Sally's TOMORROW
2025
2024
2023
2022
2021
2020
2019
2018
2017
2016
2015
2014
2013
2012
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
全1件 (1件中 1-1件目)
1
「大丈夫、またいい人が見つかるって!」昨年のリコン以後、幾度と無く私に投げかけられる言葉である。言われるたび、「そやね、ありがとう」と、明るい笑顔を返す私がいる。が、決してその笑顔はその彼らの言葉に納得して、というわけではなく、その言葉をかけてくれる人達の、私に対する思いやりへの感謝の気持ちから、お礼の意味の「笑顔」なのだ。彼らがソレに気づいているのかどうかは、私には判らない事だけれど。変な話だが、私は既に最高の「いい人」を見つけている。海外ドラマでよく出てくるフレーズにRight Man(正しい人)という言葉がある。感覚的には「赤い糸で結ばれた男性」とか、「求め合うべき片割れ」とかそんな内容で表わされる。この世の中に、そのRight Manはたった一人ではないと思うけれど、私はかなりの低い確率の中から、「彼」を探し当てたのではないだろうか?ここでその「彼」が誰であるかを明らかにすると、かなりのヒンシュクを買うだろうが、敢えて言えば・・・「元オット」その人である。先日、10数年来の友人と出かける機会があった。彼女は最近、2時間の映画を見るというのでは物足りないらしい。じゃ、どうするのか?というと、連続ドラマをワンクール録り貯めして、再生を早口モードにし、数時間かけて一気に見終えるのだそうだ。確かにボリューム感は抜群だし、ストーリーを追うだけなら、それでいいだろう。が、映像、台詞回しなどの、製作者側がこだわる「間」の存在意義は失われるのが必然。それを悲しいと思う、それが私。そして、「元オット」は、その「間」をとても大事にする人だった。映画とかドラマとかに限った話ではなく、何かを見て感じることの奥に、それに至るプロセスへ思いを馳せる、そういう人だった。寺院の迫力に「大きくて、迫力あるねー」という私に、「ほんまやなー、あの梁を見てみ。あの巨大な木があれだけ真っ直ぐに切り出せる、ものすごい技術やな、何百年も昔の建物なのに」と彼は言った。単純な私は「大きくてすごい!」しか感じていなかったが、考えれば、今のように、水平を計る器具も、大きな木を製材する電動のこぎりも無かった時代の建物である。そういうことに気づかせてくれる、自分を謙虚にさせてくれる人、それが私の理想である。そんなわけで、私は既にRight Manを見つけているし、それで満足なのだ。周囲の人間は、それで満足していてはいけない、もっと前向きに、新しい男性を見つけるべきだ、と言う。それを聞きつつ、笑顔を返す私は、「思い出に囲まれて生きる、そんな人生もいいな」と、何かの歌詞にあったようなことを考えている。これも、春だからなのか・・・。
2006.03.22
コメント(10)