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NASAの新しい太陽観測衛星「ソーラー・オービター」が、2月8日に打ち上げを予定しています。ソーラー・オービターは欧州宇宙機関(ESA)とNASAの協力によるもので、米フロリダ州のケープ・カナベラル空軍基地から2月8日13時15分(日本時間)に打ち上げられる予定です。ソーラー・オービターは米ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)のアトラスVロケットにより打ち上げられた後、金星と地球の重力を利用して予定の軌道へと進みますが、その軌道は太陽観測にとって「未知の領域」となります。地球や他の惑星が太陽の周りを回る公転軌道を離れ、「鳥の目」のように太陽の北極・南極を見下ろすような位置から太陽を観測する予定です。太陽は私たちの周囲の宇宙空間に大きな影響を及ぼしています。太陽の磁場は太陽から冥王星に至るまでの距離をはるかに超えて広がり、電気を帯びた粒子が時おり太陽から放出され(太陽風です)、場合によってはGPSや通信衛星、宇宙飛行士を脅かす存在にもなります。太陽風の予測には太陽の磁場が重要となりますが、これまでの太陽観測衛星では地球から見て真正面ほどもっとも観測しやすく、北極や南極を観測しようとすると角度が急になるため観測が難しいというのが実情でした。また、太陽は約11年の周期で太陽黒点が増えて活発になる「極大期」、黒点が減って穏やかになる「極小期」を繰り返すことが知られています。しかし、なぜ11年周期なのか、また極大期の強さはなぜいつも同じではないのかはわかっていません。この仕組みを生み出す「種」とも言えるのが太陽の北極・南極の磁場であり、日本の太陽観測衛星「ひので」を含めたこれまでの(急な角度からの)観測により理解は進んできていますが、ソーラー・オービターによりさらに精密な観測ができると期待されています。
2020.01.31
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中国の国家衛生健康委員会(NHC)は29日、新型コロナウイルスの感染者が5974人になったと発表しました。2002~2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の中国での感染者数(5327人)を上回りました。国家衛生健康委員会は、1400人以上の新規患者が確認され、死者は132人になったことも明らかにしました。2002~2003年のSARSでは世界で770人以上(うち中国では349人)が死亡しています。これに先立ち、流行の中心地となっている中国中部・湖北省の保健当局はこのウイルスによるこれまでの死者数が、前回発表から25人増えて131人になり、新たに840人の感染者が確認されたと発表していました。専門家の間では、今回の中国政府の対応はSARS流行の時よりも素早く、オープンだと評価する声もある一方、今月に入って感染が拡大し始めた時期に地方当局者がウイルスへの対応よりも社会の安定の維持を重視していたという批判もあるようです。
2020.01.30
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サッカー元イングランド代表でイングランド・プレミアリーグ、ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンのストライカーだったジェフ・アッスル氏は2002年、脳変性疾患により59歳の若さで死亡しました。このアッスル氏の死がきっかけで、サッカーのヘディングと認知症リスクに関連がある可能性が注目されるようになりました。検視官は、アッスル氏の死因はヘディングで繰り返し外傷がもたらされたことによる「職業病」だったとの判断を下し、その後に行われた脳の検査もこの結論を裏付けるように見えた、と、報じられています。当時、この問題に関する科学的データはわずかでしたが、それ以降に集まった証拠は着実に両者の関連性を裏付ける方向へ傾いていたようです。たとえたった1度の脳振とうでも、一生にわたって続く影響をもたらす可能性があることが示されています。2016年にスウェーデンで10万人以上の健康データに基づき行われた研究では、脳振とうという診断を1度受けたことのある人は、精神面での問題を抱える可能性が高く、また高校や大学を卒業する可能性が低いことが明らかになったそうです。2017年には英ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジの研究者らが、認知症を発症した元サッカー選手6人について、死後に脳を調べた結果、4人に慢性外傷性脳症(CTE)と呼ばれる脳損傷の痕跡が見つかったそうです。また昨年、英グラスゴー大学のチームが行った研究では、元プロ・サッカー選手は認知症などの深刻な神経疾患で亡くなる可能性が3.5倍に上るという結果が出ました。この研究は、元選手7676人と一般人2万3000人の健康記録を基に行われた過去最大規模の比較です。実際、どの程度の影響があるのか、研究が待たれます。
2020.01.29
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これまで比較的弱いと言われてきた新型コロナウイルスの感染力が強まっていると報じられています。中国当局が、明らかにしました。症状が軽い人が多く、感染に気づかずに広がっている可能性があるとしています。中国政府の国家衛生健康委員会の会見で、「ウイルスの感染力が増している傾向がある」と述べました。ただ、その根拠は示されていません。また、「感染初期は症状が軽くて隠れた感染者が多くおり、防疫が難しい」としていますた。潜伏期間は10日ほどで、最短で1日、最長14日間とみられています。感染源は特定されていないそうです。感染拡大には、ウイルスがすでに人から人へと感染しやすいよう変異している可能性があるようです。また、初期症状が軽いとなると、症状が出ないまま、ウイルスを排出している人もいる可能性がありそうです。感染拡大抑制の正念場といえそうです。
2020.01.28
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中国国営中央テレビは、湖北省武漢市の華南海鮮市場で採取したサンプルから新型のコロナウイルスが多数検出されたと伝えました。市場内でも野生動物が売られていた区域でほとんどが検出され、今回の肺炎の感染源が野生動物であることを裏付けているとしています。中国疾病予防コントロールセンターが派遣した専門家チームが1月1日と12日に採取した585サンプル中、33サンプルからウイルスを検出しています。
2020.01.27
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iPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った軟骨組織を、膝関節の軟骨を傷めた患者に移植して治療する臨床研究について厚生労働省の作業部会は、計画の実施を了承しました。京大は、年内に最初の移植手術を目指すとしています。交通事故やスポーツなどで膝の軟骨を損傷した患者で、症状が中程度から重症に近い20~70歳の4人が対象です。健康な人から作って備蓄しているiPS細胞を使い、直径数ミリの軟骨組織を作り、患部に移植します。周囲に残っている軟骨と一体化し、痛みを緩和できるか1年間かけて確かめるそうです。学内の審査を経て昨年11月、厚労省に計画を申請していました。患者は募集せず、京大病院で治療を受けている人から選ぶとしています。軟骨は衝撃を緩和する役割があり、一度損傷すると再生しません。患部以外から一部を採取して移植する治療法はありますが、十分な量を採取しにくく、移植しても正常に働かない場合もあるなどの課題があったそうです。
2020.01.26
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ESA(欧州宇宙機関)は、レゴリスと呼ばれる、月表面の砂れきや塵などの堆積物から、呼吸用の酸素を取り出すことに成功したと発表しました。過去のアポロ計画により、月面から地球上へと持ち帰られたレゴリスは、その成分の40~45%が、酸素から成っていることが判明しており、そこから酸素を抽出するという取り組みです。この課題にオランダのESTEC(欧州宇宙技術研究センター)の研究メンバーが酸素の抽出システムに取り組んできました。仕組みは、レゴリスを950度にまで熱するシステムで、溶融塩化カルシウムの電極を通すことにより、レゴリス内の酸化物から酸素を分離抽出するというものです。実は、このシステムはレゴリスは合金に生まれ変わらせるもので、分離した酸素は廃棄される予定でした。しかし、システムを改良し、排気口から出てくる酸素を蓄え、同時にできた合金も、3Dプリンターで使用できる素材にしていく方向性で、レゴリスをフルに有効活用すべく、研究されているそうです。月の砂は、人体に有害とされてきましたが、こうして酸素を生み出す貴重なものと判明したことで、将来の宇宙計画の形は、大きく変わってくる可能性があります。
2020.01.25
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ホウ素を含む薬剤をがん細胞に取り込ませて中性子を照射し、ホウ素から出る粒子でがん細胞を殺す「ホウ素中性子捕捉療法」(BNCT)で、東工大などの研究チームは、液体のりの主成分を加えた薬剤で治療効果を大幅に向上させたと発表しました。BNCTは、がん細胞が取り込みやすいアミノ酸にホウ素を結合させた化合物(BPA)を注射し、蓄積させた上でエネルギーの低い中性子を照射します。中性子を浴びたホウ素から殺傷力の高いアルファ粒子が放出され、がん細胞を殺します。他の細胞を傷つけず副作用が少ない治療法として期待されますが、一層の効果向上にはBPAががん細胞内にとどまる時間を長くする必要があったそうです。東工大の研究チームは、液体のりの主成分ポリビニルアルコールをホウ素に混ぜることで、BPAが連なった構造の新薬剤を開発しました。がん細胞への取り込まれ方が変わり、排出されにくくなったそうです。皮下にがん細胞を移植したマウスを使った実験では、従来のBPAに比べ、がん細胞内の集積量や滞留時間が増加し、中性子の照射後、がん細胞が消失するなど、根治に近い効果がみられたとしています。
2020.01.24
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オーストラリア西部にある「ヤラババ・クレーター」に巨大隕石が衝突したのは22億2900万年前と推定したと、同国のカーティン大などの研究チームが発表しました。当時の大陸は氷で覆われていましたが、衝突で大量の水蒸気が大気に放出され、気候が暖かく変化した可能性があるとしています。ヤラババ・クレーターは地上の地形ではよく分かりませんが、航空機による磁気調査では楕円の形が浮かび上がります。巨大隕石が衝突した際にできたクレーターは直径約70キロとみられますが、年代がはっきりしていませんでした。研究チームはクレーター内の鉱物を採取し、含まれる放射性元素のウランが鉛に変化する割合から年代を測定しました。クレーターは埋まったり崩れたりしやすく、地形で分かる最古のクレーターは南アフリカの世界遺産「フレデフォート・ドーム」で、約20億2300万年前に巨大隕石が衝突し、直径約300キロのクレーターができたと考えられています。
2020.01.23
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重い慢性腎不全の患者が受ける人工透析について、日本透析医学会は、終末期(人生の最終段階)ではない患者が希望した場合でも、透析の中止や導入見合わせを許容するとの提言案を学会ホームページで公表しました。医療チームが透析の必要性を繰り返し説明しても患者の意思が変わらないなど、一定の条件を満たすことが必要としています。学会は26日まで提言案への意見を公募するとしています。なお、2月16日に東京医科歯科大で公聴会を開き、3月末までに確定させる予定だそうです。
2020.01.22
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米宇宙開発企業スペースXは19日、同社の新しい宇宙船クルー・ドラゴンの打ち上げ直後に緊急脱出させる無人での飛行試験を実施し、これに成功したそうです。スペースXはNASA(米航空宇宙局)の飛行士を国際宇宙ステーション(ISS)に輸送する計画を進めており、これが最後の重要な試験となっていました。米フロリダ州のケネディ宇宙センターで19日午前10時30分に開始された試験で、スペースXの新たなカプセル型宇宙船クルー・ドラゴンを搭載したロケット「ファルコン9(Falcon 9)」が打ち上げられました。ファルコン9はクルー・ドラゴンの軌道への投入実施同様にプログラムされました。打ち上げから1分24秒後、時速1500キロ超で飛行していたファルコン9は、大西洋上の高度19キロの位置で緊急脱出を開始しました。クルー・ドラゴンにより強力なエンジン「スーパードラコ」が点火され、ファルコン9からクルー・ドラゴンが切り離されました。分離後間もなく、ファルコン9は予定通り火の玉となって分解しました。危険に満ちた今回の試験が成功を収めたことは、スペースX、NASAの双方にとって朗報といえそうです。NASAはISSに今年宇宙飛行士を輸送するための宇宙船の安全性認証を緊急に必要としています。
2020.01.21
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フィリピンで、ごみ問題と度重なる自然災害に対処するため、火山灰とプラスチックごみを混ぜたれんがを作るユニークな取り組みが行われているそうです。タール火山は、約1週間前に活発化し、巨大な噴煙が立ち上り、近隣の都市ビニャンは細かい火山灰で覆われています。そこで環境当局は、火山灰を除去するのではなく、砂やセメント、プラスチックごみと混ぜ合わせ、地元の建設事業用に1日当たり約5000個のれんがを作る計画を決定しました。危機的なごみ問題に直面しているフィリピンでは、昨年の使い捨てプラスチックの使用量は「驚異的」との報告がある通り、使い捨てのポリ袋の年間の使用量は600億枚近くに上るそうです。タール火山から噴出した溶岩と噴煙の影響で、これまでに7万人以上が避難所での生活を余儀なくされたほか、さらに大きな噴火がいつでも起きる可能性があるとの警報が出されています。そうした中で、火山灰とプラスチックには事欠かないビニャン市当局は、事業に希望を見いだしています。
2020.01.20
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77万4000~12万9000年前(中期更新世)の地質時代が「チバニアン」(千葉時代)と命名されることが、韓国・釜山で開かれた国際地質科学連合の理事会で決まりました。千葉県市原市の川沿いに露出した地層「千葉セクション」が、中期更新世と前期更新世の境界を示す代表的な地層として認められたことになります。地球の歴史を117に分けた地質時代に、日本の地名が付くのは初めてです。千葉セクションには、約77万年前に地球のN極とS極が入れ替わった最後の地磁気逆転の痕跡が明瞭に残っています。茨城大や国立極地研究所などの研究チームは、この地層を時代の境界となる「国際模式地」として認めるよう、2017年6月に同連合へ申請していました。国際模式地を巡ってはイタリアも2カ所の地層を申請し、中期更新世を「イオニアン」とする提案もありましたが、千葉は地磁気逆転を示すデータの質が良く、1次審査で破っていました。2018年に2次審査、2019年に3次審査を通過し、17日の理事会では理事の過半数の賛成を得て「チバニアン」が決まりました。審査中、研究不正を訴えて命名に反対する国内の研究者が、国際地質科学連合の委員に異議を申し立てるメールを送ったり、地層沿いの土地の賃借権を取得したりする動きもありました。市原市はこれに対して、研究者が自由に立ち入れる条例を2019年9月に制定するなど、研究チームを支援していました。地層を含む市原市の養老川沿いの一帯は2018年10月、国の天然記念物に指定されました。命名が取り沙汰され始めて以降、見学に訪れる人が増加し、地元でも正式な命名への期待が高まっていたようです。
2020.01.19
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50年前にオーストラリアに落下した隕石を調べていた米国の研究チームが、隕石の中から50億年~70億年前の宇宙で形成された物質を発見しました。地球上で見つかった固体の中では最古の物質になるとしています。太陽が誕生したのは46億年前とされ、今回見つかった物質は太陽や太陽系よりも古くから存在していたと推定されています。こうした物質はプレソーラー粒子と呼ばれます。隕石はスターダストなどの物質を閉じ込めるタイムカプセルの役割を果たすことがあります。地球に落下した隕石のうち、プレソーラー粒子が含まれるのはわずか5%にとどまるそうです。隕石は1969年に採集されたもので、研究チームはこの隕石からプレソーラー粒子を分離することに成功しました。粒子の大きさはおよそ8マイクロメートルと極小で、年代は46億年~49億年前のものが多数を占め、一部は55億年以上前のものだったそうです。専門家の間では、銀河系の恒星は一定の間隔で形成されたという説と、形成が多い時期と少ない時期があったという説があります。しかし、研究メンバーは、「隕石からの試料によって、私たちの銀河系で70億年前に恒星が盛んに形成された時期があったことを直接的に裏付ける証拠を手にした」とコメントしています。
2020.01.18
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今年は火星探査機打ち上げラッシュ米国や中国、ロシアなどが今年、計4機の火星探査機を相次ぎ打ち上げます。火星が地球に接近する好機を生かし、生命探しや将来の有人着陸を視野にしのぎを削ります。火星は太陽から見て地球のすぐ外側を回っています。2年2カ月ごとに地球に接近し、今年は6207万キロまで近づきます。接近時に探査機を打ち上げれば飛行距離が短く、燃料を節約できます。各国の探査機は7月にも地球を出発し、来年到着します。探査の目玉は生命探しです。火星にはかつて水が豊富にあったとされ、生命が存在する可能性が指摘されているためです。欧州とロシアは共同で探査車「ロザリンドフランクリン」を打ち上げ、生命の手掛かりとなる有機物や水を調べます。米国も探査車「マーズ2020」を送り込みます。7年前から稼働を続ける「キュリオシティー」の後継機で、生命の証拠を本格的に探すとしています。米国は2030年代の有人火星着陸を目指しており、大気の主成分である二酸化炭素から酸素を作る実験を行い、遠い将来に人類が暮らす可能性も探ります。中国は周回機と探査車などで構成する「真容」で初の火星を目指します。生命や大気の調査が目的ですが、50年の有人着陸に向けて基礎技術を固める狙いもあるとみられ、成否が注目されます。アラブ首長国連邦(UAE)は来年の結成50周年を記念して、火星の大気を観測する周回機を日本のH2Aロケットで打ち上げます。機体はアラビア語で希望を意味する「アルアマル」と命名されました。「2117年に人類初の火星定住」という遠大な目標を掲げ、その第一歩との位置付けです。
2020.01.17
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中国外初、タイで新型ウイルス検出 タイ保健省は、バンコク近郊のスワンナプーム国際空港に到着した旅行者の中国人女性(61)から、湖北省武漢市で多発している肺炎の原因とみられる新型のコロナウイルスと同型のウイルスが検出されたと発表しました。中国以外で検出されたのは初めてです。女性は空港で発熱が確認されたため、病院に搬送され、感染が判明しました。既に熱は下がり、医師団が経過を見守っているそうです。保健当局は女性と接触した16人についても調べたが、感染は認められなかったとしています。
2020.01.16
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中国の武漢で原因不明の肺炎が発生するなか、南部・深センの衛生当局は41歳の女性が原因不明の重い肺炎で入院したと発表しました。11日から入院しているのは41歳のインド国籍の女性で、深センの学校の教員です。女性は1週間、せきが止まらず発熱も続いたため入院しました。女性はその後も呼吸器官に重い症状が出て別の病院の集中治療室に移り、今も重症で危険な状態だということです。深セン市の衛生当局によりますと、武漢で広がった原因不明の肺炎との関連は確認されていないということです。
2020.01.15
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NASA(米航空宇宙局)は、テキサス州ヒューストンで宇宙飛行士候補生の公開卒業式を開催しました。卒業式が公開されるのはこれが初めてです。2年以上にわたる基礎訓練を修了した今期生らは、2度目の月面探査と将来計画されている火星への有人飛行などの宇宙飛行ミッションへの参加資格を取得しました。今期生の女性6人、男性7人は、史上最多となる1万8000人の応募者の中から選ばれ、その経歴や専門分野は、パイロットから科学者、エンジニア、医師とさまざまでした。このうち2人は、カナダ宇宙庁(CSA)の所属です。CSAは1983年以降、米国との共同訓練プログラムに参加しています。
2020.01.14
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昨年の7月に南天全域の観測を終え、北天の観測を行っているNASAの系外惑星探査衛星「TESS」によって2つの恒星を周回する系外惑星(周連星惑星)が見つかったそうです。連星を公転する系外惑星が見つかったのは、南天の「がか座」の方向およそ1300光年先にある連星系「TOI 1338」。TOI 1338には太陽の「1.1倍」と「3分の1」の質量を持つ2つの恒星があり、約15日周期で互いの周りを巡り合っています。今回TESSの観測データから発見された系外惑星「TOI 1338 b」は、土星と海王星の中間くらいの大きさとなる、地球のおよそ7倍のサイズを持っています。その軌道は連星の影響を受けており、公転周期は93日から95日の間で変動しています。TOI 1338には、当初は系外惑星が存在しないとみられていました。TESSの観測データから系外惑星を探す市民科学プロジェクト「Planet Hunters TESS」でも、TOI 1338の明るさの変化は「食連星」に分類されていたといいます。しかし昨年、NASA・ゴダード宇宙飛行センターのインターンシップに参加していたWolf Cukier氏が食連星に分類されていたTESSの観測データを確認していたところ、TOI 1338の明るさが変わるタイミングに、食連星に由来するものとは異なるパターンを発見しました。ゴダード宇宙飛行センターらの研究チームがデータを詳細に分析した結果、このパターンが観測機器の異常等によるものではなく、TOI 1338 bが大きいほうの恒星を横切った際に観測されたパターンであることが確認されたそうです。
2020.01.13
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昨年2019年4月、楕円銀河「M87」の中心にある超大質量ブラックホールが直接撮像されたことが発表され話題を呼びました。このブラックホールからはジェットが噴出していることが知られていますが、その速度が最大で光速の99%を上回っているとする研究成果が発表されました。おとめ座の方向およそ5500万光年先にあるM87の中心には太陽の65億倍というとてつもない質量を持った超大質量ブラックホールが存在しており、国際協力プロジェクト「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)」によって直接撮像された初のブラックホールとして知られています。今回、ハーバード・スミソニアン天体物理学センターなどの研究チームはM87の超大質量ブラックホールが噴出するジェットの速度を調べるために、NASAのX線観測衛星「チャンドラ」によって撮影された2012年と2017年の観測データを比較しました。M87のジェットは地球の方向に近い角度で噴出されていることから、見かけの速度が光速を上回る「超光速運動」という現象を起こしているそうです。研究チームによると、ジェットのなかでも超大質量ブラックホールに近い部分(ブラックホールからおよそ900光年ほどの範囲)にみられるX線を放つ2つの塊を観測すると、それぞれ光速の6.3倍と2.4倍で動いているように見えるそうです。ただし、これはあくまでも見かけ上の速度ですが、実際の速度について研究チームが詳しく分析した結果、ジェットの最大速度は光速の99%以上に達していることが明らかになりました。質量を持つ物質が到達しうる速度としては、ほぼ上限に達しています。今回の研究はEHTと同じ超大質量ブラックホールを対象としたものですが、EHTによって捉えられたブラックホールを取り囲む電磁波のリングと、ブラックホールが噴出する数千光年のジェット、両者のスケールには1億倍もの違いがあるといいます。吸い込みかけた物質の一部をほぼ光の速度で噴出してしまうブラックホール、その力強さを実感させられる研究成果です。
2020.01.12
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スペースXは宇宙船「クルー・ドラゴン」の空中での脱出装置のテストを1月18日に延期すると、発表しました。もともと1月11日に予定されていた、クルー・ドラゴンの脱出装置のテスト。これは同宇宙船を「ファルコン9」ロケットへと設置し、実際に打ち上げた後に分離するというものです。テストは、ケネディ宇宙センターで実施されます。クルー・ドラゴンには小型ロケットエンジンの「スーパードラコ」が8基搭載されており、これに点火することで打ち上げに不具合が生じた際に、宇宙飛行士の安全を確保します。そして次回のテストが成功すれば、次はNASAのボブ・ベンケン宇宙飛行士とダグ・ハーリー宇宙飛行士を搭乗させて、国際宇宙ステーション(ISS)を往復する「デモ2」ミッションを実施します。クルー・ドラゴンは、すでに無人の状態でISSへと往復する「デモ1」ミッションを成功させています。また、ボーイングも宇宙飛行士をISSへと輸送する宇宙船「CES-100 スターライナー」の開発をすすめており、最初のISSへの打ち上げミッション「オービタル・フライト・テスト(OFT)」はトラブルにより途中で中断されました。
2020.01.11
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iPS細胞分化時に異常。がん化関連も再生医療用のiPS細胞を備蓄する京都大iPS細胞研究所のストック事業で、出荷したiPS細胞の一部を目的の細胞に分化させた際、がん化に関連する遺伝子異常や、染色体の異常が起きていたそうです。同時に作られた細胞でも分配先によって異常の有無や内容が異なっていたとしています。専門家からは安全性の担保を懸念する声が上がっています。複数の関係者が明らかにし、研究所も事実関係を認めています。ただし、異常のあった細胞は患者には使われていないそうです。ストック事業ではiPS細胞を、同じ提供者から同時に作られた「株」単位で備蓄しています。臨床研究や治験では、iPS細胞や分化細胞の段階でゲノム(全遺伝情報)解析したり、マウスへの移植でがん化の有無などを確かめたりして、実施機関が使う株を判断します。今回、2015年8月以降に出荷された27株中4株の試験結果が判明し、うち2株で異常が確認されました。この2株は2カ所の研究機関にそれぞれ複数の容器で分配、各機関で同じ種類の細胞に分化させました。一つの株では一方の機関でがんに関連する遺伝子の異常、他方の機関で染色体の本数の異常を確認しました。もう一つの株では、一方の機関で別の遺伝子異常があり、他方の機関では異常なしだったそうです。異常のあった機関でも、違う容器では異常はなかったとしています。見つかった遺伝子異常には、人のがんで見つかることが多く、危険性の高いものも含まれていたそうです。マウスへの移植では、正常な細胞では見られない組織の異常な増殖も確認されたとしています。残りの2株については、異常は確認されていません。
2020.01.10
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中国湖北省武漢市政府は、市内で多発しているウイルス性肺炎について、これまでの調査結果として、新型肺炎(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)の可能性を排除したと発表しました。先月末に原因不明の肺炎拡大が報告された際には、2002~2003年に中国で大流行したSARSではないかとの情報が広がったが、これを明確に否定しました。感染源は引き続き調査中としています。
2020.01.09
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国内の外来診療で出された抗菌薬(抗生物質)の6割近くが、効果がない風邪などウイルス性の感染症への不必要な処方だったことが、自治医科大などの研究チームの調査でわかったそうです。75%は専門医らが推奨していない薬だったとしています。抗菌薬の不適切な使い方は薬剤耐性菌が生じる原因になるため、研究チームは適正な使い方を呼びかけている。チームは全国の診療、処方明細書(レセプト)などのデータをもとに2012~2014年度に外来診療で処方された抗菌薬と対象の病気などを調査しました。年平均約8957万件処方されていました。人口1千人あたり704件処方されており、米国の1.4倍だったそうです。抗菌薬が必要とされる疾患に処方されたのは全体の8%にとどまったとしています。処方された56%は風邪や急性気管支炎など通常はウイルスが原因の病気でした。抗菌薬は細菌感染の治療薬でウイルス性の感染症には効果がありません。また急性咽頭炎、扁桃炎や急性副鼻腔炎などへの処方が36%ありましたが、細菌が原因のケースは1~2割のため、効果がないウイルス性にも多く処方されていたとみられるとしています。処方された抗菌薬の86%は様々な種類の細菌に効く「広域抗菌薬」と呼ばれるタイプで、耐性菌が発生、増殖しやすいため、欧州ではまれにしか使われないそうです。専門医らによる指針で推奨するタイプが選ばれている割合は25%にとどまったとしています。
2020.01.08
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国民の3人に1人が罹患し、経済にも悪影響を及ぼしている花粉症の主原因のスギ花粉の飛散を防ぐ新技術の開発が進んでいるそうです。神奈川県が昨秋、花粉を飛ばす雄花を枯らせる菌類を発見しました。国がその菌類を薬剤に活用する研究開発を進めているそうです。実用化すれば数十年を要するとされる伐採や植え替えに代わる画期的な花粉症対策になる可能性がありそうです。神奈川県が発見した菌類は、スギの雄花に寄生して枯死させる「シドウィア菌」で、雄花を枯らし、さらに周辺の雄花にも菌糸を広げます。枯死した雄花は開花しないため花粉が飛散しない一方、雄花以外には無害で木の生育に問題はないそうです。この菌を薬剤として活用し、ヘリコプターやドローンによる空中散布などが可能になれば、即効性のある新たな花粉飛散防止策になるとしています。
2020.01.07
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天文観測に影響を及ぼすとして議論を呼んでいる米スペースXの巨大通信衛星網、スターリンク衛星の3回目の打ち上げが日本時間で1月6日に実施される見通しだそうです。「光害対策」の改良を施した最初の衛星を含む60機となり、フロリダ州のケープカナベラル空軍基地から、ファルコン9ロケットに搭載されます。スターリンクは、スペースXが計画する1万2000機以上の低軌道通信衛星で、世界規模の衛星通信網を構築する計画です。2019年5月から打ち上げを開始しており、11月に2回目の60機の衛星を軌道に投入しました。3回目の打ち上げは当初は日本時間の1月4日昼ごろに計画されていましたが、悪天候が予測されることから6日に延期となりました。3回目の打ち上げが成功すれば、180機のスターリンク衛星が高度550キロメートルの軌道を周回することになります。超小型衛星による地球観測網を運用する米Planetの運用数を超え、単独で世界最大の衛星を運用するオペレーターとなります。今回の60機のうち1機には、機体表面に低反射塗装を施した衛星が含まれます。2019年に打ち上げられた120機は表面が光を反射しやすい素材でできており、打ち上げ直後から「スターリンクトレイン」と呼ばれる太陽光を反射して光る衛星の列が観測されていました。日没後の夜空で見えるスターリンク衛星の列には、天文観測への悪影響があるとして昨年から批判が高まっていました。スターリンク衛星のような「メガコンステレーション」と呼ばれる多数の衛星による通信網は、他にもAmazonのカイパー計画、ソフトバンクが出資するOneWebなどが計画され、衛星網を構築中です。スターリンクと同様に天文への影響が懸念されており、中でも飛び抜けて衛星数の多いスターリンクが対策することで他の計画にも影響を与える可能性はありそうです。
2020.01.06
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インド宇宙研究機関(ISRO)は1月1日、月面探査計画「チャンドラヤーン3号」が正式に認可されたと発表しました。チャンドラヤーン3号は月に着陸するランダー(着陸船)と、月面を移動するローバー(探査車)からなるミッションです。具体的な実施時期は正式発表されていませんが、一部インドメディアは今年11月の打ち上げの可能性を報じています。なお、2019年9月に実施された「チャンドラヤーン2号」のミッションでは、オービター(周回探査機)の投入には成功したものの、ランダーの着陸に失敗しています。一方、オービターは今後数年間運用が続けられる予定です。ISROはその他にも、有人宇宙飛行ミッションの「ガガンヤーン(Gaganyaan)」について、初飛行に向けて4人の宇宙飛行士が選定されたことを伝えています。
2020.01.05
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インターステラテクノロジズ株式会社は1月2日、小型ロケット「MOMO5号機」の打ち上げを当面延期することを発表しました。MOMO5号機は昨年12月29日に打ち上げられる予定でしたが、「上空風の予報が打ち上げに条件に満たさないため」などが原因で延期を繰り返していました。また、予備日の最終日である3日迄の打ち上げを目指していましたが、機体に搭載されている通信系統で発生した不具合の原因究明や対策に時間を要し、予備日内の打ち上げを断念しました。新たな打ち上げ予定日に関しては1月3日現在の情報では未定となっています。
2020.01.04
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太平洋の島国パラオは1日、「サンゴ礁に有害」な日焼け止めを禁止する先駆的な法律を施行しました。パラオでは、他にも世界最大級の海洋保護区の設置など厳しい環境対策を導入しています。オーストラリアと日本のほぼ中間に位置する西太平洋のパラオは、世界有数のダイビングの名所として知られていますが、その人気には代償を伴うと政府は警戒しています。トミー・レメンゲサウ大統領は、大半の日焼け止めに含まれる化学物質は、たとえ微量でもサンゴ礁には有害だという科学的根拠があると主張していあmす。人気のダイビングスポットが大勢の観光客でにぎわう中でこうした化学物質が蓄積し、サンゴ礁を回復不可能な状況に陥れかねないと懸念されています。今月1日以降は、パラオに持ち込まれるか国内で販売されたサンゴ礁に有害な日焼け止めは全て没収され、所有者には1000ドル(約11万円)の罰金が科されるそうです。さらに、パラオは今月1日、以前から喧伝していた海洋生物保護区を設置し、排他的経済水域(EEZ)の80%での採掘やフカヒレ漁などの海洋活動を禁止する法律を施行しました。これによると、制限漁区で操業する大半の外国漁船はパラオ国内で水揚げして輸出税を払わなければならない。ウミー・センゲバウ天然資源・環境・観光相は、これによって制限漁区内で取れた魚を購入する優先権はパラオが有することになり、輸出が認められるのは内需を満たした後だと述べています。
2020.01.03
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ダチョウの寿命は50~60年。けがを負ってもすぐに治り、劣悪な衛生環境でも病気にならない生命力を持つそうです。獣医師の塚本教授が試しにウイルスを注射したところ、約2週間で体内に抗体ができたそうです。2週間では、他の動物ならやっと抗体ができ始める時期なのに、すでに商品化できるくらいの量ができていたそうです。抗体は卵に凝縮され、1個でワクチン接種8万回分が精製できることも分かったそうです。製造コストはマウスや鶏を使った場合の4千分の1との試算もあります。素早く、大量に作れる抗体を使い、2008年に完成した商品が「ダチョウ抗体マスク」です。マスクにしみこませた抗体がインフルエンザウイルスに結合し、感染を防ぐ効果があるとしています。同様の手法で花粉症にも効くマスクを作り、これまで計約7千万枚を売り上げました。その後もアトピー性皮膚炎の患者向け化粧品▽虫歯菌の抗体入り口腔洗浄液▽アレルギー用キャンディー-などを開発したそうです。2014年ごろには、米陸軍からも共同研究の依頼が舞い込んだそうです。その対象はアフリカで流行し、「殺人ウイルス」の別名を持つ感染症「エボラ出血熱」で、生物兵器によるテロ攻撃に備えたワクチンや防毒のスプレー剤の開発に尽力しました。商品はシンガポールや香港の国際空港などでも使用されているそうです。
2020.01.02
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JAXAとQPS、小型SAR衛星「イザナギ」の状態観測を共同研究へQPS研究所とJAXA(宇宙航空研究開発機構)が共同研究契約を締結し、小型SAR衛星1号機「イザナギ」の状態観測を実施するそうです。イザナギの状態は交信で得られるデータから推定、確認することができますが、今回の共同研究ではJAXAの60cm望遠鏡を用いて姿勢や運動状態を確認し、イザナギの状態確認の正確性を高めまるとしています。更に、明るさの時間変化のデータ観測(ライトカーブ観測)を実施することで宇宙機の姿勢や運動を推定する技術の精度向上にも繋がタイとしています。また、この技術の妥当性が示されることで、JAXAが取り組んでいるスペースデブリ除去ミッションにおいて、スペースデブリの姿勢や運動を高精度で予測可能な技術の開発に貢献すると期待されています。
2020.01.01
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