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お手伝い(監修)をさせていただいた、テレビ東京『土曜スペシャル』の「高速バス限定の旅3」が18日(土)夜、オンエアされた。特に今回は(番組ではさらっと触れられていただけだったが)いきなり九州内で事故渋滞に巻き込まれロケ現場は大変。突然のことにも関わらず色々ご対応いただいた各事業者さん達に感謝。フリーランスのディレクター兼放送作家さんから最初に企画のご相談をいただいたのはもう4年以上前。関越道事故が発生して企画が延期になったりと色々ありながら、無事に3回目。目指せ、太川さん、蛭子さん!高速バス以外の移動は徒歩かレンタサイクルのみ、というルールがあるこのシリーズ。前回までに増して自転車の比重が大きくなった。特に、しまなみ海道(既に自転車愛好家たちの聖地となりつつある)は、本州から四国までいくつもの海峡を橋で越えていく自転車道が整備されている上に、沿線の多くの拠点でレンタサイクルを借り出してそして乗り捨てもできる、という環境は、高速バスを使った旅行にぴったりだと思う。さらに番組では高速バス車両の快適さや充実したネットワークについても要所ごとに触れていただいており、高速バスの魅力をうまく伝えられたはず(マニア的には言いたいことも色々あるだろうけど)。話は変わり、以前ご紹介した楽天トラベルの「乗務員用外国語対訳集」は、『日刊自動車新聞』(17日付)、『観光経済新聞』(18日付)、『東京交通新聞』(20日付)でも報じていただき、バス事業者その他からの反響も大きかったそう。ところが、本日、その『東京交通新聞』の掲載をチェックしようとしたら、いきなり一面トップが「最先端『多言語音声翻訳機』 五輪向け都内タクシー全車に」。うーん、負けてるぞ。もちろん、高速バスとタクシーでは求められる接客の密度が異なるし、「最先端」なるものがどこまで使えるのかはわからない(記事にも「関西弁だとうまく翻訳されない」とある)が、少なくとも意気込みで負けてる。それどころか、別の面には、東京都個人タクシー協会が会員に対して実施したアンケートによると、3割が「最低でもあいさつ程度の英会話が可能」と答えたという。同協会は、待機時間を利用して英会話を学べるようにタクシー乗務員向けのCDを作成したとのこと。一方で本日付『日本経済新聞』朝刊の新興・中小企業面トップは、「『通』の訪日客にひと味違う旅」として、日本を複数回訪れているリピータの訪日観光客は「定番では飽き足らなくなっ」ており、ベンチャー企業や光の当たらなかった観光地にとって大きな商機だと伝えている。記事中、冒頭で大きく紹介されているのが、「高速バス・マネジメント・フォーラム」で基調講演をお願いした上山康博社長率いる株式会社百戦錬磨。農家での「民泊」を扱う同社のサイトについて、「和菓子作りや農業などの体験型レジャーも紹介する」としている。上に挙げた3つの話題は、それぞれのレイヤー(階層)で、高速バス業界が求められている変革について教えてくれる。まず、何度も申し上げている通り、旅行形態は団体から個人へシフトする(これは邦人客も訪日客も同様だ)。従来なら大型貸切バスに乗せられて、皆がそれなりに満足する有名観光地を訪れることが「旅行」として価値があった。これからは、自転車を借り「自分で走る」ことに象徴される、旅行者個人が興味関心を持ち、かつ旅先でしか味わえない体験こそが「旅行」として選ばれていく。それは残念ながら貸切バスの市場縮小を意味するが、高速バス業界にとっては個人へバラけていく旅行者を拾うチャンスだ。そしてタクシー業界(失礼ながら「最先端」には見えない…)が、コストをかけ全車に翻訳機なるものを導入すると考える程度に、訪日外国人は普通の存在になろうとしている。その二つを掛け算すると、つまり「旅行形態の個人化」×「訪日外国人の増加」が意味するものは、今後、バス業界にとってFIT(海外からの個人観光客)が特別な存在ではなくなる、という動きである。いろいろ複雑な流れの中で、インバウンド(訪日外国人)はバス業界にとって、貸切バス、それもかなり「一部の」事業者の貸切バスを使う存在であり、多くのバス事業者、特に高速バスを含む乗合系の事業者にとっては異なる世界の存在であった。だがこれからは、嫌でも向き合わねばならぬ市場である。もっとも、一足飛びに外国人(というか外国語対応)の話に焦点を当てるのはリスキーな気がする。もちろん、上記「対訳集」のように現場で必要な最小限の対応は進めるより仕方がないが、各高速バス事業者がまずハラに落としこんで欲しいのは、マス・ツーリズムの終焉という旅行ニーズの大きな変化の方である。一方で我が国の旅行流通は、もはやレガシーと言ってもいい既存旅行会社が大きな存在を占めており、個人個人の旅行者の興味関心を実現するという役割を果たすには至っていない。リピータ(特定の路線を出張や買い物などで繰り返し利用してくれる、主に地方側の地元客)に恵まれたゆえ、大都市側(その先にある海外も含む)在住の「一見」の観光客を後回しにしてきた高速バス業界。そして、旅行形態の個人化が進む中でなお、出来合いのパッケージ商品以外を売る仕組みを作り上げられない旅行業界。課題の見た目は違えど、「これまでうまく行っていた」という事実が、次なる挑戦、変革を妨げているという点は共通している。難しく考えることではない。観光の本質は、「自分ならどのように旅行したいか」であり「友人を迎えるとすれば、どのように案内したいか」である。遠方(海外を含む)から友人が自分の街に来てくれるとしたら、どんな風に楽しんでもらいたいか。インバウンド増加という「外圧」は、おおもとの質問に立ち戻るいいチャンスだと感じている。
2015.04.20
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ずいぶんと長い間、本ブログ本来の目的を放棄して、【ご案内】や【ご報告】と頭に付けてイベント開催やメディア露出の情報提供だけにとどまっていたが、そろそろ少しずつ、バス業界への提言という本来の使い方に戻していこうかと。さっそく本文に入る。このブログで何度も書いてきたし、「高速バス・マネジメント・フォーラム」でも申し上げたことだが、「既存」高速乗合バスは、地方部における既存事業者の存在感により、過去30年かけ、地方部にお住いの方の大都市あるいは地方中核都市への足として高速バス市場を作り上げた。ここ10年では、旧・高速ツアーバス各社がウェブマーケティングを上手に活用し、両端が大都市の路線、具体的には首都圏~仙台、名古屋、京阪神線において潜在需要を大きく呼び起こした。地方→大都市、大都市←→大都市と来たなら、残された市場が大都市(およびその背後にある海外)→地方であることははっきりしている。片や、すぐお隣の業界である旅行業界や、それを中心とした観光産業は大きな変革期に差し掛かっている。この国の旅行業界は、団体を組んで貸切バスを借りて、有名観光地を総花的に回って大型温泉旅館へ、という「マス・ツーリズム」が主流であった。そうすることで旅行代金を下げることができ、この国がまだ貧しかった時代においては、一般庶民に対しても旅行に行く楽しみを提供できたという点で大きな意義があった。だがこれだけ情報が巷にあふれ、かつ時間の過ごし方が多様化している時代に、「旅行に行く」「有名観光地をこの目で見る」ということそれ自体は、もう時間とお金の使い方としてはあまり魅力的ではない。一方、消費者を取り巻く情報量が増えているからこそ、人々の関心は「分化」し「深化」が進む。「そこに行かないと経験できない」事象も増えてくる。「家族で農家に泊めてもらい一緒に田植えを経験する」とか「郷土史の専門家のウンチクを聞きながら寺社を回る」とか「好きなアニメの舞台を見に行く」などである。旅行はこれからますます個人化が進むであろう。加えて、訪日外国人(インバウンド)が急増している。2003年には年間500万人であった訪日外国人を2010年に2000万人に増やすというのが政府の方針である。ただ、これを単純に「4倍」と見るのは間違いだ。そもそも上記数字には業務渡航(出張)客などが含まれるが、伸びしろの多くは観光客であろう。また、現在、台湾や中国を中心にアジアからの観光客は団体ツアー参加者が多いが、これがFIT(海外からの個人観光客)にバラケていくだろう。つまり、FITの増加分だけ見れば、4倍どころの話ではない。FIT化の理由は二つある。一つは、この国はアジアの人々に対して個人観光ビザ(査証)の発給を厳しく制限していた。日本人が個人で観光に行けないのは北朝鮮くらいだが、アジアの人たちは気軽に日本に遊びに来ることができなかったのである。ただ政府はビザの発給条件を大幅に緩和しつつある。二つ目は、人は、旅慣れないうちは団体ツアーを好むが、やがて個人で旅をする比率が上がる。日本人も当初は、旅行会社のロゴが入ったお揃いのバッグを持ち(保育所のお散歩かよ!)団体で「パリ・ロンドン・ローマ10日間の旅」を楽しんだのだ。「ノーキョー(農協)ツアー」が代名詞になった時代。それもしかし、時代が進むと『地球の歩き方』が大ヒット。海外旅行は個人旅行へシフトしていった。仮に、2000万人うちのわずか1割が、一度の訪日中に1往復(2便)、高速バスを利用してくれたら、輸送人員としては年間400万人。高速ツアーバスからの「移行組」合計が約600万人であるから、インバウンドが無視できない市場であることはご理解いただけるであろう。FIT化により、インバウンドは「ごく一部」の貸切バス事業者のものではなくなるのだ。ただ、邦人客もFITも、黙っていれば高速バスを観光で使ってくれるわけではない。私は、決して簡単なことだとは考えていない。単にダイナミックパッケージの仕組みを開発したとか、ウェブ予約を多言語化したとか、それだけで答えが出せるものではない。今の高速バスを商品として見た場合、地元の用務客(特にリピータ)に焦点を当て過ぎており、観光客が使いやすいものだとは到底言えない。また(邦人、外人ともに)一般的な旅行者が旅行を計画する際に、高速バスがその候補に上がるような流通網を築けているわけではない。だからこそ大きなデザインを書いていきたい。商品サイド、流通サイド両面において、これまでの「移動」に特化した高速バスと、「旅行」としての(しかしながら上記の通り「お仕着せ」として敬遠されかねない)バスツアーとの間にある大きな隙間を埋めていくことを考えていきたい。それはおそらく、5年も10年のかかる市場のデザインということになろう。一方、「いまできること」を地道に進めることも重要である。昨年末、古巣である楽天トラベルの担当者にそれを伝えたらその場で盛り上がり、まずは、乗務員の外国語対応を支援するため、乗務員携行(実質的には運転席常備)用の「外国語対訳集」を作る話になった。高速バスの現場でよく使う会話を私がリストアップし、5ヶ国語(英/繁体/簡体/ハングル/タイ)に翻訳した。冬場には、スキーリゾートを抱え外国人乗客の比率が大きい数社にテスト運用を行なっていただいた。そこで上がった意見も反映したものを、3月末、無料で全国70社に納品が終わったところである。コストは全て楽天トラベルが負担してくれた(※)。大きなデザインと地道な一歩。そして、観光立国というこの国の次なる生き様の一翼を担えるという誇り。それらのバランスが、新しい市場を切り開いてくれると信じている。※対訳種の件にについては、『トラベルボイス』が15日付でまず報じてくれた。いくつかの媒体で記事掲載が続く見込みだ。合わせて、導入各バス事業者においてもプレス発表をお勧めしお手伝いしたところ『日本経済新聞』地方経済面において、海部観光と関越交通のケースをご紹介いただいた。※4月17日追記:同日付『日刊自動車新聞』にも記事掲載いただいた。
2015.04.17
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あるフリーランスのディレクター兼放送作家の方からご相談をいただいたことをきっかけに生まれた、テレビ東京系『土曜スペシャル』の「高速バス限定の旅」企画。大人気の、太川陽介さん、蛭子能収さんらによる「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」シリーズを追いかけ、「シリーズ化を目指そう。そのためにもまずは3作目まで行きたいね」と話しておりましたが、とうとう3作目の放送が決まりました。首都圏は4月18日(土)18:30から放送です。詳しくは番組公式サイトをご覧ください。今回は熊本からスタートし東京へ向かう5日間なのですが、ロケにご協力いただいたバス事業者の広報担当や現場の皆さん、ありがとうございました。スタッフによると、今回もハプニング続きでハラハラドキドキとのことです。なお、首都圏以外は週を変えて放送になる予定です(けっこうギリギリまで決まらないようです。そんなものなのか…)。話は変わりますが、同じく私が監修という立場でお手伝いしている、バス乗務員専門の求人サイト『バスドライバーnavi』では、バス業界のニュースを集めたページ「どらなびニュース」をスタートさせました。一般に報道されているニュースばかりですが、バス業界に関連する世の中の動きを知ることができるページですので、ぜひご覧ください。
2015.04.15
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