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2006年06月14日
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ネットで買えばいいのだけど、すぐに読みたいので、何軒も書店のはしごをした。

店員さんに、呼びかけ語もなにもなく、目をみて、
「きゅうちゅうかしこどころ…ナニナニ、という本はありますか」
と、発音すると
「はい、少々おまちくださいませ」
と言われ、その次に画面をみせながら、
「お客様。こちら「きゅうちゅうけんしょものがたり」でしょうか。もうしわけございませんが、ただいま在庫を切らしておりまして」
と言われる。

ところが、

と前置きをすると、
「すみません。もう一度おねがいします」
と問い返されたりする。
「九州なんでしたっけ」
とか。つい、
「き・ゆ・う・ち・ゆ・うで、ゆは小さいゆ」
という教室的な答え方をしてしまったが、普通の日本人に対してなら「宮の中の宮中です」だよな。

これを数度繰り返し、いいかげんネットで買おうかなぁと諦めかけたところ、ようやく手に入れたら、やはりケンショ物語というのが、その本の正式名だった。(賢所はカシコドコロと読むのが正しい)


この本、一読の価値ありです。


まず、こどものころの遊びを思い出しました。

その遊びというのは、例えば、

というようなやつです。これって日本だけなんでしょうか。
いや全国的じゃないのかな、今でもあるのかなぁ。

だいたい5歳から10歳くらいのときに、はやっていました。世代限定か、時代限定かわかりません。
うんこに限らず、不浄なものにふれた人に触れることを忌避するというものです。不浄なものにふれた人は、その瞬間、「バイキン」とよばれます。「タケちゃん菌」に触れたら、その人も感染するのです。いや感染ではないですね。菌の受け渡しで、タケちゃんがウメちゃんにタッチしたら、タケちゃんは即座に「バリアー」といえば清浄になるのです。「バリアー」と言った人には保菌者は触ることができない、というルールがあります。で、「ウメちゃん菌」になり、ウメちゃんが他の人に触れるというやつ。他人にうつせば完治です。

「ケガレ」の認定が、子ども社会の日常にあったわけですが、ケガレた人に対して、後年のことばでいう「いじめ」をすることに相当するので、先生の前でやることははばかられました。



ジェスチャーアクションもあります。
「バリアー」は、ラジオ体操第一の1番目の動きに似ていて、自分のまわりにガラス製のバリアーを張り(ガッチャマン?とかに出ていたやつ)、異物が入らないよう結界を作ります。
テレビでは、欽どん良い子悪い子普通の子の、おっくんというぼんやりした高校生が、人差し指と中指をからめて言っていましたが、少々タイムラグがあり、「東京は案外おくれているんだなあ」と思ってみていました。

「かぎしめた」は両手それぞれの親指で輪をつくり、知恵の輪みたいにかませます。
たぶん、これは幼稚園のころからありました。小1のときは「バリア」になり、バリアだけだと
「そんなの関係ない」
というルールを一部無視する乱暴者の保菌者に破壊されるので、「かぎしめたー、ばーりーあ」と2ついい、強くするようになりました。

こうした呪文は、すぐに効力を失うのです。
「かぎしめたバリアー」のあとに、「とんち」がはやりました。親指を立てます。しかし、ジェスチャーが野球審判の「アウト!」と同じだから、結界にならないということで、すぐに「セーフ」というのにかわりました。野球審判の「セーフ」と同じです。

あまりに呪文がかわるので、これは自分で作ってもいいんだろうか、と思い、
「毒消し飲ーんだ」
というのを言ってみて、ちょっと騙されやすそうな子に、ドリンク剤を飲むジェスチャーをして、
「いまはそういうんだって」
と言ってみたことがあるのですが、他の人に広がりませんでした。

セーフは、結構寿命が長かったけど、そのうちそうした遊び自体をやらなくなりました。
高学年になると、菌が悪いものとしてではなくなったのです。
例えば好きな男の子がいる人は、「○○くん菌」と言いながら、その男の子の机を手のひらでこすり、自分のカラダにべたべたとくっつけて喜んでいました。

なんか、菌というものの認識が、神道のケガレの発想だったのが、けむりをあびて御利益をもらう仏教的なものに変容していったようです。

で、こんな思い出したことで長くなってしまったので、本の内容については、また今度。











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Last updated  2006年06月15日 08時28分52秒


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