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「そうだな、例えば日本人を殺せといったら、君の意思とは関係なく・・・」本当に突然の事だった。ルルーシュが私と手を組んでくれる事を喜んでいる最中、その絶対遵守の命令は下された。その頂上の力の前では誰も逆らう事が出来ない。私の中に、殺意が生まれた。「・・・いや」ユーフェミアの瞳が赤く点滅する。いや、殺したくない。「殺したくない・・、私は、いやぁ・・」殺さなければ殺さなければ、日本人を。「・・・殺したくない」ユーフェミアはあまりの恐怖のあまり、泣きながらその場に崩れ落ちる。全身が、その命令を受け入れてしまう事を拒絶する。絶対的な恐怖がユフィを包む。なぜ、殺さなければならないの。だって、スザクも日本の人々も何も悪い事をしていないのに。どうしてなの、ルルーシュ、助けて。私、人を殺したくないの。ああ、でも殺さなければ、ルルーシュの為に。違う、確かに日本は日本人はルルーシュとナナリーに酷い事をした。ルルーシュはとても優しくて温かくて、頭が良くて冷たいようだけど他の人を大切にしていて。そうか、そうなのね。ルルーシュ、助けてほしいのね。ゼロとして求められて、日本人たちは誰も貴方を見ない。貴方の涙、苦しみ、孤独、怒りを見ない。だったら私が、違う、ルルーシュを助けよう、違う。「いやあああああ・・・」「まさか、・・・・・・」日本人を殺さなきゃ、そうしたらルルーシュは喜んでくれる。どこか諦めたような笑顔じゃなくてあの綺麗な笑顔を。そうか、そうなのね。私、スザクじゃなくて、貴方がほしかったんだ。貴方と皇族とかそういうものが関係のない平和な世界で2人で生きたかったんだ。ルルーシュ、愛してるわ、だから。「そうね、日本人は殺さなきゃ」ユフィの視界に床に投げ捨てられた銃が見える。「今の命令は忘れろ!!ユフィ!!」ユーフェミアはこれ以上ないくらい、幸せな笑顔を浮かべた。―私が日本人を残らず殺してあげる。
2007.08.31
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心霊スポットでの肝試し。日本の文化に触れようという『ポロリもあり!?浴衣萌え☆本格肝試し祭』という生徒会長の企画が実行された。それもモニターとして生徒会メンバーで、実況は企画立案のミレイ・アシュフォード、放送部はすでに彼女の僕だ。廃れた温泉ホテルのある人の姿がいない区域。「しかも手製か」「がんばってくださいね、お兄様。私は皆さんの夕食を咲世子さんと作ってますから」赤いランプを持って、ルルーシュは着慣れない浴衣のまま、アミダくじを引きにスザクの後ろについた。スザクの格好は夏祭りに来た法被姿の子供そのものだ。しかもブリタニア軍の紋章入りの。「楽しみだね、ルルーシュ」「お前、今日軍の仕事じゃなかったのか?・・というか、女とデートといってなかったか?」「うん、でも会長さんの誘いだし、ルルーシュがいるからこっちを選んじゃった。浴衣姿、綺麗だね、美人だ」「・・女に言え」どうしてこう、この男は慎みというか空気を読まない。「あっ、私・・・スザク君とだ」カレンがスザクの名前が書かれたくじを引いた。シャーリーはルルーシュ、ニーナはリヴァルとだ。「ユーフェミア様とだったらよかったのに」ニーナがポツリとつぶやいた。「ニーナ、何気に俺の存在、否定してない?」リヴァルは苦々しい笑顔を浮かべている。・・・ゼロとだったらどんなにか。よりによって、何でしろかぶとのパイロットなんかと・・・。ぶつぶつと不満そうなカレンの横を、ルルーシュの手を掴んだスザクがいた。しかもかなり甘い表情で。「大丈夫?怖くなったら、僕を余分だよ。君を泣かせる奴は僕が跡形もなく消すから、証拠も残さず・・」「・・・・・・・・・・お前が怖いよ」「スザク君・・・・」本当にこの少年は幼馴染となると性格が変わる。「いたっ」「あら、すみません、アーサーが急に飛び出しちゃッて」てへっとナナリーが可愛い舌を出して笑った。アーサーに指をかまれたスザクは涙目だ。・・・・・・・・・わざとだとミレイは思った。
2007.08.30
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ああ、どうして、こんな事になったんだろう。「やっぱり、確実に接触する為にはカレンから狙うしかないかな」ニコニコと穏やかな笑顔と紅茶。爽やかなお茶の時間。ここまではいい。「ねえ、ルルーシュだったらどうする?どうやったら、ゼロに接触できると思う」「知るか・・!」そうなのだ、スザクはどこで間違えてその結論に至ったのか知らないが、オレが扮するゼロを気に入ってしまったらしい。おかげで心臓を捕まえられたウサギの気分だ。「・・・お前、あの格好ダサいとか、その個性的とか・・・そもそも、お前ブリタニアの軍人だろう?」「え、まあ、そうだけど」「騎士であるお前がテロリストの親玉であるゼロをどうするつもりだ?」「・・・もちろん、手篭めするつもりだけど何で?ゼロって身体細いよね」さらっと恐ろしい事言うな、こいつ。「初めて、僕を助けた時思ったんだけど、ゼロって多分10台か20代のどっちかだよね。多分肌も若いと思う」「変態か、お前は」
2007.08.28
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いってみれば、それは恋愛感情で、とても同性の親友に向ける感情ではなかった。いってみれば、確かに友人に向けるものとしては恋に近いが、彼にとってそれは恋ではなかった。彼はあくまで友人で、ルルーシュにとって恋愛などどうでもいいことだった。彼がユーフェミアを選んだ気持ちは理解できる。自分を罪深い人間と思ってる人間にとって、それでも自分を好きだと正直に言ってくれることがどれだけ嬉しいか、ルルーシュにはわかる。だから、スザクはルルーシュから特別な人間という枠から外れた。彼はあくまでブリタニアの軍人で自分が倒すべきブリタニアの皇女の騎士だ。ランスロットのパイロットで、本気で内側から変えられると思っている愚かな人間。だから、この男が何を言ってるのか理解できなかった。「ルルーシュは僕が好き?」騎士で忙しいはずのスザクが仕事の合間を見つけて、俺のところに遊びに来た。「はあ?」「ユフィと僕だったらどっちを選ぶ?」「くだらない、他人の恋愛話なんて聞きたくもナイ」「ねえ、応えてよ」コップに紅茶を流し込んでいたルルーシュはまるで駄々っ子のようなスザクにため息をついた。「好きだよ」「どっちが?」「どっちも好きだったよ」「・・・なんで過去形なんだ?」ルルーシュはそういうといつものように優雅に微笑んだ。スザクは思う、こういう時の彼は本当に綺麗だなと。「お前の気のせいだろう」「じゃあ、・・その、行政特区が日本が完成したら、ナナリーと一緒に見てくれるよね」だからお願い。黒の騎士団を辞めて、僕を選んで。「当たり前だろう、お前の夢の一歩だからな」誰が見るか、残念だがお前たちの思うとおりにはさせないよ。
2007.08.27
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耳元の遠くの方で、重くのしかかるような銃声が鳴り響いていた。ああ、そうか、あの音は僕が親友を殺した音だ。「・・・おい、スザク」なんとも心地がいい、と思って目を開けると鼻腔に薬の匂いがかかった。「スザク、起きたか」そこには綺麗な笑顔を浮かべたルルーシュの姿があった。アシュフォードの制服を着ている。「ルルーシュ!?何で・・、いてて」身体がきしむように痛い。寝ぼけた目をこすると、僕は上半身を裸にされ、包帯を巻かれていた。手元には僕の時計があった。「ここは・・・?」「新宿ゲットーから少し離れた病院だよ。大丈夫か、頭にも一応包帯があるからむやみに触るな」スザクの柔らかな髪にルルーシュの綺麗な指が触れる。「何で、特派は!?それに黒の騎士団やユフィは!?」「特派?何だ、それ、それにお前なんでユーフェミアの名前を知っている?まだ頭の中が混乱してるのか?」「あ、えっと・・・」どうなってる?わけがわからない。でも・・・、時間が逆行してる?いや、違う。今僕がいるのはあの時の別の選択肢の世界なんだ。それはつまり、ゼロもいないし黒の騎士団も誕生してないし、ルルーシュが僕を裏切ってない。僕と彼が敵同士になってないんだ。ユフィもまだ死んでないし、ギアスという力にルルーシュが取り付かれていない。「ルルーシュ!」「うわっ!!どうしたんだ、いきなり!」 スザクは嬉しさのあまりルルーシュに抱きついた。「ルルーシュルルーシュ、よかった。よかった・・・」「お前な、久し振りに再開したからって喜びすぎなんじゃないか?」「ルルーシュ、僕、悪い夢を見てたんだよ。君が、君が僕の敵になって、ユフィをだます殺す夢を・・ああ、よかった。君が僕を裏切るはずないよね」「裏切ったのは、最初に裏切ったのはお前だろう、スザク」急に空気が冷えた。夕焼けだったそらが闇に取り込まれていく。「・・・ルルーシュ?」スザクの意識はそこで途切れた。「―・・スザクさん」もう一度、スザクは病院で目を覚ました。今度は本当に現実だった。「あ・・・れ?」ベッドから落ちたらしい。視界が反転している。起き上がると、そこには紫の瞳を浮かべたナナリーの姿があった。「起きられましたか?スザクさん、神根島からずっと寝ていたんですよ」「ナナリー、君、目が・・・」「ええ、貴方が私からお兄様を奪った時に目が見えるようになりました。第3皇女ユーフェミアの騎士、名誉ブリタニア人の柩木スザク」いつもと様子が違う、身にまとう雰囲気が王族としての誇りに満ちている。品位が誇り高い笑顔が彼女の兄とよく似ていた。「お兄様がユーフェミア姉様を殺したんですか?」「ナナリー、君・・・!!」「そうなんですね、お兄様がゼロだったんですね、やっぱり」ナナリーは拳を握って、唇をかんでいる。当然だろう、ずっと兄と信じてきた人間にだまされてきたのだから。「なんて馬鹿なお姉さま、幸せなお姉さま、カワイソウなお姉さま。自分の実力も考えずに行政特区なんて作るからあんな死に方しかできないんです。コーネリアお姉さまに守られて、本国から出てこなければよかったのに」「・・・ナナリー?」何だろう、この言い方は。まるで彼女が死んで当然だと思ってるような。「私がこんな事を言うのは変ですか?でもね、スザクさん。お忘れですか?私もブリタニアの皇女、ルルーシュお兄様の妹です。反逆者、黒の騎士団のリーダーゼロの妹です」「違う!!君は違うんだ!アイツはルルーシュはもういない、君の知ってるルルーシュはゼロで僕たちをだましてたんだ!!・・・あんな奴を親友と思ってたなんて」ナナリーがキッとスザクを睨んだ。「黙りなさい、日本人の裏切り者が・・・私のお兄様を侮辱することはこれ以上許しません」一歩も引かない態度。これがあのナナリー?「・・・では、お聞きしますが貴方の知ってるお兄様はなんだったんです?貴方は本当に友達だと思ってたんですか?お兄様がただの綺麗なお人形に見えましたか?」「あ、・・ルルーシュは妹思いで優しくて、強くて、冷たそうに見えるけど実は温かい人で。何でも許してくれて・・・」「では、なぜVVの言葉を信じたのです?そんなに大切に思って気付いていたなら、なぜ面と向かって私のようにお兄様と向かい合わなかったんです?貴方がご自分の父を殺したカワイソウな殺人者だからですか?ご自分を守るだけで精一杯で、周りが変わってご自分の言うとおりになるのを待つだけ?片腹痛いですね」「止めろ!!君に何がわかるんだ!!」「ユフィ姉さまが貴方の光だったように、私にはお兄様が光だったんです。ゼロでもどんなにその手を血で染めても」
2007.08.25
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・・・よくかんがえるのよ、紅月カレン。だって、相手は正体不明で顔も見せない相手だよ。確かに男は外見じゃないけど、限度というものがある。声もまだ20は超えていないから、一つか二つくらいなんだろう。確かに新宿ゲットーから始まって、彼の優秀な頭脳で私達はここまでのし上がった。今では黒の騎士団は他のレジスタンスに比べれば、一線を強いている。それにキョウトとも連絡がとれそうだし。腰も細いし、男としての逞しさとか・・いや、でも声が妙に色っぽいというか魅力的というか。でもあの服のセンスは。「ああっ、だから、違う」何なんだろう、彼の事を知らないのにゼロの事が頭から離れていかないのは。まさか、恋!?いやいや、これはただの尊敬というか、単なる憧れというか。うん、そっちの感情のほうだろう。もしくは、お兄ちゃんに重ねて見てるとか。「失礼します・・、カレンです。お茶を持ってきました」自動ドアが開き、いつものように本を読んでいるゼロが団員から貰ったイチゴをみつめていた。じいっ、といとおしげに。「・・・ゼロ?」しばらく考えた後、ゼロは仮面を少しはずして、イチゴを食べ始めた。きゅうん、と心臓がなった。か、可愛い。「・・・あれ、でもこういうのって男子側が抱く感情じゃあ・・・」
2007.08.24
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「今更、オレに何のようだ、柩木スザク」ゼロの衣装に身を纏ったルルーシュが冷たく、地面で座り込んでいるスザクを見据えた。「・・・・っ」肩を打たれたのだ、ルルーシュの手によって。ルルーシュの隣には数人の騎士団の団員がいた。「敵地に一人で入ってくるとは、第3皇女の騎士候にしては随分甘いな」「・・・ルルーシュ」スザクは肩を抑えながら、表情を崩さない目の前の支配者を見つめた。漆黒の髪も紫の瞳も、滑らかで白すぎる肌もその綺麗な顔立ちも幼さがなくなったものの、見慣れた美しさを保っていた。「さぁ、教えてもらおうか、誰の命令でここを訪れた。こんな銃一つでここに来るなんて馬鹿としか言いようがないが」「・・・投降するんだ、ルルーシュ。これ以上テロ行為を、ブリタニアに逆らい続けても意味はない」ルルーシュがスザクの前髪を乱暴に掴んで、自分の方に向けさせた。「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアは死んだよ、8年前にいや9年前だったかな。私はゼロだよ、柩木」「違う、君はルルーシュだ。僕の幼馴染でナナリーの兄の・・」「この男に銃を握らせろ」ルルーシュが命令をすると、団員の一人がスザクに銃を握らせた。「ならば、また君のお綺麗な理想で存在を否定するか?お前は大好きだもんな、自分が。この自己満足の死にたがりのお坊ちゃまが」違う、自分が知っている彼はこんな皮肉った笑顔を浮かべない。いつも包み込むようにナナリーに優しい笑顔を浮かべていた。「大嫌いだよ、お前のその正義の味方面した態度が。さあ、選べ。今、オレを殺すか、それとも命乞いして情報を受け渡すか」「ルルーシュ、止めるんだ!!父親を殺すなんて、自分の国を亡ぼすなんてこと・・・本当にそんなやり方でナナリーが幸せになれると思うのか!!」ルルーシュが顎をつかんで、強引に自分の方へ引き寄せた。「お前に何がわかる・・・、オレの何がわかるというんだ?そうやって、また都合のいい事だけ見て逃げるんだな、貴様という男は・・・」憎しみで染まった鋭く尖った瞳がスザクを捉えていた。「・・・・ルルーシュ?」呆然とした瞳でスザクは瞳を見開かせた。「あの時、父親を殺した時、お前も死んでしまえばよかったのに・・・再会した時、殺すべきだったな」被害者ぶるな、加害者なんだよ、もう、お前も。傷ついた顔なんて許さない。お前の人格を踏みにじり、お前の大切なものを奪い、その薄いプライドをずたずたに引き裂いてやる。お前に幸せなんて与えてやるものか。「本気で言ってるの・・・ルルーシュ」「当然だ」間違っていようと正しいかろうと俺がそう決めたのだ。「どうして、そんな風に変わってしまったんだ!?ルルーシュ・・・僕にはわからないよ!!君は優しい人のはずなのに!!」「お前は父親とはうまく行かなかった、だが柩木家の跡継ぎとして最初から選ばれて育てられた。スザク、お前は自分の兄弟に毒を盛られた事があるか?父親に存在否定されて死にたいと思ったことはあるか?母親が死んで、その死体を汚いと思ったことがあるか?ないだろう、お前は守られて、生きてきた人間なんだから」「ルルーシュ・・・」「俺に友達なんて存在しない、俺にあるのはブリタニアへの復讐だけだ。ブリタニア皇帝・・あの男の全てを奪う事だ」「ルルーシュ・・・!」「さあ選べ、柩木スザク」
2007.08.22
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僕が守らなきゃ。僕がルルーシュを守らなきゃ、だってルルーシュはナナリーを守るから。僕が守らないと誰もルルーシュを守らない。だってルルーシュは弱い。寂しがり屋だ、誰かが僕が側にいないと、皇帝陛下が彼を拒むなら僕が彼を愛さなきゃ。ルルーシュはナナリーに甘い、だから僕が甘えさせてあげるんだ。―残念ながら、生存は絶望的だろう。「ロイドさん、それじゃあ、お先に失礼しますね」ランスロットの整備中のロイドにスザクが声をかけた。もう、辺りは明るい。残業やら作戦会議でこんなに遅くなってしまった。「一度寮に戻るの?」「はい一度休んで、その後学校に行きます」「お友達に会えるといいわね」ロイドは何がおかしいのかくすくすと笑う。「はいっ」そんなことない。あいつらは生きてる。お願いです、探してください。あいつらは、ルルーシュは強がって大人びてるけどまだ子供なんだ。誰かが、大人が守ってあげないといけない子供なんだ。「・・・・んっ」目覚ましを八時くらいにセットする。目を閉じたらすぐ眠りに入れる体質は今のスザクには救いだった。あちこち探した、でも見つからない。何度読んでも帰ってこない。彼は約束したんだ、オレの為に力を使うと。生きているに決まってる、そうだよ、どこから現れてまたいつものように馬鹿とかいって、あの綺麗な顔で笑うんだ、ナナリーと一緒に。―そうだ、ルルーシュにイチゴフェアがレストランである事を教えなきゃ。それから数学を見てもらって、アーサーと遊んで。それから。「待ってよ、ルルーシュ」「何で、逃げるんだよ、補習は受けなきゃ」「誰が受けるか!!」生徒会室まで数メートル、ルルーシュはスザクに追いかけられていた。―お前は世界から弾かれたんだ。ゼロ、ルルーシュが死んで世界は平和を取り戻し、エリア11も以前の様子を取り戻しつつあった。ただ、変わったのは。「・・・来ないで下さい、スザクさん」何かに怯えるように、敵を見るような目でナナリーがスザクを見るようになった事だ。「貴方はお兄様を絶望のそこから地獄のそこへと叩き落した、酷い人・・。私にはお兄様しかいないのに」どうして、あの男は君を裏切ったのに。「あれ、これだったけ?ねえ、ルルーシュ~」振り返ると、生徒会の面々が驚いたような張り詰めたような表情を浮かべた。「何言ってるんだよ、スザク」「そうよ」「ルルーシュはもうこの世にいないんだよ」「だって、彼は貴方が殺したんでしょ?ゼロだから」「・・・・・あはっ、ようやく気が付いた?」薬の匂いが鼻腔をくすぐった。身体に鋭い痛みが走った。「ロイドさん・・・」「君、ゼロとの戦闘で正面から刺されてランスロットごと倒されたんだよ。セシル君が回収~」「・・・・・ゼロ、だってアイツは・・」「神根島で討った?残念だね、ゼロは生きてるし、黒の騎士団も健在だ。―エリア11は奪われたよ、ゼロに。日本国の復活だ、君がゼロを殺さなかったおかげで」日本が復活?「・・・そんな、まさか・・・」「間違った方法に価値はないんだっけ?残念だね、スザク君。ゼロに同情され生かされて、その上みすみすエリア11を奪わせるなんて。騎士候の降格もありえるかもね」何で泣いているのユフィ。ルルーシュに殺されてるから?え?ルルーシュを助けてって。ルルーシュが泣いている。怯えている。強い人間じゃないって。どうして、ルルーシュを苛めるの、貴方に存在を否定する権利があるのって?なぜ君があいつをかばうの。だってあいつが間違ってるのに。どうして、君が泣くのルルーシュ。
2007.08.21
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「スザク様、ブリタニアの子と仲良くするのはおやめ下さいませ」いつも何かとスザクを助けてくれる若いお手伝いの女性が玄関で靴を履いているスザクに声をかけてきた。「最近、学校から帰るなり、お部屋にお荷物を置きっぱなしですし、夜になれば抜け出してあそこに行ってるでしょう。ゲンブ様もおばあ様も心配なさってますよ」彼女はルルーシュたちが自分に悪影響を与えないか、といっているのだ、つまりは。だから、スザクはむっとなった。だから・・・。「うるさいな、オレが誰と付き合うとオレの自由だろ!!」「ああ、小さい頃は色々な暗号を作った。襟元をこうやって上げさせれば秘密基地で会おうというサイン、神社でかくれんぼの場合はキツネ、おやつの時間は来るなという×のブロックサイン、蔵に入れない時は「ひざまづいて待っていろ」という皇族の挨拶で合図をさせた」相変わらずルルーシュのシャツ一枚でピザを食うシーツーは、「そうか」となぜかほほえましそうに応えた。「それでか、犬のようにスザクがまとわり付くのは」「ああ、あいつ良く晩御飯をあさりに夜にも来てた」「・・・これでチェックメイトだ」ルルーシュは不敵な笑みで将棋の最後の駒を置いた。「ええ~、またオレの負け?」「君が弱すぎるんだ」「何だよ、お前だって喧嘩じゃ俺に勝った事ないくせに」「チェスや将棋では勝っている」本当にああいえば、こういう奴だ。プライドも高くて、口もうまい。「日が翳ってきたな・・お前もそろそろ本宅に戻れ」「えっ、今日のお前の所は、とんかつなんだろ。オレ、お前のご飯が食べたい」ルルーシュがスザクの頭をはたいた。「ナナリーを飢えさせる気か。それに君と首相の所にお客がくるんだろ、跡継ぎであるお前が行かなくてどうするんだ」「いてて・・、だって、父さんたちの話つまらないんだもん」「スザク」「わかってるよ」藤堂は柩木家の邸内で、何となくブリタニアの皇子達がいるという蔵の方へ向かった。正確には、スザクとルルーシュの仲良し振りを見るためだ。スザクは本当に変わってきている。「さて、もうすぐかな」彼、ブリタニアの皇子と友達になって以来、彼に子供らしい笑顔が良く浮かぶようになった事が嬉しかった。初めての友達といられることが余程嬉しいんだろう。「はぁ、しつこいぞ、スザク」その時、ルルーシュの声が聞こえてきた。木陰に隠れると、買い物から帰ってきたルルーシュとなにやらすねているスザクの姿が目に入ってきた。「いつまですねるつもりなんだ」「だって、SPの奴、ルルーシュを守ると約束したのに!」「お前が一方的にとりつけたからだろう」ルルーシュは呆れたようにスザクを見ている。「・・・そりゃ、お前町の奴らは嫌な奴が多いんだろうけど、もうちょっと俺達を頼れよ。そうだ、俺と一緒に身体を鍛えようぜ」「だめ、ナナリーが心配する」ルルーシュは一分も立たないうちに否定を返してきた。「でも、お前はオレと・・・」「しつこいぞ」「ちえっ、わかったよ」まだ、ぶつぶつと文句を言ってるがルルーシュは特に相手にする気はなかった。しばらく、沈黙が続き、ルルーシュの買い物のかごが揺れている。赤いりんごが見え隠れしている。「・・じゃあ、今日は一緒に食べていいか」「たかる気か」「・・・・・」「あんまり食べ過ぎるなよ、ナナリーの分がなくなる」また沈黙が続く。すると、それはいきなり、来た。「オレがお前を幸せにしてやる!!」「・・・・・は?」急に言われたのでルルーシュも対処が僅かに遅れ、スザクがあっという間にルルーシュの手を掴んだ。・・・・・ス、スザク君?「だからオレはお前を養ってやる。ナナリーも一緒に」「・・別に君の施し入らないんだけど」若干、ルルーシュはその勢いに圧倒されているようだ。「オレとずっと一緒にいてくれ、ルルーシュ!!」何だか、プロポーズみたいだ。「・・・ええと、僕女のこの方がすきだから、だから、ごめん」「だから、お前もウワキするなよ。そんなことしたら縁切るからな」スザクはニコニコと笑顔を浮かべている。「だから、何で!!」「お前は俺が嫌いなのか?ルルーシュ」「・・・そりゃあ、友達だから好きだけど」しまったと顔を上げた時は遅かった。もう抱きつかれていた。「ルルーシュ!!」「こらっ、抱きつくな!頬を摺り寄せるな!!」そのまま二人は足を滑らせてこけた。「まあ、お兄様、スザクさんのお嫁さんになるんですか?おめでとうございます」運が悪い事にそこへナナリーが現れた。「違うんだ、ナナリー!!こらっ、いい加減はなれるか降りるかしろ!!重い!」「ルルーシュ、俺がお前を守るからな、約束は守る!柩木スザクは日本男児だからな」・・・・首相に教えた方がいいんだろうか。その日、門の前で頭を悩ませている藤堂の姿があったとか。
2007.08.19
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「・・・・・・・何で男子の制服着てるの?」16才の夏、新宿ゲットーで懐かしい幼馴染の少女にであった。しかもテロリストが使っていたワゴン車の中で。「何でって、オレがアシュフォードの男子生徒だから」「ルルーシュ、君女の子だよね」「ああ」「何で男のふりしてるの?」するとルルーシュが不思議そうに言った。「いや、もうすぐ3年たてば手術しようと思って、形から。忘れたのか、オレは男になりたいといったこと」頭が痛いとはこの事だ。その数日後、スザクはアシュフォード家に入学した。「ああ、ルルちゃんのあの格好ね。びっくりしたでしょう」「それは・・もう」「でも、ルルちゃんもずっと悩んでたのよ、あれで。ホラ、あの子酷い男嫌いというか異性に対してトラウマ持ってるでしょう。抵抗してるのかもね」「抵抗?」すると、目の前で女の子と喋っているルルーシュの姿があった。「ああしてると、完璧に男なんだけどね」「・・・・・その聞いていいですか、ルルーシュって、男の子に恋したりとか」ミレイが深くため息をついた。「だめだめ、私も色々試して見たんだけど、絶望的」「そうですか」「でも、ルルーシュ言ってたわよ、スザクなら大丈夫だって」え。スザクの心臓が期待で高鳴った。「あいつ、親友で兄弟のような存在だからって」「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それって、恋愛対象に入ってないじゃないですか」「あははっ、そうね」「久し振りだな、お前とナナリーで夕食なんて」夕暮れ時、ルルーシュはスザクをクラブハウスに誘った。「そうだね」「?どうかしたのか、お前落ち込んでるみたいだけど」心配そうな表情でルルーシュがスザクを覗き込んだ。「・・・うわあ!」スザクは勢いよく後退した、頬を赤くして。その時だ、ルルーシュの服の間からかぎなれない男物の香水のような匂いがしたのは。「ルルーシュ、香水つけてる・・?」「あ、ああ・・これか。昨日、友達の家に泊まったからその時に付いたんじゃないかな」残り香?「ともだち・・・、それってもしかして、男とか?」「何言ってるんだ、女に決まってるんだろう。男の家なんて泊まりたくない」「・・・・」「行くぞ、スザク」
2007.08.18
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「僕とルルーシュに子供がいたら、どんな子供が生まれるんだろうね」爆弾が、クラブハウス内のルルーシュの部屋で落とされた。「・・・・・・・・・は?」ここにナナリーがいなかったことを心から感謝したい。「だから、僕と君との子供」スザクはにっこりと微笑んだ。「ルルーシュ、子作りしようか」「会長、アイツに何ふき込んだんです?」「何よ、藪からぼうに」「・・スザクの奴、オレとの子供がどうとか」「ああ、それね」ミレイがクスクスと笑い始めた。「ユーフェミア様の騎士でしょう、だから最初は彼女との子供だったらどうかなって」「それが何でオレに変換されるんです?」「『皇女殿下とだなんて、そんな・・・僕はただの軍人ですから』だって」頭が痛い・・・。昔からスザクの思考はわからない、あの男は思いつきで理屈なしで行動して、騒ぎを起こすのだ。「常識で考えればすぐわかるだろ、男同士で子供は生めない」「『ルルーシュなら生めるかも・・・』と冗談を最後に言ったのよ」「アホですか」そこへ、本人がやってきた。「何の話?」「スザク、いや、なんでもない」「それで昨日の話しなんだけど、ちょっといいかな?」来た~っという雄たけびがどこからか聞こえた気がしたがルルーシュはあえて無視した。「ああ」「じゃあ、屋上に行こう」「その昨日の話はなかった事にしてほしいんだ」ルルーシュはその言葉にホッ、と胸をなでおろした。「そうか・・・」そうだよな、スザクはわかる奴だ。友人の思考回路を疑ってしまった自分が恥ずかしい。だが、次の瞬間ルルーシュはその考えを改める事になる。「だから、結婚を前提にお付き合いしてほしいんだ」「はい?」
2007.08.17
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「・・・シュ、ルルーシュ・・・」血で濡れた階段。「・・・ルルーシュ、どこにいるの」そこには銃弾の痕。転がった皇帝といわれていた男の死体。「オレだよ、スザクだ」アリエス宮は人はいない。彼の「家族」と称される皇族はもう戦う気力もなく、拘束されている。ゼロのルルーシュの命令で。ブリタニアは壊れるのだ。自分の国の皇子によって。どこかで子守唄のような、オペラのような美しい歌声が聞こえる。「・・・ルルーシュ!!」間違うはずがない、その声はルルーシュだ。母親と妹と幼い黒髪の少年が描かれた肖像画やコーネリアやユーフェミアの肖像画が飾られた長い回廊。雪が降り注ぐ、薔薇が見える廊下にその少年は銃を持って座っていた。どこか遠くを見る眼差しで、美しい声で歌っていた。「・・・・ルルーシュ?」違和感があった。「・・・・・・・・・・・・・誰だ?何だ、君か。日本人がこんな所で何をしている。ここはブリタニアの王宮だぞ」今にも泣き出そうな、怯えたような寂しそうな表情。その綺麗な顔は血で赤く染まっていた。「ルルーシュ、外にカレンが待っている。・・・さあ、行こう。日本に帰るんだ、ナナリーも君を待っている」「ナナリー・・・、ああ僕が捨てたあの妹か。まだ、生きてたんだ」淡々とした、感情が抜け落ちた声でルルーシュは言った。どうでもいいものとでも言ってるように。「・・・ルルーシュ、君は」見慣れた紫の瞳がスザクを見て、銃を差し出してきた。「ほら、持てよ、スザク。僕を殺しにきたんだろう、大丈夫、今度はちゃんと死んであげるから」僕?知らない、こんな弱いルルーシュは知らない。俺が知ってるのは口が悪くて頭がいい事を自慢してプライドが高くて、強くていつも前を見ているルルーシュだ。こんな死んで、凍りついたような瞳を彼が浮かべるわけがない。「ようやく苦しんでみっともなく死ねる」その時だ、初めてルルーシュが天使のような綺麗なとても綺麗な笑顔を浮かべたのは。「だめだ、ルルーシュ!!」スザクは無意識にルルーシュを抱きしめていた。「・・・・だめ?なぜだ、間違いなんだろう、だったら正さなくては。そうだろう、お前がそういったんじゃないか?」―お前の存在が間違いだったんだ。「そんな・・・君は」傷つけていた?自分の言葉でルルーシュが?「ははは・・・、僕は今まで何の為に馬鹿みたいだ・・・結局、あの男の父上の言うとおりだったんじゃないか」はらり、とルルーシュの瞳から涙がこぼれる。「何の為の独立戦争だよ・・・・」銃を握る手がガクガクと震えている。「全部全部、母さんの手の中だったなんて・・・オレは何の為に、クロヴィスやユフィ、シュナイゼルやコーネリア・・たくさんの人を・・」傷つけていた・・・。こんなにルルーシュの心は傷ついていたんだ。オレの一言で。父親の一言で。オレは何を見てきた?僕は今までルルーシュの何を見てきたんだろう。こいつは強くなかった。残酷で冷酷で強いゼロでも、優しくて聞き分けのいいルルーシュでもない。ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアはオレと同じ人間だったんだ。憎んで、あがいてもがいて苦しんで、必死に生きていたんだ。綺麗な人間じゃない、けれど、君はずっとそうやって泣いていたんだ。そんな感情は隠してたけどずっと泣いていたんだ。「いいんだ、ルルーシュ、もう・・」「・・・何のつもりだ、これは」スザクは優しくルルーシュを抱きしめた。「ごめん、どんなに過っても許してもらえないけど、ゴメン。君は生きてる、生きていいんだよ。君は間違いじゃない・・・オレは君が必要だ」「今更、そんな事言って・・・・、僕が言うとおりにするとでも。いらないんだろう、僕は生まれてこなければ良かったんだろう。そうだよ、僕もお前が嫌いだ。いつもいつも勝手にずかずか入ってきて、自己中心的で人の言う事なんか聞かないで、無神経で僕の邪魔ばかりして」「そうだね、僕は馬鹿だよ、君の言うとおり」「離せよ、・・僕はお前の施しなんかいらない!!」ルルーシュは、力強くスザクの胸を叩いた。「お前なんかいなければよかったんだ!1キライだ、大嫌いだ!!日本人なんか、お前なんか・・っ」まるで小さな子供のかんしゃくのようだ。ルルーシュは泣きながら、スザクの胸を叩き続けている。「オレは好きだよ、君が」「・・・・・っ」「君は言ったよね、オレに生きろと・・だから、君も生きて、オレとナナリーの側にいてくれ」「出来ない、無理だ」「何で?」「だって、僕はオレは自分の国を亡ぼした男だ、それに兄妹も殺して・・・許してはいけない」スザクがルルーシュの手を取った。ルルーシュの手は冷え切っていた。「・・・離せ、どこに連れて行く気だ!?」「帰ろう、僕たちの日本へ、君が作った合衆国日本へ・・・」「・・・馬鹿か、お前」そういうと、スザクは懐かしい笑顔を浮かべた。
2007.08.16
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暑い。どうして、こんなに暑いんだ。「会長~、まだ電気屋が来ないんですか?」「いやあね、クーラーが古いと、ねえ、ニーナ?」シャーリーがパソコンの方を見ると、ニーナはすでに倒れこんでいた。「ニーナ!?」「・・・・・・ユーフェミア様ぁ」暑さで気を失ったらしい。「何だ、その笑顔は・・・」「何が?」スザクはそんな暑さも気にしていないようで手を組みながら、真正面からニコニコとルルーシュを見ている。「その胡散臭い張り詰めた笑顔だ、何なんだ、さっきから。オレが何かしたか?」「君を見ていたいから」「は?」「君が綺麗過ぎるから見とれていたんだ」リヴァルがスザクの頭をスリッパではたいた。「この暑いのに、BLごっこするな!!よけい、室温が上がる!」「ボーイズラブ?何だよ、それ。僕とルルーシュはカップルなんだ、いいじゃないか」「・・・・・・いつ、俺がお前と恋愛関係になった」「やだなあ、小さい頃約束したじゃないか。結婚するって」ハッ、とルルーシュが鼻で笑った。「結婚だと?あんな者が契約に入るか」「何?どういうことなの、ルルっ」『結婚してくれなかったら、お前とここで死ぬ!!』『わっ、馬鹿!!真剣で切りかかってくんな!マジで死ぬ!!』『この思いがルルーシュを受け入れてくれないなら、俺が死ぬ!!』ぐっ、と喉元にその刃をスザクは向けた。『わかった!!わかった、するから止めろ!止めてくれ、そんな脅迫は!!!』一気に空気が零度まで下がった。・・・・笑えねえ、その言葉がその場一体に流れた。「そろそろ、親御さんに挨拶するべきかな、あのロール頭・・」「おい、それは脅迫か?」天使のような笑顔を浮かべてルルーシュがスザクに聞いた。「やっぱり手土産に黒の騎士団を持っていた方がいいかな」「そうか、殺しあう気だな、ようしその挑戦受けるぞ」その笑顔がものすごく怖いんですけど
2007.08.14
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柩木スザク騎士就任記念パーティーがささやかながら開かれた。「何だかこんなに歓迎されると変な気分だな」「気にするなよ、お前が今日のパーティーの主役なんだぜ」「いや、こういうのはあまりなれていなくて・・・」あははは、と愛想笑いを浮かべながらスザクは生徒達の中でルルーシュの姿を探した。「お兄様ですか?」そこへ、ミレイに引かれて車椅子に乗ったナナリーがやってきた。「あ、ナナリー・・うん、どこにいるんだ?さっきから探してるんだけど見当たらなくて」「お兄様なら多分、お部屋で読書なさってると思いますよ」「ルルーシュも薄情だよな、友達がせっかく騎士になったっていうのに」やっぱり怒っているんだろうか。ユーフェミア様の騎士に選ばれた事を。「大丈夫ですよ、スザクさん」え、心を読まれた?スザクの心臓がドキリと震えた。ナナリーはいつもの優しい笑顔を浮かべる。「お兄様はスザクさんをキライになりません」「そうだよね、うん、僕ちょっとルルーシュの所に行ってくる」「はい」「ルルーシュ、いるかい?入るよ」コンコン、とノックしてはいると、なにやら不機嫌そうな表情のルルーシュが出迎えた。「・・・・あ、何だ、スザクか。お前、今の時間帯はパーティーじゃなかったのか?」目も赤い。寝ぼけているのか言葉もどこか子供じみている。「うん、そうだけど、君がいないから」「・・・そうか、じゃあ待ってろ」そういうと、ルルーシュはスザクをそのまま待たせて、数分後ケーキの箱のような者を手渡した。「・・・会長とシャーリーが作っていたものだ、ほらもっていけ。それじゃあ、オレはもう少し寝るから」「えっ、ちょ、ちょっと待ってよ・・・」ベッドにいこうとするルルーシュの腕をスザクはあわててつかんだ。「何だ?」「君は来ないの?それに大事な話があるって・・・」ああ、と思い出したようにルルーシュが頭をかきながらつぶやいた。「終わった事だよ」心臓が微かに震えた。嫌な予感というか、何か軽く突き放されたようなもやもやした感じ。そんな妙な感覚がスザクに襲った。「・・・あ、そうなんだ」「じゃあ、戻れよ」軽くあくびをしながら、襟元を緩めてルルーシュはベッドに戻る。終わった事?どういうこと?君は僕が騎士になったことを喜んでくれないの?だって、君は僕の一番の友達だろう?パーティーが終わった後、その事がどうしても気になったスザクは再びその事を聞きに、ルルーシュの元へ尋ねた。「は?オレがお前の騎士になったことを喜ぶ?本気で言ってるのか?」スザクはその言葉が理解できなかった、いや、聞きたくなかった。「だ、だって・・・」ルルーシュは一度息をつくと、紅茶を飲んだ。「俺達の立場を考えて見ろ、素直に喜んでやれるわけないだろう。まさか、オレがブリタニアを憎んでる事を忘れたわけじゃないだろう」「でも、ユフィなら君たちだって・・・」「彼女では無理だ、彼女は現実がどういうものか知らない」どこか昔を懐かしんでるような口調、ルルーシュは遠くを見ていた。「そんなの今から努力すれば変わるかもしれないじゃないか」スザクは思わずムッとなり、ユーフェミアを弁護する。「・・悪かった、お前はユーフェミアの騎士だったな。だが、スザク、決してユフィに恋愛感情は抱くなよ。騎士と恋人は違う」「わかってるよ」「なら、いい・・・」やっぱり、怒ってるんだ・・・。「だが、残念だな」「?」「オレはお前にナナリーの騎士になってほしかったんだが、お前はユフィをブリタニアを守ると決めてしまったんだな、スザク」ルルーシュはにっこりと微笑んだ。「・・・・・え?」今の笑顔は明らかな他人用、営業用の笑顔。どうでもいい人間に見せる他人の笑顔だった。嘘だ、ルルーシュが、まさか。「・・・ルルーシュ、君は」まさか大事な話って・・・・。「お前は俺たちよりユフィが好きなんだな」「違うよ、そりゃあ、僕はユフィは大切だけど決して君達を見捨てていない!!」「いいよ、そんな遠慮はしなくて。そうだな、オレがそうだからってお前がそう選択したことに怒る権利はないよな。騎士就任おめでとう、柩木スザク君」「ルルーシュ・・・」ごり・・、と冷たい銃口がスザクの腹に突きつけられる。「お前は俺達の敵だ、名誉ブリタニア人の柩木スザク。今後一切、俺達に関わる事を許さない」「・・・ルルーシュ、止めて!!そんな事言わないで!!」君に見捨てられたら僕は、オレはどうすればいいんだ。「いいのか、あの男、大分ショックを受けてるぞ」「いいんだ」「・・・・・・・・・そんなに大事か、あの男が」「まさか、戦場であったら必ず撃つさ」「素直じゃないな、ルルーシュ。仲間にするという選択肢があるだろうに」「仲間?その必要はないさ、ナナリーには新しい騎士候補がいるし、オレには黒の騎士団がある。白カブトのパイロットは今後、オレのゼロの邪魔になる。早々、消えてもらうさ、ユーフェミアが本国に戻るのと同時にな」そうか、ルルーシュ、お前は・・・。「ユフィが好きだったんだな、だから・・・」「シーツー、オレが嫉妬だけで動くとも?」「お前は坊やだからな。しかしだ、今突き放した事で相手がお前にさらに執着する場合もありそうだがな」ルルーシュはきょとんとした表情を浮かべた。「誰の話だ?」「いや、いい。お前はそのまま純粋でいろ」「??変な女だな、お前」
2007.08.13
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「ルルーシュ~!!」「いいかげんにしろ、何なんだ、貴様は!!うざったい!!」今日も今日とて、ナナリーの初恋の人は兄を追いかけていた。「いいだろう、別に体のサイズを測るくらい!!」「ナナリーの前で言うな!!」男女逆転祭、そのイベントの準備中なのである。「僕は君のサイズが知りたいんだ!大丈夫、どんなルルーシュでも受け止めるから!」「受け止めるな!」「あの2人の会話って、漫才みたいね」自分の髪を解いてくれているのはカレンだ。赤い髪で、体が弱い綺麗な少女らしい。「そうですか?」そこへ、ルルーシュが部屋に入ってきた。「悪いがナナリー、カレン、匿ってくれ」「・・・え?」『ルルーシュ、どこだい~?』廊下を見ると、セーラー服を着たスザクの姿が飛び込んできた。「・・・・・・・・・・・うわ」カレンがそうこうしてるうちにルルーシュが箪笥の中に隠れた。「あのヤロウ、人にナース服なんか着せようとしやがって・・・しかもメイドだと、今度は・・・」そういい残して、隠れた。「お兄様とスザクさんって本当に仲がいいんですね」「・・・・・・・・・そうね」兄、ルルーシュの話によるとスザクは妙な方向で育ってしまったらしい。そうなんだろうか、確かに自分に話しかける言葉も雰囲気もやわらかく優しいものになった。ナナリーとしては昔の不器用な優しさも大好きだったけど。最近、スザクさんはよくうちに遊びに来られる。軍のお仕事もあるから忙しいだろうに、お兄様に会いに来る。二人が仲がいいのはいい。「ナナリー、どうかしたのか?」「いえ、何でもありません」でもわからない事もある。どうして、スザクさんが帰った後、お兄様は部屋から出てこないことが多いんだろう?それに声もぐったりしている。壁越しに良く喧嘩してるような物音が聞こえる。でも、喧嘩してるわけじゃなくて。スザクさんはなぜ、夜中に来るんだろう?まるで何かを秘密を隠してるようだ。その事を考えるとナナリーの胸の中はもやもやして、何だか寂しくなる。「お兄様は私のお兄様ですよね?」「当たり前じゃないか、ナナリー」
2007.08.11
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初めての友達」より、妄想。町からの帰り道の田んぼの近くでスザクはお土産を持って歩いていた。ルルーシュは柩木家の人間に何かを言われ、(先にナナリーの所へ)とだけいって行ってしまった。父さんに呼ばれたらしい。夕焼けがやけに穏やかで、蝉の音がうるさかった。あんなに騒がしい場所からこんな寂しい場所にいると思うと何だか妙に心がざわめいてくる。寂しい、その言葉が浮かんだ。「・・・ただいま」蔵にようやくルルーシュが帰ってきた。「お帰り、お兄様」「帰るのが遅かったな」「・・なんで、君がこの時間にいるんだ。もう7時前だぞ」ルルーシュは半ば呆れたような声でスザクに言った。「まあ、失礼ですよお兄様。スザクさん、ずっとお兄様を心配して待ってくださったんですよ」「ナナリー!!」スザクの顔が一気に赤くなる。「君が?それは悪かったな。どうせ、夕飯をあさりに着たんだろ、食べていきなよ」「えっ、いいの!?」ルルーシュがそういった途端、パァァとスザクの顔が明るくなった。「やっぱり夕飯狙いか」ルルーシュは深くため息をついた。「ルルーシュ・・・・・?まだ起きていたのか?」寝ぼけ眼でまだ光が漏れているルルーシュの扉をスザクが開いた。「・・・やめろ、ばかっ、開けるな!!」そこから目に入ってきたのは、赤く染まったルルーシュの上半身だった。正確には、鞭で叩かれたような生々しい赤い傷跡が白い肌に浮かんでいた。スザクの頭の中が真っ白になる。どうして、いつも苛めている子供達でもあそこまで酷い傷は負わせない。じゃあ、誰が?綺麗な肌なのに、ルルーシュはがんばってるのに、あんなにいい奴なのに。どうして、どうして。そうだ、確かうちの家の人間が迎えに来ていた。まさか。「見るな・・・」「まさか、父さんが?」ぎくっ、と顔を強張らせたがルルーシュは服を着て、すぐに笑顔を浮かべる。「・・・違うよ、これはそう、狼に襲われたんだ」カタカタとスザクは肩を揺らして、見る間に青ざめていく。「酷い・・・、どうして・・・・」スザクはボロボロと涙をこぼす。―交換したのは形のないものさ。「まさか、お前、交換したのって・・・ルルーシュ自身?お前、ナナリーを守るために父さんに苛められてるのか?」「違うよ、これは僕が言い出したこと、僕自身が決めたことだ。ナナリーには言うなよ」「ルルーシュ~」「・・泣くなよ」「何で何でお前は泣かないんだよ」スザクはぎゅっとルルーシュの手を握った。すると、ルルーシュは不思議そうにスザクを見る。「何でって、・・そうだな、大したことじゃないからかな。ただ痛むだけだ、それにそうされるのもほんの数時間だし」他人の痛みには敏感なくせに、頭がいいくせにこいつは時々馬鹿だ。原因は知らない。ルルーシュという少年は自分自身の痛みや気持ちには酷く鈍感な所があり、いつも自分より妹を優先する。弱いくせに、本当は泣きたいくらい辛くて怖いくせに。もう皇子じゃないのに。本当は誰かが必要なのはルルーシュの方なのに。「お前は・・・っ」「何だ」「もう少し分かれよ、親友だろ」「何が言いたいのかわからない。主語を使う事を覚えろ」「お前が泣かないならオレがお前になって泣くからな」「何、そのオレルール」
2007.08.09
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「王の名前」より捏造というか、妄想。「でも偶然じゃないのかも、アーサーとであったのも僕らが出会ったのも・・、いたっ」「なあ、リヴァル、相談に乗ってくれないか?」昼休み、急にルルーシュがまじめな表情でリヴァルのところへやってきた。「何だよ、珍しいな」「実は、友達の友達の話なんだが・・・」ばればれだ、こういう時の友達とは大概本人の事だ。「・・・そいつの言動がどうも何と言うか、怪しいというか口説き文句に聞こえるというか・・。そのそういう趣味は突然芽生えるものなのか?」かなり、真剣に悩んでるらしい。でも聞きたくなかった。でもここは友達として相談を乗らないといけない。「気のせいじゃないのか?」「・・・俺もそう思いたい。その友達の友達は女に限りなくもてるが、その女癖が悪いんだ」「だろうな」あの天然たらし君は口説いている自覚がなさそう、余計にたちが悪い、そう考えると。「だが、なぜ、その友達は同性であるその友達だけ妙なそぶりというか、迫ってくるような行動をするんだ?」「・・・・・よっぽど、そのお友達が好きなんじゃない?」引いているのが自分でもわかる。「冗談じゃない!!」ルルーシュは力強く机を叩いた。は、と周りの視線が自分にそそがられ照る事に気付いて、ルルーシュは静かに席に着いた。「まあ、しばらくは様子見ってことにすれば」「そ、そうだな」「ルルーシュ、お昼休みデートしない~?」パタパタ、とシップを振るように問題の人物がまた五回を呼ぶような言動でよってきた。ゴン!と、ルルーシュは机に頭を打った。「会長に相談した方がいいかな」リヴァルは苦笑するしかなかった。
2007.08.08
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スザク子供化の続き。眠い・・。早朝の朝日の光に照らされながら、ルルーシュは目を覚ました。「・・・ん」昨日は散々というか、わけがわからない一日だった。というか、ありえない。非常識だ。スザクが10歳の時の姿に戻ったなんて。「まあ、スザクさん、子供に戻っちゃったんですか」「うわあ、ナナリーが大きくなってる」あっさりと受け入れる妹の寛容振りにはつくづく驚いた。「シャワーでも浴びるか」あくびをしながら、ベッドをでようとすると見慣れない小さな足が布団の中から抜け出ていた。まさか。ルルーシュが慌ててベッドから布団を引き剥がすと、そこには子供用のパジャマを着た子スザクがいた。「ん?何だよ、寒いじゃないか、布団返せよ~」「何でお前がオレのベッドで寝ている!!他のベッドを貸してやっただろう!!」「ああ、ルルーシュか。おはよう・・・元気だな」眠たそうな目をこすりながら、スザクが起き上がった。「だって、あのベッド大きすぎるし・・・一人じゃ眠れないし」「・・だからって、何でオレの所に来る」はぁ、とルルーシュは深くため息をついた。
2007.08.07
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そんな彼は知らない。いつくしむように抱きしめて、包み込むように愛する彼を。「だから、お酒は飲むなって言っただろう」ナナリーに気付かれないようにスザクは二階にある小さな寝室へルルーシュを抱きかかえて向かう。「だぁ・・・て、お酒飲んだら安くしてくれるって・・・、あははは、うふふ」「・・・・うわあ、お前相当酔っているな」性質が悪い。酒屋に買い物に行かされたルルーシュはそこの息子に飲まされた。「ナナリー・・・」「ナナリーならもう寝てるよ」ほら、ベッドといいながらゆっくりとルルーシュをベッドへとおろす。まだ、くすくすと笑っている。「しょうがない奴・・・、水持ってくるからな」スザクはため息をつくと、扉を開けた。すると、誰かが袴のすそを引っ張った。「・・ルルーシュ」いいかげんにしろ、と口を開こうとすると、「置いて行かないで、母上」とルルーシュがつぶやいた。母上?「おい、ふざけてるのか、オレのどこを見たらお前の母親に見えるんだ」しかし、ルルーシュの耳には届かない、それどころか目がトロンとしていて、頬も赤い。そして、涙をボロボロ流す。「ルルーシュ!?」「・・・うわああ、ごめん、ごめんなさい、シュナイゼル兄様、何でも言う事聞きますから、ちゃんとやりますから、痛いことはしないで」何かを思い出したのか、ルルーシュはガタガタと肩を震えさせ、丸くなった。・・・・・何だろう、何か色々と聞かなければならない事を聞いたような。「だから、・・ああっ、服は自分で脱ぎますから」服?脱ぐ?はっ、何を考えてるんだ?オレはまだ子供なんだ、そんなこと考えちゃいけない。オレはまだ知らない。何でそこで顔が赤くなる?「ルルーシュ、大丈夫か?」「・・・・あ、はい、クロヴィス兄上」「・・・・お前、もう寝ろよ」人を見分けつけられないくらい夢の中にいるらしい。「ありがとう、ユフィ」そう最後に、ルルーシュはスザクに抱きついてその頬にキスをして、天使のような笑顔を浮かべた。そして、バタンキュー。「!!?ウひゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」スザクは凄い勢いでルルーシュから離れて、壁に向かっ後さずりして、頭を打ちつけた。(キ、キス!?キキ・・・・、え、嘘だろ?ルルーシュがオレにキスした?)ドクンドクン。頬が赤くなり、胸の鼓動はいつもより早い。何だか息が苦しい。「あ・・・・」スザクはまだ残る柔らかい感触を確かめるように、左の頬に触れた。ドクンドクン、とまだ胸の中が甘くて熱い。「ん・・・」目の前では健やかに眠るルルーシュがいる。薄いけど、ほんのりと浮かぶ唇。真っ白くて滑らかな肌。赤くなった頬と小さな白い肩が妙にスザクの何かを揺さぶる。・・・・・こんな事なら、唇にしてもらえばよかった。「って、違う違うんだ!!間違えるな、柩木スザク!お前は柩木家の跡継ぎだぞ!しっかりしろ!!相手は男の子、オレと同じ男!友達だってば!!」ガンガンガン、と一斉に頭を壁に打ちつけていく。「ユフィ、ごめん、約束・・・ユフィ守れなくて」ルルーシュの寝言が一時的だがスザクを正気に戻させた。「・・・・ユフィ?」そういえば、さっきもオレをユフィと呼んでたような。「コーネリア姉上、ユフィを・・・・・」ムカ。ムカムカ。何だろう、急に腹が立ってきた。さっきからユフィユフィって、ここにいるのはオレなのに。今、一番側にいるのはオレやナナリーなのに。多分、大勢いる兄弟の中でも仲がいい子なんだろう。「ルルーシュの馬鹿!!」「うわっ、びっくりした!!」その声でルルーシュが飛び起きた。「・・・スザク?お前、耳元でいきなり大声上げるなよ。おい、何で泣きそうな顔してるんだ」「ルルのアホんだれ!!」「こらっ、ぽかぽかと殴るな!何なんだ、お前は」「何でオレは呼ばないんだよ!!」そう言い放つと、わ~んと声を上げてスザクは走り去っていった。「?何なんだ、あいつ」ルルーシュは首を傾けた。「・・・なんてこともあったな。おい、シーツー勝手に駒を進めるな」「いいだろう、お前は姑息な手を使いすぎる」現在、シーツーとルルーシュはテーブルにチェスを広げてゲームをしている。「それで、結局お前の兄とやらに何をされたんだ」そういうと、ルルーシュが苦々しいそうに唇をかんだ。「・・・・だ、女装をさせられていたんだ。シュナイゼルは人をからかったり嫌がることが大好きなんだ。あのヤロウ、よくもユーフェミアやナナリーを楯にとりやがって・・・」きっと、彼の脳裏には幼い頃女装させられた自分の姿が思い浮かんでるんだろう。「あいつ、痛いことするから本当に大嫌いだった・・・」「そうか・・・・・・・・・」「ルルーシュ、いるかい、ナナリー?」「まあ、お兄様なら今お部屋でお休みになっていますわ。昨日は朝に帰ってきたんですのよ」朝、という単語にスザクは反応した。まさか、という思いが駆け巡る。心臓が震えているのが気付かれないように、ナナリーに笑顔を向けて、ルルーシュの部屋に向かい、扉の前に立った。・・・落ち着け、大丈夫。大丈夫、いつもの僕でいけるはずだ。いくらルルーシュが恋愛ごとに鈍いといっても、あの美貌だ。自分がいない間もきっとたくさんの人間に愛を向けられただろう。ルルーシュも本当の意味であまり人を拒絶しないから、勘違いする子だっていたはずだ。リヴァルはルルーシュはまだ経験がないといっていたけど、キスくらいはその辺の可愛い女の子としてるかもしれない。「ルルーシュ、入るよ」いつもの優しい、なるべく落ち着いた声で部屋の主であるルルーシュに声をかける。「・・・ナナリー」線の細い身体が机の上に上半身だけ乗っている。手にはペンを持っているし、机の上には書類がたくさん散らばっている。生徒会の書類か何かだろう。ベッドの布団もくしゃくしゃだ。「・・ルルーシュ、風邪引いちゃうよ」スザクはそっとルルーシュの細い肩に触れようとした。漆黒の髪がさらりと揺れた。長いまつげが微かに反応するように動き、男にしては白すぎる細い首筋がシャツの間から見える。「・・・ルル」ドキン、と甘く高鳴り、スザクは無意識にその首筋に触れたくなる。頬が赤くなるのが自分でもわかる。―ごめん、僕は君を友達と見れなくて。ルルーシュ、僕は君をずっと・・・・。「ナナリー・・・、スザクは・・・・の友達だよ。神社は・・・・」バッ、とその瞬間、スザクは大慌てでルルーシュの身体から離れた。肩から腰に続く細い曲線。・・・・今、自分は何しようとした。僕を友達と信じきってるルルーシュを裏切ろうとした。決めたんじゃないか、この間違った恋を彼には押し付けないって。「情けない・・・」あんな事で自分に負けそうになるなんて。「他の女の子には大丈夫だったのに・・・、はは・・、どうして君だとこんなに情けないんだろう」スザクは一度大きくため息をつくと、ルルーシュをベッドに運んで寝かせた。気付かないで、お願い。だから、まだ誰も好きにならないで。一秒でも遅く、長く、僕の側にいて。「ん・・・っ」スザクはルルーシュの手を取り、そっと指先にキスをした。この世で最も尊い者にその崇拝の気持ちを表すように。「好きだよ、愛している」あの夏の日、君に言ってない事がある。あの後、柩木神社で眠っている君に僕は・・・。「・・・・ルルーシュ」その唇を何も知らない彼の唇を奪ったんだ。
2007.08.06
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「お前は世界から弾き飛ばされたんだ!!」「スザク!!」―その言葉は許せない、許してはならない。スザクとルルーシュはお互いに銃口を、殺意をぶつけ合った。お前の存在が間違いだったんだ。「やめてぇぇ!!」パァァァン・・・!!おびただしい血があふれて、地面に先に倒れたのは、ルルーシュだった。「ゼロ・・、ルルーシュルルーシュ!!」カレンがルルーシュの体を、ゆっくりと倒れていく彼の体を抱きとめようと駆け出した。「・・・・っ」ガタン。「やった・・・、やったよ。ユフィ」車椅子の音がスザクの背後で響いた。「・・・・・・・・・・・・お兄様?」「ナナリー・・」ぴしゃり、と音がした。スザクが振り返ると、銃で撃たれて血だらけで倒れていく気配を感じ取ったナナリーがいた。震えている、青ざめている。「スザクさん?・・・これは一体、カレンさんもいるようですが、これはどういうことなんです?」「ナナリー。・・・ゼロがルルーシュだったんだ、アイツが君の姉を殺したんだ。君は兄にだまされていたんだ。さあ、行こう、アシュフォード学園へ。君はあんな男の側にいてはいけない」スザクは笑みのようなものをうかべて、ナナリーに手を差し出した。「いやあ!!」パン!とナナリーがスザクの手を跳ね除けて、車椅子を走らせて、カレンに抱きかかえられているルルーシュの元へ向かう。ガタン、ゴロゴロ。「きゃああ!」「ナナリー!!?」スザクは慌ててナナリーの元へ駆け寄った。ナナリーは車椅子が倒れた為、地面に倒れこんだ。「触らないで下さい!!人殺し!良くも私のお兄様を・・お兄様、お兄様」ナナリーは地面にうずくまり、地面を引きずるようにその歩けない足をひきずって、ルルーシュへと向かう。そして体を引きずり、やっとルルーシュの元にたどり着いた。「カレンさん、お兄様は・・・」「・・・まだ息はあるけど、どうしよう、血が血が止まらないの・・・。ああ、どうして・・」カレンの声が泣きじゃくって、混乱している。「そんな・・嫌です。お兄様、死なないで下さい、私を一人にしないで下さい!!」「・・・・・ナナリー?」消え入りそうな小さな声、だがスザクの聞いた声は確かにルルーシュのものだった。「こいつ、まだ生きて・・・!!」スザクは再び銃口をルルーシュに向ける。「―その辺で終わりにしろ、柩木スザク」そこへシーツーがいつの間に立っていたのか、銃をスザクの背中に突きつけた。「お前は・・・、そうか君がルルーシュにあんな力を・・・」「柩木、いいか。私が言うまでそこから動くなよ。ナナリー、カレン、通信関係のものは持っているか?」「え、ええ・・・」「では連絡しろ、ゼロからの直接の伝言だ。「コーネリアを捕らえ、第13部隊をゼロ作戦を実行しろ」と・・。私がそいつをルルーシュを治してやる」「ゼロ作戦・・・?何だ、それは!?」「私は動くなと命令したはずだ、スザク。さぁ、ナナリー・・お前はカレンとともに先に戻れ。私がルルーシュを助けてやる」ゼロ作戦と聞いた時、明らかにカレンは知らないといった表情だったがすぐに切り替わり、ナナリーを抱き上げて車椅子に乗せると、紅蓮弐式へと向かった。「行くわよ、ナナリー・・」「シーツーさん、お兄様をお願いします」「・・・・・ん?ここは・・・」ルルーシュの目がゆっくりと開く。目の前にはシーツーの顔があった。「・・・・傷がふさがっている、・・・これはシーツー、お前が?」「私はシーツーだからな」そこにはいつもの憎たらしいようで、いたずらを思い浮かんだようなシーツーがいた。「・・・・そうか、そうだ!・・ナナリーは!!」ルルーシュが辺りを見回すと、そこには肩と銃弾を撃ち抜かれてうずくまっている友達だった男の姿があった。「安心しろ、カレンがナナリーを保護した」「そうか・・・」「さぁ、行くぞ。今頃、ブリタニア軍同士で争ってるはずだ」「???そうか、じゃあ行くぞ、シーツー」「・・・・ルルーシュ」さっさとガウィインに向かおうとするルルーシュの足元にスザクの手が差し出された。「ああ、その男ならしばらく動けないから安心しろ。ブリタニア軍にも連絡しておいた」「わかった」感情がどこか切り取られている。まるで足元の石ころでも見るような目で、一度スザクを見ると、ルルーシュはシーツーと一緒に出て行った。一度も振り返る事もなかった。シーツー、・・・貴様。殺してやる、お前がお前みたいな魔女がルルーシュにギアスを与えるから・・・!!「力を望んだのはあいつだ」・・・ユフィはルルーシュのギアスで望まない殺人をされた・・。オレは信じていたのに、友達と信じて愛していたのに!!なのに、ルルーシュが!!「ユーフェミアにかけられたギアスはあいつの意思ではない。ルルーシュはちゃんと彼女を妹として愛していた、彼女はアイツの初恋の人間だった。彼女の死は「事故」だ」ふざけるな、事故で済まされると思ってるのか。「お前の持論だろう、結果より過程が大事だと。まさか、お前自分が世界で正しいと思ってるんじゃないだろうな」・・・でも、ルルーシュは間違った方法でユフィを殺した。それに変わりはナイ!!「傲慢で残酷で愚かだな。そして無知であることを自覚していない。そして、その無知がどれだけ人を傷つけると知らないんだな。・・お前は身体のもならず、ルルーシュの心をどれだけ殺せば気が済むんだろうな」何が言いたい・・・。「完全に綺麗な生き物などいない、化け物はお前だ、柩木スザク。そして、ユーフェミアも悪魔といっていいだろう」貴様、良くもそんなことを・・・!「あの女は自分が傷つけている事を知らない、人を憎む事を知らない、自分の醜さを見ようともしない、傲慢という優しさで苦しみ、殺されている人間の気持ちを知る事を知ろうとしない。そう、お前が知っている通り、あの女は綺麗でやさしくて穢れのナイ女だった。だからこそ、ユーフェミアは悪魔だった」どういう意味だ。「それくらい、自分で考えろ。お前も言ったのだろう、ルルーシュに甘えるなと」待て、ルルーシュをどうするつもりだ!?「皇子さまをお姫様のキスで起こすだけだ。こいつはお前と違って、皆に愛されるべき世界に必要な人間だからな」そんなわけない、だってそいつは・・・。「ルルーシュはいつだって苦しんでもがいて、憎んで、いつもいつも泣いていたさ。お前が見なかっただけだ」「死ぬなんて貴様に権利はない、そんな逃げは私もこいつお許さない。嬉しいだろう、柩木。ルルーシュから生きるというプレゼントをもらえて。お前にルルーシュを殺す権利も資格もない。せいぜい、その無駄な命で生きるんだな、皆に愛され(蔑まされ)、楽しい夢を抱いて生きるといい」その時、初めてシーツーはまるで女神のような美しい笑顔をスザクに向けた。「せいぜい、苦しんでみっともなく生きるんだな」
2007.08.03
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ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。ナナリー・ヴィ・ブリタニア。アシュフォード家の人間なら当然知っている存在だった。彼らは手を繋いで、真っ直ぐにこちらを見ていた。彼らは戦乱の中、一度死んだ。いや、死んだ事になった。「・・初めまして、ミレイさん」その綺麗な顔の少年はさすが皇族だけあって、日本へ人質同然に送られても苦渋を舐めても誇り高さと品位は失っていなかった。王、まさにその言葉が似合う10歳くらいの少年、ルルーシュ。「ミレイでいいわよ、ルルーシュ」「・・ルルーシュ?」「だって、今の貴方は普通のルルーシュでしょ。あら、やっぱり様付けで読んだ方がいいのかしら」あ、黙り込んだ。失敗したかしら。「いい、ルルーシュでいい・・・」まるで人間の言う事を聞かない高貴な黒猫がほんの少しだけ素顔を見せたようで私は何だかおかしくなった。一緒に暮すようになって、ルルーシュとナナリーはドンドン健康的になった。「ミレイさん、お茶にしませんか?」「あら、ルルーシュは?」「お兄様は読書されています。ミレイさんなら、2人でお茶していいといったので」目が見えないけど本当に優しくて、可愛い子だ。ルルーシュがあそこまで溺愛するのもわかる気がする。「じゃあ、紅茶でいいかしら。ブレンドモノだけどおいしいわよ」2人の世界は、2人で完結していた。前は柩木家にいたらしいが、それでも彼らの一番は彼らだけだった。ルルーシュは怖かったんだろうか、何も言わないけど。「友達」はいたらしいけど、どこにいるかは知らないといっていった。ある日、ルルーシュがナナリーの看病で風邪を引いた。「・・・・・・あの、ナナリーは・・・」赤い頬でこちらを見るルルーシュはまるで宗教画の天使のようだった。性格はまあ、小悪魔に近いけど。「ナナリーなら大丈夫よ、ねえ、ルルーシュ」「何です?」「・・今まで何があったかは聞かないけど、もう大丈夫なのよだから肩の力を抜いたら」すると、ルルーシュがよくわからないとでも言いたげにこちらを見た。ウウッ、可愛い。「ここは誰も貴方もナナリーを苛める人はいないから、私が守ってあげるから」ミレイは安心させる為ににっこりと微笑んだ。「・・・でも、僕が甘えるわけには・・。だってこんな熱、母さんが受けた傷やナナリーの動けない手足に比べたら、大したことナイ・・僕はもう泣いてはいけないんです。自分の力で生きなきゃ、じゃなきゃあの男に勝てない」頭がぼんやりしてるのか、いつもより良く喋る。「そうね、でも今日くらいはいいんじゃない?お姉さんが一緒に寝てあげようか?」「・・・・・・・・・・・・・・・・・セクハラですよ、ミレイさん」
2007.08.02
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「お前の存在が間違っていたんだ、お前は世界から弾き飛ばされた」正直リアルタイムでこの存在否定を聞いた時、衝撃でショックで、スザクがルルーシュを好きだと思っていただけにショックで、それでいてあまりにも自己中心的過ぎると思いました。だって、ルルーシュの事情を知ってるし、ルルーシュが世間に顔を出せない理由もわかるはずだし、ユーフェミアの事がいくら好きだからって。確かにルルーシュは黒の騎士団を見殺しにした。ユフィヤクロヴィスをその手にかけた。戦争を巻き起こし、周りの友人さえ巻き込んだ。でもそれただ妹を平和な世界で生きてほしいという当たり前の感情から発したわけで。でもだからって、ルルーシュのトラウマをスザクがえぐる、言う権利があるのか。これじゃあ、小説版で父親を殺した時と同じじゃないか。ルルーシュがキレルのも当たり前だ、銃を向けて殺そうとするのも。ユフィだって殺したくて殺したわけじゃない。「ナナリーはオレが・・・」その直後、銃を撃った音が鳴り響いて、ナナリーがハッとした表情で幕切れ。シーツーはエンディングの後、おそらくルルーシュとスザクのどちらか死んだか、もしくはどちらも生き残り、またはルルーシュの感情を読み取り、泣いて、そしていつものように笑ったんだろうか。でも、恐らくルルーシュの生存を感じていたんだと思う。二期へのつながりの台詞かもしれない。シーツーのルルーシュのキスシーンと「魔王と魔女」の台詞。これはスザクの存在否定の次に普通にときめきました。普通に恋に近い関係になってもいいなあ、彼女がルルーシュを少しでも救ってくれるならと思いました。シャーリーはちょっと好きになれそうになれません。ナナリーはどんな風に扱われていくんでしょう。スザクに守られていくんだろうか。ニーナはいろんな意味で痛い。ジュレミアはほとんどコント的扱いだった。ロイドさんがミレイを婚約者と思ってるのが良かった。人間らしい感情を見せてくれたのでファンになるかもしれない。コーネリア・・・、ルルーシュだと気付いた瞬間、ユーフェミアを殺したのも妹のためと気付いたのはご兄弟。マリアンヌ生存の可能性がでてきた。いやだなあ、「聖伝」の阿修羅のような邪悪なママだった、っていう展開だったら。ルルーシュは心も立場も絶望して、ゼロになったわけだけど立ち上がるんだろうか。というか、スザクと敵対するにしても、そんなママだったら死にたくなるんじゃないか?だって、ルルーシュの反逆の原因は彼女でもあるんだし。スザク・・・ごめん、二期で記憶喪失になってさまようか、一度ものすごい痛い目にあったり、真実を知らされてダメージを受けたり、ルルーシュに殺されそうになったり(だって、存在否定だし)したり。離れてみて冷静になって考えることをして、ルルーシュへの友情、執着を取り戻してほしい。何かそんな複雑な感情があります。とにかく生きてるというなら、痛い目にあえばいいと思ってます。続編予告。どうも純粋というか、後輩っぽい新キャラがルルーシュの隣にいた。「間違っていたのは俺じゃない、世界の方だ」、この台詞が気になりました。この新キャラはルルーシュを慕うキャラなんでしょうか?それとも新しい主人公?でも、そうだとしたらタイトル変えないと、偽りアリとなるな。
2007.08.01
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