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喉の調子が悪い、風邪か?と思ったが、それ以外の原因をルル―シュはたった今発見した。「部屋がけむくなる、いいかげんタバコをすうのは止めろ、というか俺のマンションをお前の溜まり場にするな」あれ、とスザクが子供っぽい表情でタバコを吹きながら、リビングに入ってきたルル―シュに笑顔を向ける。「いいじゃないか、僕の家より君の家の方が学園に近いんだし」「ゲンブに言いつけるぞ、お前がタバコを吸ってるって」とても、元首相の息子とは思えない、学校だってそれなりの名門校で風紀委員のくせに。皆、外見に騙されてるぞと言いたい。「聞かないんだね、君は、僕が女の子としてきたって」スザクはそういいながら、吸っていたタバコを携帯用の煙草入れに入れた。「・・・今更、そんな事を聞くわけがないだろう。お前もいいかげんまじめに彼女一人に絞っておけ。心配するだろ、そのユフィが」イスに座っていたスザクが背後から纏わりつくようにルル―シュの腰に抱きついてきた。「可愛い、嫉妬してくれるんだ」「馬鹿か、さっさと離れろ、俺は男に抱きつかれて喜ぶ趣味はない」「酷いな、僕がこんなに愛してるのに」「棒読みで言うな、だったら・・・今からでも言いから家に帰れ」ルル―シュはスザクを離すと、エプロンを拾って自分の身体に巻きつけた。「ルル―シュのカレー食べたらね、あ、福神漬けは忘れないでね」「また、たかる気か」「そういいつつ、ルル―シュ、しっかり僕の分も用意してるんだよね」ルル―シュははぁ、とため息をついた。「一週間の半分も来られればな、少しは遠慮と言うものを覚えろ。いくら、幼稚園からの幼馴染とはいえ、・・・怒るぞ」「怖いなぁ、あ、一つ言い忘れてた」「何だ?」「今日、僕君の部屋に泊まるから、帰るのを止めるよ」「はぁ!?ふざけるな!!」「いいじゃないか、僕達親友だろ」「断る、お前が泊まると散らかすし、2、3日は家から出られなくなるから大反対だ!!」「じゃあ、僕家に連絡してくるね」スザクはそういいながら、玄関にある電話へと向かった。「せめて、格闘系ゲームは自分の家に置いとけ!!」
2007.12.30
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51 ほとばしる虚無感がしびれるような甘さにかわった「またお見合いを潰したんですか、こりないですね」「だって、まだまだ遊んでいたいし、ルルちゃんだってお祭とかすきでしょ」「・・・まあ、嫌いではないですが」「うんうん、素直でよろしい」ルル―シュがはぁ、とため息をついた。「家の為とはいえ大変ですね」とシャーリー。「会長、結婚しないで下さいよ」とリヴァル。「忘れられないのよ、やっぱり、かつての栄華を極めた生活を。うちの両親は根っからの貴族だから」「会長・・・」「やだぁ、そんな深刻に受け止めないでよ、皆。私は今が最高に楽しいんだから」ミレイが元気良く微笑んだ。「そうですよね、俺も会長がいて楽しいです」「おーっ、いい子だね、リヴァル」ミレイが笑顔のまま、リヴァルの頭をぐりぐりとなでまわす。ミレイは生徒会のほとんどが出かけた後、学園の見回りへと赴いた。窓辺の下には、すっかり葉桜となった古びた桜の木が見えた。あの桜の季節、私はルルーシュと出会ったんだっけ。生意気で口が上手くて、意地っ張りの皇子様。この悩みよりまず行動のミレイさんもたまには一人の乙女のように思い人のことを考える時間があるわけで。この頃、ルル―シュはよく学校をサボる。賭けチェスもしていないというし、まったく何をしてるんだろうか。あの警戒心の強いルル―シュが変な女に引っかかって、借金をするわけでもないだろうし。「今度、問い詰めてやろうかしら」愛しの妹まで寂しい思いをさせて何をしてるんだと、でも。「―会長?」そこへ今登校してきたらしいカレンが不思議そうにミレイを見ていた。「あら、やだ、ぼーっとしちゃったかしら」「何かあったんですか?何か深刻そうに考え込んでいましたが」「ううん、何でもないのよ」漆黒のさらさらの髪が金色の光に照らされて、それでもその光でさえ彼の髪の色には溶け込めないように照らし出されている。高貴さを漂わす紫の瞳は今は青空を見つめている、どこか遠くを・・・。そう、彼はいつもずっと遠くを見ている。「綺麗ですね」ぎくり、と肩を震えさせると、そこにはルルーシュの幼馴染、柩木スザクの姿があった。「あら、何の事かしら」「ルル―シュの事見てたんでしょう?会長は本当にルル―シュがすきなんですね」本当に天然と言うか、この子の時々見せるこういう鋭さは胸をひやりとさせる。「どういう意味かな、柩木スザク君」「そのままの意味ですよ、本当にルル―シュを心配したり気遣ったり、お祭に参加させてまるで会長がルル―シュのお姉さんみたいですね」何だ、そういう意味か。「ええ、私もルル―シュを弟のように思ってるわ、ほらルルちゃんって完璧なようで結構抜けてるから」「そうですね」好き、なんていえるわけがない。私を見て、何て残酷な事は絶対いえない。それでも私は願う。ルル―シュ、貴方が心から笑えて生きて着てよかったと言える日が訪れる事を―・・。
2007.12.29
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裏に隠された泣き顔「おい、大丈夫か、ルル―シュ」今日もルル―シュは街に下りると、日本人の子供たちにいじめられた。ずたぼろにされて、唇を切って、いつも白い肌にはあちこち擦り傷や殴られた痕が誰の目を見ても明らかにわかる。「・・・ひでえ、あいつら、今すぐ叩きのめしてやるよ」身体を起こして、ルル―シュが子供たちの痕を追いかけようとするスザクの袴のすそを慌てて掴んだ。「やめろ、僕は大丈夫だ、君が行ったらどうなるかわかるだろ」ルル―シュのアメジストの瞳がきり、と鋭くなる。気のせいか、掴まれたても痛い。でも、それ以上に、「ルル―シュ・・・」胸が痛い。どうして、という思いが込み上げてくる。街の皆もあの子供たちも外見だけを見て、こいつの中身を見ようとしない。妹の為に頑張ってるのに、優しいのに、俺よりずっと強いのに。こんなに綺麗でいい奴なのに。何で、皆わかろうとしないんだ。「お兄様、少し落ち込んでるようですがどうかしたんですか」「え?そうなのか」いつものようにルル―シュが洗濯物を干し終えるのを待って、宿題のドリルを眺めてみると、花で首飾りを作っていたナナリーがふいにそう言った。「ええ、2日前から・・」そうなのか、といいながらスザクがルル―シュの方に視線を向けると、その視線に気付いたルル―シュが何だと笑顔でこちらを向いた。「な、何でもない」「そうなのか、変な奴だな、お前」「お前に言われたくない」はは、と楽しそうに笑うルル―シュ。この笑顔は本物なんだろうか?何せ、この皇子はひねくれてるし、中々自分の気持ちを言わない。もうちょっと、わがままになっていいのに。―そして、あの雪の日、ルル―シュがいつもいじめられている子供に「柩木の囲まれ者」「どうやって誘惑したんだよ、ブリキ野郎」「お前、皇帝と同じ眼をしてるな」と酷い言葉をぶつけられた。「・・・ルル―シュ、お前・・・」スザクが駆けつけた時は、どうやったのか、ルル―シュの足元に子供たちがうずくまっていた。「違う」「ルル―シュ?」「違う、僕は死んでない」「ルル―シュ、しっかりしろよ」「僕たちは死人なんかじゃ・・・、僕はここにいるんだ!!」聞きたくない、というようにルル―シュは耳をふさいで、森の中へ走り出した。「ルル―シュ・・・!!」いつのまにか、雪から雨に変わり、スザクは地蔵が飾られた小さな神社の軒先でその黒髪の少年を見つけた。「スザク?」「よかった、捜したんだぞ」息を切らして、スザクは首に下げていたマフラーをルル―シュの首に巻きつけた。「すまない、迷惑をかけて・・格好悪い所を見せたな」「あ・・えっと、あんな奴らの言う事なんか気にするなよ、俺の家がどうとか・・ほら、綺麗じゃん、お前の目、俺は好きだから」「おまえに僕の何がわかる!?」激しい雨が降り注ぐ中、勝てないとわかってるくせに、黒髪のきれいな少年は俺を地面に伏すと、首に手をかけてきた。「こんな目も、こんな顔も大嫌いだ・・・、僕は」雨の音がうるさかった。「日本人なんか、大嫌いだ、本当ならこんな場所逃げ出したいんだ、僕は」表情をゆがめて、どこか弱弱しい表情。「僕は皇子なんか生まれたくなかった」今思い起こせば、アレは君が見せた唯一の泣き顔だった。君はいつだって、優しくて強くて、完璧だったから。あの後、君は謝って、ナナリーには言うなよと言った。次の瞬間にはきりり、と前を向いていて。体力がなくて、遠慮がなく時にひやりとする大人顔負けの発言をして。えらそうで、尊大で酷く負けず嫌いで、不器用で、頭がいい。でも、どこか抜けていて。そんな君だから僕は放っておけない、守らなきゃと思ったんだ。意地っ張りの皇子様とずっと一緒にいたいと思ったんだ。「スザク、何してるんだ、行くぞ」「うん」
2007.12.28
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何百回の「嫌い」とたった一回の「好き」「願いを一つだけ叶えられるなら、何がいい?」「願い?スザクが叶えてくれるのか?」「うんっ!!」にこり、とルルーシュが綺麗な笑顔を浮かべたのでスザクは少し戸惑った。気付かれないように笑顔を貼り付けたけど。「じゃあ、粉々になるまで政庁をぶっ壊すか、あの変態ナルシストで唯我独尊ホストを今すぐ殺してきて」「・・・・それ、犯罪だから。もっと可愛いソフトなお願いないの?」「・・・お願い」「ブリタニア皇帝のカール頭を全部抜いてきてくれ」「いや、だから、そういうのじゃなくて」「イチゴが食べたい」「そうじゃなくて・・・」
2007.12.27
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人生の中で、真正面から殴られたのは初めてだった。力なんか弱かったけど、痛みは小さかったけど、それでも僕は本当にそれが痛かった。「今度、ナナリーに手を出したら許さないからな」「お兄様・・・」隣に引っ越してきた美しい黒髪の少年、それがルル―シュ・ランペルージだった。ブリタニアからの留学生で国際的な大企業の総帥の愛人の息子。彼は数多く要る兄弟の中で、必死に妹と母親を小さな体で守っていた。怒りに震える紫の瞳は他の人間とは明らかに一線を画していた。「ご、ごめんなさい」思えば、あの頃の僕は酷く傲慢でわがままで乱暴だった。そして人付き合いというか、気持ちを言葉にするのが苦手だった。それから、仲良くなって、僕たちはたくさん遊んで、喧嘩して、ないたりした。ルル―シュは初めての友達だった、首相の息子である僕にはこびへつらう人間しかいなかったから。「・・・それはどうだろうな、そりゃあ、俺だって前みたいにお前と仲良く友達でいたいさ」「なら・・・」「スザク、こう言う事は時間がかかるんだ、もう少し待ってくれないか」「ルル―シュ・・・」「とにかく、俺は今までの事や家族の事・・いろんなことを冷静に考えたいんだ」「・・わかったよ、じゃあ、せめて携帯のアドレスだけでも教えてよ」「わかった・・・」中学2年の時だ、彼女がユーフェミアが僕らの前に現れたのは。雪のような肌と大きな紫紺の瞳、流れるような桃色の髪。小鳥のような愛らしい声。その美しい少女はすぐに学園のアイドルとなった。彼女が転校してきて、ほんの数週間だ。ユーフェミアが僕に告白してきたのは。「好きです、付き合ってください」友達になって、ナナリー以外とは僕とルルーシュ、ユフィの三人で過ごすようになって数週間。ユフィが裏庭で僕に告白してきたのは。「・・え、僕と?」「はい、駄目でしょうか」「駄目なんて、そんな事は・・君みたいな女の子に告白されるなんて光栄だよ。でも、ユフィ、君はルルーシュが気に入ってるんじゃなかったけ?」「・・前はそうでしたけど、でも気付いちゃったんです、私。スザク、貴方がすきだって・・・スザク、それで答えは」「それは・・・」「・・・ユフィがお前と?」「うん、だからどう答えた方がいいかなって、こういうこと初めてだし」「それで答えるのを保留してもらったのか」「うん、僕どうしたらいいのかな」ルル―シュがふっ、と笑う。どこか寂しそうに。「難しく考えるからわからなくなるんだ、それでスザク、お前はユフィをどう思うんだ?」「まあ、可愛いと思うけど恋愛対象として考えた事がないと言うか、よくわからないな」「・・・俺は好きだぞ、ユフィが」心臓がドキリと震える。体が硬直しそうになる。先を歩くルル―シュの背中をスザクは呆然と見る。「ルル―シュ・・」「冗談だ、どうだ、心配になったか?」「な、何だ冗談か、驚かさないでよ」とスザクがほっ、と胸をなでおろす。あれ?「それがお前の答えだ、お前は好きなんだよ、ユフィが・・」「え」「安心しろ、俺が応援してやるよ、明日にでも付き合うと言ってくれればいい」「ちょ、ちょっと、待ってよ、ルル―シュ」「大丈夫、お前達はきっと上手く行くよ、俺が保証する」「ルル―シュ~」
2007.12.26
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愛される事は酷く苦い、どうして俺はこんなに素直じゃないんだろう。愛する事は簡単だけど、愛される事は酷く難しい。お前とならなんだってクリアできる、俺たち2人でいれば出来ない事なんかない・・・!このままの俺たちにいれば最高なのに。「そうだな、お前がいてくれて助かったよ」―嘘はついてはいないさ。「ありがとう」スザクがふふっと笑う。「何だ?そろそろ、雨もやんだみたいだし、さっさとこんな廃墟から出るぞ」過去を悔いても、振り返っても意味がない事くらいわかってる。俺は進むしかない。この前の前の親友にさえこの命をやるわけには行かない。それがいかに甘美だとしても、俺が守るものは一つしか選べないのだ。十分わかってるはずなのに、まだこの手を離せない。「―ルル―シュ・・・」いつもの声じゃない、これは男としての柩木スザクの声だ。どこか色っぽいような、真剣で、逃げ出したくなる、俺を欲しがる時の無邪気な子供のような瞳がむいてるのがわかる。「おい、止めろ」腕を伸ばされ、背中から抱きしめられる。「スザク、こら・・っ」「ルル―シュ・・・」スザクの筋張った手が後ろから回され、手つきがあることを意味ありげにゆっくりと制服を滑っていく。「触るな」ぞわり、とした妙な感覚がルル―シュを襲う。「でも、せっかくの2人きりなんだし、最近ご無沙汰だし、いいだろう?」身体の向きを変えて、反論しようとすると、顎を捕まれ、スザクの右手が俺の片足を優しくなでる。何と言うか手馴れた手つきで俺が頷くのを待つようになでている。「そんな気分になれるわけがないだろう、悪ふざけするのもいいかげんに」俺はスザクの手を押しのけようと、顎をつかむ手を追い払うように跳ね除けた。「ルル―シュ、」スザクが俺の左手にちゅとキスをする。正面から緑色の瞳で俺をまっすぐ見ている。いたずらを思いついた子供のようで、決して拒否を許さない獣の目でおれを見る。―俺が自分の手の中に落ちる瞬間を待ち望んでいる。「好きだよ、君を守りたい」孤独で弱い王子様。こいつは俺を綺麗なままだと信じ込んでいるふしがある。勘違いだよ、俺はとても醜い生き物なんだ。だから、お前やナナリーにはできるなら、俺に関わらないでほしい。きっと、壊してしまうから。俺は残酷で傲慢でもう歪んでしまってるから綺麗な人間にはなれない。「スザク、俺は・・・」「好きだよ、大好き、君をできるなら独り占めにしたいくらいだ、誰の目にも触れないように、他の卑しい男の目に映らないように」「俺はお姫様じゃないぞ、それでも俺が好きだと?」再会してから俺たちには一つの真実がない。嘘ばかりだ。「ルル―シュ?」だから、きっとお前は綺麗な本物のお姫様を選ぶだろう。間違ったやり方は意味がないんだろう?ブリタニアを変える気なんて本気じゃないくせに。俺なんか見てないくせに。「俺もお前が好きだよ」翡翠に歓喜の色が加わる。俺が抱きつくと、嬉しそうに力いっぱい抱きしめる。「今日はたっぷり愛してあげるっ、いいよね?」「・・・そうだな」この手を突き放して、何の感情もこめないで殺せればいいのに。こんな行為は不条理で、意味がない、何も生み出さない。いつまでも、子供ではいられないのだ。ルル―シュは愛される事を酷く苦手で、不器用だ。彼の綺麗な手はいつだって、僕を選ばない。君がいればなんだってできる、どこへだっていける、君さえいればそれだけで僕は何だって一番になれる。お姫様なんて、僕は要らない。「ひっ」「大丈夫、僕がここにいるから」彼は甘やかされる事が苦手で、いつだって完璧に自分で物事を進めようとするし、プライドも高いし、俺様な性格だ。素直じゃないし、悪く言えば可愛げがない。「ルル―シュ・・・」君がゼロなの?ナナリーの為に、彼女の為だけに君はブリタニアと戦うの?ねえ、お願い、好きだと言ってよ。ガゥゥゥン、と冷たく重い音が鳴り響く。薄暗い倉庫の中でその少年と向かい合っていると、かつんかつんと靴の音が鳴り響いた。「・・・そこまでにしたらどうだ、ロロ」心臓がつかまれる、とはまさにこのこと。「ゼロ、」優しげな紫の瞳がこれ以上ないくらいの嬉しそうな笑顔をスザクの背中に近づいてくる男に向ける。まさか、そんな事・・・彼が生きているはずないのに。だって、ルル―シュは僕がこの手で・・・・。「こちらを向け、柩木スザク、いいかゆっくりとだぞ」ありえない、だってルル―シュは僕が正した。ゼロは僕が殺したのに・・・・・!「聞こえなかったのか?柩木、私がこちらを向けと言ったんだ。お前のその頭は飾りか?」振り向くと、そこには仮面の男ゼロが確かに銃を構えて、そこにいた。「・・・・ルル―シュ・・・?」「日本人の裏切り者、ブリタニアの犬の名誉ブリタニア人、日本人を虐殺した魔女のお飾りのナイト様。さぁ、私の仲間を帰してもらおうか?君はどの呼び方がお好みかな?」「ゼロ!!」「ルル―シュ、何で君が・・・、君は神根島で・・・・!!」「気安く触るな、イレヴン風情が・・・!!貴様のような男にその名を言う資格がないだろう・・大体、どこでその名前を手に入れた?あの男の差し金か?お前の父親と同じように、日本を売って、今度はいや、また俺たちを殺す気か?」「何を言って・・・・」「誰がお前らの望むとおり、死人になんかなるものか・・・私は、俺はお前らの玩具じゃないんだ」「話を聞いて・・・、僕は俺は・・・っ」「また、俺を殺すのか?奇麗事だけいって、都合のいいものしか見ようとせず、それがお前の本質だろう?スザク」
2007.12.25
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「生徒会会員全員でイス取りゲームだ~」ミレイがシャンパンを片手にニーナを抱きかかえて、頬を赤くしてやってきた。パーティーに参加中の生徒たちも突然のミレイの発言に戸惑いを隠せないようだった。「へ?何で、そうなるの」「・・・・は?」リヴァルとカレンもいきなりの事に疑問の色を隠せない。「何で、生徒会会員限定なんだ?シャーリー」「さぁ、ルルは聞いてないの?」「いや、今初めて聞いた」ミレイは学園一のお祭好きで、思いつきでイベントを企画し、必ずそれを実行させるのだ、そういうところは本当に優秀だ。「ちなみに原案は、特別ゲストのアリスさんだ~」扉が開かれた瞬間、ルル―シュは飲んでいたカクテルを吹き出しそうになる。げほっげほっ。「ルル―シュ!?」スザクが慌てて咳き込むルル―シュの背中をさすった。胸元が大きく開いた黒いサンタ姿とツインテールの少女がピザを片手に現れた。「今晩は、ルル―シュ君のお友達のアリスちゃんだ」しかもいつもの女王的な性格を隠してるつもりなのか微妙にぶりっこをしている。声色も微妙に女の子らしい。シーツー・・・あの女、あれほど人前に出るなと注意したのに!?しかもまた見た事のない衣装を着て、また俺のカードを使ったのか!?「ルル―シュ、あの女の子・・・」「いや、あれはだな・・・その、あれだ」「もしかして、彼女が例の彼女!?髪の色が同じ緑だし」「ええっ、ルル、彼女がいたの!?」「違う、し・・・アリスはただの友達だ、そうメル友という奴だ!」「・・・・・あの子が?君と・・・へえ、そうなんだ」「スザク?」なにやら烈しくショックを受けているシャーリーを視界の隅にスザクが力強くルル―シュの手を掴んで、シーツーの前に進み出る。「ちょ、ちょっと・・・スザク!?」「あら、何か用かしら?今、ゲームの説明をしてるんだけど」何だ、その作ったような可愛い笑顔は。そして、気持ちが悪いぞ、お前普段そんな喋りじゃないだろ。「僕と、ルル―シュをかけて勝負をしろ!一対一の勝負だ!!」は?「あら、私に勝負とはいい度胸だ・・・いえ、初対面の女性に勝負を申し込むなんていきなりすぎません?でも、私のルルーシュをかけて戦うなんて面白いわ、カレンさんも参加しますよね」「え?何で、私が・・・」「し・ま・す・よね?」有無を言わせない笑顔でシーツーはカレンを気迫負けさせた。「おおっ、賞品はルルーシュか!?いいわね、じゃあ、皆ルル―シュをかけて真剣にイス取りゲームよ!」「会長、認めないで下さい!!」結果的に勝負はシーツーとカレンが残り、なぜかルル―シュは壮絶なバトルの結果、彼女たちのイス代わりになった。「何でルルーシュなのよ、まったく・・」「予想してたとはいえつまらんな」
2007.12.24
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02. 伸ばした腕で視界を奪った、他の何も君を侵せないように(ルル―シュ→ナナリー)大丈夫だよ、ナナリー、大丈夫だから。そういって、お兄様は優しく私の頭をいつもなでる。けれど、知っている。誰よりも頼りたいのは、甘えたいのは、誰かに纏わり尽きたいのはお兄様自身だと言う事に。お父様である皇帝陛下がそんなお兄様の心を踏みつけにしたんだと。「ほら、ナナリー、わかるか?ツリーのお星様だよ」「お星様?優しい手触り・・・」「会長が小さなツリーを持ってきてくれたんだ、一緒に飾りをツリーにつけよう」「はい、お兄様」暖房で暖かい部屋、甘い匂いがするからきっと咲世子さんがケーキでも焼いてくれてるんだろうか。一緒にツリーを飾って、ケーキを食べて、プレゼント交換をして。2人だけの静かなクリスマス。「雪が降ってますね・・・、それにとても静か」「そうだな、少し外に出てみるか?」お兄様が微笑んでいるのがわかる。暖かい手が私の手を優しく握ってくれている。「いえ、私は・・・でも、もう少しここで雪を感じていたいです」「それじゃあ、何か身体を温めるものを持ってこよう。セーターかマフラーでも」お兄様が窓を少し閉めて、扉の方へ向かう。「お兄様」「何だい、ナナリー」「スザクさんも今、同じ空で雪を見てるんでしょうか」ルル―シュがかすかに驚いたように目を見開かせる。5年前の別れから一度だって、ルル―シュもナナリーも幼馴染の日本人の少年の事を口に出さなかった。ルル―シュの親友でナナリーの「初恋」の相手の柩木スザクの名前を。「あ・・・すみません、つい口が滑って・・」「いいよ、ナナリー・・僕もいや、俺も今日あいつの事を思い出していた」「そうですか、お兄様が自分の事を俺と言うようになったのはスザクさんの影響なんですか?」「こら、スザク、さっさと七面鳥もってこい、会長達が待っているぞ」「待ってよ、ルル―シュ!何で今日に限って早足なんだよ」「仕方ないだろう、パーティー会場の飾り付けや会計が俺の担当なんだから、お前はにもつ運ぶだけなんだから、きりきりと動け」「・・う、ルル―シュってたまに人をものすごくこき使うよね。本当に僕の事、友達と思ってる?」「当たり前だ、お前を信用してるから力仕事をお前に頼んだんだろ」「・・・・報酬はき・・・」「お兄様」「ナナリー!」白いドレスに身を包んだナナリーが咲世子さんに車椅子を引かれてルルーシュの元へやってくる。アッシュブロンドの髪には赤いリボンがつけられていて、中々愛らしい。「パーティーの開始時間はまだなんですけど、その前にお兄様にいっておきたいことがあって」ルル―シュがこれ以上ないくらい、綺麗な笑顔を浮かべている。「何だ?ナナリー」「メリークリスマス!今日のイヴがお兄様の幸せの日でありますように、ダンスを一緒に踊ってくれますか?お兄様」「もちろん、俺がナナリーの誘いを断るわけないだろ」
2007.12.23
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やはり、一国を翻す黒の騎士団のリーダーとして、英雄色を好むはするべきだろうか。いつまでも、あんな女に・・・呼ばわりされるのも、リヴァルに子ども扱いされるのも癪だ。「・・・というわけだ、お前、ちょうどいい女性の知り合いはいないか?]空気を読まないというが、ルル―シュも結構その手の空気は読まないよなとスザクは思った。「それ、僕に聞くんだ」紅茶を飲み干しながら、スザクは苦笑いを浮かべる。だが、その考えに凝り固まっているルル―シュはそんなスザクの様子など気をとめていない。「だって、お前そういうの詳しいんだろう。そうだな、なるべくなら相手の事情を聞きたがらない年上がいい」「それは難しいなぁ」何だろう、凄い邪魔したい気分だ。「・・・知り合いの女に童貞と呼ばれてな、このまま負けてはいけないと思って」「思春期の男子にショッキングなこと言う人だね」「スザク君、今日調子悪いよ~、ランスロットの調合率が昨日に比べると落ちてるよ」「す、すみません」スザクが慌ててランスロットの下でパソコンとにらめっこしてるロイドに答えて、コクピット内の機器に手を滑らせていく。「どうしたの?スザク君、学校で何かあった?」セシルも心配そうにスザクを見ている。「い・・いえ、少し考え事をしていて」すぐにいつもどおり仕事をこなします、と答えてスザクは仕事に集中していく。ルル―シュが女の子と・・・考えてなかったけどそうだよな、彼だって年頃だし、そういうのがあって当然で。漆黒の髪を僕の知らない人間がなでるのだろうか、紫の瞳が優しく甘く見つめて、あの綺麗なルル―シュと・・・。駄目だ、まだ駄目だ。彼は綺麗じゃなきゃいけない、その辺の女なんかが誰かが気安く触れていい存在じゃない。神聖で優しくて、そうでいてくれなくては困る。「・・・スザク」「ユーフェミア様!?」「久しぶりですね、貴方の顔を覗きに来ました。少し、よろしいですか?」「しかし、今は仕事中ですし」スザクが慌ててユーフェミアの前に出て、慌てた口調で答える。「ごめん、やっぱり見つからなかったよ」「そうか、残念だな」珍しく、ナナリーもいなくて2人でお茶をしてる時、スザクが笑いながら言った。「それで、聞こうと思ったんだけど」きりっ、と翡翠の瞳を目を細めてまっすぐにルル―シュを見る。「何だ、改まって」「例の彼女とは、どこで童貞だとかいわれたのか僕に詳しく教えてくれないかな」「は?何で?」「何でも・・・!」
2007.12.22
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「罪悪感や責任を愛と錯覚しているんです」「ごめん、本当にごめん・・・」すっかり晴れ上がった青空の昼下がり、スザクが真正面から俺に謝ってきた。「あの子、どうしてもデートしないとあきらめられないというから」「別にいいよ、そんなこと気にしてないし。こっちもお前の軍の仕事があるのに無理して夕食を誘ったんだし」人に好かれるし、運動神経もいいし、基本的に女子供に優しいからそれは当然の展開だ。一週間からしたら三人か四人には告白されてるんじゃないだろうか。「でも・・」「俺たちに構うのはいいが、休日くらいほかの女の子とデートくらいしたらどうだ?」本を開いて俺がそういうと、なぜかスザクは悲しそうな笑顔を浮かべた。「何だ?」「何でもないよ」「ふうん、まあ、デート楽しんでこいよ」「ルル―シュって、それは残酷よ~」「そうですか?」ミレイの一言に首を傾ける。特にこれといってまずい事を言ってないと思うんだが。「そうよ、スザク君にあんなに愛されてるのに」「変な言い方はやめて下さい、スザクだってたまには可愛い女の子と恋愛して、気を休んでくれればと思っただけです」「う~ん、何って言えばいいのかしら」ミレイが頭をぽりぽりと掻きながら、苦笑いを浮かべた。「ルル―シュにとってスザク君って何なの?」「友達です」「スザク君が他の事仲良くして悔しくないの?」「俺にスザクを拘束する理由はないですし、あいつにはできる限り思いのままに生きて欲しいんです」「・・・友達思いなのね」「知らなかったんですか?」
2007.12.21
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帰れない自分に祝杯を / (ルル―シュ)自分を認めてくれた、と嬉しそうに頬を朱に染めて笑う幼馴染の横顔をただそうかと見る。自分がスザクを変えられる、彼になら大切な妹を預けられるという傲慢。いいや、違う、この結果は俺がスザクに対して何も行動を起こさなかったから、結果が何よりも優先しているとわかっていたのに。普段、アレだけ嘘をついて堂々としてるくせに自分のこういう純粋な意味の気持ちを言葉にしたり、行動するのは本当に苦手だ。「ルル―シュ、聞いてる?」「すまない、半分くらい聞いてなかった。お前がユフィを気に入ってるのはよくわかったが」「もう、聞いてないだろ」「悪いな、俺もリヴァルと同じように友達に先に彼女を作られると面白くないし、聞きたくないんだ、のろけ話ほど面白くない話はないからな」「のろけって、やだな・・・彼女と僕は主君と騎士、ただの主従関係だよ。それ以外にあるとしたら尊敬と親愛だよ」「またまた、俺知ってるんだよ、この前ユーフェミアさまとデートしてたでしょ」どこまで聞いていたのか、リヴァルやシャーリーがなにやら意味ありげな表情で図書館で勉強していた俺たちに近づいてきた。「ニーナが知ったら、怒るんだろうな」「ち、違うよ、アレはただのプライベートで僕はただ護衛をしていただけで・・ユーフェミア様も個人的な買い物してただけだし」「?何で、おれを見る?」だって、とスザクが何かいいたげにおれを見る。「騎士と主君が仲がいい事は悪い事じゃないだろ、だがプライベートと仕事はわきまえろよ。お前の行動や言葉一つでユーフェミア様の器が決まるんだからな」「!・・う、うん、そうだね」絵に描いたような恋物語の騎士と姫を実現したような2人。わかっていた、わかっていたはずだ、俺はゼロとして進むしかない。穏やかな陽だまりの中の彼らには決して触れられない事を。血でぬれて、たくさんの人間を殺してきた手はただ一人の分しかもう存在しない事を―・・。あんなに一緒だったのに、今はもう近づく事出来ないほど遠い。それでも、俺はそれを受け入れるしかない。ナナリーが安心して、幸せに生きられる世界。そのためなら、俺は全てを捨てていい。喜んで、孤独の道をたった一人で生きていく。俺が邪魔というなら、俺は―・・・。
2007.12.20
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手放すなんてそんなこと考えたこともない ルル―シュ、俺スザク共に14歳「スザクさんと喧嘩でもなされたんですか?」葉も色とりどりになり、季節も秋に移り変わる頃、ルル―シュはスザクと喧嘩をした。軍に入った事はもう解決済みだが、何があったのかスザクのルルーシュに対する態度が変だ。「いや、大丈夫だよ、ナナリー、あいつが勝手に怒ってるだけだ」「そうなんですか?」「ああ、スザクが一方的に怒ってるだけだ・・まあ、俺も無理に理由聞き出そうとしたのも悪かったと思うが」元々、考えるより行動する単純な奴で空気を読まず、突発的な行動が多くルル―シュの頭脳にしても彼の行動は想定外の事ばかりだ。喧嘩はよくするが、理由がわからないと言う事はこれまでなかった。「まあ・・・、早くスザクさんの機嫌がよくなるといいんですけど」「そうだな、人付き合いというのは難しいものだ」過保護で少々うざ・・・、親身的だとは感じていた。だが、以前と違うのは俺と目が合うと慌てて視線をそらす、クラスメイトの女の子と話してるときはたまに割り入ってきたり、以前ほど女の子との付き合いに口出ししなくなった事だ。だが、それでも一番理解できないのが普通にクラスメイトの男子と話している時だ。「おい、ルル―シュ、柩木がものすごい顔でにらんでくるんですけど」「あいつ・・・」「この頃、妙におとなしくて逆に怖いんですけど」しばらく、ルル―シュ達を凝視した後、気分が悪くなったのか良くなったのか、息を整えて出て行く。そうした生活が続く中、「俺に近づくな」「冷静さを取り戻す為にしばらくほっとおいてほしい」とか言い出した。ルル―シュもそれなりにスザクに愛着があるので当然納得せず、すぐに理由を聞き出そうとして、失敗した。「早く、スザクさんと仲直りしてくださいね、お2人が仲悪いままなんて私悲しいです」「お前は優しいね、ナナリー」やっと眠気がきたのか、ぼんやりとした声で目の前のルルーシュに声をかけた。ルル―シュは普段人前ではあまり見せない慈愛に満ちた笑顔でナナリーに微笑みかけ、柔らかいナナリーの頭をなでて、その小さな手に触れる。「大丈夫だよ、ナナリー。俺があいつを手放すはずないだろう、スザクだって話せばわかるさ、あいつはそういう奴だ」「よかった」すぅ、と安心したように寝息を立ててナナリーが眠り始める。―そして、あの事件はおきた。「・・・・ぐっ」「何だよ、こいつ、だらしねえの」「女にモテるからって調子乗るなっての、今日は騎士様の柩木スザクはいないようだな」頭を烈しく強打され、身体も倒れるまで殴られたり、蹴られつづけた。理由は俺が気に入らない事と、柩木スザクへの報復だった。彼らはスザクを貶める為に俺に協力しろと言ってきたのだ。「ルル―シュ・・・」シャーリーとその友達がへたりとその場に座り込んでいる。「馬鹿、シャーリー、早く・・・早く逃げるんだ!!」俺は残った力で必死にシャーリー達に向かって叫んだ。声が出なくなるまで。そして。気が付くと、病院の中のベッドの中にいた。目がさめると、表情を凍らせたスザクとミレイの姿があった。あの不良達はスザクが追い払ってくれたらしい。「ルルちゃん・・・」「・・・ルル―シュ?」「やぁ、スザク、それにミレイも・・・見舞いに来てくれたのか」安心させる為に笑ったのにミレイは泣き出し、スザクもなきそうな表情になっていた。「シャーリー達は?」「彼女たちは大丈夫、擦り傷だけだって・・・そんな事よりルル―シュは大丈夫なのかよ」「平気だ」ほら、と手を上げようと痛みが身体を走る。頭にも包帯が巻かれているようだ。「無理するなよ・・・、ルル―シュ・・ルル―シュ」「何だ?」「ごめんなさい」ぼろ、とスザクの頬から涙がこぼれてルルーシュの右手を掴んで、ボロボロと涙をこぼしていく。「ごめんなさいごめんなさい」「・・・何でお前が謝るんだ?」「だって、お前の身体の傷・・・それに俺が傍にいなかったからこんな事に・・・」「スザク、お前・・・」―何で、お前が泣かなければいけない?お前のせいではないのに。ルル―シュはスザクの頬に優しく触れる。「君のせいじゃない、僕が・・・俺が無力だった・・、ただそれだけだ」「ルル―シュ・・・」「スザク、お前のせいじゃないよ。助けてくれてありがとう」そういうと、感情が暴走したのか、スザクが勢いよくルル―シュに抱きついてきた。
2007.12.19
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「・・・・どうやって、ここの住所を聞き出したんだ、お前、大体地方の大学に行ったんじゃないのか?」はぁ、と白い息を乱して急に腕を掴まれたと思ったらできれば会いたくない人物がルル―シュの後ろに立っていたのだ。マンションの自室の扉を開けようとした瞬間だ。「ナナリーから聞いたんだよ、久しぶりに地元に戻ったら実家にも大学にも君がいないし、どうして僕に住所を教えてくれなかったんだ?」かなり思いつめていたのか、翡翠の瞳がルル―シュの姿を見た瞬間、頬を緩めた。「・・・・お前や兄たちには後で連絡しようと思ったんだよ、いいから手を離せ」「それに君、大学に入ってから、僕を避けてるだろ、どうして?」ルル―シュはため息をついて、スザクから離れた。「そんなのお前が一番わかってるだろ、俺はお前の彼女を奪ったんだ、親友の彼女を横取りした奴がお前に顔合わせるわけないだろう」とにかく入れ、とルルーシュは部屋の中へスザクを招き入れた。お風呂とトイレが一緒で個室が二つ、台所とリビングがセット。相変わらず必要なものしかおいていない。「紅茶でいいか?」「あ、う、うん」「何、緊張してるんだ?スザク」「いや、君の部屋に入れてもらえるとは思わなくてさ」ポットからカップに紅茶を入れながら、どういう意味だとルルーシュが聞いてきた。「いくら俺でも、遠くからわざわざ訪ねてくれた友人をこの寒空のした、部屋にも入れないで帰したりしないぞ」「あの頃、ナナリーも入れて3人でいろんな遊びしたよね」「ああ、かくれんぼや鬼ごっこだとか、小学生の時お前が隣に引っ越してきた時以来、退屈はしなかったな」「楽しかった、ねえ、ルル―シュ、実家に戻らないの?」「家はあまり好きじゃないんだ、過保護すぎる家族も考えものだ。それに前から一人暮らしもしてみたかったしな」そういえば、周りを見渡せばきちんと洗濯物がたたんであったり、家具もそれなりのものが取り押さえられている。「大学は通ってるの?」「ああ、通学が少し時間がかかるけどな、生活費はバイトで何とかと言う所か」「そうなんだ・・・」「それで俺に用事って何だ?」え、とスザクが首を傾けた。「俺に何か話したいことがあるからここに着たんだろ、話せよ」「・・・ルル―シュ、また僕たちもとの友達関係に戻れないかな?」
2007.12.18
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今日は珍しく、八時くらいに切り上げられたので、ナナリーとお茶くらいはできるかとぼんやり考えながら、灯りがともるクラブハウスへと足を向ける。すると、校門前で本を読んでいるスザクの姿が目に飛び込んできた。しかも、カバンと旅行カバンを足元において―・・。「スザク?」「・・・やっと着たんだ、今日は随分早いんだね。今日はどこで夜遊びしてたのかな?」いつもの穏やかな笑顔を浮かべながら、言い訳は許さないというようにゆっくりとスザクがルル―シュに歩み寄ってくる。「今日こそ教えてもらうよ、学校にも来ないでどこに行ってるの?」日頃から授業を出ろだとか何かとうるさく言われるがそれが自分のみを案じていってくれる言葉なのでなるべく優しい言葉でごまかしてきたがついに問い詰められる日がきたか・・・!「そ、それは、つまり」「つまり?」ナナリーのためにブリタニアへテロ行為をして、ゼロとして黒の騎士団を率いてます~なんて、とてもいえない。ならば、外に日本人の友達がいて、泊まりにいってる?彼女の家に寄ってきた?弱すぎる。ならば、お茶してた?これもだめだ。「べ、別にいいだろう。俺にだってお前にいえないような事情くらいあるんだ」「ナナリーを心配にさせて、寂しがられるほどの事情ねぇ、それならぜひ教えて欲しいな」「スザク、怒ってるのか?」「ううん、ただ悲しいんだ、親友の僕にも教えてくれないなんて、やっぱりそう言う事なのかな」ルル―シュの心臓がどきり、と震える。「な、何の事だ?」「わかってるんだ僕、君がやってる事・・・僕や生徒会の皆にいえないことなんだろう」まさか、ゼロだとばれた!?どこから情報が漏れた、携帯もゼロ専用にしたし、怪しい言動なんかしてないはずだ、くっ、やはりブリタニア軍人だけ会って、そう言う事は鋭いと言う事か。まんまと幼馴染の親友とこの人懐っこい笑顔に騙された!!さて、どうやって言い包めようか。「僕もまさかと思いたいけど、最近の君が授業中寝てるのも時々からだがつらそうなのも、ルル―シュ」がしり、とスザクがなにやら思いつめた表情でルル―シュの肩を掴んだ。「・・・・何だ」「{ }の強要されてるんだろう、多分アシュフォード家の誰かに!!?」は、とルルーシュはその一言に見事に固まった。「すまない、よく聞こえなかったんだが」「だから、いわゆる大人の遊びを無理やりされてるんだろう?!」「はああああああ!?貴様一体、ナに考えてる、そんな事があるわけないだろう」よりによって、そんな事だとは思わなかった。何考えて生きてるんだ、こいつ。「大丈夫だよ、ルル―シュ、そんな嘘つかなくて。僕が何とかするから、君が毎日つらそうなのも身体が痛そうなのもそのせいなんだろう」そんなに俺と友達を止めたいのか、この野郎。「それにナナリーも喜ばないよ、君は優しくて綺麗なままでいてもらわないと、犠牲的精神なんて僕は嬉しくない!」「だから違うと言っているだろう!!」「そうなの?」「そうだ」「それでお兄様、スザクさんはどうしたんです?」「・・・ああ、今日は泊まるとうるさかったが、説得して帰ってもらった」「そうですか、今日は久しぶりに三人で夕食を食べられると思ったんですけど」ナナリーの頭を優しくなでる。「すまないな、スザクには今度また誘ってきてもらうから」「はい、お兄様」
2007.12.17
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どこかで犬の遠吠えを聞いた気がする。アシュフォード学園に犬なんかいないはずなのに、そう思うとなんだかおかしい。「ナナリーは寝たの?」扉を開けて、眠たそうに目をこするルル―シュが入ってきた。「ああ」ベッドで寝そべるスザクは何が面白いのかさっきまで眠そうだったくせにこちらにニコニコと笑顔を浮かべている。「あいかわらず、べたべただね、君たち。今もいっしょに寝るの?」「時々な、ナナリーは寂しがる時とか」「ふうん、ルル―シュは優しいね。あ、でも、いくらなんでも妹だからって変なことしちゃ駄目だよ」「何だよ、それ」はは、とルルーシュが軽く笑う。「過保護なのもいいけど、少しは自分の事も考えなよ。最近眠れないんだろう」「心配しなくても、ちゃんと寝てるさ」嘘だ、昼間もほとんど寝てる事が多いのに。何をしてるかは知らないけど、出かけている。「ルル―シュ」「何だ?」「いっしょに寝てあげようか」「はあ?お前には客室のベッドを用意してるだろう」「ルル―シュは僕がいなくて寂しかっただろう」断定か。「・・・くだらない、お茶の代わりもって来るぞ。カードゲームするんだろ」「ねえ、言ってよ、ナナリーが寂しいじゃなくて君が僕がいなくて寂しいって。そしたら、何でもするから」「スザク、子供じゃあるまいし、わがままは」「僕達は子供だろう、君もこの前言ってたじゃないか」「・・・あれは、お前の女遊びが非常識だと遠まわしに言っただけだよ」「ルル―シュは厳しいな~」「お前がいいかげんなだけだろう、ほら、カードを配るぞ、トランプで構わないだろ」「ようし、今日こそ君に勝つからね、今日の勝負の内容は?」ルル―シュがふっと笑う。「ポーカーでどうだ」「望むところだ、僕が勝ったら何でも言う事聞いてくれるんだよね」結局、結果はいつものとおり。ルル―シュの圧勝だった。「体力なら負けないのに」むぅ、とスザクが頬を膨らませると頭の上から動くなと言う声が聞こえた。「お前の髪、短すぎるな、リボンが結べない。ここはやはり古風に顔に落書きの方がいいか」「・・・ルル―シュ、何だか楽しんでない?」「負けたお前が悪い」そういえば、とルルーシュが不意に笑い声を止める。「お前、ベッドの方を使えよ、俺がソファーで寝るから」「え、悪いよ、ルル―シュがソファーで寝るなら僕がソファーで寝るよ」「だって、お前言ってたじゃないか、明日朝早いって」「でも君を風を引かせるわけには行かない」「・・・じゃあ、一緒に寝るか、眠い・・・・歯を磨いてくる」今、ルル―シュは何かとんでもない事を言ったような、僕の聞き間違いか?「一緒に寝るって、僕と君が?」「何だ、不服か?」「そんな、とんでもありません」なぜ片言?まあ、いいか、こいつが変なのはいつもの事だ。何で頬が赤いのかは知らないが。「ただ平常心を保てるかなって~」「?ただ寝るだけだろうが」「ルル―シュって本当穢れを知らないと言うかそこまでいくと罪作りというか、天使だよね」「言ってる意味がわからない」「うんうん、君はそのままでいてね」
2007.12.16
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「シーツー、私がルル―シュに力を与えたものだ」「・・・・君が」スザクは体を岩に拘束され、ぎりっと歯をかんで目の前の美しい少女をにらんだ。「お前がルル―シュを・・ルル―シュを変えた・・ギアスを与えた女・・」今すぐこんな縄といて殺してやりたい、スザクの憎しみがゼロからシーツーに向けられる。この女のせいで、優しい世界にいたルル―シュがゼロになった。この女がギアス何か与えなければ多くの人間が死ななかったし、ユフィだって名誉も地位も地に叩きつけられずあの綺麗な白い手を日本人の血で赤く染めなくて済んだんだ。柩木スザクの全身から憎しみが彼女一人に向けられる。「私を殺したいか、柩木スザク」それでも彼女の表情は曇り一つとしてない。ただ、淡々とスザクを見下ろしている。「・・・・殺したい」スザクはポツリとつぶやいた。「この魔女め、俺の・・僕の友達だったルル―シュを返せ。お前が現れなければ、ルル―シュはゼロに、ユフィもクロヴィス殿下も殺さなくてすんだんだ」「私もお前と同じように私から私の魔王を奪った柩木スザクを殺してやりたい、だが甘いあの男の最後の望みだ。だから生かしてやる」「・・・・・・・・・・・・・・・どういう意味だ?」「考えなくてもわかるだろう、柩木スザク、それよりなぜ今のように疑問を抱かなかった?なぜ、ルル―シュがお前の言うルールののっとった平和的な方法を選ばず、ゼロとしての修羅の道を選んだか、平和な生活からなぜわざわざその身を戦場に置いたかお前の少ない脳みそで一度でも考えた事があるか?」何でそんなに話した事もない相手にそんな事を言われなければいけないのか不満だったが、スザクはそこはスルーする事にした。「・・・・ナナリーの為?」「それもある、マリアンヌを殺した犯人はいまだ捕まっていない、その上アシュフォード家に匿われているが卒業と同時に恐らく一生幽閉だろうな、皇族に見つければ恐らく間違いなく殺される。そんな状況で自由に外を出歩けない、恋愛も就職もできるはずがない。わかるな?ルル―シュ達の平穏は薄氷の上でぎりぎりに保たれていた」「そんな・・・ルル―シュが・・・」「この状況でそんな方法を取れるわけがない、素顔を晒していられるわけがない、ルル―シュはだから力を欲した、父親からの存在否定の言葉から逃れる為、己の存在が確かなものとするためにゼロとなった、なのにお前を助けるために・・・お前にゼロを否定されても、お前を親友と信じて仲間へと誘った」「あ・・・・」そうだ、ゼロは執拗に僕を黒の騎士団に誘っていた。「お前になら妹を預けられると、ナナリーがお前の生きる目的になればと望んでいた。確かにあいつはお前に甘えていたし、傲慢で身勝手な男だ。そしてプライドが高い。柩木スザク、お前を受け入れたのは本当にユーフェミアだけか?特派も生徒会も受け入れていただろう、それにもちろんルル―シュやナナリーも」「・・・・それでも信頼を、僕やユフィ、ナナリーを裏切ったのは間違ったのはルルーシュの方だ!!」シーツーは仕方なさそうにため息を作る。「子供だな、お前が世界で一番正しいと思ってるのか?思い上がるな、そんなだからお前はたやすく真実を見失う」「裏切ったのはお前だろう、騎士になんてお前は守ると言いながら結局あの兄妹の命の危険度を高めて、ブリタニアの犬となった。お前が白カブトのパイロットと知った時、あの子がどれだけ傷つけられたか知ってるか?お前がお姫様と夢の世界で遊んでいる間、あの子がどれだけ泣いていたと思う」「ナナリーを守る為に、ルル―シュは何もかも捨てた・・・ナナリーを守る為に一度ユーフェミアの手を取った。だが事故がおきた、ギアスの力が大きくなり、その力がユーフェミアに発動した。日本人虐殺は、ルル―シュの意思ではない」「だったら、君が止めればよかったじゃないか!!無責任じゃないか!」「きゃんきゃん騒ぐな、うるさい。ルル―シュの初恋はな、第3皇女ユーフェミアだった。あの状況ではもう殺す以外に方法がなかった。だから―」耳を疑うとはまさにこの事。青天の霹靂とはまさにこの事。この女は何を言ってるんだ誰が誰の初恋だって?殺すしかなかった?「・・・そんなのわからないじゃないか、今のブリタニアの医療なら」シーツーは顔をふる。無理だ、という無言のサイン。「それじゃあ・・・・・、俺は・・・」―お前の存在が間違っていたんだ!!知ってたじゃないか、彼の世界がもろいと言う事を。彼が苦しみのふちで、それでもナナリーを守る為に生きていた事を・・・・。俺があの時ルル―シュに発した言葉が、「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
2007.12.16
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もうすぐクリスマスも来る。一人きりの誕生日は割と平気で過ごせた。家族はオーブと地球連合の戦闘に巻き込まれて死んだ。そんな事は頭でわかっている。ただ、実感がない。もう、父さんと喧嘩する事も低い声で説教される事も、母さんに無理やり起こされたり仕事先から連絡が来なくて、妹のわがままに振り回され、宿題を教える事も彼女の小さな恋の相談を受ける事も。あまりにも不意打ちだった。突然すぎた。突然、逃げろといわれて。簡単な荷物だけを持って逃げて。友達にゲームを返しておけばよかったと頭の中で考えて。自分の世界が突然、ひっくり返された。帰られた、一瞬で。焦げた大地は削げ落ちていて、そこにはさっきまで生きて喋っていた父や母がまるでごみのように転がっていて。妹の身体は腕が引きちぎられ、真っ赤に染まっていた。身体の奥底から獣じみた泣き声が響いた。受け入れたくなかった、何なのだ、この現実は。「シン、お前は実家に戻らないのか?」「・・・・帰ったって、誰もいないよ、レイだって知ってるだろ」「そうだな」興味もないのか、レイが制服を脱ぎだした。「・・・レイは議長の所に帰らなくていいのか?一応、一緒に住んでるんだから家族なんだろ、何だよ、その驚いた顔」「いや、・・・家族なんていわれたのが初めてだから」そういいつつ、レイの表情がいつもより明るく、嬉しそうだ。「ふぅん、お前も色々複雑なんだな、となると2人とも正月まで寮暮らしか~」ヴィーノやヨウランも引き止めればよかったなとぶつぶつ呟いていると、テレビのニュース番組でイルミネーション一面のオーブの町並みが映し出される。―たくさんの市民を犠牲にして、偽者の正義に酔いしれるなんとも醜いオーブの光景。映像の中の家族の笑顔が妙にシンには寒々しかった。しかも今はあの場所にあの愚かで自国を戦争に巻き込んでその挙句責任から逃れるように自爆したアスハの娘が帰っていると言う。「シン、今にも殺しに行くみたいな表情だな」「嘘、俺そんな表情をしてた?」そこへ、ホーク姉妹がケーキを持って入ってきた。「シン、レイ、ちょっと早いけどクリスマスパーティーしましょ」「もう、皆集まってるんだよ」「「は?」」いいから、とレイはルナマリアにシンはメイリンに腕を引っ張られる。「部屋に閉じこもってたら病気になっちゃうよ」「ちょっと待てよ、メイリンっ」「・・・俺は人がいるところは」「いいから、さっさと来なさい!」
2007.12.15
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結局、ミレイのお見合いは保留と言うかとにかくそんな形になったが、それでもリヴァル・カルデモンドの山のようなため息はやみそうにない。「まあ、そんなに落ち込むな、会長もまだ相手が好きと言ったわけじゃないだろ」「ルル―シュ君・・」にっこりと微笑むルル―シュの笑顔に思わずリヴァルはほだれそうになる。やっぱり、持つべきは理解できる友達だ。「まあ高身長で高収入でそれも年上で伯爵という公式的な地位をもつ相手をこれからするんだ、頑張れよ」「・・・・・・・・・・・ルル―シュ、それって慰め?それともからかってる?」じろっとにらむリヴァルに対して、ルル―シュはにこりとする。「まさか、リヴァルの事を思ってだよ、なあ、スザク?」書類をトントンと整えながら、隣に座るスザクにルルーシュが声をかける。「ルル―シュ、今日も綺麗で可愛いね」ニコニコといつものようにルル―シュを口説くこの男を誰かどうにかして。ほら、言われた本人も固まってるじゃないか。ドカッ「・・・まあ、何だ、リヴァル、ここでうなってても仕方ない。腹を決めて、ミレイにデートを申し込め」・・・・・今、明らかに殴ったよな、顔を狙って。突っ込まないでおこう。「そんな・・・いきなり、言われても」頬を赤くして、リヴァルはもじもじし始める。「恥らうな、いいか、リヴァル。お前は何で会長に相手にされなかったと思う?それはな、会長にとってお前は都合の言いお友達としか捕えられてないからだ」「・・随分、はっきり言うね、ルル―シュだって彼女がいないくせに」「そうだよね、ルル―シュって近づきにくいオーラ持ってるよね。何というか神様のオーラ?」おおっと、横からルル―シュ君の飛び蹴りが入った!なんとも感情がこもった蹴りだ!そして、スザク、お前危ない薬でも飲んできたのか?そんなうっとりして・・。「誰が神だ、確かにこの17年間俺は一回しか彼女はいない。そんな低いレベルの俺でもわかるんだ、お前はただ勇気がないだけだ。お友達でいてもいいが、今の状態に浸っていては一生ミレイ・アシュフォードは手に入らないぞ。砕け散るならいっそ華やかにアタックして、砕けて来い」・・・・・・・何でふられるのを前提に話しているんだろう、この人。はは・・。「そうか、そうだよな、俺今日会長にデートを申し込んでくる!」駄目で元々、当たって砕けろだ!そう意を決して、さっそく3年の教室に向かう。教室の中ではミレイがクラスメイトの女子と話している。しかし、他に教室の中は誰もいない。よし!行くぞ、リヴァル・カルデモンド!「そういえば、例の婚約者とデートしたんだって?」「相手は年上だから優しくエスコートしてくれたんでしょ」「やぁね、デートじゃないわよ、食事をしただけよ。話もそんなにしてないし、それに」「うそだぁぁぁぁぁ」ものすごい勢いで階段を下りていくリヴァルの声にやっとミレイが気付いた。「あら、今の声・・リヴァル?どうしたのかしら」「そんなのいいから、話の続きしようよ」「それに、ルルちゃんの写真ルートでそろそろ違うバージョンが欲しいっていう要望が着てるのよね、そっちが大事よ」
2007.12.14
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「う~ん、何が問題なんだろう」風紀委員で、ただいま副会長に続く女子生徒人気が上昇中の名誉ブリタニア人、柩木スザクがその童顔っぽい顔立ちを机の上であぐらをかきながら呟いた。「下りなさいよ、スザク、あんた一応女の子でしょう」そう、翡翠の瞳をした目の前の人物は女性だ。首まで伸びた柔らかそうな茶色の髪にはカチューシャがつけられてあり、スカートから伸びた足は日に焼けていて健康的で鍛えぬかれている印象がある。スレンダーだと思われがちだが、意外と脱ぐとナイスバディらしい。「ああ、カレン、もう来てたんだ。病院はもう終わったの?」「いいから机の上から降りなさいよ」「お・・・、僕、もう少し考えていたいんだけど」そういいつつ、スザクは机の上から降りた。「軍の仕事はいいの?第3皇女とお友達なんですってね」いやみのつもりで言ったんだが、目の前の少女は肩をほぐしながら、笑顔を浮かべる。「うん、友達でむしろライバル?」仮にも一国の皇女に対してライバル発言とは大胆だ。「俺みたいな可愛い女子高生に迫られてるのにあんなにも無反応なんて。ルル―シュって本当に17歳になったのか」スザクがちっ、と舌打ちをする。「スザク、あんた地が出てるわよ」本当に転校生としてやってきた時、ルル―シュ・ランペルージは驚いていた。当然だ、男と信じていた幼馴染が実は女だったなんて、漫画じゃあるまいし現実に起きるはずがない。ならば、7年前のあの時、どうして女だと打ち明けてくれなかっただとか、色々まるでかつあげでもしてる体勢でスザクに質問攻めしていた。その答えはというと、「ええ、だって家の方針だし、君、僕が女の子と知ったら対等にしてくれなかっただろ。っていうか、いっしょに風呂入ったときも会ったのに気付かなかったんだね。仕方ないか、僕発育があの時遅かったし」―そして、現在にいたるまであっさりと恋人になる宣言をして、スザクは果敢にルル―シュにアタックしている。シャーリーともルル―シュが気付かれない所で応戦中だ。「性別の問題はクリアしたし、再会できたから人目も気にせず、ルル―シュといちゃつけると思ったのに。何で、あいつあんなに素直じゃないんだろう、俺がこんなに好きなのに」「・・あんたの愛情表現、女の子離れしてるからじゃない」「ええ、だって、好きな奴とそうなりたいと思うのは自然の摂理だろ。ルル―シュも最後くらい、頷いてくれると思ったのに」「だからって、いきなり保健室で女子が男子生徒を襲うなんて聞いた事ないけど」スザクが不思議そうに首を傾ける。「・・だって、俺がすきといった男子も女の子とかはその方法で喜んだぞ」いや、順序、逆だから。「スザク、そういう趣味もあるんだ」「まあ、軍人だからね。・・・はあ、ルル―シュも素直に身を預けてくれればいいのに」こいつ、何気に凄い事を言った。「誰が預けるかっ」「あっ、ルル―シュ!」ぱぁぁ、と花が開いたようにスザクの表情は明るくなり、そのままルル―シュに抱きつこうとする。「・・・何で、避けるの?」「お前に関わると変なことされそうになるからだ」
2007.12.13
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ディートハルトとカレンは仲が悪い。やはり、日本人とブリタニア人だからか?カレンはまっすぐで時々暴走するが、仲間想いだし、ディートハルトは自己陶酔というか夢想家のようだが基本的には現実主義者だ。言葉は悪いが、語る言葉はテレビ関係の仕事をしてるだけ会って、真実味がある。2人をもう少し仲良くするには、どうすればいいんだろう。「・・・そりゃあなあ、お前が関わなきゃ、なあ?」と、玉城。「そうだな、ゼロ、君は今のままで接した方がいいと思うな」と、吉田。「2人とも、ゼロを前にすると・・・まあ」と、扇。「明らかに性格が変わるよな」と、杉山。それでは問題の解決にならないんだが。本人たちに聞いてみる事にしたルル―シュは廊下で団員に挨拶をされたり、頭を下げられたりしながらまずカレンの所へ向かった。「・・・・・・・・・・・・ディートハルトですか」「ああ」うわあ、何だこの苦虫をかんだような表情は。嫌そうだな、カレン。「私の見たところ、君と彼はいささか性が合わないようだが、なぜだ?確かに彼はエキセントリックな発言が多いがカレン、君も彼の情報で助かった事はあるだろう?」「それはそうなんですが・・・、何と言うか気に食わないんです、危険ですし」「それはブリタニア人だからか?それに確かに彼は危険思想の持ち主だが私がこの道を進む限り、彼が黒の騎士団の障害になるとは思えないが」「違います、あの男がゼロを変な目で見るから!ああっ、いやらしい・・・いつもいつも、コーヒー持っていくときも私が貴方と喋ろうとすると邪魔ばかりして、仲良くなんか出来ません!」「そ、そうか」ルル―シュはわけのわからない迫力のカレンに負けた。変な目ってどういう目だ?「紅月カレンですか?私は別に彼女を嫌ってませんよ」「そうか」ゼロに話し掛けられて、上機嫌なのかニコニコと笑顔を浮かべている。何かたくらんでいるんだろうか?「なら、私からの頼みだ、彼女と接する時もう少し優しく扱ってくれないか?カレンは大事な紅蓮弐式のパイロットだからな」「貴方の頼みなら、ところでゼロ」「何だ?」「今度の予算と新しい団員希望者について二人っきりで話したい事が・・・」ヒュウウウ、ザン!「ああ、ごめん、手が滑っちゃたよ」「気をつけろ、朝比奈」「すみません、藤堂さん、日本刀なんて久しぶりで」「まったく、君は、しょうがない男だな」「・・・・・あ、大丈夫ですか、ゼロ?危うく生命の危機じゃなくて、他の世界の扉開く所でしたね」朝比奈がゼロの肩に腕を置いた。足元には、気絶したらしいディートハルトの姿が。「あ、ありがとう?」「あら~、ディートハルト、あんたまたふられたの?ここでゼロをナンパするのは止めなさいって言ったのに~、まあ、正義の味方が男の恋人がいたら駄目よね~」ゼロはラクシャータの言葉をあえて聞こえなかったふりをした。「そうだ、ゼロ。あんた、これから暇なんでしょう、お酒に付き合いなさいよ」「いや、私はあいにく酒は飲まない主義で」ラクシャータがゼロの腕を掴んだ。「じゃあ、行きましょう」「じゃあ、俺たちも参加しましょうか、藤堂さん」「職務中だぞ、朝比奈」そういいつつ、ラクシャータに引きずられていくゼロの後を藤堂と四聖剣がついていった。
2007.12.13
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「~~っ」スザク、と聞きたくない声を久しぶりに聞いた気がした。ガバッとベッドから慌てて飛び起きる。冷たい汗が背中を伝い、夜の冷たい空気がスザクの近くを通り過ぎていく。「・・・・・・・・・・・・・」毎度毎度、この夢を見るとこうして飛び起きる。あの男を殺して、罪悪感なんかないはずなのに。時計を見ると、まだ一時前。今日は、ランスロットの実験で、早めに終わって・・家に帰って、風呂に入って食べて、寝た。とても気分よく寝たはずなのに。―原因はわかっている、ナリタ戦で見たあの幻影のせいだ。手はキチンと洗った。あの戦いから時間も随分経ったのに、もうあの時のような子供じゃないのにまだ悪夢から逃れられない。「大丈夫・・・」スザクは時計をぎゅっと握り締めた。「大丈夫だろう、柩木スザク」明日は早く起きなければ、日直なんだから。軍人となって、死ぬ事を望んでるのに、まだ、こんなに。ユーフェミア様もセシルさんもロイドさんも気遣ってくれるのに。漆黒の髪の幼なじみは今何してるんだろうか。ああ、何だろう。彼に無償に会いたい、その華奢な身体を抱きしめたい。馬鹿だ、と頭を小突いてほしい。妹との時間のかかわりがないこの時に会いたい。―貴方、無意識に自分と柩木首相を気にしてない?医者の言葉がなんとなく思い浮かぶ。関係ない、だって父さんは重要な存在じゃない。家族じゃないから、他人よりもっと遠い他人だから。「そうだ、ルル―シュにノートを返さなきゃ」明日は彼の綺麗な笑顔に会えるんだろうか、でも今会いに行ったら迷惑だろう。・・・神秘的でわがままででもルル―シュと気が合うどこの馬の骨ともわからないような女と。彼の微笑と瞳はいつもナナリーのモノで、それ以外は僕が全部知ってると思ったのに、胸が痛い。他は全部差し出してもいい。でも、ルル―シュだけは他の人間にやるものか。僕がルル―シュとナナリーを守る。そのためにはゼロ、君が邪魔だ。ルル―シュは僕の(俺の)僕だけのものだ、今更誰にも渡したりするものか。「だから、俺は・・・」
2007.12.12
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「ルル―シュの馬鹿、もうお前なんか嫌い、大嫌いだ!!」「スザク・・・」小降りの中でスザクが頬を赤くして、神社の階段を下りていく。原因がわからない、何か怒らせるような発言をしたか?スザクだって、あんなにひまわりを集めるのに夢中になっていたくせに。「ナナリーが新しい花が欲しいと言ったんだ」ただ、それだけしか言ってないのに。誰にも部屋に入るなとだけ使用人に告げて、スザクは扉に鍵を開ける。あんなに楽しくて嬉しかったのに今はずたずただ。最悪で、逃げた自分が情けなくて、じわっと涙が出てきそうになる。「今日はずっとはれだったのに」せっかく、ルル―シュが誘ってくれたのに、「ひまわりと言う花が欲しいんだがどこに咲いてるか知らないか?」と言ってくれたのに。「え、お前、ひまわりなんかが欲しいの?それだったら小学校の近くに」「・・君もわかってるだろう」苦々しい表情で唇をかむ。スザクはすぐに自分の言葉がいけないものに気付いた。でも、それよりもルル―シュが自分を頼ってくれた事が嬉しい。こんな素直なルルーシュはそうそう見られるものではない。「じゃあ、俺がいい場所を教えてやるよ、たくさん咲いてる場所があるんだ」ぱぁぁ、と頬をピンク色に染めてルルーシュが笑顔を浮かべる。「本当に?」「あ、ああ」「ありがとう、スザク」はさみを持って、籠を持っていて。「え、種を食べるのか?・・・身体に悪くないのか」「大丈夫だよ、ルル―シュも食べてみろよ」「いいよ、僕はさっき君におにぎりとサンドイッチをおごってもらったし」「遠慮するなって、ほら!」「僕は君と違って繊細な身体なんだ、腹を壊したらどうする!」そこまではよかった、ひまわりを楽しそうにつんでいるルル―シュの横顔も見られたし、くだらない話も面白かった。それなのに、「よかった、これでナナリーも喜ぶよ」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・また、ナナリー。ナナリーナナリーって、あいつはいつも妹の事ばかり。ナナリーは嫌いじゃない、可愛いし守りたいし妹のような存在で。ルル―シュの「親友」は、一番傍にいるのは俺なのに。ルル―シュの一番はいつもナナリーだ。俺はいつも二番目。むかむかするし、喉が渇く。目も泣きすぎて、痛いくらいだ。「ルル―シュ、怒ってるかな」酷く驚いた表情をしていた、もしかしたら今事落ち込んでるかもしれない。あいつは、弱いから。「・・・謝らなきゃ」大嫌いなんてうそだって、本当はとても好きでずっと一緒にいたいって。たまには素直になってみるのも手だ。「おはよう、スザク」「おはようございます、スザクさん」スザクは意気込んで、土蔵に飛び込むといつもどおりの兄妹が笑顔で迎えた。「・・・・な、な、なな・・・」「どうした、そんな所で固まって、さっさと入ってこいよ」「・・・・怒ってないのか?昨日、あんな事言ったのに」「昨日?ああ、君が僕を大嫌いって言った事か、気にするな、僕は気にしてない」「でも・・・」「朝食、ついでに作ったから食べるか?騒がしいのは嫌いだが、にぎやかな席は嫌いではない」「ルル―シュ・・・」それがもうなんだかたまらなくて、あんなに悩んでいた自分がおかしくなった。「僕も君がいると楽しいし」「・・・・恥ずかしい台詞をよく言えるな」
2007.12.11
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「ルル―シュ」寒い、とスザクが頬をルル―シュの肩に乗せてきた。今日はたまたま会長たちがいなくて。たまたま生徒会の用事がなくて。たまたま、騎士の仕事がなくて。黒の騎士団の仕事もなくて。ナナリーや咲世子さんも用事でいなくて。なぜだか、2人っきりで勉強会をすることになって、今にいたる。「答えがかけないだろう、離れろ」「いきなり雨が降ったり、寒くなるなんてついてないな、寒い」要するに暖かいものが欲しいのか、しかしぬれた頭で擦り寄ってこないで欲しい。気持ちが悪い。「・・まったく」仕方ない、スープか何か持ってきてやると言い出そうとした瞬間だ。「最近、ご無沙汰だよね、ルル―シュも全然生徒会に顔を出さないし」それはお前がランスロットのパイロットだからだろ、おまけに今度はユーフェミアの騎士に叙任されようという奴が暇なわけがない。「あの頃は、晴の日も雨の日も君と一緒だったのに。どうして、あの頃のまま二人で要られないんだろう」君も僕も変わっていないのにと笑顔で言われたのが声でわかる。「仕方ないだろう、俺にだっていろいろ用事があるんだから」お前が見ようとしないだけだ、俺もお前もあの頃とは違う。いつまでも子供でいられないし、お前達が見ている俺が作り出した仮面、幻想にお前はただすがりたいだけだ。その下にある本当の醜い恐ろしい自分―ゼロを知ったらお前はきっと迷わず言うだろう。悪だと、お前は間違った悪だから世の中にために「死ね」と言うんだろう。―認められようとは思わない、しかし弱者を踏みにじり強いものの穏やかな幸福が許される世界のために死のうとは思わない。スザクが俺に刃を向けてきても、俺はスザクのために殺されるつもりはない。わかっている、俺はそうするしかない。そうならない為にも、信じたお前だからこそナナリーを愛して欲しかったのに、騎士になってほしかったのに。「そうじゃなくて、夜の話。君は僕の事を思ってしてるの、それとも別の誰かを連れ込んだりしてないよね」「・・・・・・・・・・なっ、はぁ!?お前、何考えて・・・」スザクがルル―シュの右手の小指を口に軽く含んだ。「スザク、止めろ・・・」「何で?部屋に入れてくれたし、OKなんだろう?まさか、オアズケなんていわないよね」「お前、最初からそういうつもりで・・・勉強はどうした?」「そんなの口実、なあ、いいだろ?」髪を優しくくしゃりとつかまれる。翡翠の瞳が熱っぽくルル―シュを見てくる。「僕が君がいない間、どれだけ我慢してたと思うの」「・・・・止めろ」「ルル―シュ」「・・・・・んぅ」いつも思うが何でこいつこんなに手馴れてるんだ、だめだ、このままだと。耳元に水音が聞こえてくる。鼻で息をするのにも慣れたし、こう言う事に抵抗感がなくなってる。「は、」顎をちゅ、とされて、そのまま色素の薄い髪が下に下降して、首筋を舐められる。「止めろといってるだろう、この馬鹿が!!」思いっきり、スザクを蹴り飛ばしてやった。くそ、シャツをこんなに脱がしやがって、変なしわがついたらどうするつもりだ。「ルル―シュ、痛いよ」「うるさい、お前が悪いんだろ、俺はお前の人形じゃないんだ」「・・ルル―シュ」子犬みたいな目で見てくるな、悪いのはお前だ。スザクには悪いがしばらく一人で勉強してもらおう、反省しろ、年頃だからって何してもいいわけないだろう。というか、男相手に盛るな。ユフィ・・・それは駄目だ、アレでも妹だ。お前ならいくらでも彼女になってくれる奴がきっといると俺は信じている。「それから、これからはこういうのはなしだからな」襟元を調えて、キッとルルーシュはスザクを見据えた。「え・・・」「俺に何もするな、今までの事はすっぱりと忘れろ。大体、最初の時は酒に酔っただけだんだから」「ええ~っ、僕に死ねというの!?酷いよ、ルル―シュッ」「紅茶を入れなおしてくる」ああ、面倒くさい、俺が。こいつもだが。
2007.12.11
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ルル―シュとリヴァルは何気ない事で喧嘩をしていた。原因なんてとてもくだらない事だが、もう喧嘩に熱中をしている二人はそんな事を忘れていた。「じゃあ、あいつはどうなんだよ!?付き合ってるんじゃないのか!」そう、特に意味のない会話だった、友達ならではの。「はあ!?男同士であるわけないだろう!あいつは、そう、スザクはペットの犬みたいなものだ!」うわあ、何気にとても酷い事いってるよ。親友じゃなかったのかとそれを眺めるクラスメイトは笑いながら見ていた。ガタン、という物音が教室の扉から聞こえた。何事かと思ったルル―シュ達が見ると、スザクが目を見開いて笑顔を停止したまま立ちつくしている。何やら足元も妖しく、ふらつきそうだ。「僕をそう思ってたのか?ルル―シュ」「スザク、これはな・・・」ショックを受けている。あたりまえか、七年来の友達にそう思われていると知ったら、当然の反応だ。「ごめん、今すぐ買ってくるから!猫耳と・・・、あ、首輪もペアの方で買った方がいいかな?」・・・・・・・・は?、と今度はルルーシュを含むクラスメイトたちの表情が固まった。「・・・いや、会長にこの前の猫祭りの衣装借りてくるべきかな」「ス、スザク?」何やらぶつぶつ言っている。スザクは力強くルル―シュの肩を掴んで、にっこり。「3人でコスチュームプレイなんて、誘ってくれてうれしいよ」「スザ・・・」「あ、大丈夫、ナナリーには何もしないから。いやあ、楽しみだな」「ええと、俺の話を聞け」「じゃあ、早速買ってくるから!今日の夜、明けておくから待っててね!」そういって、スザクは走り去っていった。伝説の男ロッカー・・・。「話を聞け、体力馬鹿が!!」「うわあ、心こもってるね」
2007.12.10
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「ちょっと、返してください、今月の生活費・・・!!」「うるせえぞ、名誉ブリタニア人が・・・!!」シャーリーが登校途中で偶然目にしたのは、言葉の悪い不良貴族が名誉ブリタニア人と呼ばれる生徒に絡んでる場面だった。「な・・・っ」アレは明らかな恐喝だ、速く警察に電話しないと、そう思い、シャーリーが電話を手に取った時、ソフィーが手を引っ張った。肩を震えさせている、当然か、イレヴンであったと言う事は、自分たちがいつ狙われるかも判らないと言う事なんだから。「止めなよ、シャーリー、危ないよ」「そうよ、名誉ブリタニア人だよ、放っておけばいいのよ」彼らは自分からその道を、国に仕える事を選んだんだから、ただそれだけだ。「だからって、放っておくわけには・・・」「おい、登校の邪魔だからやるならよそでやってくれないか」サイドカーから誰かが降りてくる。アシュフォード学園の制服だ。「何だ、お前は?関係ない奴は下がっていろ」ヘットをつけたまま、線の細い少年がつかつかと貴族に近づいてくる。・・・誰?「ああ、関係ないさ、しかしブリタニアのオ貴族様も落ちたものだな。こんな幼稚な方法でしかかつあげができないとは。しかもこんなイレヴンなんかの金をほしがるなんてプライドまで無くしたのか?」「・・・貴様、高校生か。学生が私の邪魔をするな。生意気なイレヴンを私は教育してやってるんだよ」「ならば、俺がお前に教えてやろう。お前が殴ろうとしている白い手にはめられているのは、元々イレヴンの職人が作った腕輪だ、お前が平穏と茶を飲んでいる間に日本人は耐えつづけた。お前の生活の金だってイレヴンが汗と涙で稼いだ金を巻き上げて作り出したものだ。つまり、お前も俺もイレヴンがいるから、彼らが弱者でいてくれるから生きられる。それがなければお前はただのカスだ。自分の幸せを当然と思うな、綺麗な生き物だと思い込むな、ずうずうしい」「・・・貴様、私が誰だか知ってるのか」「知るか、お前は自分より弱いもので力を誇示する事しか出来ないサルで十分だ」その後、その不良貴族は警察に連れて行かれ、人を圧するような鋭い紫の瞳と漆黒の髪の美少年の名前がルル―シュ・ランペルージであることを知った。「随分格好良かったけど、きつい子だね」「でもいってる事は的を得ているというか、彼が例の生徒会長のお気に入りか」「・・・ルル―シュ君か」何だろう、あんなにむかつく言い方だったのに、あたしは彼が優しいんだなと思った。それから、ちょっと、彼に近づいてみたいと思った。あの無愛想な表情が綺麗な笑顔になるのを見たいような、妙にくすぐったい。―初めまして、ルル―シュ・ランペルージ君。私はシャーリー・フェネット。「ルルって呼んでいい?」生徒会にその後入って、私は笑顔で握手を求めた。「シャーリーって呼び捨てでいいから、私と友達になろう」「あ、ああ」そういって、ルル―シュは初めてシャーリーと握手をした。それから彼のいろんな表情を知った、怒りっぽくてプライドが高くて、でも優しいくせにそれを隠したがるうつむく癖。心を開いた相手には悪態をつく事。筋力がない事を気にしていて、努力に余念がなくて考える表情。妹には暖かい優しい笑顔で話し掛ける事。完ぺき主義なようで会長に利用されて、間抜けな表情を浮かべて。人前では弱音をはかない事。「こら、どこに行くの、ルル」「いや、リヴァルとそこまでドライブを・・・シャーリー見逃して・・」「しないわよ、さぁ、部屋に戻ろう」私の中は貴方でいっぱいです、私の大切な『友達』、ルル―シュ。
2007.12.09
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誰だ、この男は。こんな柩木スザクは知らない。目の前に嬉しそうに笑う男は本当に俺が知ってる柩木スザクなのか。「いいかげんにさっさと嬲り殺すでも、銃殺でも、刺し殺すでもしたらどうだ?」一緒に暮らすようになって、三日目、やっとルル―シュが朝食を食べた。不機嫌そうに眉をひそめて、柵の向こうからこちらをにらんでいる。それはまるで鳥かごの鳥のようで妙におかしかった。「いやだな、何でオレがルル―シュを殺さないといけないのさ」「黒の騎士団に情報を売ったりしてるそうだな、どういうつもりだ、お前はブリタニアの軍人で騎士候なんだろう。なぜ、さっさと軍にオレを渡さない。ユフィが好きだったんだろう、なぜ、殺した男と一緒に同じベッドで寝ようとする」「理解できない?」スザクは久しぶりにルル―シュが話し掛けてくれた事が嬉しいのか幸せそうな笑顔を浮かべている。ルル―シュにとって、その笑顔は不快にさせるだけだった。「当たり前だ、大体気持ちが悪いんじゃないのか。男と同じベッドなんて」スザクが椅子から立ち上がる。「やっぱり気付いてなかったんだ、ルル―シュ、僕が世界で一番すきなのは君だよ」は、い?とルルーシュはきょとんとした表情を浮かべて、首を傾けた。「何を言ってる、お前が俺たちの間に友情はないと否定したんじゃないか。いまさら、オレがそんな言葉で揺らぐとも?オレも随分なめられたものだな」騎士をユフィが選んだのは偶然か小さな理由だったにしろ、2人はお互いの立場を超えて真剣に恋を始めようとしていて、惹かれあっていて、恋人同士のはずだ。だって、彼女の騎士になってからこいつも変わって、ナナリーもそうだといっていた。「可愛いね、君は」スザクはくすくすと笑う。「・・・違うよ、僕が言ってるのは友情のライクじゃない。恋愛のラブの方だよ、ルル―シュ。君を誰よりも愛してるんだ、ずっと君がほしいと思ってた」「は?」「だから君は僕に、オレに今愛の告白されてるんだよ」ルル―シュはその言葉で表情を凍らせる。頭の中が真っ白になりそうになる。頭がガンガンと痛んでその現実を受け入れるのに脳が、身体が、心が拒んでいいる。「理解できないんだね、でも僕もいおうとは思わなかったんだよ、でもゼロだったなんて・・・君は酷い男だ」「・・・・・・・冗談ではないんだな?」「もちろん、ルル―シュも受け入れたくれるよね」「だけど、俺はお前の主であるユフィを殺した・・・だからこそ、俺はお前を受け入れる気はない。スザク、俺を解放しろ」「ナナリーのために?」「・・・ああ、お前だってわかってるだろ、俺はナナリーを守らなければいけない。それに日本人を黒の騎士団を見捨てるなんて俺には出来ない」「・・・・だよ」ひやりとした声がした。「スザク?」「どうして、お前いつもナナリーなんだよ・・・僕が俺の方がお前の事を思ってるのに。やっとやっと、君が僕だけを見てくれると思ったのに」「・・・スザク、お前」「俺にはルルーシュ、お前しかいないのに、お前しか要らないのに!!どうして!」「離せ、離すんだ、ふざけるな!!スザク、これ以上近づいたらお前が俺を殺す前に俺が自分を殺す!」
2007.12.08
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「貴様の考えている事は全然わからない」「そうかな、こんなにわかりやすい愛情表現ないと思うけど」人の顔を見て、一言は「大好き」だの「愛してる」だのお前の友情の表現は間違ってるぞ。言葉の使い方を覚えろ。「何で、本当のことを言ってるのに」常識で考えろ、男に愛してるといわれて喜ぶ男がいると思ってるのか。「ナナリーは好きだろう?」それはそうだが、今はそんな話ではない。「ミレイさんは?シャーリーは?カレンは?皆、美人だし、いい子じゃないか。彼女にしようと思わない?」?悪い、話の内容がわからないんだが。「僕の世界は君でできてるんだよ、君は?この人のためなら誰になんと言われようと何でもするとか、絶対手に入れたいとかないの?」・・・・・・。「え、えっと、ごめん、そんなに考え込まないでよ。そんなつもりで言ったわけじゃ・・・」「ナナリーだ」「へ?」「ナナリーが安心して生きられる平和な世界、ブリタニア帝国がない世界だ。俺にはそれしかない」「僕は?」「もちろん、お前もその世界に含まれている」「君は?」ルル―シュは不思議そうに首を傾けた。「・・・・・」「・・・・・」「僕、お茶入れてくるね」「ああ」
2007.12.07
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ルル―シュはゼロかもしれない。似すぎてるのだ、彼の思考や喋り方や雰囲気。ブリタニアへの憎しみの示し方まで。「あら、スザク君、悩み事~?」「もしかして、恋のお悩みか?」「・・・恋!?・・・・・ま、ま、まさかユーフェ・・・」「い、いえ、恋じゃなくて、いや、そうかもしれません。こんなに気になって、相手の動向が気になるなんて初めてですし」いいだろう、お姉さんに相談しなさいと背中を軽く叩かれる。「・・・え、でも」いえない。そんな事になったら、友達としての関係も終わるわけで。言ってしまえば、自分は幼なじみの友人(しかも兄の方)に友達以上の感情を抱いてるわけで。おまけに年相応のそういう感情もルル―シュに向けられるのだ。皆が思うような、ユーフェミア様ではなく。でも、もしルル―シュがゼロで夜遊びの原因が黒の騎士団なら。『ゼロ、実は私、貴方の事』『ゼロ、作戦もいいですが、大人の遊びというものもたまにはしてみては?』『お姉さんが教えてあげる、さあ、ゼロこちらへ』「うわあああああああああああ~!!聞けない、絶対聞けない!!」頭を力いっぱい振り回して、その考えを否定しようとする。「ス、スザク?」「それが事実だったら・・・」なにやら一人の世界に入り込んでいる。理由を知らない生徒会メンバーはオロオロとするばかりだ。そうだ、そうだとしたら自分が正しい方法でブリタニアを変える前に、他のそれも年上の男に、何も知らないルル―シュを奪われるかもしれない。だって、彼は綺麗だ、その辺の女の子よりも。アメジストの瞳は扇情的だし、唇はつやつやだし、漆黒の髪は触りたくなるし。白い肌に赤い痕を残したいし。自分の思いを込めて、彼が病みつきになるぐらい力いっぱいあの華奢な体をめちゃめちゃに抱きたい。「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」違う、ゼロはルルーシュではない。というか、そうでいてもらわないと困る。「あ、会長、それで何の話でしたっけ?」「・・ええと、スザク君がその子を凄く好きなのはわかったわ。我慢は身体に悪いからね。でも、相手の女の子の気持ちも考えるのよ」「まあ、年頃だしね、スザク君も」「・・・・薬、飲む?精神安定剤」
2007.12.06
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黒の騎士団の格納庫でルルーシュは一人、紅蓮弐式やその他のナイトメアを見る。・・・やっと、ここまできたのか。「ゼロ?こんな所にいらしたんですか」はぁはぁ、と息を切らして、カレンが黒い制服を身にまとって笑顔で近づいてくる。リフレィンやナリタ戦以来、彼女は急速にゼロに近づいてきている。なんだか犬か猫でも懐かれたのはどうしてだろう。「あの・・・、明日が誕生日だと聞いたんですが」「ディートハルトか・・・、今日一日で数え切れないくらい団員におめでとうございますと言われて、私も疲れた」「それは当然ですよ、団員の中には貴方に救われたり、貴方の言葉を信じて日本人の日本が戻ると皆がんばってるんですから。貴方は私達の希望そのものなんです」「そうだな・・・」「それでその・・・、渡したいものがあるんです」「何だ?」「ゼロに何をあげれば言いか迷ったけど、やっぱり誕生日は特別だから初めてのプレゼントはゼロにあげたいと思いまして」「何だ?」すると、カレンは何を思ったのかいきなり突進して、抱きついてきた。「カレン!?」「お願いです、ゼロ、私を貴方のものにしてください、恋人にしてくれとは言いませんから!!なるべく優しくしますから!」「ルル―シュ、ルルっ、来月で誕生日って本当なの!?」廊下でいきなり呼び止められて、美術室までつれてこられたかと思えば、何ともない話題だった。「ああ、そうだが、それが?」「会長がね生徒会皆でパーティーをしないかって、だから、ルル、きてくれるよね」頬が赤い、だけど必死に自分に対して誘いをかけてくれるのだ。「ナナリーも参加していいならな」「それはもちろんだよ、それでね、パーティー終わった後でいいんだけど、2人っきりで会ってくれないかな」「え・・・」「あ、いや、特別な意味はないんだけど、駄目かな?」もじもじしながら上目遣いで見ている様子は大変愛らしい。だが、相手は鈍感なルルーシュだ。「構わないが、何かあったのか?」「それじゃあ、私部活あるから!」そういって、シャーリーは走り去った。「何なんだ、一体」「「「すみません、ルル―シュ君、ちょっとお時間いいですか!!?」」」廊下の角からどっとぎらついた目つきの女子生徒が現れる。「うわっ」結局、彼女たちを巻いて、パーティー会場に入ったのは午後六時半の事だった。「お兄様、たくさん人がいるんですね」「ああ、パーティーだからね。パーティーの後半にはダンスもあるそうだよ」そこへ、スザクが駆け寄ってきた。パーティーが終わった後、バルコニーに呼び出されていってみるとかちんこちんに固まってるシャーリーの姿があった。「シャーリー」「あ、きてくれたんだ、よかった」「俺が友人との約束を忘れるわけないだろう」にこっと微笑むと、なぜかシャーリーが勢いよく顔を真っ赤にしながら背けた。「シャーリー?」「ルル、はい、誕生日プレゼント!」勢いよく手渡されたのは、ピンクの紙袋だった。「本当は全部編むつもりだったんだけど、間に合わなくて・・・マフラー受け取ってくれるよな」「もちろんだ、ありがとう、シャーリー」「う、うん・・・!!」ぱぁぁとシャーリーの顔が一気に明るくなる。「おぉ~っ、青春してるなぁ」「あんなにわかりやすいのに何でルル―シュは気付かないかな」「ルル―シュ、奥手でおとなしいから」だが、次の日の朝、ルル―シュは女子生徒からプレゼント攻撃を受ける事になる。「僕のお兄さんになってください」年下の男子生徒達からもなぜか花を手渡されたり。「コラ、追いかけてくるな!」「待ってよ、ルル―シュ君!!」「・・・・今日もモテモテだな、さすが色男なだけある」ふらりとした足つきで部屋に戻ってきたルル―シュはかなり制服がぼろくなっていた。「うるさい・・、だったら、お前が代われ。こっちは毎日が命がけなんだ」「確かに、学園では学園中の女(一部男やスザク)どもに貞操を狙われ、黒の騎士団では盛り時の女狼がうようよしてるもんな、そりゃ必死になるよな」「貴様には女としての恥じらいがないのか、シーツー」
2007.12.05
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「ユフィ、とりあえず落ち着いて話し合おう」・・・・・・・・・・これって、犯罪になるのでは。というか、待て。母親が違うとはいえ、彼女と自分はれっきとした実の兄妹だ。「ルル―シュ、私今ならお嫁さんになって、既成事実も作れますv」いや、あんた、スザクと付き合ってるはずじゃ・・・。というか、ドレスのしたによくそんな服を着られたな。ルル―シュ・ランペルージ、現在午前一時前。腹の上にユーフェミアが乗っかっており・・・、つまり情けないことに妹のはずのお姫様にぱくりと食べられそうな雰囲気にされていた。シーツーが縫いぐるみを抱いて、扉をそっと開けると柩木スザクがいた。しかも正座をされている。「・・・さて、スザク、俺がなぜ不機嫌なのかわかるか?」「ええと、何かな」わかりきってるくせに、ごまかすように笑うな。「お前、ユフィの騎士だろう。そうだよな、テレビでアレだけどうどうと叙任式を映し出したんだから」「うん、そうだね」「なら、なぜ止めなかった、主君であるユフィをいさめるのがお前の役目なんじゃないのか?」そこへ、私服姿に着替えた第3皇女・ユーフェミアがあら、と首を傾けた。「どうかしました?あ、まだ気にしてるの、ルル―シュのベッドに入ったこと」「言うな、ユフィ!!」ピンクのすけすけなネグリジュで、ミニスカートでしかも全身を赤いリボンで巻きつけていた。「私、小さいころからルル―シュのお嫁さんになるのが夢だったんです」1時前近くだっただろうか、ユーフェミアがどこから入ってきたのか、自分の部屋に突然訪れてきたのは。「ユフィ、どうして君がここに」「ナナリーに言って、通させてもらったの。ねえ、ルル―シュ、誕生日だよね、今日」「覚えてくれたのか」そう思うと心の中が懐かしいものに溶かされていく。「私がルル―シュの誕生日を忘れるわけないでしょ。だから、だからね、私誕生日プレゼントを渡したくて・・・、だめかしら?」ユフィがじっとこちらを見る。「馬鹿だな、ユフィ、俺がお前の誕生日プレゼントを嫌がるわけないだろ」ルル―シュはナナリーに見せるような笑顔を浮かべて、ユフィの頭をなでる。「本当?」「本当だ」くしゅん、とユフィが軽くくしゃみをした。「やだ、私ったら」「夜は冷えるからな、何か暖かいものでも作ってくるよ」「ありがとう、ルル―シュ」一応、皇族のお姫様のはずだが、騎士あたりにでも聞いたんだろうか、手首を掴んであっという間にベッドに引き倒される。「こら、ユフィ、悪ふざけは」そして、次の瞬間、ぽんぽんとユーフェミアはドレスを脱いでいき、自分の身体にリボンを巻きつけて、ネグリジュ姿になり氷のように固まるルル―シュに擦り寄ってきた。「私がプレゼントです、大切にしてくださいねv」「・・・ね、と言われても・・」どこの美少女ゲームだ・・・、アニメや漫画のオタク文化はつくづく恐ろしい。いやいやいや、そういう場合じゃない。何とか、間違った方向に行こうとしているユフィをここで引き止めなければ。「こらっ、ユフィ、どこを触ってるんだ!?」そうこう考えているうちに何もしないルル―シュに業を煮やしたのか、ユーフェミアがルル―シュにキスしようとしてきた。胸には直接的な柔らかい感触、白い手足は自分の手足にからまってきてる。ふわり、と香水のような匂いが鼻腔をくすぐる。全身に感じる女の子の柔らかい感触。「兄妹は結婚できないんだ」「わかってますわ」「こう言う事は本当に好きな男が出来たときにしなければならない」「私はルルーシュが好きです、それ以外の男性なんか範疇外ですわ」しばし、ルル―シュは沈黙する。・・・・・まさかと思うが。「だからだなぁ、俺たちは同じベッドに入ったり風呂に入ってはいけないんだ」ユーフェミアはぽかんとなった。「なぜですか?」忘れていた、彼女が箱入りのお姫様と言う事を・・・嫌、その割にはさっきの行動はなれていたような、いや、違うな。ユフィはいい意味でも悪い意味でも純粋だ、本心からの行動ではあるまい。「ところでこう言う事は誰に教わった?」「スザクに決まってるでしょ、彼以外に相談できる同い年の人はいませんし」「ルル―シュ?顔が怖いですよ」「何でもないんだ、ユフィ、つまらない事を思い出して」「そうですか」・・・・・・・・・・・あんの野郎、よくも人の妹にこんな悪知恵を。
2007.12.04
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「僕がケーキを作ってあげようか?」そういった瞬間、ルル―シュの顔が強張った。「まあ、スザクさんが・・・?」「スザク」どこか元気ない声で名前を呼んで、ルル―シュがスザクの肩を掴んだ。「何、ルル―シュ?」「頼むからそれだけは止めてくれ」「え、何でよ、ルル―シュだって手作りのお菓子とか好きだろ。誕生日なんだし、一日遅れだけど。だから、ごく内輪の誕生日パーティーをしようと言い出したのはルルーシュじゃないか」「でも、止めてくれ、・・・忘れたのか、七年前の誕生日でお前が作ったシュークリームの事を」「シュークリーム?」そういえば、7年前の誕生日って、確かケーキはルルーシュとナナリーが作っていて、僕はろうそくやお菓子、プレゼントを持って三人で楽しく過ごしたんだっけ。「でも、喜んでくれたよね、あんまりおいしかったからって、すぐにベッドに入っちゃったし」「それはそうなんだが・・・」スザクにはいえない。そのシュークリームのせいで三日も生死の境を彷徨った事を、あの時のシュークリームは本当に死ぬかもと思うくらいまずかった。「とにかく、ケーキは咲世子さんと会長が作ってくれるから。お前はプレゼントをくれるだけでいい」そうなの?とまだ納得できていないようだが、やがて結論が出たのかうん、わかったと答えた。「じゃあ、今晩ルル―シュに新しい遊びを伝授するよ、君もそれでいいよね」「スザクさん!!」「?あ、ああ、わかった」「病み付きになるくらい徹底的に教えてあげるから」
2007.12.03
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ルル―シュ誕生日4―いかにして、こんな事態になったんだろう。「ふつつかものですが、どうか長いごひいきを」白装束に桜色の小指をきちんと畳につける。おかしい・・・、確か、パーティーのタキシードを選びにリヴァル達と出かけたはずだが、頭がズキズキする。これ、鈍器かなんかで背後から殴られたな。「・・・神楽耶、これはどういうつもりだ」「もちろん、私とゼロ、貴方との夫婦の契りですわ」にっこりとかわいらしい笑顔で何気に恐ろしい事を言っている。「俺は君と夫婦になった覚えがないんだが」「これからそうなるんだから、構いません。私ではいけませんか?」翡翠の瞳と人形のような整った顔立ち、つやややかな黒髪。幼さも幾分残るが、この少女は将来かなりの美人になるだろう。「・・・そうじゃない、こういうのはお互いの気持ちを確かめてからだろう。神楽耶、君のは押し付けにすぎない、だから」「だから?」神楽耶がごくりと喉を震えさせる。「まずは、このロープを解いてくれ」
2007.12.02
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シャルル・ジ・ブリタニアには百人単位で多くの妃がいた。その中でナイトメア乗りで庶民出身のマリアンヌがシャルルとの間に生まれた皇子と皇女を連れてやってきたのは春先だった。ルル―シュ達はアリエス宮の一角に住む事を命じられた。「・・・まあ、何てがさがさとしてそうな手なんでしょう」「騎士候の癖に男子を産むなんて・・・」それは物心つく前から始まっていた王位継承権をかけた皇族のひそかなる競争だった。第11皇子、ルル―シュも残念ながら本人の意思は無視されて、その争いの中にいた。「お兄様、本ばかり読んでないで遊びましょう」「だめだよ、この後は皇帝陛下との謁見があるんだから」「だって、顔なんか見たことのないお父様でしょ、そんな人よりナナリーと遊んで」扉が開いて、迎えのものとコーネリアとユーフェミアがやってきた。「すまないな、ルル―シュ。マリアンヌ様はいるか?先月のナイトメアの構造についての論文を持ってきたんだが」「マリアンヌ母様なら今出かけてるよ、外で買い物だって」「マリアンヌ様が?!そうか、明日はお前の誕生日だったな。いいのか、他の兄弟と連絡を取らなくて」ルル―シュはにっこりと笑う。「まさか、第11皇子のために多忙な公務を中断してお祝いに来るものなどいませんよ。誕生日パーティーはごく内輪ですませます」それでも、ルル―シュの部屋には貴族や家臣からの貢物やらで後からもなく届けられる。ルル―シュが天才的頭脳の持ち主であり皇族の継承権争いで将来優勝株になるのを予想したものである。皇子や皇女へのプレゼントはその内容によって、送った相手の将来にさえ関わってくる。第一皇子や第二皇子などはもっと凄いんだろう。アシュフォード家のプレゼントは誰よりも早く届けられている。「じゃあ、私もパーティーに参加していいかしら、明日は焼く家庭教師の先生に帰ってもらうから」ぱぁ、と花が咲いたようにユーフェミアがねえいいでしょうとルルーシュの手を握る。「で、でも・・・」「ちゃんとプレゼント用意するから」「わかった・・・」頬が赤い、普段すましてる分、時々見せる子供らしい表情が愛らしい。「ナナリーも用意するっ」「こら、ナナリー、引っ張るなよ」「もう、ナナちゃんったら」ルル―シュを取り合う姉妹を見て、コーネリアは笑顔を浮かべる。私が守らなければ、この子達だけでも。そのために私は軍人の道を選んだんだから。神に祈ろう、この穏やかな日々が、この幸せな笑顔が、この愛らしい兄弟達が殺しあうような未来だけは来ない事を。それは叶わない事かもしれない、それでも私は望む。三人の綺麗な白い手が血で染まる事がない事を。
2007.12.01
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