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「それでは、出て行ってよろしい」「本当にすみませんでした、柩木首相」手足に軽く包帯が巻かれ、左の頬にはバンソウコが張られている。痣のようなものがルルーシュの白い肌にはっきりと出ている。紺色のセーラー服のような衣服は少し埃まみれだった。襖を閉めて、薄暗い廊下をしばらく歩くと紺色の袴と白い上着から着替えたばかりのゲンブの一人息子が立っていた。「・・・・と、父さんの説教終わったのか?ルルーシュ。父さんが何か酷い事」「いいや、忠告されただけだよ」以前に比べると向けられる視線は柔らかく、子供らしいがやはり自分を見ると怒ったような表情を浮かべている。ただ父親を意識してるせいか、その表情はどこか作り物のようだった。乱暴でがさつ、無鉄砲で遠慮知らずでガキ大将。恥ずかしい台詞を無意識で言う奴。それが、ルルーシュの柩木スザクの印象だった。「ごめん、オレのせいで・・」「いいや、君の言うとおりにしなかった僕が悪かった」「オレが早く帰っていれば・・・」ルルーシュは最初の印象もあるが、スザクが真っ直ぐで優しいやつという事はだんだんわかってきていた。彼が泣いた顔なんて見たことなかった。今日は、子供にしたらかなり出るのに戸惑う防空壕に閉じ込められた。それもあまり人の通らない林道に入った道路のハジにある見えにくい場所にその防空壕はあった。おそらく、大昔の戦争にでも使っていたんだろう。「・・・はあ、これからどうしよう」連絡はした。今日は買い物も先に済ませたし、ナナリーも検診している。あの家には誰も待っていない。スザクも今日はあの軍人と稽古中のはずだ。まあ、あと一時間くらい我慢すれば柩木の人間が来る。奴らが見張りにつけたSPが。「敵に応援頼むのもばかばかしい気がするが」それにしても、今日の小学生たちは見たことのない顔だった。体も大きかったし、いつもに比べると口調が落ち着いていたような・・。「いてて、あんなに殴らなくてもいいのに・・」一方的な暴力だったが、今日は殴り返す事ができた。スザクに助けてもらえずに自分の力で殴り返せた。顔見知りになってからはよく喋るようになった。まあ、預かってもらってる身としては、嫌われないように今はあくまで心開いた振りしてるだけだが。「ナナリーがあいつを受け入れてくれたらな・・」スザクの話をしてももうそんなに怖がらなく鳴らなくなったから大丈夫だとは思うけど。ア、何を考えてるんだ、僕は。「決めたんじゃないか、誰にも頼ったりしないって・・・」あの男のいう死人にはならないって。「ブリタニアなんて・・・・」かすかな暗闇がルルーシュの心を包み込もうとしていた。父親を考えただけで冷たい目になってることにルルーシュは気付いてなかった。それから15分か、20分たったころ、軽い足音がだんだん近づいてきた。「ん?」「ルルーシュ~、ルルーシュ!!」息を切らして軽い足どおりで色素の薄い髪をした少年がはだしでこちらにかけてくる。頬を赤く染め、その表情は今にも泣き出しそうにルルーシュには見えた。「ルルーシュ、よかった・・。待ってろよ、今あけてやるから」「あ、ああ」寂れた扉が開き、ルルーシュがでてくるとスザクがルルーシュに抱きついて、「ひっくひっく・・、うっ」と泣き始めた。「スザク?」あれ、という思いがルルーシュの脳裏に駆け巡った。こいつ、何で泣いてるんだ?「良かった、君が無事で・・・ルルーシュが死んでなくて本当に良かった」「馬鹿か、僕が死ぬわけないだろう」「馬鹿はお前だ!!ブリタニア人が嫌われてるからでかけるときはオレがついていくって言ったのに!!」「ご、ごめん」誰が馬鹿だといいたかったが、何だかこんなに泣かれては微かな罪悪感が先立ってしまって素直に謝るしかできなかった。「でも、父さんなんでルルーシュだけ叱ったんだ」「君が僕が閉じ込められた翌日、その子供達と喧嘩したからだろう。僕が原因とはいえ、君がそこまでやる必要はないだろう」「だって、あいつらが悪いんじゃないか。それにルルーシュ、君やおいとかで呼ばないでスザクって呼べよ」実は口に出して、スザクという名前で彼を呼んだことのないルルーシュだった。「スザク」「何だ?」「言ってみただけだ」「触らないで」そういわれ、漆黒の髪に触っていたスザクはその時やっとカレンの存在に気付いた。「カレン」スザクは優しく微笑みながらソファーで横たわるルルーシュから離れた。「今日は遅かったんだね、・・・ゼロといたの?」「触らないでって言ったのよ・・。友達だからってやっていいことと悪いことがあるのよ。貴方の趣味を彼に押し付けないで」スザクは眠っているルルーシュに唇を重ねようとしていた。「僕は彼が好きなだけだよ」その笑顔は優しく清らかだ。だからこそ、怖いと思った。「自分の主人が死んだばっかりというのにもう、違う相手に乗り換えようというの?」「僕、気付いたんだ。誰が僕にとって一番好きな人なのかということを。僕はルルーシュが好きなんだ」ごめんなさい、と言ったら彼は笑って許すだろうか。でも、今更どうでもいいことだ。彼に今更、そんなものを向けられても、オレは何も心が動かなくなったんだから。
2007.06.29
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「え?昔のスザクと今のスザクについてどう思うかって?」それはふと会話の間に偶然上がった話題にルルーシュは声を上げた。「うん、あいつ昔からルルーシュにはぞ・・・、過保護なのか?」ぞっこんだよな、とこの人の前ではさすがにいえない。「何と言うか、あいつルルーシュにべったりじゃん」「・・・ああ、そうだな。そういえば、何かと突っかかってきてたな、キライだという割には夕方必ず遊びに来てたし。勝手にずかずかと入ってくるからいつもプライベートはなかったな」「今は?」「今はまあ成長したんだろう、女性にも優しくなったし穏やかというか落ち着いた奴になったな。まあ、子供の頃に比べると何かとスキンシップしてくるが」料理してる時に後ろから抱き着いてキックして追い返したり、場所を選ばずに抱きついてくるし。口元に付いたご飯粒を食べるとか、あさましかったしな。「・・・ねえ、ルルーシュ、セクハラって知ってる?」カレンが急に心配そうに見てきたので、ルルーシュは微かに困ったような表情を浮かべた。「はあ?いきなり何を言ってるんだ、あいつはただ単に人懐っこいだけだろ」いいや、違うね。スザクがお前に対してやってることは友達にする事じゃないね。それは愛だよ、愛。それも親愛じゃなくて、恋愛の方の。「シャーリー、どうしたんだ、変な顔をして」「!あっ、ううん、なんでもない」「大体、お前ら何の本を読んでるか知らないけど、ありえないだろう、スザクが俺に恋をしてるって」ルルーシュは呆れた笑顔を浮かべた。「オレは女じゃないんだぞ」「・・・女じゃなくていいって人もいると思うぞ」「リヴァル、何か言ったか?」「いやあ、何でもありません」特に柩木スザクはそんなのもう拘らなくなってそうだ。ああ、どうして、うちは妙な者ばっかやってくるんでしょうか。「あ~あ、もういや!!」ミレイが豪快に書類をぶちまけた。「また、ストですか」とルルーシュ。「がんばろうよ、ミレイちゃん」とニーナ。呆れたように見るシャーリーとカレン。「まあまあ、後もう少しですから」とリヴァルがコーヒーをミレイに差し出す。そこへ、カタンとスザクにしては珍しく静かな開け方でスザクが入ってきた。その視線は床に向けられ、どこか沈んでるように見えた。「スザク君?」珍しい、いつも笑顔で入ってくる天然で温厚なスザクが今日は落ち込んでいる。「・・・すみません、遅れて」そう一言言うと、一番端のパイプ椅子に座って読書中のルルーシュの前にスザクが立った。「・・・・・・・・・・・・・」「スザク?おい、どうした・・・・」ルルーシュが心配そうに声をかけると、スザクは「ルルーシュ!!」とやけに子供のように感極まった声で彼に抱きついた。「うわっ」いや、正確には座ってるルルーシュの腰に腕をからませて、まとわり付いたというか・・・。「スザク、いきなり何するんだ・・・っ」「ルルーシュ、酷いよ酷いよ、あいつら酷いんだ。ルルーシュが女と遊んでたり、僕が名誉ブリタニア人でユーフェミア様に色目使ったとか・・!!」どこか幼児を思わせる口調と泣きじゃくってるのか、頬をルルーシュの胸に摺り寄せている。どこからか、「ひぃぃ・・・」と明らかに退いているルルーシュの声が聞こえている。「それに僕、ツルッペタンの形のいい美乳にしか興味ないのに、何でユーフェミア様が出てくるんだ・・・」おい、それはさすがにユフィに失礼じゃないか、と思ったがなんと言うか、今の2人に入っていくかどうか疑問符がもたれた。「それにルルーシュも酷いよ!!いつのまにシャーリーと・・・、僕との約束より重要なの!?」バキッ、グキグキッ。明らかに骨がきしむ音が聞こえた。「・・・スザク・・・、ちょ・・・っ、離せ・・・、死ぬ。・・わかった、時間が空いたら連絡するから」「本当!?ルルーシュ、大好きだよ」歓喜に打ち震えてるのか、スザクは力いっぱいルルーシュを抱きしめた。「スザク、ルルーシュ死ぬかもしれないから離せ」
2007.06.28
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「僕は生きるんだ・・・、誰の手も借りずに。生きてみせる、僕もナナリーも」君のあの時の強い眼差しが忘れられない。「・・・本当にお前は大馬鹿だ」肩肘を摺り寄せながら、自分を探しに来た友人がそういった。体もあちこち痛いし、親友の彼が来なければ一人で買い物籠をもって、あの家に帰ることが出来なかっただろう。「いつも、同じ台詞だな」「・・・お前は、自分の事わかってるのか!?」スザクの頬が怒りで赤く染まる。夕焼けに染まる道筋の中でそれを見るのがおかしくて、本当にこいつはいつも翡翠の瞳を大きく見開かせて怒ってるなと思うと、笑みがこぼれてきた。「ああ、悪い・・悪い」くすくす、と笑うルルーシュにさっきとは違うような感じでスザクが顔をしかめた。今日もルルーシュは苛められた。いや、今日はオレもその時間別の用事があって、ルルーシュはオレに気を使ったのか、苛められるとわかってるくせに一人で街へ降りていった。「でも、仕方がないよ、僕は兄だからな」「だからって~、殴られる理由はないだろう。少しは殴り返せよ」「彼らの言い分も正しいからな、まあ、殺されるわけでもないし、殴られるだけで気が済むならましだろう」ああ、こいつはいつもそうだ。痛いくせに弱いくせに、本当は泣いてる時もあるくせに痛くない振りをする。ルルーシュは自分の痛みや悲しみといった、いや、自分のそういうもの、自分というものには無頓着なのだ。もっと信じてほしいのに。「―それに僕もやられてるだけじゃないぞ。あいつらは単純だからな、秘密や弱点をつついてちょっと追い詰めれば、あっという間に僕のものだ。大人たちもブリタニア人といえど、か弱い子供には甘いからな。大人なんてだましたもの勝ちだ」・・・・・・・・・・・まあ、汚いやり方もすっかり身に着けてるけど。「で、でも、オレが一緒にいれば、お前がそんなことやらなくても」「―別に、いつも、君が僕の為に傷だらけになる必要もないだろう。僕はそんなに弱くないぞ、君がいなくても対処くらいできるよ」ルルーシュとしては何気ない言葉だった。友達に意地のようなものを見せたかったのかもしれない。すると、スザクがルルーシュから離れた。「スザク?」「ルルーシュの馬鹿!!」スザクは突如ボロボロと泣きだし、キッとルルーシュを睨んだ。いきなり、馬鹿とは随分だな。「少しは・・・・っ」どこかぎこちないい方だ。そう思って、ルルーシュは不思議そうに朱雀を見た。うつむいてるので表情がよく読み取れない。「オレを信じて・・・、頼って・・・・それでお前は」「うん?」泣いてる事が恥ずかしくなったのか乱暴に涙をふき取ると、軽くスザクがルルーシュの肩をつかんだ。「?」「オレがお前を大好きだって事自覚しろよ!!し、し、親友なんだから」その言葉を聞くと、ルルーシュはしばらく驚いたように目を見開かせた。そうか、本当に真っ直ぐで正直な奴なんだな。つくづく、こいつには新しい感情をぶつけられる。『友達』というのはこんなに気持ちがいいものなのか。要するにスザクは自分に純粋な好意を抱いているらしい。嬉しいけど、微妙な気分だ。こういう善意に満ちた理由はあまりぶつけられないから。「うん、僕も君が好きだよ。お前は僕の一番の友達だ」にっこり笑うと、またスザクの顔が一気に赤くなる。「荷物、先に持っていくから!!」スザクはそのまま凄い勢いで走り去っていった。「・・・体力バカだな、本当」そう、それも今となってはさわやかな思い出だ。そう、本当に柩木スザクは単純で真っ直ぐな奴だった。「ルルーシュ、結婚しようか?」ニコニコ、と優しい笑顔でスザクがそういうと、カレンとニーナはコーヒーをこぼし、シャーリーとリヴァルは「ええ!?」と慌てふためいている。ミレイは明らかに面白がっている。ルルーシュは・・・・。「へえ、またどこで頭のネジを落としてきたんだ?」オリジナル笑顔を浮かべながら、スザクの額を小突いた。「いやだな、僕は本気だよ」さっきよりもさらに笑顔の威力が強くなっている。「じゃあ、病院に行け。いい病院を紹介してやる、いい脳外科医がいる病院ににな」真っ直ぐといえば真っ直ぐに育ったが、そういうものは内緒にしておくのが日本人の美徳じゃないのか?ルルーシュを含む全員がその思いに賛同していた。「人を病人扱いしないでよ、ねえ、いいだろ。僕と結婚すれば、本当の家族になれるよ」キラキラと瞳を輝かせて、ルルーシュを見つめるスザクはルルーシュの手を引いた。オレが断るとか、女を選ぶという考えは思いついていないんだろうか。「・・スザク物理的に無理だから、男同士で子供は生まれない」「でも、ルルーシュ子供産めそうだし」「さらっ、と怖い事言うな!!常識で考えろ!」「じゃあ、僕にどうしろって言うんだよ。君、学校にいないし。たまにいても相手にしてくれないし、へんな奴ばっか君によってくるし」「・・・・要するにスザク君、寂しいだけ?」シャーリーが恐る恐るスザクに聞いた。「うん」と正直に答えた。「・・・だったら、最初からそういえばいいだろう。こんな回りくどい事しなくたって・・・」はぁぁ・・、とルルーシュはため息をついた。「え?僕、本当に結婚申し込んでるんだけど」「余計、たち悪いわ!!」どこから持参したのか、その時は全員でスザクの頭をスリッパで叩いた。「まあ、嫌ですわ、スザクさん、お兄様は私と結婚するんです」いつの間にか来ていたナナリーがいきなり爆弾発言をした。「ねえ、お兄様?」本当に七年間何があったらこうなるんだ、とこの場にいる全員が思った。
2007.06.27
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その人のことを語るときのあなたは本当に幸せそうで。優しさに満ち溢れていて、ああ、この人はそんなにもその人のことを愛してしまったんだと感じた。自分でも気付いてないくらい、もう愛して、依存してしまってるんだと。「僕は貴方の騎士たる資格がありません」そういったときのスザクは痛みを抑えてるようで、父親を殺した事で苦しみ続けてるように見えた。「・・・それに僕にはどうしても守らなきゃいけない人がいるんです」「守らなければならない人?」「はい、普段は横暴というか自信家で無遠慮で格好つけてて、でも妹には優しくて笑うと可愛い人なんです。しっかりしてると思ってるけど結構抜けてますし、普通の運動神経と本人は思ってますが体力なしのおばかさんだったりする照れ屋サンなんです。強いけどもろい人で僕がいないとだめなんです」本人は割りと普通の口調だが、何だろう。このどうしようもない気持ちは。「・・・素敵な女性なんですね」「え?は、はい」女性じゃないけど。ゾクッルルーシュが軽くくしゃみをした。「?」「どうした、珍しいな、お前がくしゃみをするなんて」「・・誰か噂をしてるのか?」
2007.06.25
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「リヴァル、頼む」そういうと、ルルーシュは生徒会室を出て行ってしまった。「あ、ああ」チェス盤はまだ、対戦の最中だ。まだ、スザクのほうが優勢といったところか。「ルルーシュ・・・」このところ、ルルーシュはスザクから距離をとっている。いや、扱いが以前に比べると、過保護というかとにかくそういう扱いをしなくなった。そう、あの日ユーフェミアが日本人を殺し、黒の騎士団が日本租界を征服してから。ルルーシュの何かが変わった。眼帯を左目につけてきて、外見的に。いや、どちらかというと外見的には前と変わらない。変わったのは中身の方だ。「ぼく、ルルーシュに何かしたかな・・・この所、避けられてる」「まっ、まさか、たまたま予定があわないだけだって」この所、ルルーシュは休まないし授業にも出ている。シャーリーとも仲直りしたらしいがまだ微妙な空気が流れている。「そうかな」「そうだよ、この前だってルルーシュのところで夕食一緒に食べたんだろ」「でも、その時は僕はナナリーと喋ってたし。ルルーシュはいつも以上に喋ってたけど、何か会話させてもらえないというか・・」空気を読めない、鈍感そうなスザクもそういうことだけは目ざとい。「・・・う~ん、まあ、でもスザクが話しかけるしかないんじゃねえの」まあ、そうしないと今の彼ではスザクに関わろうとしないんだろう。「オレが変わった?」「うん、・・雰囲気が何と言うか大人っぽくなった」そういうと、屋上で読書していたルルーシュがスザクのほうに久し振りに視線を向けた。「気のせいだろう、オレはどこも変わっていない」ただ、お前がオレにとって見方でなくなっただけ。情、というものを切り捨てただけ。「それだけなら、行ってくれないか。読書の途中なんだ」「ルルーシュ・・・!」すがるようなまなざしがルルーシュに向けられる。「どうして?・・・僕、何かしたのか?」「いいや、お前は何もしてないさ」ああ、お前はただ自分の理想を持ってユーフェミアを愛して、考えようとはしなかった。「離してくれないか、・・・おい、何のつもりだ」扉を開けようとしたルルーシュをスザクが後ろから抱きしめた。温かさがルルーシュの体を包み込んだ。「・・・だよね、僕達親友だよね。どうしてなんだ、何か言いたい事があるなら僕に相談してくれないの」「お前はどうしてばかりだな・・」ああ、ユフィもスザクも好きだった。オレの大切な宝物だったよ、スザク。「・・・ただ、気付いただけだ。自分はこのままではいけない、ナナリーを守るために強くなるという事を」「だったら、僕だって君を・・・、ナナリーを」「・・・・・・・・・・・・・お前はユーフェミアの騎士。スザク、お前はブリタニアを選んだんだろう。だったら、オレに構うな」そういうと、スザクがビクッと肩を震えさせた。「・・・君は」「他人でいよう、これから。あの時、お前が言ったとおりに」ルルーシュは穏やかで優しい笑顔で残酷な言葉をスザクに突きつけた。
2007.06.22
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何でだろう、急に、変なものでも押したのかギアスサーチのサイトが表示できなくなりました。「ファイルへダウンロード」って・・・。なぜだろう、他のギアスサーチに入るか、リングに入るしかないんだろうか。日々の癒しだったのに。
2007.06.21
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「さ~て、今日の催しモノはオニゴッコだ~!!といっても、ただ鬼を捕まえて、最後まで残っていればいいんじゃないぞ!!最後に残った人にはシャーリーの水着姿、カレンの猫耳、ルルーシュの生足が眺める女装姿だ~」今日も放送部から流れる生徒会長のミレイの声は元気そうだ。「ええっ」「・・そんなの、私聞いてない!」「ちょっと、何勝手に決めてるんですか!!」3人そろって一様にミレイに文句を言ってきた。「あ~ら、いいじゃない。平等にくじ引きで決めたことよ。ルルちゃんにはね、新しいコスチューム用意してるのよ」ミレイはそういって、ニーナとリヴァルを読んできた。「会長、このセーラー服のスカート短くないですか?」「・・・ゴスロリと黒髪のロングヘアのかつらもってきたけど」その衣装にルルーシュはビクッ、と震えた。「絶対反対です!!大体、シャーリーたちならともかく何でオレが女装して追いかけられないといけないんですか!!」「そりゃあ、うちの生徒会メンバーの写真でルルちゃんが一番人気だからよ。美少年っていうのは、罪作りよね」そういいつつ、何だかミレイは楽しそうだ。「さあ、リヴァル」「こらっ、リヴァル、離せ!!」「ごめん、ルルーシュ。三ヶ月の食券がかかってるんだ」「オレの価値は食券と同じか!!」「まずは、セーラー服着てみましょうか!!」「いやだあああああ!!」ルルーシュの悲鳴が生徒会室で空しく響いた。ガラッ。「すみません、遅れちゃて・・・」スザクが扉を開けると、そこは別世界だった。「・・・ルルーシュ・・・・・・・・・・・・・・?」漆黒の長い髪、怒っているのかつりあがる紫紺の瞳には涙が浮かんでいて、紺色のセーラー服のスカートからは白い手足が見えていて。赤いスカーフは結われていない、おそらく相当抵抗したのだろう。「・・・・見るな、馬鹿」「これは何と言うか・・・」「うん、似合う似合うと思ってけど・・・」「・・・ちょっと、やりすぎたね、ミレイちゃん」「冗談、と言えないレベルね」さすがにやりすぎたか、という空気が生徒会メンバーの中で流れた。「・・・・・ルルーシュ、君」「誤解するな、これは無理やり会長にやられたんだ!!」「・・・・・ええと、凄い美少女だね、綺麗だよ、ルルーシュ」さすがのスザクも苦笑いだ。だが、なぜそこで頬を赤らめる。「―ルルーシュ、なんだい、その格好は・・」「まあ、お兄様・・・・」と、突如ここにいるはずのナイ聞き慣れた声がルルーシュの耳元で響いた。「ユーフェミア殿下!?それにシュナイゼル殿下も!?」
2007.06.20
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「・・・君がいない」リヴァルとカレンという珍しい2人組が生徒会室に残っていた。「会長は?」「お見合いだって」「ルルーシュは?」「いつもどおり、サボり」「ニーナやシャーリーは?」「ニーナは本屋、シャーリーは部活。スザク君は軍のお仕事」スザク、ときいてカレンはすこし嫌そうな表情を浮かべた。そこへ、携帯の着信音が聞こえる。リヴァルのだ。「はい、あれ?スザク、お前携帯持ってたっけ。ああ、上司から借りてるのか。え?お前はもう・・・、もう少し俺たちにも愛を頂戴よ」それにしても、あの柩木スザクという男、ふざけている。乙女の裸を見ていて、あんなに無反応というのは。そんなに私は女性としての魅力がないというのか、・・まあ、そりゃあ、あのまま暴走されて変な事されるよりましだけど。っていうか、彼は第3皇女の騎士であのお人形みたいなお姫様に夢中なのよね。噂によると、年上との付き合いもあるというし、でも・・・。「ごはんついてるよ・・、ぅん」普通、17の男が友人だからって、17の男相手に頬についたごはんを食べたり、幼馴染相手の電話で甘い声で口説いてたり、・・・大よそ幼馴染の友人の男に絶対しない行動をするのよね。は!?まさか、あいつ、そっちの趣味が・・・。「どうしたんだ、カレン。百面相なんかして・・・」すると、扉が開いて、私服姿のルルーシュが現れた。「・・・えっ、私変な顔してた」「ああ、赤くなったり怒ったり、急に顔を青くしたりしてたぞ」「そ、そう・・・。あれ、ルルーシュ、たいそう服なんかもって・・・補習?もしかして」「ああ、体育教師がでろ出ろとうるさくてな」「そうなんだ・・・」翌日。ガラッ。「きゃあああああ!!」「今日の教室で女子が着替えに使うって聞いてないの!!」「スザク君の馬鹿!!」「あははは、ごめんごめん」軍から抜けてきたスザクはそれだけ言うと、さっさと体操服を持って更衣室に向かった。やはり、平常だ。ガラッ。「あれ?スザク、やっと来たのか。今日は体育館でバレーだそうだ」上半身裸のルルーシュが上着に着替えながらスザクに声をかけた。「うわああああああ!!ごめん、見てないから!!」ドタドタドタ・・・!!「?・・何だあいつ。あんなに顔を真っ赤にして、女の裸でも見たわけでもないのに」「そりゃ兄さん、特別な体ですから」「親父みたいな笑い方するな。大体、あいつといい、うちのクラスの男共はなんで着替える時だけ、のけ者にする?いつもはめちゃくちゃスキンシップするくせに」「・・・・いいねぇ、ルルーシュ。どうか君だけはそのまま純粋でいてくれい」「はぁ?リヴァル、何の話だ?」ルルーシュは首を傾けた。
2007.06.19
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「ふぅん、お前がルルーシュのトモダチか」スザクの知っている彼と同じ笑顔、同じ顔の少年がその血のような目をスザクに向ける。「はい、これを殿下から貴方に渡すように言われました」「手紙か、久し振りだな」お前と会うのは初めてだな、とゼロは言った。この方がルルーシュの大切なふたごの兄。確かに見かけはそっくりだが、何だろう。・・・まとう雰囲気がとげとげしく、冷たい。まるで雄々しく教育されたライオンのようだ。「・・・この目が珍しいか、柩木。ギアスのことは聞いてるんだろう」「はい」絶対遵守の力、人ならざる力が彼の両目に備わっている。「元々は片目だけだったんだが、最近ますます力が強くなっている。仮面をつけなくてはな」知っている、教えられた。彼のギアスでこの国の軍は動かされている。彼は、皇帝の重要な駒として教育されている。ルルーシュがそういっていた、切なそうに。毎日、毎日、同じことの繰り返しで。飼われているのは、わかっていたけどそろそろ違う遊びがほしかった。退屈を壊したかった。「シュナイゼルお兄様、あれは何です?」その日は珍しく第二皇子・シュナイゼルが遊びに来ていた。彼の指差した先には、母親と妹で戯れている自分と似た子供が幸せそうに笑っていた。「・・前に教えただろう、君の弟のルルーシュだよ」「ルルーシュ?あれが?」確かに自分に似ているがアレは自分とまったく違う生き物だ。母親に愛され、あの冷徹でわがままなあの男も彼には愛情を見せているという。妹ナナリーはよく知らない、教えられていない。ただ、笑顔が温かい日の光に似ていた。「・・・お兄様、弟と会う事が出来ませんか?」そうだ、ルルーシュで遊んでみよう。そんなに大切な王子様なら、少しぐらい壊して遊んでも構わないだろう。もしかしたら、利用できるかもしれない。だから、僕は偶然を装って、ルルーシュの前で転んで見せた。薔薇の垣根を越えて、彼がいつも使う通路の真ん中で出来るだけ惨めに、大げさに。「大丈夫か!?」「・・・・・・・う、・・うう、誰?」ルルーシュは僕を抱き上げると、驚いた表情をしていた。当然だ、彼は僕を恐ろしく化け物だとあの女に教え込まれてるんだから。綺麗だと教えてこられたなら。「・・・いやあ、触るな!!気持ち悪い!!」僕は力いっぱい、ルルーシュを突き飛ばした。彼は信じられないといった表情で僕を見ていた。「・・・触るな、泥棒のくせに」「泥棒?」「そうだ、僕はゼロ。お前のふたごの兄、つまりお前が今まで受けてきた愛情も教育も僕のものなんだ、本当は。お前の名前は僕のものだったんだ。だから、触るなよ、汚らしい」あの女が僕に名前をつけなかったのは情がわくのが怖かったからだ。僕が生まれついての化け物だからだ。「兄上?君が?」僕はなぜか流すつもりなかったが、泣いて見せていた。「う~ん、何で泣いたんだろ」それから研究、研究と科学者どもに囲まれる生活をいつもどおりに過ごして、僕はシュナイゼルからもらった軍に関する本や大人向けの本を読んでいた。「そういえば、明日は保健体育か。疲れるんだよな、アレ」皇族という名目上、道具として以上、恋愛や女性についての技術も教えられるのは理解してるんだが。子供という扱いはどうも相手側にない。「ゼロ様」「何だ、読書中は邪魔するなといっただろう」女官に声をかけられ、ゼロは不機嫌になった。しかし、相手にしないのも癪なので扉を開けると、女官の後ろに小さな人影があった。「―ゼロ兄上」漆黒の髪、紫の瞳がそこにはあった。「―ルルーシュ?」なぜか、その瞳は揺れていた。「ごめんなさい!!僕、何も知らなくて!!ゼロを君を怪物だって教えられてたから」拳が震えている。「なぜ、君が謝るんだ?怒るのならわかるが。それに僕が怪物というのは事実だ。僕が命令すれば、明日にでもその女官や下僕が首をくくるんだからな」「―ゼロ兄上」おかしい、確かツンデレ系で家庭教師を泣かせる傲慢でわがまま皇子だとも聞いてるんだが。何だ、このしおらしい態度は。作戦か?ふむ・・。ゼロは、ルルーシュの頬を触ると、涙で濡れた瞳を優しくなめた。「・・・なっ」ルルーシュは一気に頬を赤くして、僕から離れた。「何で!?」「泣いてる顔が嫌だったから、男がつつかれたくらいで泣くな。君が泣いたら僕が後でしかられる」まあ、それならそれでいいか。一日中、無理やり遊びまわせば、嫌がらせすればそんなにくる事はないだろう。適当に遊んで、飽きたら捨てればいいか。「そ、そうか」「じゃ、そういうことだ、おい、そこのお前。これから、僕は風邪で寝込んだ事をする。命令されたくなかったら、僕がルルーシュと遊ぶ事に協力しろ」ゼロはルルーシュの手を掴むと、歩き始めた。「ちょ、ちょっと・・」「兄上と呼ぶな、ルルーシュ。ゼロとこれからはいえ」「・・・は、はい!」そういうと、ルルーシュは笑った。
2007.06.18
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ディートハルトはパソコンに目をやっていた。「くく・・・、これでゼロの人気がますます上がる」どこか血走った目で暗い部屋の中、仕事にいそしむ姿はいささか不気味である。ルルーシュ、いやゼロ本人はその部屋に入るのを躊躇した。この前の発言といい、スザクをカレンに殺そうとさせたことといい、自分を取り残そうとしたメンバーでの発言といい、妙な人物に自分は随分入れ込まれてるなと、背筋が少し冷たくなるような思いで見ていた。ゼロは明らかにディートハルトに対して、引いていた。能力がなければ、あんまり関わりたくないなぁとゼロは思っていた。いくらカリスマ性があり、頭も良い彼といっても中身は17歳の少年である。狂信者、といった彼に戸惑いは隠せなかった。「あんたって、本当にゼロ好きね~」ラクシャータがタバコを吸いながら呟いた。「当然だ、ゼロは我々が望んだ救世主だからな。彼は生きた神話だ」そこへ、本人が通りかかると深々と頭を下げられる。「お前はもう少し、自分という者を意識した方がいいな」「何がだ?」カレンに手渡されたコーヒーをもって、それをすすいで飲んでいると、シーツーが突如そんなことを言い出した。「ルルーシュ、お前は母親譲りの美貌で何人の人間を惑わせてきた?その言葉で他人の人生を簡単に動かしている事を自覚してるか?」「・・・別に俺は誰も惑わせていない、俺についてくると判断したのはそいつの意思だろう。俺のせいではない」シーツーが真正面からルルーシュを見る。「・・・なるほど、本人は自分自身には無頓着なのだな。まあ、そういうところが帰って、奴らの執着心をあおるわけだ」まったく、あの女は思いつきで喋ってるのか知らないが、わからない事を言う。『--お前が想像した世界に、美しい世界にお前の居場所は考えてないんだろう。それで本当にお前の大事な者が幸せになれると?』おかしいことを言う。「・・・ルルーシュって、魚釣れなくて、悔しそうに文句言ってたな。あの時のルルーシュ、本当に可愛かった」意識を現実に戻すと、スザクが生徒会の皆と楽しそうに思い出話にふけっていた。「へえ、やっぱり今と同じで理論とか持ってきたんでしょ」「うん、でも結局僕に勝てなかったけどね」そこへ、カレンが遅れて入ってきた。「ルルーシュ君、隣り開いてるけどいい?」「ああ、構わない」カレンがイスを引きずって座ろうとすると、ふいにスザクが会話を止めて、カレンの肩をつかんだ。「な、何?」「ごめんね、そこに僕の荷物置いてあるからそこはだめだよ。他にも空いてるいすあるからそれに座って」カレンが座ろうとしたのは、ルルーシュの隣の席だ。「別にここでもいいじゃないか、荷物はどければいいだろう」「あ、私は構わないから」最近、気づいた事ではあるが柩木スザクという少年はいがいと独占欲が強い。いや、無意識かもしれない。ルルーシュの隣にいるのは自分だという強い意識があるのかもしれない。「それじゃあね、ルルーシュ。僕、皆の所に戻るね」「ああ」ルルーシュのほうはそれを特に変だと思っていないようだ。彼は学校に来ると、まずルルーシュの隣に座っている。
2007.06.15
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―だ、だから、ナナリーの事だけは・・・。ごっこではなかった。彼は本当に僕を信頼して、友達だと思ってくれた。そう、ルルーシュとナナリーと仲良くなって、あの時から少しずつ僕の中の優先順位というか、絶対の存在が出来たんだ。彼が自分を必要としてくれた事があまりに嬉しくて。普段から家族らしい関係を父親と気付けなかった僕にとって、彼という存在は父が作った箱庭の狭い世界から救い出してくれた唯一の人だった。彼らを戦争なんかのせいで失いたくなかった。だから、あの瞬間、自分の中で何かがピタリとはめ込んでしまって。それは僕でももう、動けない確かなものとなっていて。―なら、父さんはここから出てはいけない。出てはいけないんだ。あのときのことはよく覚えていない。ただ、あの人の言うとおりだ。僕の刃は鞘から抜け出してしまっている。鉄のさびた匂いがまとわりついて、安心していた。ああ、これでルルーシュは殺されない。ナナリーは笑っていられる。―一度抜いた刃は血を見るまで鞘には収まらぬ。いかにして責をあがなうかだ。しかし、それができぬというなら、この場で己の命を断て。「ス、スザク?こら、離せ。というか、ちゃんと説明してくれ。さっきは・・・」だから、僕は彼に誓った。もう二度と自分の為に自分の力を使わないと。・・・ルルーシュ、だからオレを僕を・・・・。「そんな理屈のない君がわりと好きだ」彼は生きる理由をくれた。彼が僕にとっての、刃を納めるべき場所だと信じたんだ。「俺が、君のために力を使う」「しつこいぞ、スザク」「ええ・・・、でも、君が心配だし」廊下から相変わらずの会話をしている2人を見て、ミレイが一言。「本当にスザク君はルルーシュが大好きね」そう、この少年は軍の用事がなければ、ほとんど学校に来て、ああして麗しき副会長の後ろについていって、彼の機嫌を伺っているのだ。まるで飼い主と犬のようだ。「はい、好きですよ。だから、ルルーシュ、護衛してあげるってば。この前みたいに変質者に襲われたらどうするのさ」「別に自分で対処できるさ、スザク、オレはもう子供じゃないんだぞ」「わかってるよ、でも君のことが気になるんだ」真剣な眼差しで大真面目にいってるのはわかる。「・・・・だから、空気を読めって」
2007.06.13
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生徒会での仕事も終わり、廊下を歩いていたカレンは、ルルーシュとリヴァルがじゃれあっているのを見つけた。「いいだろ、ルルーシュ。最近全然付き合ってくれないんだから」「仕方ない奴だな」「2人も書類の整理終わったの?」「ああ、少しリヴァルが行数を間違えたけどな」「その事は言うなよ、ん?掲示板の所に新聞が張ってある。ああ、今月は柩木スザク、うちのエース君ね。来月はカレンがインタビューを受けるんだよな」「ええ・・」―それでは、柩木君、好みの女性のタイプは?ええと、しっかりしていて心が強い女性です。―では、付き合う女性には何を求めます?特には、でもそうですね、ただ側にいてくれるだけでいいです。―ルックスからそれとも性格から?容姿は関係ありませんよ。僕の事を受け入れて、心の優しい女性なら誰でも。「・・・・嘘ね」とカレン。「嘘だな」とリヴァル。「タラシのくせにどの口が言うんだ」とルルーシュ。―では、最後に一番多かった質問をぶつけます。貴方にとって幼馴染のルルーシュ・ランペルージ君とはどういう存在ですか?ルルーシュ君は犬か殺人マシーンと応えましたが。「・・・ルルーシュ君、もちろん冗談よね」「半分はな」・・・・半分は本気ですか。「この世に舞い降りた神で、僕の最高のトモダチです。彼に危害を加えるものがいたら僕はいつでもランスロットで撃墜します」おそらく、この時の彼は瞳をキラキラさせて、表情は歓喜に包まれていただろう。このコメントはさすがのルルーシュも固まっていた。笑顔が引きつっている。「・・・・神だって、どうする?今度会ったら拝まれてるかもよ」「・・・・・・・」「ルルーシュ君、もしかしてスザク君のトモダチという立場を止めたいと思ってる?」「・・・・これだから、ブリタニアは!!スザクをこんな変な性格に捻じ曲げやがって!!」ルルーシュから悔し涙がこぼれた。「いや、多分関係ないから。あれは元々ああいう性格だから」親友の頬についてるご飯つぶを口で盗ったり、銀行強盗の時はカレンを無視してルルーシュとの会話を優先させていた。
2007.06.12
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ナナリーにとっての光。完成された世界は彼で始まっていた。完成された世界は狭く、心地いい世界で、彼女は彼さえいれば生きていけた。それは、スザクや生徒会の皆が加わる事になっても変わる事がなかった。なのに、あの学園祭での特区宣言。あの発言がお兄様と私の世界を脅かす。お兄様は震えていた。当たり前だ、彼女はユフィお姉さまは私たちの居場所さえ奪おうとしているのだから。確かにお姉さまの言うとおりにすれば、平和な世界が戻るかもしれない。こんなに息を潜ませるように生きなくてもいいかもしれない。スザクさんとの事は、心が痛むし泣きたい。でも、その事は許せるし、受け入れられる。でもお姉さまはわかってない。貴方のいい平和な世界が以下に私達を脅かし、私達が否定されている事を。「・・・・っ」お兄様が泣いている。どうして、ユフィお姉さまはそんな残酷な事が平気でできるんですか?私たちの存在が表立てになればどうなるかわかってるはずなのに。
2007.06.11
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この大嘘つきめ。カレン・シュタットフェルトはその扉を開けたことを後悔した。シャーリーやニーナは固まっており、リヴァルは我関せずを突き通していた。ミレイは珍しく困ったような笑顔を浮かべている。「こらっ、触らないでくれないか」「いいだろう、これは私のものだ」見知らぬ少女とスザクがルルーシュをはさんでけんかをしていた。なぜ、ゼロのパートナーである彼女がここに?シーツーはルルーシュを背後から胸を押し付けるように抱きつき、スザクはそんな彼女を放そうとルルーシュの腕を引っ張っている。「私とルルーシュは将来を誓い合った仲だ」「勝手に決めるな!!お前なんかをルルーシュが選ぶ者か!!」と、争いの原因のはずのルルーシュは、眼帯をつけた片目を撫でながら、本を読んでいる。「・・・あの、これは一体どういうことですか?」「それがねえ、私達にもよくわからなくて」シーツーが制服姿で突如生徒会室に現れたのは、30分前くらいの事だった。「ルルーシュ、ピザが食べたい、服を新調しろ。そしてカードをよこせ」「・・・シーツー、何で貴様がここにいる!?」慌てて、生徒会室からシーツーの腕を引っ張って追い出そうとするルルーシュ。「お前が昨日ピザを抜いたからだ」「だからって・・・」「こんな事をしてほしくなかったら、ピザを買って来い」「って、何で抱きつく!!」ルルーシュは飛び込むように抱きついてくるシーツーを慌てて引き離そうとした。そこへ、軍から急いでルルーシュに会いに来た幼馴染のスザクが抱きつかれてるルルーシュの姿を見た。「色仕掛けで迫ろうと思ってだな・・・」「はぁ!?」「・・・君は、あ!離れて、気安く僕のルルーシュに触るな!!」「いつからオレが貴様のものになった!!?」「・・・・・・・・・・・・・いいかげん、喧嘩するのを止めてくれないか」耳元でキャンキャンと罵り合う2人を見てやっと留める気になったようだ。「ルルーシュ、だめだよ!!この女、黒の騎士団の人間なんだから!!今から別れるといってやって!!」「ふん、こいつが私と付き合うのはこいつの自由だろう。ブリタニアの軍人の分際で命令をするな」黒の騎士団?、と首を傾ける生徒会の面々となぜか酷くあわてているカレン。「ルルーシュは僕の7年前からのトモダチだ。そのルルーシュが変な女に引っかかって、悪い事をしないようにたしなめるのも僕の役目だ」「スザク・・・」いや、そこ感動する所じゃないから。「小姑か、要するに。ルルーシュ、こいつを引き離した方がいいんじゃないか、ずっとこんなのと付き合ってたら一日中監視されるぞ」「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」「!!ちょっと、何でそこで考え込むのさ!!」
2007.06.08
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「・・・え、これ本当に殿下からの通達ですか?」『面倒くさいから、いらない』「うん、正式なルルーシュ殿下からの通達だよ。いつもの事ながらわかりやすい応え方だね」「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そうなんですか」「まあ、いいんじゃない、あの昏君のルルーシュ殿下にこき使われるよりは」「昏君?」ほら、本人のお通りだ。「だから、ルル、もう少しデートの日数増やしてよ」「フェネット家のお嬢様だね、最近の殿下のお気に入りだ」「・・シャーリー、殿下はお忙しい身なのよ。貴方も公式の妾ならそれくらい理解しなさい」「カレン・シュタットフェルト、あの赤髪の子名門貴族の血筋で、クロヴィス殿下の騎士に決まっていたのにルルーシュ殿下に鞍替えしたらしいよ。変わり者ダヨネ」「まあ、本妻のわらわをさしおいて、ルルーシュ様に意見するのか」「まあ、最後の彼女は知ってるよね、皇神楽耶。君の親戚で、事実上の婚約者だ」「3人とも落ち着けよ、ちゃんとお前達と会えるように予定を調整するから」女の子が見たらとろけそうな笑顔がそこにはあった。「・・・・皇族って皆、あんな人ばかりなんですか」半ば呆れた声でスザクが聞いた。「まあ、ルルーシュ殿下のお母上、マリアンヌ様は元騎士候だし、11番目となると適当な名門貴族の娘と結婚して、どこかのエリアに配属されるだけだし。成績も運動神経も常に普通でしか結果を出せないからあがいてるのかもね」「・・・え」「気になるなら、とりあえず、僕が会見の席をとるけど?」肌ははらつかせて、簡単なパジャマを着て、寝そべっているルルーシュが高級に作られた別殿上でその少年、柩木スザクを向かえた。雑種のネコと戯れながら。「おかしいな、君は騎士にはしないといったはずだが、何のようだ?」「・・・ルルーシュ殿下にお返事をお聞きしたくて・・・。あの通達は本気でかかれたんですか?」「もちろん、何か不満でも?ああ、日本へ帰れとでも付け足せばよかったか」ルルーシュはくすくすと笑う。「・・・貴方は!僕はまじめに聞いてるんですよ!」あまりのふざけた態度にスザクは思わず感情を高ぶらせる。「なら、ぼくを・・・・オレを殴るか?名誉ブリタニア人とはいえ、お前は敵国の日本人だ。騎士なら、皇族に手を出せばどうなるかわかるよな」僅かな、鼻の先がくっつくくらいの距離でルルーシュはそういった。「君一人死ぬだけですむなら、俺を殴れよ。その時は大勢の日本人が君のおかげでブリタニアの礎になる事を忘れるなよ」ルルーシュはにっこりと微笑んだ。「・・・貴方という人は、僕を脅す気ですか?」ルルーシュはまさか、といってスザクから離れた。「俺にそんな権限はないよ、柩木スザク。オレはただ皇帝陛下の命に従うだけ。さぁ、答えはわかっただろう、帰りたまえ」ふざけた人物だ。毎晩、女性と遊んだり、くだらない遊びに熱中し。立場の上の人間には、尻尾を振る。やっぱり、ブリタニアの皇族は皆そうなんだろうか。後継者争いでは、弱い者は強い者に従い、敗者は容赦なく切り捨てられる。それが血を分けた兄弟でも。夕暮れに染まる中、庭園を見回りしていると、ユーフェミアから送られてきた薔薇を受け取るルルーシュとナナリーの姿があった。―それとね、これは秘密なんだけどルルーシュ様のお母上、マリアンヌ様は皇帝陛下に反逆者として監禁されて、処刑されたんだ。あのお2人も引き離されて、ずっと塔に閉じ込められていたんだよ。そんな事実があるから彼はふざけて、その記憶から逃げようとしてるんだろうか。そんな辛い経験してる風には見えないけど。ナナリーは「それではお先に」といって車椅子に引かれて、手を振って笑うルルーシュを見て、その場を去っていった。「ユーフェミアか・・・」その笑顔は慈愛のこもった、家族に向ける優しい笑顔だったのでスザクも思わずホッ、となった。「オレの妹か、会ってみたい・・・」だが、次の瞬間、ルルーシュはその場にあったバラの花束を引きちぎり、薔薇をぐしゃぐしゃに引き裂き、残った残骸を踏み潰した。「!?」「なんて優しい子なんだろう」優しげな声とは裏腹に身が凍りつくような鋭い紫の瞳がそこにはあった。
2007.06.07
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「ごめんなさい・・でも、日本人は殺さなきゃいけないの」撃たれた一発の銃弾がユーフェミアの小さな世界を粉々に破壊した。彼女は臨めばなんでも手に入れたし、姉の過保護な環境の下ではたくさんに敷きつめられた花の下で嘆く悲鳴や憎しみといった負の感情さえ排除されていた。彼女はスザクを任命したのも、彼を守りたいという感情はあったものの、そこから先へは深く考えていなかった。なぜなら、彼は自分が好きといえば、当然その好意を受け取ってると疑いもせずに信じていた。兄も異母妹も自分の特区日本を喜んで、スザクと一緒に自分と未来を切り開いてくれると信じて疑おうともしなかった。ダダダダダダダ・・・、ズドォォォォン!次々に倒れていく日本人。たくさんの血が彼女の白い肌に降りかかり、彼女の為に作られたドレスは血で染まっていた。彼女が行ったのは手を取り合うことでなく、虐殺という暴力だった。「やめるんだ・・、ユフィ!!」耳元で聞こえる愛しい唯一の人間さえ、ギアスがかかった彼女の耳には聞こえない。見て、ルルーシュ。見て、私ちゃんとうまく出来てるでしょう。貴方が望むなら、日本人を殺してあげる。貴方の要らないものは全て。ねぇ、ルルーシュ、覚えてる?『今日中に決めて、私かナナリーのどっちをお嫁さんにするか』私は、貴方の側にいられるくらい強くなった?ルルーシュ、ナナリーやスザクと貴方と一緒に新しい平和な国を作りましょう。「きゃああああああ!!」「どうして日本人を殺すんだ、この人殺し!!」「ウソツキの魔女め!!」だって、しょうがないじゃない、あなた達は彼の敵なんだもの。「ねえ思いついたんだけど、私と一緒に特区「日本」を・・・。あれ、日本?」ユーフェミアが首を傾けた。「・・・・ああ、そのつもりだったよ」ルルーシュの声が震えていて、泣いてるようだった。そこで始めて、彼女にかかったギアスがわずかながら解けそうになる。パァン!彼女の胸に一発の銃弾が打ち込まれる。それはまるで映画のスローモーションのようで、彼女の桃色の髪は広がり、ユーフェミアは地面に崩れ落ちていく。・・・どうして?ルルーシュ・・・。打たれた本人は自分の体に何が起こったのさえ気づけなかった。―さようなら、ユフィ。たぶん、初恋だったよ。どうして、貴方はそんな悲しい表情で泣いているの?貴方には笑ってほしいのに。ねえ、ルルーシュ。
2007.06.06
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理由がない善意。それはそれは向けられると、君が悪いと感じた。良く大人びた子供だと、可愛げなイ子供だといわれたけどそれを向けられた時の僕は、まるでお化けに脅かされた小さな子供に戻ってしまう。夕食を終えて。ナナリーと喋っていると、スザクは楽しそうに笑っていた。「何だ?」「何でもないよ」その光景はまるで一枚の絵のようで、美しくて、スザクは夢の中にいるような気分だった。だから。スザクが僕たちを助けたいというから理由を与えた。ユーフェミアは箱庭だけで純粋培養された、ブリタニアの皇女で妹だった。そんな彼女にイラつきながらも僕は彼女を女の子として好きだった。なのに、何だ、これは・・・・。「日本人の皆さん、死んでいただけないでしょうか?」彼女の美しい紫の瞳が赤く染まり、一発の銃弾が全てを変えてしまった。彼女は、その手で日本人を虐殺した。オレのギアスの力によって。「ゼロ・・、私たちの日本、救世主・・・・」―やめろ、私は救世主じゃメシアなんかじゃないんだ。オレに押し付けるな、罪を償えというのか、全てを背負えと・・・オレが。「君たちって、変わらないんだね」ナナリーが部屋につれられた後、2人で皿洗いをしているとスザクはニコニコと声をかけてきた。「そうか?お前こそ変わらないだろ、昔と同じで意地っ張りだ」「ルルーシュは少しがさつになったよね」「お互い様」「でも、昔は可愛い感じだったけど、美人になったよね。2人を見ていると本当に思うよ、君たちは決して穢れない綺麗でやさしいものなんだなぁと」スザクはいつもどおり、空気を読まない天然タラシのような言葉をルルーシュにかけた。―違うよ、僕は・・・オレはたくさんの人間から恋人や家族、友人を奪ってるんだ。「ルルーシュ?」「勘違いだ、スザク。オレはそんなに綺麗な生き物じゃない、ナナリーならともかく」―オレは人殺しなんだ。ルルーシュは少し朱雀を見たあと、また洗っている皿へ視線を映した。「オレはそんな優しい人間じゃない、・・・・おい」「ルルーシュ・・・」「こんな狭い所で抱きつくな、暑いぞ」「好きだよ」―理由が必要なのか。幼い頃、言われた彼の台詞をなぜか思い出した。「僕は君が好きだよ」「・・・同情は要らない、離せ」「僕じゃ君のために力を使う、君だけを守りたいんだ。一番は君だ」「いいかげんにしろ、いいかげん、離せ」あくまでも甘えるような声にルルーシュは少しイラッ、ときて怒鳴ろうとスザクのほうへと振り向いた。窓辺の月が雲に隠れた。「・・・・っ」スザクの顔が近づき、部屋の電気が消えた。息が出来ない。目の前の少年が真正面からルルーシュに告げる。ルルーシュの重心が、少年の強引な手で奪われ、その体を床に叩きつけられる。―そんな資格など持っていない。「・・離せ」「だめなの?ルルーシュに言われたとおり、我慢してるのに」「・・悪いが、今はお前の甘えに付き合う気分じゃないんだ、早くそこをどけ」この前のことは事故だ。自分は忘れていたいのに、自分は遊びで利用してるだけだといったのに。「嫌だといったら?」「どけといってるんだ、スザク。本当にキライになるぞ」そういうと、スザクは一度オレから離れた。愛の言葉なんか誰にもこいつにもかけない。オレはナナリーだけにその感情を与える。だって特別な存在を作れば面倒な事ばかりだ。「だって、君が好きといってくれないから僕が言うしかないじゃないか」「誰が言うか、大体、何でオレなんだ。お前なら、女の方から近寄ってくるだろう」ルルーシュは起き上がると、ため息をついて、ソファーに座る。「綺麗な女ならたくさんいるんだ、そっちに行け。オレも適当に遊ぶからお前も・・・」「ルルーシュ、焼いてるの?」顔を上げると、目をキラキラさせたスザクがそこにいた。「自惚れるな、馬鹿。オレがそんなもの抱くわけないだろう」理解してもらおうとは思わない。どうしてここで違う、といえないんだ。確かにオレはスザクに恋愛感情なんてないのに。
2007.06.05
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「誰の許可を得て、ルルーシュに触ろうとしてるのかな?」天使のような極上の笑顔を浮かべて、スザクは壁際に押さえつけた男の一人に問いかける。「・・・・・つ、何だ、てめえは・・・。関係ないだろ」「関係ない?友人が痴漢に襲われそうになっているのを見逃せるわけないだろう」「・・・スザク、男女逆転祭だから。それにオレも男だから」別にしりを触られたくらいで。事の原因は一時間前にある。男女逆転祭で、女装を執行中のルルーシュが、ルルーシュの人気ぶりに嫉妬した生徒にからまれ、軽くしりを撫でられたのだ「君は甘い、もう少し自分の外見がどんな者か認識すべきだ!!」そう、確かに彼の女装はそこいらのモデルより綺麗で、性別を忘れるほどだった。「まあ、そんなに怒らなくても・・」「そうそう、スザク気にしすぎ。それくらいなら、セクハラに入らないって、最初の頃なんかルルーシュ、会長に胸や腰撫でられっぱなしだったぜ」「その事は言うな!!」悲痛な声だった。どうやら彼のトラウマになっているらしい。
2007.06.04
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「お前は死んでいるのだ、その服はその住みかは誰が与えた・・・。・・・・・ルルーシュ、お前は最初から死んでいるのだ」簡単に投げられて、床に崩れ落ちた。違う、違う。僕は、お母様、僕はたとえ父上が一時期の気まぐれだけで出来た命だとしても意味があるんですよね。「・・・・っ」「ルルーシュ!!」息が苦しくて、思わずその声に反応するように目を覚ました。目の前には、ミレイの顔があった。「・・・ミレイさん」ミレイが優しく髪をなでて、微笑んでいた。「酷い顔ね、顔を洗ってきなさい」ルルーシュの横では、ナナリーが安心しきった顔で寝ている。「すみません・・・」ふらりと力のない足つきで洗面所へ向かう。情けない、まだあの男に支配されているという事か。オレは絶対に許さない、ナナリーの自由を奪ったブリタニアを。母を見殺しにしたブリタニアを。「・・・オレは手に入れてやる」ゼロは仮面越しだけど、時々とても孤独な表情を浮かべる。でも彼はその事に意外なほど気がついていない。彼はいつも結果を優先し、ブリタニアを憎んでいる。お願いです、ゼロ。どうか私達が貴方を必要としている事を忘れないで下さい。そのためなら、私は柩木スザクさえ殺せる。あの白カブトのパイロット、ブリタニアの犬になった裏切り者を。スザクはユーフェミアの騎士になって、皆に歓迎パーティーを開いた時、ルルーシュが全然話しかけてこないことに気付いた。「カレン、やめろ」「しかし・・、ルルーシュ」なにやらカレンと親しげに喋っている。もしかして、怒っているんだろうか。自分が彼女の騎士になった事で。「ルルーシュ・・・、ちょっといいかな」グラスをルルーシュに渡すとルルーシュは無言で受け取った。「何だ?」「・・・大事な話があるって言ってたよね、何?」「ああ、もうそれはいいんだ、もう終わった事だ。来い、カレン」でも、という彼女の腕をつかんでルルーシュはスザクの視線を無視して出て行った。そういえば、最近急激にあの二人は前より仲良くなっている。2人とも仲が悪いというよりどちらとも仲良くなろうとしていなかった。それに。「やっぱり、あの2人って付き合ってるのかな?」ルルーシュを好きなはずのシャーリーがまるでルルーシュを好きだった事を忘れているかのような言い方で話しかけてくるなんて。他人ごっこ、してるから?「シャーリー、悔しくないの?」「え?何で?」「だって、あの男がいなければ・・・貴方も私達も・・・・」「いいんだ、これは俺が選んだ選択。ただ予想外だっただけだ」平然と言いのけて、笑うゼロ―ルルーシュ。なんて哀しい笑顔だとカレンは思った。「スザクはブリタニアを選んだんだ」
2007.06.02
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「私と遊びましょ?」「はい?」突然、腕をからませてきた少女は大きな翡翠の瞳をしていた。ルルーシュはホウキを掴んで、その黒髪のお人形のような少女を見た。「だから、私と遊びましょうよ。私、貴方が気に入ったの」「気に入ったって・・。あの、僕今仕事の途中で・・・」少女は覗き込むようにルルーシュの顔を見ている。「私、皇神楽耶って言うの、貴方は?」皇、というとスザクの親戚か。「・・・ルルーシュです、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアです、どうぞお見知りおきを」とりあえず皇族らしい笑顔と挨拶をした。優雅な仕種でそうすると、少女はまあと嬉しそうに頬を赤らめた。「ルルーシュ、いい名前ね。それではルルーシュ、私と遊びに行きましょう」「こんな僕でよければ」我ながら恥ずかしい台詞だな、とルルーシュは思った。彼女に連れてこられたのは日本家屋の純和風の家でかなりの年代ものだった。しかし置かれている調度品や高級そうなおもちゃや洋服が彼女がいかに大切にされている事がわかる。本当にお姫様だな、と少し寂しく感じた。「それで何をして遊ぶんです?、今度は」「そうね、かくれんぼでもしましょうか」かくれんぼ、初めて聞く単語にルルーシュは首を傾けた。「鬼さんが隠れている人間を見つけるんですよ」「へえ・・・」縁側を歩いていると、ふいに裏口が乱暴に開けられた。「おい、ルルーシュ」聞き慣れた声だったので振り返ると、翡翠の大きな瞳をいつものように怒らせている柩木スザクが仁王立ちでそこに立っていた。「まあ、スザクさん、貴方が私の家に遊びに来るなんて珍しい。何しに来られたのかしら?私は今、お友達と遊んでる最中なの」「神楽耶」いたずらを思いついたように神楽耶がルルーシュの腕に自分の腕をからんできた。「ああっ、さわんな!!」スザクはカッとなって、無理やりルルーシュと神楽耶の間を割り入った。「きゃああ、酷いわいきなり何するの」「スザクやめろ!」「何でこいつをかばうんだよ、ルルーシュ!男が女なんかと遊ぶなよな!!」そういって、スザクはルルーシュの腕をつかんで自分の背中の後ろに隠した。良く見ると汗ばんでいる。どうやら、道場帰りに道着を着たまま、自分を探していたらしい。あれ、とルルーシュは思った。「いつもの母屋の所に行ったら、ナナリーは定期健診でいないって言うし、お前は神社の境内にいないっていうし!そしたら、お前が神楽耶と遊んでるし!!」そうまくしたてないでくれ、耳元でキャンキャン言われるとうるさい。そんな強い力で両肩を掴んでシェイクしないでくれ。「・・わかったから落ち着け、スザク、わかったから」「・・・・事情はわかりましたわ、でも今ルルーシュは私と遊んでるんです。私のルルーシュを返してくださいな」そういって、今度は神楽耶に反対の左手をつかまれる。「誰がお前のになった、ルルーシュはオレの友達だぞ」スザクは右腕を思い切り掴んだ。「私のです!」「オレのルルーシュだ!!」ぐいっぐいっ、と腕を両方から引っ張られる。「・・・・ちょっ、ちょっと2人とも、止めろ・・!いたい、痛いから本気で!!」今から思えばいい思い出だ。「・・・・・・・僕は、今後自分の為に力を使わない」オレの大切なものを守ろうとして、オレは自分の父さんを殺した。父さんがルルーシュたちを殺そうとするから。匂い、ナイフの感触、赤い血。血で濡れた自分の顔と真っ赤な手が忘れられない。「・・・スザク?」人を殺したら当然罰を受ける。警察に連れて行かれて、少年院に送られる。それが当たり前なのに、どうして。「どうした、何かあったのか?」「ルルーシュ、ルルーシュ・・・ぼ・・・おれ達ずっと親友だよな。君は僕を見捨てないよね」スザクは焦点が定まってない瞳をルルーシュに向けて、その柔らかいブラウンの髪をルルーシュの背中に預ける。「・・・・?当たり前だろ、君は僕の始めての・・・親友なんだから」落ち着かせるように、ナナリーにするかのように優しい笑顔を向けて、ルルーシュは抱きしめてくれた。「・・うん、そうだよね」スザクは静かに安心したように息を吐いた。そうだ、これからは彼を守ろう。彼らの生きる世界を守ろう。彼の側で、ルルーシュを守るだけに僕は生きていこう。綺麗で優しい「神様」みたいな兄妹を傷つける世界を壊して、新しく作ろう。「スザク?」「ルルーシュ、僕は君の騎士になるよ」「・・・・何を、突然」幼く、大人達の事情など理解できないスザクは目の前でただ一人自分を人間と認めてくれたルルーシュが綺麗で優しい唯一の存在、「神様」や「王様」、「ヒーロー」に見えていた。自分とは違う穢れなどナイ「トモダチ」が彼には必要だった。だから、2人と一時期引き離された時、彼らが(死んだ)と聞かされた時信じられなかった。「・・・違います、もうちょっとちゃんと探してください!!」柩木家の人間にそう詰め寄った。「ルルーシュとナナリーが死ぬなんてありえない!絶対、どこかで生きてるんだ!!」「スザク、これは事実なんだ・・・、哀しいかもしれないが受け入れてくれ」「違う、きっと誰かがルルーシュを僕から引き離そうとして嘘ついてるか、隠してるんだ!!ルルーシュは僕の側にいてくれるといったんだよ!!信じない!」スザクはそう叫ぶと、扉を開けて走り去って言った。「スザク、外はまだ危ないから・・・」そんな声など今の彼には聞こえていなかった。
2007.06.01
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