ビル・ゴールドバーグ、他。 ・物語序盤・八百長疑惑でアメリカン・フットボール・リーグNFLを追われた元トップ・プレイヤーのポール・クルー。落魄れて自棄になった彼は、パーティーの夜、飲酒の上、恋人の車を盗んで暴走する。パトカーとのカーチェイスの末に逮捕されたポールは、八百長疑惑の時の執行猶予も取り消されて、懲役3年の刑で刑務所行きに。所長のヘイズンはフットボール好きで、看守達のチームを作っていた。ポールに助言を求めた所長は、弱いチームと試合をさせて自信を付けさせるという提案に乗り気になる。そしてポールに、囚人達を集めた俄かチームを作る事を強要。渋々引き受けたポールは、気の良い相棒のケアテイカーと共に、チームに参加するメンバーを募集する。最初はなかなか上手く人手も集まらないが、徐々に灰汁の強いメンバー達が集結して、チームは力を付けてゆくのだった。 バート・レイノルズ主演で1974年に製作された同名タイトルのリメイク作品です。オリジナルは未見ですが、リメイクするほど面白い作品だったのでしょうか?今作だけに限って言えば、突出して傑作という訳でもなく、かと言って、駄作というでもなく、要するに平凡な一作でした。ストーリーとしては、先が読めてしまうものなので、ハラハラ感は全くありません。初めは負ける筈だった素人の囚人チームが、メキメキと実力を備えてゆき、最後には高慢な看守チームと所長に打ち勝つサクセス・ストーリーです。ジャンルがスポーツ・コメディなので、所謂刑務所モノの陰湿なシーンはありません。看守の嫌がらせはありますが、ボコられる程度で、殴られた方も「痛ぇ~なぁ」という程度の反応です。精神的に痛いシーンや残酷な表現が全くないので、そういうのが苦手な人も安心して鑑賞できます。フットボールについて、全く無知なのですが、チームは何人で構成されるのでしょうか?囚人チーム、最終的には参加者がいっぱいになってしまって、試合に出られなかった人も居るんじゃないかな?取り敢えず、大所帯なもので、それぞれのキャラクターが覚えられません。それ以前に今ひとつ、それぞれのメンバーを個性的に見せられなかった気がします。各メンバーが異彩を放っていれば、もっと面白いドラマになったと思うのですが。主役のアダム・サンドラーからして、それほど輝いてみえるタイプの俳優ではないですからねぇ…。ケアテイカー役のクリス・ロックは、コメディアン出身ですね。刑務所では囚人の凶暴度を星の数で表しているのですが、彼は星半分というのが可笑しかったです。でもケアテイカーだけが、この物語ではお気の毒な結末を迎えるんですよね。その部分だけは意外でした。映画の売りとしては、オリジナルで主役だったバート・レイノルズが出演している事です。大抵、こういう場合はカメオ出演やチョイ役での出演が多いのですが、バート・レイノルズはかなり重要な役で出演して、美味しい所を演じていました。往年のファンには嬉しいサービスでしょう。ボブ・サップも囚人チームの一員スウィトウスキ役で出演しています。巨体に似合わず気は小さいという、ちょっと愛嬌のある役でした。彼はレスラーとして活躍する前は、フットボール選手だったのですね。他の囚人達も、俊足やら超凶暴の死刑囚やら、様々な面子が集結しています。でも全体を通じて観た時、印象に残る人物が居なかったのですよ。その点が、決して悪くはないけれど、こじんまりした印象になってしまったなぁという原因でしょうか。でもオカマのチアリーダー達は女から見ても、結構イケてました(笑)。個人的に気になったのは、看守チームのキャプテン。結構、色んな映画で脇役として顔を観る俳優さんなのですが、お名前が判りません…。ご存知の方、教えて下さい。・・・画像で調べたら、ウィリアム・フィクトナーみたいな気がする。素顔の写真だから、少し違って見えるけど…。↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。
May 4, 2006

"CRADLE 2 THE GRAVE" 監督・・・アンジェイ・バートコウィアク出演・・・ジェット・リー、DMX、マーク・ダカスコス、アンソニー・アンダーソン、ガブリエル・ユニオン、トム・アーノルド、ケリー・フー、他。 ・物語序盤・トニー達窃盗団は、ロサンゼルスにある宝石交換所の金庫破りを計画していた。しかしトニーに情報を流した人物の元に、この計画を追跡していた台湾情報局の男ダンカン・スーが現れ、トニー達の計画を自白させて警察に通報する。スーの目的はトニー達の奪ったダイヤの内、貴重なブラック・ダイヤモンドだった。トニーはブラックダイヤモンドを一時は手に入れるものの、街を牛耳る一味チェンバーズに奪い取られてしまう。またこのブラックダイヤを狙っている別の人物リンも居た。犯罪組織のボスであるリンは、トニーの愛娘を誘拐し、ブラックダイヤモンドと交換するよう迫ってきた。一時的に利害が一致したトニーとスーは協力する事になるが…。 特に期待もしておらず、借りてまで観る気にもならなかった作品です。テレビで観るのが丁度良いくらいの映画ですね。映画館で観ていたら、多分、怒っていたと思いますが、テレビなので、まあまあ楽しめました。しかしジェット・リー好きとしては、肩透かしを食らう映画でしたね。ジェット・リーが主人公なのかと思いきや、ドラマの展開や出番の多さからして、どう見てもDMXが主役。最初の登場シーンは、ビルの壁面をひょいひょいと降りてゆくジェット・リーがナイスで、彼が活躍してくれるものと思い込んでしまったのですが…。ジェット・リーは台湾からやって来たカンフーのできる脇役という扱いでしたね。「ロミオ・マスト・ダイ」に続いて、ブラック・ムービーへの出演でしたが、あちらの方が主役として扱ってくれていたので良かったかな。スーのキャラクターも、もう少し掘り下げて、対等にしてくれたら良かったのですが。ジェット・リーを応援する者としては、ちょっと寂しい展開でした。でも映画そのものは、B級アクション映画として、普通に楽しめるレベルでした。ただアクション・シーンは、特に迫力も感じなくて、折角ジェット・リーを連れて来たのに、もう少し見栄えのするように撮れなかったのかと思いました。どの格闘シーンも、ぱっとしなかったですねぇ…。ストーリーは有り勝ちと言えば有り勝ちですが、謎の石ブラックダイヤを巡って、色んな人達が入り乱れていて、少しごちゃごちゃした印象でした。ブラックダイヤを単なる高価な宝石として横取りしてしまう黒人一味の存在は必要だったのか。と言うか、善玉(彼らも泥棒なんですが)と悪玉が両方とも黒人なので、皆同じに見えて、人間関係が把握しにくいです。B級映画なので、出演者も凄く名の通った俳優は出ておらず、これが黒人さん達全員同じ顔で判らない状態に拍車を掛けています。武器商人のおじさんだけは白人でしたけど…。そして一番メインの悪役として登場しているのが、リン役のマーク・ダカスコス。人種的には何系の方なのでしょうね?ちょっとアジア人のような風貌です。役柄でもスーの元同僚という設定でしたし。取り敢えず、トニー役のラッパーDMXが主演のクライム・ムービーだと割り切って観れば、失望しなくていいかも。宝石泥棒集団のリーダーで、一人娘を溺愛する父親でもある愛すべき人物。盗んだダイヤを娘にプレゼントするのは、どうかと思うけどさ…。他の面子も犯罪者集団ですが、全員結構気のいい人達ばかりで悪人には見えません。恋人ダリア役のガブリエル・ユニオンもセクシーでしたね。ところで原題の"CRADLE 2(=TO) THE GRAVE"は揺り篭から墓場までの意味ですが、この映画とどういう関係があるのでしょうか?観ていてもよく判りませんでした。全体的に小粒ですが、テンポは悪くないので、暇つぶしに鑑賞するには適当な作品かも。ただジェット・リーに限らずですが、ハリウッドでのアジア系俳優の扱いの低さには残念な気持ちを抱いてしまいます。所詮、脇に付け足すだけの異邦人なのかな、と。↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。
May 2, 2006
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