贅沢な昼寝
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一人東京から修行にきているF君の最終日はスキーツアーだった。新潟県新井市の長沢から風野山に登り、平丸峠を越えて長野県飯山方面まで。そのほとんどが歩きというかなりハードなツアーであった。天気は快晴、風野山を登る途中振り返って見える景色は素晴らしい。妙高、火打など頚城山塊がくっきりと青空を背景にして白い峰を輝かせていた。何度も振り返り写真をとる穂高君。山頂でシールをはずし手早く赤飯お握りを頬張って峠を目指す。F君はご両親に連れられて小さい時からスキーをしている。だから地元の子供のようにスキー操作に慣れている。下りはへっぴり腰になる私と違い、さっさと木の間を縫って下りてゆく。全く転ばない。たいしたものだ。F君の得意なすべりが堪能できるのはここだけ。あとはひたすらの歩き。縦横無尽についているウサギやリスの足跡を見、鳥のさえずりを聞きながら歩く、歩く。ウサギの足跡の隣にシュプールをつけていくとなんとも不思議な気持ちがしてくる。姿は見えないが彼らと一緒にいるような、彼らの世界に足を踏み入れさせてもらったような気持ち。新潟県と長野県の県境を過ぎ大きな池を回ると峠に出た。眼下に千曲川が黒い横線となって見え、夕暮れの町の灯りがともり始めている。ゴールまでもう少しだ。F君はヘッドランプも用意してきていた。それが役に立った。薄暗い中、閉鎖されているスキー場の斜面を注意深く見てゆっくり、ゆっくりと下りていった。体力は消耗しているはずなのに、緊張感からか体も声もしゃんとしてくる。日が落ちて真っ暗になるまでに下りたい。時間との勝負だった。そして無事に到着。小学6年生にはかなりハードなツアーだったが見事やり遂げた。修行の旅の最終日にふさわしい「旅」であった。
Feb 14, 2004
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