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2004年11月20日
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カテゴリ: ことば
「小沢昭一をみかけました。あの人もあなたも私も同じ東京にいるのですね」


クラシックが流れていて、カップはいろいろあって、お客さんのファッションに合わせたものを選択してくれて、オリジナルケーキがおいてあって、豆は何種類かおいてあるような、そんな喫茶店に行った。
2階にあって狭いんだけど、というところなので、地元の常連さんが来ている感じ。
おばさまがたと女主人と、話が弾んでいて、その内容が聞くともなしに聞こえてしまうのは、御近所の方々の噂話をしているはずなのに、知っている名前ばかりが出てくるから。

「あの弟のとこの奥さんはなかなかできた人だったよね」
兄弟で有名な俳優の某氏について。
「お姑さん、90までみたっていうんだから立派なもんよ」
別の俳優さんについて。


ところが、この雰囲気を変えてしまった客が来た。
「ごめんくださーい」
変な挨拶である。
「こんにちは」
頭を下げ、椅子をひき、すばやく座る。もしや。
「すみません。ケーキがありますか」
これは・・・間違いない。
「ああ。ケーキだけもいいですか」
やっぱりそうだった。
こんなレベルのわりに、発音は抜群によく、流暢であったので、おばさまがたはただの変な人が来ちゃったと思っていたかもしれない。

今日は「前」について、ひっかかった。

 「テーブルの前に窓があります」
とある。
そんな変な構造の部屋があるもんかと思うのだが、そう言ったところで、どうせわからないので
 「“前に”よりも“向こうに”の方がいいですねー」
とテキトーに直してやりすごそうと思ったら、「どうして」と食い下がってきた。

といったら、
 「K先生はいいました。公園、ここです。私の家は公園の前にあります。でも私、ここにいます。でも公園の前、いいます。だいじょうぶですといいました。」

       家   公園  
                 私

という図を描いてきた。K先生はどういう文脈でこんなややこしい例を出したのだろうか。入り口ということばはまだ知らないだろうから、私は図に次のように書き足した。


       家 門 公園  
                 私


  「公園の門が家のほうに向いている時はそれでいい」
と説明したら納得したようだった。
案外簡単に引き下がったのだが、窓の問題も込みで納得しているということなのかどうかよくわからない。

 (1)テレビの前にゴミ箱がおいてあります
 (2)机の前に椅子がおいてあります

この場合の「前」の違いは、
(1)テレビには前後ろがあるから、画面がある方が前。テレビの向きによって定まる絶対的な位置をさす。
(2)話し手から見て対象より手前にあるものが前。話し手の位置によって定まる相対的な位置をさす。

ということだが、中国語でも同じように使っているんだろうか。

・・・ということまで聞けないのがもどかしい。





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Last updated  2004年11月21日 00時42分28秒
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