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想像力が未来を切り拓く

想像力が未来を切り拓く

2005/10/20
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<誰だってタラレバを云いたくなる>
実際にあった話ですが、最初の「あそこで」とは2003年の春のことです。日本はデフレの真っ只中、イラク戦争が始まり日経平均が8千円割れの最安値を付けにゆく場面です。この時期株を買うのは狂気の沙汰、何故株の購入を勧めるのかとこの投資家に激しく反発されたことを覚えています。とりわけ、購入する株の中に日本株がかなりのウェイトで入っていたことがその投資家の神経を相当逆撫でしたようでした。

雇用・設備・債務と「3つの過剰」を抱えた企業は収益構造を再構築するのに呻吟し、需給面でも持合解消や代行返上からの売却で上値が重いことが指摘されていました。また少子高齢化が進み人口減少社会となる日本の未来は暗いので日本株は上がるはずがないという悲観論が強い頃でした。

結局その投資家は株全体のウェイトも日本株のウェイトも引下げ外国債券にウェイトをかけて投資することになりました。

次の「あの時」は2004年の春のことです。本格的なリストラの進捗を受けて企業業績は明るさを取り戻しつつあった頃でしたが、景気は輸出主導で依然米国頼みであり、とても自律的な回復過程に入るのは程遠いので長続きするのは難しいと弱気の見通しが一般的でした。1万2千円を回復した日本株はバブルであり、また反落するに違いないという見方もありました。

居てもいても立ってもいられなくなった顧客が今すぐ利食いたいと騒ぎだしたので、売却後はどうするつもりか訊いたところ、下がったところで再度買うという返事でした。次に買うタイミングはずっと難しいかもしれませんよというアドバイスも聞かず投資家は直ちに売却の電話を入れていました。売却後は下落局面を待っていたのでしょうが、さしたる調整もないまま、あれよあれよという間に上昇していく相場に結局乗れず仕舞いでした。

最近久しぶりにこの客に会ったときの会話が冒頭のものです。損を出した訳ではないので雰囲気は険悪なものではありませんが、やはり物足りなさを感じているフシがありありと見受けられました。

<欲をかけば落とし穴も増える>
欲が深くなれば、ベストの売買タイミングを求めて右往左往することになります。残念ながら将来を読めない人間は、一時的に 「当たる」 ことはあっても 「当て続ける」 ことはできず必ず失敗することになります。ベストを求めることは困難と割り切り、失敗も一時的な軽症に止め決して致命傷とならないよう策を講ずることが肝心です。筆者が長期分散投資を勧めるのはその趣旨です。ベストのリターンはあげられませんが、最悪のケースを避けることができる投資手法なので致命的な失敗を犯すことはありません。一方、個別銘柄での短期売買は当たれば大きいかもしれませんが、外れた時のダメージが大きい傾向があります。

留意して欲しい点は、リターンに対し私たちの投資の取組み方は対称ではないということです。云うまでもなく、上(プラスのリターン)は際限がありませんが、下(マイナスのリターン)は元手を失えばそれでゲームセットです。際限もなく上を狙えば、その分元本を大きく毀損するようなリスクを取らざるを得ません。全部を失わないまでも深手を負えばまともな精神状態でいられず、他人に八つ当たりしたり自棄に陥ったりして、投資を継続する気力をなくしてしまいます。

ギャンブルであれ投資であれ確率の世界に入るときに重要なことは、仮に「よもや」「まさかそんな」と思われる事態が起きても致命傷を負わない備えです。その意味では、上記の長期分散という投資スタイルに加え、自分の 体内に潜む「欲」をコントロールする ことが肝心です。
とりわけ相場の上昇が続き、周囲が強気の意見で支配的になってくると誰でも買いたくなります。ついさっきまで慎重居士だった人が別人かと思うくらいに大胆(=強欲)に変身します。しかし当人はその変身に気がつきません。いつでも自分は一貫して慎ましやかな投資家だと信じ込んでいます。ささやかな夢で買っているのだと。

バブル期に買った人、理解不能のデリバティブ商品に手を出した人の中にはそんな投資家が多く、大損となった時点での発言は決まって「そんな大儲けを狙った訳ではない。少しでも儲かれば満足だったのに」と云います。しかし、第三者からみれば「所詮欲の皮が突っ張っていただけだろうに。相場や人の所為にするなよな」となります。


<自分を映す鏡のような存在が必要>


つまり自分の投資プランを理解した上で、投資方法を相談・指導してくれ、市場の荒波の中で動揺する自分に対し客観的な観点からコメントしてくれる人を見つけておくことです。時に自分の意に沿わず心穏やかでないかもしれませんが、古来良薬は口に苦いもの、自分の大切な資金を守るため心して耳を傾けることをお勧めします。

致命傷を避け長期的に果実を得るには、確度の高い堅実な投資手法を守ることと、欲におぼれないため冷静なナビゲーター(相談相手)を置くことが有効だと思います。







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最終更新日  2005/10/20 08:41:41 AM
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