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2006年01月27日
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31歳の日本史担当の同僚が、栄西がお茶を持ち込み、千利休が「茶の湯」を

「烏龍茶はいつ日本へきましたか」
と聞かれ、困ったそうです。

「ブームが高1のとき始まったのははっきり覚えているんだけど。
みんなこぞってダイエットのために飲んでいたから。」
というのですが、その1990年に流行ったのは350ml缶というサイズ。都会のお年頃の娘だからダイエットが流行ったということで、烏龍茶自体の流行とは全く関係がありません。
少なくとも昭和末期には、
「宴会で飲めない人は烏龍茶」

何より、液体のお茶が出回る前に、茶葉が売られていました。

記憶に関しては、子どもの頃の数歳差は大きいです。
もっとも、22歳以降は、何がいつあったか年代別に記憶するのが非常に難しくなってしまいますが。

調べてみました。
1978-9年ごろ、ピンクレディが美容のために愛飲していると言ったことで、
ブームが始まったそうです。
1979年、伊藤園が中国福建省の公司と契約し、茶葉を売り出しました。

ちなみにピンクレディは静岡出身、地元では緑茶の宣伝をしていました。
伊藤園は渋谷本社ですが、工場は静岡。この伊藤園の迅速な動きを考えると、ブームになにやら仕掛けがあったのでは?と、ピンクレディとの関係について考えてしまいますが、少なくともこの時間軸から、ピンクレディが実際飲んでいたというのは、茶葉でいれたあたたかいもので、大陸福建省産ではなかったことがわかります。

1980年、NHKで「シルクロード」放送。

1981年2月、伊藤園から缶烏龍茶発売。


「緑茶の伊藤園」、「ウーロン茶のサントリー」というイメージがありますが、実は日本でのウーロン茶といえば伊藤園が本家なのですね。
高級茶葉を売り物にしたアサヒは95年発売です。(十六茶は93年)

CMは、スレンダーな中国美人が出ていました。(今もそうだが)
当時、甘くない飲料が好まれ始めたけれど、「緑茶にお金を払うなんて」という感覚があったこと、緑茶を風味を損なわずに缶に詰める技術が難しかったことで、烏龍茶は美容と関係なく人気が出ました。
人間の水分摂取量は、そうたいして違いがないと思います。ただの水よりお茶、夏限定の麦茶より冷やしても温めても通年飲める烏龍茶、わざわざ淹れてもらう準備されたお茶より自動販売機で買う烏龍茶、というような感じで普及していきました。


1982年、高級中華インスタント麺発売(マダムヤン、中華三昧、本中華など)
昭和50年代というのは、日本の国策に企業が乗った形で、中国の良いイメージを盛んに売り込んでいた時期です。

1985年、焼酎ハイブームで、ウーロンハイが流行る。


田中角栄が中国と国交を結ぶ前までは、
「中国=中華民国=中華民国台湾省」
ということで外交していましたが、
「中国=中華人民共和国=大陸」
となりました。
それまでは、日本人が「中国」のものを持ち込むときは、台湾産のものだったわけです。
しかし、台湾のものでも、中国の歴史や風土を感じさせる良いものは、全部大陸のものとして、認知されていきました。
台湾にしてみりゃ、「キョード(郷土)偽装」です。

今のように「おんなこども」が気楽に旅行に行ける時代ではありません。
国内の温泉地、近場の海外(台湾・韓国)は、はたらくおじさんの楽しめる
サービスばかりありました。観光地=きれいなお姉さん、ですね。
旅行代を個人で負担するのは大変な人も、出張や社員旅行の名目で行かせてもらい、オプションを小遣い範囲できたんじゃないでしょーか。
おんなこどもとは別格な人物として秘密の楽しみを享受できる、ああ男に生まれてよかったとリフレッシュ気分も大きいでしょう。

ヨーロッパ産のブランド品を持つ習慣が、地方都市のちょっとおしゃれな人にも認知されてきたのは、昭和60年代くらいからでしたから、当時は偽物ブランドなんて買わなかったと思います。(というか売っていなかった)
お土産の定番は、免税されたお酒。
自分用、あるいは自分の知り合い用ということですね。
しかし自分ばっかり楽しんできた分、「おんなこども」のためのお土産も必要な人もいます。自分の晩酌代を家計に負担させない、というだけでもイイコトをしているんだと言い訳しても、やっぱり「おとうさんばっかり」と思われてしまうかもしれないからです。

パイナップルケーキなんて小洒落たものはまだなく、せいぜい月餅。
脂っこいですね。
珍しくて軽くて健康的なもの、というと「中国茶」だったでしょう。
烏龍茶は、はたらくおじさんの海外土産に混じり、まずは茶葉で、日本の家庭に持ち込まれています。

てな事実を、いちいち説明しても、留学生にとって楽しいわけはありません。
烏龍茶に限らず、国家が絡んだものは何でも、
・信じられない事実
・知りたくなかった事実
・いまさら触れられたくない事実
が混じるので、注意が必要です。






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Last updated  2006年01月27日 14時54分05秒


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