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2006年08月18日
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ちょっと真面目に、今週前半もちきりだった靖国公式参拝問題について。

以前も書いたかもしれませんが、その是非はおいておいて、議論で妙に思うことがあります。
「分祀」という言葉は、例えば新興住宅地とかで、新たに神社を作るとき、そこには神様がいないわけですから、よその神社から神様を分けていただく、という時に使われるものです。
神道的な考え方では、神様の霊魂は無限に増えるもので、仏教も同様ですが「勧請」という用語を使います。(神仏習合の名残から、勧請という言葉を使う神社もあるけれど)

つまり、分けてくれる元のところにも、神様は残っているわけで、
「A級戦犯を分祀せよ」
という言葉では、新たにA級戦犯を祀るところが増えるだけで、その主張をする人たちにとって解決にならないはずです。
誰がこの言葉を誤解して使いだしたのでしょう?
意図したものなのでしょうか。



どんな悪人も、死んだら魂でしかなく、魂は生きている人を見守る程度のことしかできない、という考え方、あるいはやや仏教の影響があると思うけれど、失意のまま霊魂となってしまったものがあらぶる神となって祟らないよう鎮魂のために祀る、という考え方が、日本的死生観じゃないかと思います。

日本の素朴な信仰というか死生観からは、「死んだ人は、生きている人のいうことをきかない」ということであり、「生きている人が、死んだ人の力をコントロールして利用することができる」ということは、かなりオカルト的なものとなってしまい、一般に連想できることではないと思います。

ところが、伝統的中国(およびその影響の強い半島)では、悪人に対しては墓を作ること自体が間違っている。墓を建てたら暴いて壊すべきだ、ということをしてきた歴史があります。
したがって、伝統的中国の発想では、「戦争に勝つぞ」と思って死んでいった魂は、魂になってもその気でいるので、それを祀るという行為は神を味方につけ続け「また戦争をして今度は勝つぞ」という強い意志としてうつるのでしょう。

ただし、現代の中国では、共産主義なので、神だの霊魂だのを信じること自体がナンセンスなはずなので、そもそも実体のないはずのものについて怒るというのもダブルスタンダードです。
その点からすると、「隣人の嫌がることをしないことが平和への道だ」という手段は確かに有効そうですが、「目下のくせにリッチになった隣人自体が嫌いだから、隣人の行為は何をしても嫌だ」ということがベースだとすると、どう対応したって解決しないと思います。

コイズミ氏がどのような信念で参拝しているのか、偏向報道と遺族感情への配慮のせいでわかりにくくなっていますが、一国の代表ということでA級戦犯となった人と同じ立場だからこそ、同じ過ちを繰り返さないよう襟を正すという意味で、不戦の誓いをたてているのであれば、スジは通っていると思います。

ただ、「A級というランク付けが、戦勝国から一方的に与えられたもので、戦争の犠牲者という意味では同じである」という意見には賛同できません。
仮に戦勝国によるものではなく、自国で現代並みの公平な裁判ができたなら、安全な場所から命令してきた最高責任者を、前線に立たせた人たちと同等の犠牲者として扱うことはできなかったはずです。

歴史にたらればは無意味ですが、「敵に捕らえられて辱めを受けるくらいなら自害すべき」と教えたものは、自分もそうすべきだったと思います。
昭和天皇は隠居して、幼かった今上天皇に位を譲るべきでした。

右翼組織や経済の流れもあって、ヤスクニ問題はさらにややこしくなっています。

やや関連するようなネタ、ついでにもうひとつ。
紀子妃殿下の出産報道、あれはどういうもんでしょうか。
国民の過半数が男子が生まれるものと信じているからか、「子宮が」「出血が」と、カラダの具体的な部分についての話題が、全国・全世界にさらされて、セクハラなんじゃないんでしょうか。
歴代、帝王切開で生まれた天皇はいませんし、民間の病院で生まれた天皇もいませんが、どこから生まれたか経路を明らかにすることが、天皇制の存続のための根拠として必要なことだ、ということなんでしょうか。


韓国の小学校も、男児ばっかりです。
男女どっちかしか選べないなら、将来働き手となって、自分の面倒をみてくれて、自分の家が永遠に栄える可能性があるほうにすべきだ、ということで、男児が選択されているわけです。
男児を生まないと、その後の人生、世間というか身近な親類とかに対して後ろめたさを感じて生きなければならないと思うと、それに耐えられないと思う親も多いのでしょう。

実際を考えると、男子であれば必ず成功するという保障があるわけではなく、犯罪者やひきこもりなど社会にとって有用でない人の割合は圧倒的に男子が多いわけだし、ちゃんと女子が確保できるような、女子から気に入られる人物にならなければ、お家の子孫繁栄もできません。
もっとも、我が子が悪い方向になると予め考える親は少ないので、一攫千金ではありませんが、成功の可能性がある点で、女子よりマシである、ということなんでしょうか。
日本は最近多様化しているとはいっても、結局、男児でなければ意味がない、という考えは根強いです。

男子に相続させることで永遠が得られる、という発想は、妊娠出産のしくみの詳細がわかっていない時代だったからできたことです。
女性の不妊は多く例があっても、男性にはごく少なかったというのは、不義密通がしばしばあったからだとしか考えられません。

50年後、2056年には、人口比のアンバランスさから、東アジアはどこも女系が中心になるかもしれません。
今上天皇の孫にあたる、いずれ天皇になる子どもが、2006年の9月(ひょっとすると今月)生まれれば、50歳です。
2040年くらいでケッコンして、2060年くらいで子孫の決着がついているわけで、その時に女児しかいなければ、女性天皇という議論にまたなるわけですが、天皇制を存続させないとか、いろいろな意見が出ると思います。
しかし、医学も進歩するんで、うまい具合に男児ばかり生まれ、2100年になってもケッコン問題で悩んでいる、ということになるのかもしれませんが、いま生きている連中の大半は死んでいるので、それを見届けることはできません。





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Last updated  2006年08月19日 19時31分01秒


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