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中国・福建農林大と名古屋大の研究チームは、受精できないようにしたイネの変異体が、通常の米粒の代わりにショ糖を含む液体を生成することを発見し、「砂糖イネ」と命名しました。砂糖の主成分であるショ糖はサトウキビやテンサイから作られますが、イネは幅広い地域での栽培が可能で、成果は製糖やバイオエタノールの生産拡大に向け期待できるとしています。植物の種子が育つには、花粉に含まれる精細胞が卵細胞に受精することが必須と考えられてきました。福建農林大の研究チームは2016年、精細胞を運ぶ「花粉管内容物」と呼ばれる液体にその役割があり、受精しなくても種子が肥大することをシロイヌナズナの遺伝子変異体で発見していたそうです。研究チームは、同じ働きの遺伝子をイネでも発見したため、ゲノム編集技術で変異体を作成し、受精なしで種子が肥大するかどうかを調べました。その結果、同じように種子は肥大しましたが、通常は「米粒」となる白色固体のデンプンではなく、ショ糖を約20%含む液体で満たされていたそうです。含まれていた糖分はショ糖が98%と高純度で、デンプンを合成する酵素をつくる遺伝子が働かず、通常の米粒を作れないことも分かったそうです。
2020.10.31
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大阪大学などの研究チームが大きさ0.5mm未満の早期乳がんを、電磁波を使って鮮明な画像に映し出すことに成功したそうです。新しい診断機器の開発にもつながると期待されています。研究チームは「非線形光学結晶」と呼ばれる特殊な結晶にレーザー光を当てると、電磁波の一種で、光と電波の中間ほどにあたる「テラヘルツ波」が発生する現象に注目しました。結晶の上に乳がんのサンプルを置いて下からレーザー光を当て、サンプルを通り抜けたテラヘルツ波を画像に撮ると、0.5mm未満の乳がんをはっきりと識別できたそうです。また、早期の乳がんと進行した乳がんも見分けられるとしています。乳がんは、がん細胞が乳管・小葉の中にとどまる場合に「ステージ0」、しこりの大きさが2センチ以下でリンパ節転移がない場合に「ステージ1」とされます。腫瘍の範囲が小さい場合にも、手術は必要になります。現在は、採取した細胞を染色して診断していますが、数日かかります。テラヘルツ波を使えば素早く、小さながんを発見できる可能性があります。
2020.10.30
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米民間宇宙企業スペースX社は、ファルコン9ロケットの打ち上げに成功しました。ファルコン9ロケットには、同社が進める衛星コンステレーション計画「スターリンク」衛星60基が搭載されました。スターリンク衛星は発射63分後に軌道への投入に成功し、今回のミッションは無事完了しています。スターリンク衛星の打ち上げは、今月だけでも10月7日、10月19日、10月24日とすでに3回行われており、11月は少なくとも2回の打ち上げが行われる予定だそうです。今回の打ち上げで、これまでに打ち上げられたスペースX社のロケットが記念すべき100回目の打ち上げ成功を迎えました。内訳は、95回のファルコン9ロケット、3回のファルコンヘビーロケット、2回のファルコン1ロケットとなっています。
2020.10.29
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東京都内で8月末以降に報告されたインフルエンザの患者数が今月18日時点で2人にとどまり、昨年同時期の2517人から激減しているそうです。都の担当者は、新型コロナウイルス対策が浸透した結果とみるが、「油断は禁物」との指摘もあるようです。都健康安全研究センターが、都内のインフルエンザの定点医療機関約400カ所からの報告をまとめました。都内全体の実際の患者数ではないそうですが、都は毎年、流行が始まるとされる8月末~9月初旬(年初から36週目)以降の数字を、流行の「注意報」や「警報」を出す際の判断材料としています。今年の冬は新型コロナとインフルエンザの同時流行が懸念されていますが、センターによると、日本と季節が反対の南半球では冬のインフル患者が激減しており、都内でも同様の傾向がみられるとしています。
2020.10.28
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太陽系で最も遠くに位置する海王星の赤道付近の上空に、猛毒の青酸ガスとして知られる「シアン化水素」が帯状に分布していることを東京大などの研究チームが発見したそうです。電波を観測する南米チリのアルマ望遠鏡を用いて、太陽から約45億キロ離れた天体の大気のごく微量の成分を捉えた成果で、チームはこの手法が惑星の大気環境の解明につながるとしています。約164年かけて太陽の周りを1周している海王星は地球から遠く、探査機による観測の機会が少ない星です。直径は地球と比べて約4倍、質量は約17倍です。これまで大気中にシアン化水素の存在は確認されていましたが、どう分布しているか分かっていなかったそうです。惑星の大気を直接、採取できなくても、そこから発せられる特有の電波を望遠鏡で観測すれば、構成する成分を特定することができることから、研究チームは2016年にアルマ望遠鏡の観測で得られたデータを解析した結果、海王星上空にシアン化水素が分布していることを確認したそうです。さらに詳しく調べた結果、赤道付近でその濃度が最も高かったそうですが、それでも約1.7ppb(ppbは10億分の1)とごく微量でした。最も濃度が低いのは南緯60度付近で約1.2ppbだったそうです。研究チームは濃度の違いからシアン化水素ができる仕組みを予測し、海王星上空の大気の流れも分析しました。
2020.10.27
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世界の炭素循環を国際共同研究する「グローバル・カーボン・プロジェクト」によると、温室効果ガスのメタンの放出量が、2017年は世界で5億9600万トンに上り、2000~2006年の年平均放出量と比べて9%余り増えたそうです。メタンは二酸化炭素に次いで気候変動に影響を与える温室効果ガスで、研究チームは「排出源に対し強い対策が必要」と指摘しています。今回の研究には日本を含む15カ国の69研究機関が参加しています。大気中のメタン濃度は産業革命以降急増。現在の濃度は産業革命前と比べて2.5倍になったそうです。国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書によると、産業革命以降の世界の平均気温上昇に対しメタンが与えた影響は23%を占めるとされています。
2020.10.26
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国立精神・神経医療研究センターは、がんなどの診療の参考にする血液検査で基準値に変更があったのに、電子カルテに反映せず、計322人分(467件)で誤った判定をしていたと発表しました。診療への影響はなかったとしています。センターによると、基準値の変更を反映していなかったのは、がんや骨粗鬆症、筋疾患の診療を目的とする腫瘍マーカーなど19項目です。うち11項目の判定に影響があり、基準外なのに基準内と判定されたケースは81人分(105件)だったそうです。検査結果が電子カルテに記載されるようになった2012年3月以降の状況を今年9月に点検したところミスが判明しました。ただし、誤りのあった判定結果だけで治療方針を決めるなどのケースはなかったとしています。
2020.10.25
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萩生田光一文部科学相は会見で、日本が参加を表明した国際月探査計画(アルテミス計画)に向け、日本人宇宙飛行士の募集を行うと発表しました。新たな飛行士は日本人初の月面着陸も期待され、JAXA(宇宙航空研究開発機構)は来秋ごろをめどに募集を開始します。宇宙飛行士の募集は、2008年以来で、13年ぶり6回目んいなります。今後、5年に1度程度の頻度で、募集を行うそうです。アルテミス計画は、月周回軌道に宇宙ステーション「ゲートウエー」を国際協力で建設し、2024年に米国人宇宙飛行士を月面に着陸させ、継続的な月面探査や、将来の有人火星探査に向けた技術実証を目指すものです。文科省は7月、NASAとの間で月探査協力に関する共同宣言に署名しました。バッテリーや環境制御など日本が得意とする技術で貢献する見返りに、日本人宇宙飛行士のゲートウエー搭乗や月面着陸の機会を確保する見通しを付けつつあるそうです。
2020.10.24
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iPS細胞からつくった、がんを攻撃する免疫細胞を、千葉大と理化学研究所のチームが、口や鼻などにがんができる「頭頸部がん」の患者に注射による移植で、治療したそうです。6月に薬事承認のための治験の計画が認められていました。がんの患者にiPS細胞を使った治療がされるのは国内で初めてだそうです。移植で使われた細胞は、ヒトの体内にわずかしかない「ナチュラルキラーT細胞」と呼ばれる免疫細胞で、がんを攻撃したり、ほかの免疫細胞を活性化させたりするはたらきがあります。健康な第三者の血液から採ったNKT細胞からiPS細胞をつくり、大量に増やし、それを再びNKT細胞に変化させて患者に移植します。
2020.10.23
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米国防総省は、航空機内で新型コロナウイルスに感染するリスクは極めて低いとする調査報告書を発表しました。コロナの打撃から立ち直ろうとする航空業界にとっては朗報といえます。調査は軍人やその家族らによる米民間航空機での移動を管轄する「トランスポーテーション・コマンド」が主導し、調査資金も拠出しています。それによると、機内が満席であっても、マスクをして着席した搭乗者の頭部周辺の「呼吸域」では、漂う粒子の割合は平均0.003%だったそうです。感染者は機内に1人との想定で、搭乗者の客室内での移動は勘案していません。実験は米ユナイテッド航空<UAL.O>のボーイング777と767で実施し、機内の換気機能については、急速空気循環システムやフィルター装置で6分以内に客室内の粒子のほぼ99.99%を除去できたとしています。感染に至る可能性が高い量の粒子を吸入するには、感染者が1人いる機内で54時間の飛行時間が必要になると指摘しています。約半年の調査では飛行時間で計38時間、着陸状態で計45時間、300回の検出テストを実施しました。新型コロナウイルスと同じ大きさの粒子を客室の区域ごとに放出し、乗客に見立てたセンサーを区域ごとに計42個設置しました。いずれのテストでも、咳数千回分に相当する1億8000万個の粒子を放出させています。今回の調査は、近くの席でだれかが席をしても、マスクをしていれば感染リスクを抑えられる可能性を示していると報じられています。ユナイテッド航空の顧客担当責任者は「今回の結果は、ユナイテッド機では、たとえ満席でも感染リスクはほぼないことを意味している」とコメントしています。
2020.10.22
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新型コロナウイルスの治療薬候補「アビガン」について、富士フイルム富山化学は、国に製造販売の承認を申請したと発表しました。今後、厚生労働省が審査します。11月にも承認される見込みです。承認されれば新型コロナ治療薬として三つ目、日本で開発された薬としては初めてとなります。アビガンは新型インフルエンザ治療薬として承認を受けており、一部の病院で患者の希望と医師らの判断で使える「観察研究」という枠組みで新型コロナ患者にも使われています。正式に新型コロナにも適応拡大されれば、いまより多くの患者に使える可能性があります。ただ、動物実験で胎児に奇形が出るおそれがあることがわかっており、妊娠中やその可能性のある女性、相手の男性には使えません。富山化学は9月下旬、臨床試験の結果、「早期に症状を改善することを統計的有意差をもって確認できた」と発表していました。アビガンを飲んだ患者では、解熱や肺機能の改善が進み、かつPCR検査の結果が陰性になるまでにかかる日数の中央値が11.9日で、偽薬を飲んだ患者の14.7日より2.8日短くなったとしています。これまで報告されている尿酸値の上昇や肝機能の低下などの副作用以外に「安全性の新たな懸念は認められない」としていました。
2020.10.21
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沖縄県水産課は、大宜味村のバナメイエビ養殖場で、養殖水産動植物の伝染性疾病に指定されている、「急性肝膵臓壊死症(AHPND)」の発生が確認されたと発表しました。国内で初めての確認です。まん延した場合、養殖水産動植物に重大な損害を与える恐れがある疾病とされています。またバナメイエビは養殖が盛んなクルマエビと近縁種で、クルマエビに感染する恐れもあるそうです。沖縄県水産海洋技術センターで検査をした結果、陽性の疑いが判明しました。その後、国立研究開発法人水産研究・教育機構水産技術研究所で検査したところ、18日にAHPND陽性が確認されました。沖縄県はエビの処分と池の消毒など、まん延防止措置の実施を命令しています。なお、AHPNDは甲殻類における疾病で、ヒトへの感染事例は報告されていないそうです。
2020.10.20
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ネコにゆっくりと瞬きをすると、ネコが近付いてきやすいという実験結果が発表されました。"ゆっくりとした瞬き"が種の垣根を超えるコミュニケーションの一種なのか調べるために、イギリスの研究チームは2つの実験を行いました。まず初めに、チームはイギリスの14の家庭で暮らしている21匹のネコを研究しました。飼い主にはネコから約0.9メートル離れたところに座ってもらい、飼いネコに向かってゆっくりと瞬き(1回あたり0.5秒以上)をしてもらったところ、ネコは全く瞬きをしない飼い主に比べて、自分に向かって瞬きをした飼い主にゆっくり瞬きを返す確率が高いことが分かったそうです。2つ目の実験では、研究チームは8つの家庭で暮らしている18匹のネコを研究しました。この実験では、ネコの飼い主ではなく、研究者(ネコにとっては見ず知らずの人間)がネコ向かって瞬きをし、ゆっくりと手を伸ばしました。その結果、ネコに向かって特に何もせず手を伸ばした研究者に比べて、ゆっくり瞬きをしてから手を伸ばした研究者にネコが近付いてきやすいことが分かったそうです。ゆっくりと瞬きをした研究者には、ネコもゆっくりと瞬きをし返すことも分かったそうです。報じられている範囲では、どの程度の違いがあったのかまではわかりませんが、ネコの下僕としては、気になる情報です。
2020.10.19
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太宰府市内の麓にある池2カ所から、5月中・下旬頃、オタマジャクシからカエルになったヒキガエル、1万~10万匹が、宝満山(829メートル)の林道の側溝や登山道の石段をよじ登り、山頂に向かうそうです。高低差約600メートル、2.5キロほどを歩き、100~1000匹が6月下旬~7月初旬頃、山頂に到達するそうです。数年後には再び麓の池に戻って繁殖行動をするとみられています。この池では、2010~2011年に、カエルが産卵し、大量のオタマジャクシが孵化することが発見されていました。ヒキガエルの「登山」の様子が確認されたのは、2016年です。宝満山以外でヒキガエルが山頂を目指す状況は確認されておらず、その理由は不明だそうです。この山を登るヒキガエルは、太宰府市の市民遺産になったそうです。
2020.10.18
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スーパーコンピューター「富岳」を使った新型コロナ感染リスクの検証で、飲食店で隣同士に座って会話した場合は正面で会話するよりも5倍の飛沫を浴びることが分かったそうです。富岳が4人が飲食店で1分程度話をした場合を計算した飛沫の広がり方をみると、感染者が横に座っていて話をした場合は、正面に座った場合の5倍の飛沫を受けることが分かったそうです。食事は、正面に座らず、横並びで、と言われていましたが、そうとも言えないようです。さらに、飛沫そのものも湿度が低ければ低いほど、下に落ちずに空中に漂う量が急激に増えることが分かりました。湿度30%の場合は、60%の場合の2倍以上の飛沫が1.8メートル先まで到達したということです。また、コンサートホールなどで、合唱をする場合は飛沫は直進するため前方の人ほどリスクが高まるほか、合唱で生まれた気流によって飛沫がより遠くまで届くということです。
2020.10.17
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佐賀大学医学部附属病院と佐賀市のサガシキが、紙製の使い捨てフェイスシールドを共同開発しました。新型コロナウイルスの感染拡大で世界的に防護具の需要が高まる中、安価で量産が可能な製品と、期待されています。商品名は「ハコデフェイスシールド」で、フレーム部分は防水紙、シールド部分はプラスチックで構成しています。保管時は平たくかさばらず軽量で、使用する時はミシン目に沿って切り離し、折り紙のように手軽に組み立てられるとしています。特殊な素材を用いないため大量生産ができ、1枚当たり148円と、プラスチック製の類似品より安価に抑えたそうです。佐賀大学医学部附属病院ではすでに、検体採取や内視鏡検査などの場面で活用しているそうです。
2020.10.16
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米製薬大手イーライリリーは、新型コロナウイルス感染症(COVID19)抗体治療薬の臨床試験で被験者の登録を停止したことを明らかにしました。安全性への懸念が理由としています。イーライリリーは、米政府の支援を受けて進めている臨床試験は、独立したデータ安全性監視委員会(DSMB)から停止の勧告を受けたと述べています。データ委員会が停止を勧告した理由について詳しい情報は明らかにしていません。
2020.10.15
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ロシアのカムチャツカ地方で先月発覚した海洋生物大量死の原因についてロシア科学アカデミーは、人為的な環境汚染ではなく、藻が作る毒素だとこれまでの調査で分かったと明らかにしました。先月、地元のサーファーらが目の痛みを訴え、海水の色が変わり、異臭を放っていたと報告がありました。アザラシやタコ、ウニなどの海洋生物の死骸が大量に打ち上げられているのも見つかっています。科学者らは、最悪の場合で、この海域の海底に生息する生物の95%が死んだと主張していました。環境保護活動家らは、汚染の原因は旧ソ連時代の有害物質貯蔵地からの流出の可能性があると懸念を示していました。しかし、ロシア科学アカデミーは、「大規模な現象が起きているのは確かだが、カムチャツカでは珍しくない有害な藻の発生だ」と語っています。海水のサンプルから、「無脊椎動物に影響する毒素」を作る「(微小藻類の)ギムノディニウムだけ濃度が高いことが分かった」としています。
2020.10.14
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2年連続で全層循環が起きなかったびわ湖で異変が起きているようです。北湖の深い部分で酸欠状態が広がっていることがわかりました。滋賀県は先月30日と今月6日、北湖の水深90メートルの地点で酸素濃度の調査を行ないました。その結果、30日には7地点中5地点で、6日には5地点中2地点で、酸素がほとんど無く測定値の下限となる1リットル中、0.5mgの濃度が記録されました。過去に観測されたことが無い状況だそうです。水中生物の生存基準は1リットル中、2mg以上とされていて、観測地点では湖底に住むイサザやヨコエビの死がいが確認されています。県はイサザ漁やこれらをエサとするビワマス漁など、漁業への影響は現時点では限定的としながらも、今後、酸欠の範囲が広がる可能性も視野に、調査研究を進めるとしています。
2020.10.13
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探査機「はやぶさ2」が観測した小惑星リュウグウは、母体となる天体に数億年前、タイプの異なる小惑星が衝突して現在の形になった可能性が高いことを、JAXA(宇宙航空研究開発機構)や東京大などの研究チームが突き止めました。小惑星は、炭素が多いため黒っぽく見える「C型」と、ケイ素が多い岩石質の「S型」などがあります。リュウグウはC型で地表を黒い岩が覆っていますが、はやぶさ2の観測で、白っぽく明るい色の岩石が点在していることが分かったそうです。この岩石21個について、色を分析して成分を調べたところ、6個がS型の特徴を持つことが判明しました。チームは数億年前にC型の母天体にS型の小惑星が衝突し、その際の破片が集まって現在のリュウグウができたと考えられると結論づけました。はやぶさ2は12月6日、リュウグウで採取した砂が入ったとみられるカプセルを、地球上空からオーストラリア南部の砂漠に着地させます。
2020.10.12
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米ユタ州とウィスコンシン州の毛皮農場で新型コロナウイルスの集団感染が発生し、計約1万匹のミンクが死んだことが分かったそうです。人間からミンクに感染が広がったものとみられています。ミンクは滑らかで高級感のある毛皮で知られていますが、ユタ州の農場では、少なくとも8000匹が新型コロナ感染症のため死んだそうです。ユタ州の獣医師によると、ミンクの間で最初に新型コロナウイルスが現れたのは8月で、初期調査では人間からミンクに感染したことが示されており、今のところミンクから人間への感染例は確認されていないとしています。獣医師は、「あらゆる調査で人間からミンクに感染したことが示されている」「一方向的な感染だったと思われる」とした上で、検査は依然継続中だと付け加えています。米国内でミンクの集団感染が起きたのはユタ州が初めてです。またウィスコンシン州当局の報道官は、同州の農場でもミンク2000匹が新型コロナのため死んだと明らかにしました。当局は現場の農場を隔離し、家畜や畜産物が敷地の外に出ないようにしたそうです。この農場では新型コロナに感染した労働者3人が「軽度から中程度の症状」を示したものの、回復を遂げていました。米農務省によると、ミンクが新型コロナに感染した例はオランダやスペイン、デンマークでも確認されいるそうです。ミンクはイタチやカワウソ、フェレットの近縁種で、新型コロナに感染すると人間と同様の症状が出るとみられています。通常の症状としては呼吸困難や目やにが挙げられるが、ウイルスの進行が早く、大半のミンクは発症翌日に死ぬとしています。
2020.10.11
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ラムサール条約に登録されている愛知県豊田市の矢並湿地の一般公開が、8日から始まりました。矢並湿地は2012年にラムサール条約に登録された東海丘陵湧水湿地群の一つです。湿地では、絶滅危惧種で東海地方固有のミカワシオガマやシラタマホシクサなども観察することができます。矢並湿地の一般公開は11日まで行われるそうです。
2020.10.10
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電池技術関連の特許出願数で、日本が世界の3分の1を占めるトップだとする調査結果を、欧州特許庁(EPO)と国際エネルギー機関(IEA)が共同発表しました。出願数上位企業10社のうち7社が日本を拠点とする企業だったほか、リチウムイオン電池関連の特許発明者数で日本が4割に上ったそうです。電池技術に関する世界の特許出願数は、2005~2018年に年平均14パーセント増加し、全技術平均の約4倍を記録しました。2018年には7000件超となり2000年の約7倍に達しました。2018年は日本が2339件で世界の3分の1を占めトップでした。調査は「電池の革新において、日本は00年代に既に世界をリードしていたが、過去10年間で各国との差がさらに拡大した」としています。企業別では2000~2018年の出願数トップ10社のうち7社が日本を拠点とする企業で、2位のパナソニック(4046件)のほかトヨタ自動車、日立製作所、ソニー、NEC、日産自動車、東芝が入っています。電池セル関連では、リチウムイオン電池が2018年の出願の45パーセントを占めました。リチウムイオン電池の出願に関わる発明者は、2014~2018年に日本が41パーセントとなり、調査は「日本は支配的な勢力」としています。次世代リチウムイオン電池では、電解液を燃えにくい固体に改めた全固体電池が有望視され、各国が開発を競っています。こうした中、日本は2014~2018年に全固体電池の出願数の54パーセントを占めました。
2020.10.09
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米スペースX社は、日本時間10月7日、スターリンク衛星13回目の打ち上げを行いました。スターリンク衛星60基はファルコン9ロケットに搭載され、ケネディー宇宙センター39A発射台から打ち上げられました。約9分後、ファルコン9ロケット一段目は、大西洋上に待機していたドローン船「Of Corse I still Love You」に着陸。そして、打ち上げから約1時間後スターリンク衛星の分離を確認し、無事成功しました。今回のファルコン9ロケットの打ち上げは通算94回目です。また、一段目の再回収は61回目となります。この打ち上げで使用された機体は、今回が3回目の飛行となりました。1回目の使用は、5月にNASAの飛行士を乗せた「Crew Dragon(クルー・ドラゴン) 試験2号機」の打ち上げです。2回目は、8月に韓国の軍事衛星の打ち上げに使われました。なお、スペースX社はフェアリングの回収と再利用も進めており、今回の打ち上げでも回収に成功しました。スターリンク衛星は、スペースX社が進める全地球規模のネットワーク整備を目指す衛星コンステレーション計画です。最終的に約1万2000基の超小型人工衛星を地球低軌道に配置します。この計画の目的は、民家から遠く離れた地域など従来の通信環境があまり良くない地域にもインターネットを普及させることです。しかしながら、近年世界中の天文学者が「天体観測の妨げになる」とスターリンク衛星の「光害」問題に頭を悩ませています。衛星は、太陽光を反射するとその光が地上に届き、肉眼で見ることができます。その様子は、スターリンク衛星が一列になって飛行することから「スターリンク・トレイン」と呼ばれます。このような問題を解決するためにスペースX社は太陽光の反射を防ぐためのサンシェールド(日除け)を衛星につけるなど改良を重ねています。
2020.10.08
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スウェーデンの王立科学アカデミーは、2020年のノーベル物理学賞を、ブラックホールの研究に大きな貢献をした欧米の3人の研究者に授与すると発表しました。日本人の授賞者はありませんでした。賞金の計1000万スウェーデン・クローナ(約1億1900万円)が3氏に贈られます。授賞式は新型コロナウイルス感染症の流行を考慮し、オンラインで12月10日に開かれ、受賞者は居住国でメダルと賞状を受け取ります。
2020.10.07
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アメリカの「アンタレス」ロケットが現地時間10月2日、NASAのワロップス飛行施設から打ち上げられました。ロケットには「シグナス補給船」運用14号機が搭載されており、ISS(国際宇宙ステーション)に物資や科学機器を輸送します。打ち上げは現地時間9月29日に予定されていましたが、天候や地上系システムのトラブルにより延期されていました。シグナス補給船には宇宙飛行士の生活物資だけではなく、多くの科学機器や実験機器などが搭載されています。中でも注目が集まっている搭載品は2つあります。NASAは長期の有人飛行ミッションで使用される新たなトイレを開発しました。このトイレは、現在使用されているトイレに比べて65%小さく、40%軽く設計されました。また、10月31日に打ち上げが予定されている日本の野口聡一宇宙飛行士もISSで使用する予定です。新型トイレは、今後計画されている月やさらに遠い火星への飛行に向けて開発が進められました。NASAは2024年までに再び人類を月面着陸させる「アルテミス計画」に向けた準備を進めています。この計画では男性だけでなく、史上初めての女性の月面着陸を行う予定です。そのためトイレは女性にとっても使用しやすいデザインとなりました。今回ISSで使用された後、アルテミス計画で運用される「オリオン宇宙船」に設置される見込みです。もう一つは、化粧品メーカー「エスティーローダー」の美容液製品「アドバンストナイトリペア」です。NASAによると、地球を背景にして製品の写真を撮影します。ISSにある地球を展望できるユニット「キューボラ」で行われ、写真は製品の宣伝に利用されるとのことです。この他にも、がんの治療に関する研究装置や宇宙での植物栽培装置、VRカメラなど多様な研究分野の機器が搭載されています。
2020.10.06
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「そよ風」で発電冬場の静電気は困りものですが、この静電気の仕組みを利用することで、そよ風でも発電できる技術の研究が進んでいすそうです。通常、風力発電は超巨大な風車を必要とするので、建設に莫大な費用がかかります。また、効率よく風からエネルギーを作りだすために、風車の羽のデザインも研究され続けています。つまり発電するにはそれ相当の風の力が必要とされていました。中国科学院北京ナノエネルギーナノシステム研究所が開発したB-TENGは、摩擦電気を利用した超小型発電機です。摩擦電気は、擦り合うことでビリっとなるまさに静電気です。通常の風力タービンの代わりにB-TENGが使うのは、薄いプラスチックフィルム2枚で、このフィルムが、風に吹かれてそよーっと揺れてぶつかり離れ、こすりあうことで発電するという仕組みです。最低でも風速が時速5.79キロあれば発電可能ですが、ベストは時速14.3キロから28.8キロだそうです。ただし、B-TENGの発電効率はたったの3.23%で、ベスト風速状況下でも、100個のLEDライトを一瞬チカチカっと点灯させることに成功しただけだそうです。現実で使えるようになるには、まだまだ研究・改善が必要なようです。
2020.10.05
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今や多くの科学者が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する最も効果的な防護具だとみなしているマスクに、さらに別の利点がある可能性が出てきました。マスク着用によって、害を及ぼさない程度の少量のウイルスにさらされ、免疫反応が誘発されるとの報告があります。未証明のこの仮説は、マスク着用がワクチンを待つ人々に免疫を与える助けとなる可能性を示唆しています。最新の研究論文によると、マスク着用によって新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)への感染を完全に防げるわけではないが、吸入するウイルス量を減らせる可能性があるとしています。今回の研究では、体内に入るウイルス量(接種量)が多いほど症状が重くなるという仮説の上で、マスクを着用すると吸入するウイルス量が減り、不顕性(無症状)感染率が上昇すると考えらています。今回の仮説は天然痘に対する「人痘接種法」を思い起こさせます。人痘接種法は、天然痘ワクチンが登場するまで用いられていた初歩的な予防接種で、人工的に軽度の感染を起こさせ、より症状が重篤化しないよう免疫を与えようとしたものです。今回の論文では人痘接種法と同じく、少量のウイルスにさらされることで免疫が高まると発想していますが、これに疑念を抱く専門家もいるようです。
2020.10.04
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アメリカとイギリスの研究チームは、プラスチックをこれまでより最大で6倍の速さで分解できる酵素を作製することに成功したと発表しました。今回の研究のベースになったのは、2016年に日本の研究チームが報告した発見です。ペットボトルなどの素材として広く使われているプラスチックであるPET(ペット)=ポリエチレンテレフタラートは、自然界では分解しないと考えられてきましたが、京都工芸繊維大など日本の研究者らは、PETを食べて、数日で分解する細菌を発見しました。大阪府堺市内のペットボトル処理工場で発見したことから、研究者らは、その細菌を「イデオネラ・サカイエンシス」と名付けました。今回、米英の研究チームは、サカイエンシスから見つかったPET(ペット)を二段階で分解する2つの酵素を人工的に結合し、“スーパー酵素"を作製しました。これを用いると、従来に比べて最大6倍の速さでPET(ペット)を分解することが確認されたということです。プラスチックゴミは環境汚染の大きな原因となっていますが、こうした成果は、プラスチックのリサイクルをより低コスト・低エネルギーで実現することにつながると期待されています。
2020.10.03
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乳幼児の胃腸炎の原因となるロタウイルスのワクチンが10月1日から定期接種に加わり、原則無料となります。下痢症になるリスクが低下し、重症化して入院する子どもを減らす効果が期待されています。ロタウイルスは毎年冬の終わりから春にかけて流行します。感染力が強く、5歳までにほぼすべての子どもがロタウイルスにかかるとされています。乳幼児で下痢を起こし脱水症状がひどくなると点滴や入院が必要となります。対象は今年8月1日以降に生まれた子どもです。ワクチンは口からのむタイプで、0歳児のうちに計2~3回接種します。メーカーは2社あり、これまでは任意接種で約3万円かかっていました。子育て支援策で費用の全額や一部を助成する自治体が徐々に増えてきていました。一方、接種後ごくまれに小腸が大腸に入り込んで腸閉塞を起こす「腸重積」になる例もあるとされています。
2020.10.02
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楽天メディカルジャパンは、特殊な光を当ててピンポイントでがん細胞をたたく「がん光免疫療法」の新薬について、厚生労働省から製造販売承認を取得したと発表しました。臨床試験に参加した専門家によると、治療効果が高く、正常な組織にはほとんど影響がないとしています。この療法は、米国立衛生研究所の研究メンバーが開発したもので、薬剤を点滴で投与し、翌日特殊な光を当てます。革新的な治療法として期待され、厚労省は11月にも保険適用を決め、薬価を定めるとしています。今回の新薬は、特定の波長の光(近赤外線)を受けた時だけ強いエネルギーを発する物質を、既存の抗体薬と組み合わせたものです。爆弾を載せたミサイルのようで、光を当てるまでは「爆破スイッチ」が押されない仕組みだとしており、光を照射しても正常細胞はほとんど影響を受けないとしています。
2020.10.01
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