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2005年04月03日
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カテゴリ: ことば
クイズ番組の問題。似て非なる語の説明の問題なんだけど、「つい」と「うっかり」のどちらが罪が重いか?って、金田一さんの解説


そうかぁ~!?

例をみてみよう。

(1A)督促状、つい捨ててしまいました。(見るのも嫌なので)
(1B)督促状、うっかり捨ててしまいました。(なくしました)

(2A)商品を手にとり、ついポケットにいれてしまいました。
(いつもの癖で万引きしてしまいました)
(2B)商品を手にとり、うっかりポケットにいれてしまいました。


(3A)つい隣の女性のお尻を触ってしまいました。
(むらむらしてどうしようもなかったのです)
(3B)うっかり隣の女性のお尻を触ってしまいました。
(恋人の尻と間違えたのですというような場合には可)

(4A)ついカッとなって、怒鳴ってしまいました。
(我を忘れてしまいました)
(4B)うっかりカッとなって、怒鳴ってしまいました。
(自分の血圧が高いことを忘れていましたというような場合には可)

「つい」は「いけないことだと知っていながら」、「うっかり」は「いけないことだということを忘れていて」っていうことじゃないか?
「ついうっかり」という語順では用いられるが、「うっかりつい」という語順では用いられにくいのは、「知っていながら忘れて」ということはあっても、「忘れていながら知っていて」ということがないからだろう。

「核ボタンを押す」ということは、どちらにせよ結果は重罪なことだから、変な説明になる。


罪の重さは、「意図性はあるか、不可抗力か」ということと、「相手の立場になって反省しているか、自分のことばかり正当化しているか」ということで測られることであろう。
金田一秀穂定義の、本人にとって日常の些細な習慣であるから罪は軽いっていうのだと、意図性があるし反省の色もない加害者じゃないか。

*******

日本語教育の人のページ。
http://www014.upp.so-net.ne.jp/nbunka/3ga.htm

この行為はどちらかというと偶然に起きた感じですし、繰り返す事はあまりありません。
[つい]
どちらかというと習慣的な本能的な不注意や間違いである事が多いです:言い換えるとある状況のもとでは知らず知らずにある行動をとってしまう、そしてその行動は繰り返される

たしかに「行為の繰り返し」(=習慣性を持つ行動)に着目することで、意味・用法の違いを明らかにできる。「罪の重さ」を「当人の罪の意識」だけで捉えようとする金田一氏の倫理観には賛成できない。

倫理観を交えて、言葉の説明をするのは間違っている。
主観から離れて、語のもつ意味だけをとりあげるべきだ。





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Last updated  2005年04月04日 13時25分27秒
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