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2006年08月26日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
夏のテレビニュースは動物ネタが増える。


飼育バージョンでは、「ステキな動物園」と「迷惑な飼い主」。
「お子さんとのお出かけに是非」という宣伝と、「日本国民全体のモラルの低下として憤れ」という方向で結ばれる。

野生バージョンでは、「意外なところに紛れ込んだ愛らしい動物」と「経済被害を生むケモノ」
1匹だけならかわいいと思われたりするのに、大量にいると敵になる。
まあそれはそうなのだが、
「その地域の人は大変ですねえ。共存していく方法はないのでしょうか」
という都会的な視点でしめられて、やっぱり他人事なんだなぁという気分になる。


田舎でのできごとだが、イヌでもない、でかい鳥ともちょっと違う、人間の子どもでもない声がして山をみたら、木がゆっさゆっさと揺れていた。

「さるさるさる!」
と家人が走って、市役所にいわれたとおりロケット花火を打ち上げた。

姿を目撃した人によると、かなりでかい猿が20頭くらい、木に鈴なりになっていたということだ。
敵もよくわかっていて、作物が熟れたらすぐに持って行く。
しかも、昼食後の午睡という時間帯を狙ってやってくる。
人間のオトナと違って、1つのものを食い尽くすということはなく、ひとくちかじっては次の桃をひとくち齧って・・・というように、くいちらかす。
片手にかぼちゃを抱えて、腹に子どもぶらさげて、器用に山に帰っていく姿を見た人もいる。
あと1日2日実らせておけばもっとうまくなるものも、予定より早めに収穫をしなければならない。

害獣は昔からいたと思うのだが、こんなに大量に頻繁に来るのは過去70年ないそうだ。
2~3年前、いのししが出て困ったこともあったが、猟友会の人がなんとかしてくれたのだが、どうしてこうも動物が里に増えているのだろうか。

しかしそんな単発的なことが、すべての爆発的な被害の原因になっているわけではない。

理由として、里の人々が、山へ入らなくなったことがあげられているそうだ。
燃料の柴刈りに行ったり、食料確保のために山菜採りに行く必要がなくなったからだ。
といっても、長く見積もってもそんな昭和時代ももう18年前に終わっているのだが、山に人が入らない、つまり手入れがされないため、次第に山が荒れていって、近年は自然の任せるままに土砂が流れ、山崩れがけ崩れなどの水害が頻発している。
そんな荒れた山で、暮らしにくくなったケモノたちが、人が来ないのも好都合、と里に下りてくる。

「そんな、かわいいもんだじ」
と餌をやってしまったりするらしい。なんと迷惑な。
猿にしてみれば、里ではうまいものが楽に手に入り、御しやすい年寄りばかりなので、のうのうとやってきて、豊富な食料から繁殖力もついてか、勢いを増しているということだ。

この地域だけでなく、全国各地で害獣のネタがテレビのニュースになっている。
「害獣には、人間以外の害獣より強いケモノの助けが必要」
ということで、あちこちで対策をたてているのだが、それに非常に地域性があるのが興味深かった。

草食動物は会ったこともなくてもライオンのにおいを嫌う傾向があるらしい。
ということで、秋田県では、線路に入ってはねられるカモシカに困った鉄道会社が、ライオンの排泄物を撒くという作戦に出たのだが、効果はあるのに結局それをやめた。
そのニオイが、害獣だけでなく人間にも強烈過ぎて、近隣の住民からの苦情だけでなく、担当の職員も、なんでライオンのうんこばかり扱わねばならんのだ、非常に困難があったそうだ。
電車の仕事がしたくて就職したでしょうに、カワイソー。

沖縄のハブとマングースの話のようなことは、他の地域にも似たような例がよくあって、結果、他の動物も殺されてしまうという失敗までよく知られている。
過去の失敗から、本来は
「雄だけ・雌だけ投入する」
というのが、基本なのだそうで、そのつもりでやっていたりするのだが、わずかに混じっていた数頭の異性のせいで繁殖していった、ということもわかっているらしい。

滋賀県でもやはり猿害に悩む地域があり、そこで
「ダチョウ」
を投入するという作戦に出たそうだ。

滋賀はこれまで、様々な動物で試してきたそうだ。
豚やヒツジはダメだった。猿が怖くて群で固まってしまったという。
ヤギは引き分け。ヤギがにらみつけると猿は逃げていくのだが、関心を持たないときもあるので、どっちともいえないという。
なんでいろんな動物で試しているかというと、
「害獣を追い払う上に、利益も生む動物は何か」
ということを探っているからだそうだ。

ダチョウは1羽3万円で買えるらしい。
卵はイベントのパーティー料理などで使える。
肉は、サファリパークのレストランで食べたことがあるが、ヒツジと鶏肉の中間のような味だったのだが、ゲテ食ということでなく、親の食べてきた動物性たんぱく質を一切受け入れない
アレルギーの子どもたちにも需要があるらしい。

転んでもただじゃ起きない、という発想が、さすが近江商人ではないか。

そこへいくと、
「爆竹や花火」「イヌ」
と、ただ追い払うことだけのことを行政が指示し、市民に支持されるこの地域は、県民性なんだろうなぁ。





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Last updated  2006年08月29日 08時11分32秒


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