全13件 (13件中 1-13件目)
1
![]()
毒殺されかけた海斗の療養のため、一時パストラーナの城へ―。片時も傍を離れないビセンテと一緒に、スペイン宮廷を後にした海斗。ところがその城で、ジプシーに変装して、旅の一座に潜り込んだジェフリーとナイジェルの姿を発見!!二重間諜のラウルの手引きで、ついに感動の再会を果たすが…!?陸に上がった海賊達の、反撃の火蓋が切って落とされる―息もつかせぬ奪還編。本当に発売されるんだろうかと手元に届くまで疑っていましたが、無事発売されましたねぇ。まずは一安心し、恒例の挿絵チェックをしました。・・・・んがっ、高まっていた気持ちが一気に萎んでしまいました。第2の楽しみである雪舟さんの挿絵が見当たりません。; ̄ロ ̄)!!もしかして、販売が延期になったのはこの為だったんだろうかとふと思ったり。扉絵も表紙イラストと同じなので、ガッカリ度合いは大ですが、まぁ、延期が続くよりはマシだなと気を取り直し、読みました。お話のほうはほんの少し進んだだけですが、すごく面白かったです。ようやくカイト奪還のための計画も動き出し、ジェフリーは再会を(一瞬ですが)果たしますが、カイトの体調が何やらヤバ気で暗雲立ち込めるラストです。罠にかかったビセンテの生死も気になるし、次巻はさくっと出来るだけ早く出て欲しい~っと強く願っております。
2008年03月31日
コメント(2)
![]()
美しい犬美しい男は、それだけで価値がある―己の美しさに自信を持つ、極道の二代目で実業家の紫朗は、新事業のドッグレース開催に取り組んでいた。そのビジネスパートナーは冴えない田舎ヤクザの勇馬。しかし彼の本性はフェロモン溢れる傲慢男で、自宅に連れ込まれた紫朗は手錠足枷で拘束され犯されてしまう。犬をこよなく愛する勇馬は、綺麗なアフガンハウンドのような紫朗に一目惚れし、飼いたいと言うのだ。だが、おとなしく躾けられるような紫朗ではなく…。ドッグレースの話と聞いていて、一体どんなお話になるんだろうと期待度大だったんですが・・・・う~ん、、、微妙な仕上がり具合でした。確かにドッグレースを日本で開催しようとするお話ではありますが、要はヤクザもの。女の子が欲しかった母親に名前を菫(スミレ)と名付けられたことから名前にコンプレックスを持っている極道の息子が、周囲に自分を認めさせるため任された新事業、日本でドッグレースを開催しようと奔走するお話です。そこに東に勢力を拡げようとしていた西の曽根崎組が名乗りをあげ、共同で準備をはじめることになった勇馬と菫だったが、菫が関係書類にも目を通さない怠け者であったので、勇馬は躾けと称して自宅へ監禁し、ドッグレースの基礎を覚えこませる一方、菫の親との裏取引で菫が売られたことをバラしたうえで無理やり抱く。その後関連会社との接待のためマカオに飛んだ菫たちは、勇馬のおかげもあって支障なく予定をこなしていたが、ある夜勇馬が離れた時に菫が数人の男達によってさらわれてしまう。菫を拉致したのは日本でのドッグレース開催に反対するマカオのギャング一派で、法外な金を振り込むか新事業撤退かどちらかを選べば助けてやると、菫の組へ連絡していたが当然金は振り込まれず、見世物として薬を打たれた闘犬と同じ檻に放り込まれて、、、と、お話が続いていきます。極道の息子としては、菫のキャラは一風変わっていて面白みはあります。極道の道を歩ませたくないとヤクザからは距離をおくようにしていた母親の思惑からはずれ、抵抗なく極道入りした後は、夜の女たちとちゃらちゃら遊んでるようでいて、次にくる流行を読み年商数十億をたたき出すモトを思いついたり(実際のブレーンは彼の秘書ですが)、任侠道や浪花節の世界へは踏み込まず、世の中を上手に渡って気楽に生きています。西との抗争回避のため売られた形になったわけですが、心に痛手も受けず勇馬に対しても快感を与えてくれたのでまぁいいかと思える柔軟さはすごい。なのに、ストーリーとして微妙だと思ってしまうのは、たぶん、菫と勇馬との恋のほうに重点が置かれていないように感じるからで、勇馬の菫への態度もいまいち甘くないというか。代価として差し出させたほどの執着を感じないというか。兎にも角にも『攻が受にベタボレ』という形が大好物なので、好みの問題なのかもしれません。
2008年03月19日
コメント(2)
![]()
タリオ神父の服を身にまとう桜庭那臣は、ルキヤと龍星の暗殺の仕事を管理している。そんな彼に組織内No.2で好敵手の鷹司貴誉彦は執着していた。淫らな恋の駆け引きに心と身体を溶かされた桜庭は、鷹司と恋人同士となる。その後、鷹司の仕事を手伝うことになった桜庭。そんな彼の前に、夜刀と使徒のダンテが現れる。知らぬ間に闇の領域に踏み込んでしまった桜庭だが―。『背徳の聖者たち』から『homme fatal 運命の男』、『トライアングル』と続く4作目となります。「目には目を」という同害報復を代行して行う秘密結社タリオの幹部桜庭を主人公としたお話で、時代的には近未来の設定です。今回扱ってる事件は、双子の妹と婚約者を3人の暴走族に惨殺された事件なんですが、なかなか仕返しシーンに物語が進まず、70ページ辺りまで2カップルの淫靡な世界が繰り広げられていて、とりわけ主人公桜庭は凄い。愛する鷹司が出張で傍にいないからって、携帯画面に向かって一人Hを繰り広げて悶えるとは、さすがのあたしもタジタジです。ようやく報復のためターゲットの一人である双子の姉への仕掛けが始まり、鷹司と桜庭両チームが動き出しますが、合間を縫うように今度は鷹司の使徒ドールが桜庭の下半身に奉仕しております。桜庭は鷹司と愛し合ってるんですが、ドール(鷹司の使徒)と3人で楽しんだこともあり、嫉妬の権化のような鷹司も自身のクローンであるドールには妬かないようです。なんだか不思議。姉へのひっかけが終わった後は、3人の加害者への報復処置のシーンに移り、タリオのメンバー達は右腕を引き千切られた婚約者と輪カンされその部分に河原の石をたくさん詰め込まれた妹が投石によって殺害されたのと同じ状態に3人を仕上げ、殺害していきます。直接手を汚すのはドールやルキアたち使徒で、ナニに火箸を差し込んで縦割りするだとか、腕は棒状のもので捩じ切るだとか訓練された彼らは淡々と処置していき、最後は殺害現場から採取してきた石を逃げる加害者へ死ぬまで投石。描写が細かく、エグすぎてドンビキです。。。。濡れ場は多いし仕事は気持ち悪いしで、このシリーズを続けて読むのはもう無理かな~と思い始めたころ、新しい展開として、タリオのほかに代行報復する秘密結社の存在が疑われる事件が同時期に数件おこり、鷹司たち幹部の招集がかかって続きが気になるラストになっています。過去を未だに引きずっている桜庭にからむ新キャラ夜刃とダンテがどう動くのかも興味がありますし、やっぱり次も読むぞと思い直したのでした。
2008年03月18日
コメント(2)
![]()
ウミノツキ本当のおまえが知りたい。その夜明けのような瞳が、何を見つめているのかを―。玄界灘で行われることになった復元船による航海実験。水軍の末裔として、プロジェクトに加わった大学生の海士は、そこで出会ったタイからの留学生アレンに惹かれる。カラダから始まった二人の関係に、海士は夢中になっていった。だが改めて好きだと伝えた時、アレンに拒絶されてしまい…?青春マリンブルー・ロマンス。いつきさんのお話が気になり始め3冊ほど未読本を抱えておりますが、佐々木久美子さんのイラストということで新刊を購入、急いで読了いたしました。丁寧なストーリーを書かれる方だったのですねぇ~。新しい世界を見つけたような、新鮮味を感じました。舞台となるのは玄界灘・・・・ってどこだ?と、判らないまま読み進んだのは大失敗。お話は昔の伝承を立証するプロジェクトのため舟を復元し、玄界灘から壱岐島、対馬を経て大陸へ渡っていく航海を背景に、地元名士の次男である海士と漕ぎ手の一員であるアレンの出逢いから心の繋がりが出来上がっていくまでになっています。女性と勘違いしてアレンに一目ぼれして参加するつもりがなかった航海に突然参加してもいいと言い出したり、アレンと関係ができるとPCでいろいろ勉強したり。等身大な行動がそれぞれに楽しい。中盤では最初は積極的だったアレンが突然海士を避けだし、問い質そうとした海士を拒絶するなどの波乱があり、航海のほうも学生達だけで予定をこっそり変更し、夜半闇の広がる海へ漕ぎ出さないとならなくなるような事態が発生。深刻なムードとなってきます。本編の他にショート『みおつくし』と『アオスワイ』が入っています。『アオスワイ』では、遠距離恋愛でなかなか一緒の時間がつくれない事に痺れをきらした海士が、一時帰国するアレンに同行し、タイのアレンの家へ訪問するお話になっています。家族愛に溢れていて暖かく、やっと二人きりになれた時間がとっても甘い、いいお話でした。
2008年03月17日
コメント(2)
![]()
「おれの色気は、発情期限定だよ」真南大学の学生・一之瀬大河はある海洋遺跡の現地調査のため、沖縄を訪れた。そこで出逢ったのは海洋博工事の中心的存在で、無骨だが男気にあふれる司馬北斗、北斗の親友であり中央のエリート官僚・堂島忠相だった。遺跡の保存と工事を巡り対立する大河と北斗。強く反発すると同時に惹かれあうふたりだが…!?南の島を舞台に、恋と仕事と男の意地をかけたホット・ロマンスついに誕生。働く男たちの熱血ドラマ風なお話です。それぞれの事情を背景に思惑や信念は違えども、結果を手に入れようとガツガツ働いています(^^;; 全体の雰囲気がそっちに向かっておりますので、甘味は控え目なのがたけうちさんの作風なんでしょうか。舞台は沖縄の自然溢れるとある離島。ここに海底トンネルをメインにした海洋博物館が建てられようとしていた。事前調査でトンネルが通る海底付近に遺跡が埋没していることがわかり、遺跡調査のため大学院生である一之瀬が派遣される。一之瀬は調査のため工事休止、場合によっては工事中断もあり得るとトンネル工事の監督達へ説明するが、国土交通省から何の指示も受けていなかった司馬と激しい口論となる。海洋博建設には司馬の友人である官僚の堂島が絡んでおり、堂島は次の選挙のため、どうしてもこの事業を成功させなければならないと考えていた。海底トンネルは博覧会のメインとなるため工事の遅れは許されないことで、各方面へあらゆる汚い手を使って遺跡調査をつぶそうと動いていた。現場ではそんな堂島の部下である工作員が一人送り込まれ、一之瀬は決められた期限の中、妨害をうけつつもなんとか調査を続けようとするが、大学から遅れてやってきた教授は離島での生活に耐え切れず、堂島の意向もあって数日で沖縄を離れてしまったり、工作員によって潜水具や舟を流されたりして徐々に追い込まれていく。その頃、トンネル内で出水するトラブルが発生し、工事を続けるためには固定強化するしかなく、遺跡温存のためその詳細が必要となった司馬たちは、堂島の意思に反し調査に協力したいと一之瀬に提案し、司馬は土嚢を積み上げるためトンネルへ向かう。トンネルでは出水が続き司馬たち作業員は撤収を始めるが、逃げ送れた作業員の救助へ司馬が向かった後、さらに多量の水が出水してきて・・・というお話。もの凄くしっかりした、ちょっと固めのお話でした。トンネル工事に官僚が絡んでるので文化庁だとか国土交通省だとかの文字が出てきて、読み始めは拒否反応を感じてのろのろと読んでたんですが、だんだんとはまっていって、終盤の出水トラブルではかぶりつきでした(*^^*ゞトンネル監督の司馬と官僚堂島は対照的で、二人が友人でいられたのはひとえに司馬の懐の深さゆえだというのが、二人の過去話で明らかになっていて、堂島の極悪人ぶりが浮き彫りに。年齢設定が若すぎるのは若干ひっかかり、なんとなく30過ぎあたりが妥当だったんじゃないかなぁと思ったりしました。エロは少ないので、ストーリー重視の方向けの、大変面白いお話でした。◎
2008年03月13日
コメント(2)
![]()
2007年9月発売文庫死者の声はささやく死者の体に触れる時、その最期の言葉が聞こえる―。特殊な能力を秘め、監察医になった修吾。誰にも理解されることなく、孤独に死者の代弁を続けていた修吾だが、ある事件現場で一匹狼の刑事・垣内と出会う。険しい目つきに無精髭、野性味溢れる垣内は、初対面からなぜか修吾の能力を信じ、殺人事件への捜査協力を要請してきて…!?自分の想いだけが言葉にできない―ミステリアスLOVE。刑事と監察医のカプで、監察医の修吾は不思議な力(被害者が死ぬ間際の強い思念を感じることが出来る)を持っているという異色の設定で、2時間サスペンス風の仕上がりになっています。修吾のその力は祖母の死の際から現れだし、修吾は祖母の希望に沿い進学した後、力を役に立てようと監察医となりましたが、何の証拠もなくただ『被害者の声が聞こえた』と言うだけでは誰も信じてくれようはずもなく、死者の無念を知りながらも役に立てないでいました。一方、単独捜査は当たり前の一匹狼的な刑事黒川は実家がお寺で、そういった超常現象的な事柄でもすんなり受け止められる生い立ちで、何より刑事のカンも鋭く、検挙率も群を抜く優秀なデカです。そんな二人が自殺と決められそうだった一つの事件にそれぞれが不審を抱き、現場へ足を運んだ折に出逢ったことから、事件は殺人事件として翌日には犯人確保へと導いています。この事件後から黒川は修吾の意見を聞きに来るようになり、黒川が追っている殺人事件の通報者が消えてしまったという難事件へと挑んでいくというお話です。消えた通報者の行動範囲を捜査中、僅かな可能性を求めて立ち寄った公園で突然頭の中に響いた女性の恐怖の声に修吾は恐慌状態に陥り、暴れる修吾に理性を取り戻させようとした黒川にキスをされます。・・・なぜキス?(^^;; と思わないでもありませんでしたが、映画なんかではこういうシーンはよく観ます。もちろん、男女間ですが。この口付けから修吾の気持ちが黒川へどんどん傾き始めるのと同じ速さで、事件も解決へ流れていくわけですが、黒川も修吾を大切に思い、普段殆ど交流のない実家の寺へわざわざ連絡を入れて、預けに帰ったりしています。ここで登場する黒川の実父はお坊さんであるのに結婚歴も数回あるようで、『人生には出逢いが多い』などと平然と言い放ち、見た目も若く一見すると黒川の兄のようだという。奔放に生きているようでも、観察眼はするどく極々さり気なく修吾の背中を押しているあたりは流石です。肝心の事件は通報者の通勤途中にある店を、黒川の役に立ちたいと修吾が独断で調べているときに犯人に襲われ、駆けつけた黒川に確保され解決しています。修吾がものすご~くマジメで控え目な性格だったためか、甘味の少ないお話でもうちょっとベタッとくっついてくれてもいいのにと思ってしまいましたが、イラストの黒川は強烈な迫力ある吊り目のヒゲ男で、扉絵もBLとは思えないイラストでうっとりです。裏のカラーはいつものエロですが・・・(^^;;
2008年03月11日
コメント(2)
絶対服従の掟 / 愁堂 れな華やかな美貌を誇るホストクラブのオーナー・麗。金も名声もありセックスの相手にも不自由しない麗だったが、本当は過去の恋に囚われ縛られ続けていた。そんな麗の前に、当の相手・貴志が突如現れる。だが、それは妻が作った借金を返済するためで…。過去など忘れたかのような貴志の態度に、怒りを抑えきれない麗は「一晩十万で俺に抱かれろ」と淫らで冷酷な返済方法をもちかけるのだが―。クラブオーナー×・・・え~っとなんだろう?リーマン? 再会の後、紆余曲折あって復縁となるお話です。年商数百億を投げ捨てて、一人の恋人との再出発を選ぶというラストでした。、、、もったいない(^^;;二人は高校生のときの同級生でその頃から想いを告げあって、大学へ入ってからも暫くは甘い生活が続いていたんですが、親にバレて生活補助を止められ、麗はホストの道を歩み始めます。生活基準は下がらないものの、二人きりの時間は減ってしまい、麗がホストの仕事をすることをよく思っていなかった貴志との間にもギクシャクした物が生まれ始めた頃、貴志の親が倒れたため帰省。親は持ち直したが、それきり貴志は帰って来ず麗のもとへ別れの手紙が届く。その後も貴志のことを吹っ切れない麗は、ホストとして成功しそのオーナーにまで上り詰め、新宿の夜を支配するほどにもなっていて忙しく日本の各地を飛び回る日々を送っていたが、ある夜店に顔を出してみると、ツケを300万溜め込んだ主婦の夫として控え室に連れて来られていた貴志と再会することになる。貴志が結婚し、その妻の借金を謝罪していることが麗の気持ちを荒んだものにして行き、一晩10万で抱かせろと取引を持ちかける。麗からの加虐に怯えながらも従ってくる貴志との関係は虚しさが増すばかりだったが、貴志への執着を断てず心の不安定さが隙をつくってしまった麗は、クビにした元ホストが逆恨みをして貴志を拉致したことを知って愕然とする。王道ですが、受けの設定が意外だったので飽きることなく読了しました。受の貴志は、帰省した後、『きみの生き方にはついていけない。ゴメン』と手紙だけで別れ、その上実は東京へこっそり帰って来て卒業し、親の勧めるままに愛のない結婚までするという、じっくり考えるとトンデモナイやつです。クラブオーナーとして成功した麗ですが、あっさ貴志を許してしまう甘さは今後の命取りになりかねないので、クラブのナンバーワンホストの響に社長業を譲ったのは正解だったのでは、と思っています。脇キャラの響はなかなかに出来た人物像でいい感じです。誰にも心を開かないと思っていた麗が貴志と晴れやかに海外へ飛び立ったあとどことなく寂しげな様子でしたが、貴志に骨抜きになってしまった麗は最早響が憧れていた麗じゃないんだからねと、言ってあげたい。
2008年03月10日
コメント(2)
欲しがりな唇 著:藤森ちひろ プラチナ文庫「そんなに笑ってると、疲れないか」過去のトラウマにより、笑顔で本心を隠してきた実晴は、隣に住む官能小説家・黒川の一言が忘れられなかった。彼のことをもっと知りたい。実晴は、傲慢なまでに自信に溢れる黒川に惹かれていく。しかし、言葉の行き違いからベッドに押さえつけられ―「そんなに物欲しそうな貌して誘うなよ」黒川に触られると、体が熱く潤んで疼き出す。なにより、触れ合う肌の温もりが心地よくて…?いたいけな純愛。表紙が・・・(^^;;裸エプロンですよ。しかも作中そんなシーンはありません。藤森さんの作品だけにエロは満開ですが。イタイ過去を持つ大学生と年齢差のあるエロ作家とのカプで、心のすれ違いとエロ作家の戸惑いがちょっぴり笑いのエッセンスを振りかけるお話でした。叔父に性的なイタズラ(てっきり手篭めにされたんだと勘違いしてしまいましたが・・・)を強要された過去から逃げるように、田舎から引越しをしてきた実晴は、上辺だけに浮かべる笑顔をいとも簡単に見破った隣のエロ作家、黒川が気になって仕方がない。手料理を差し入れたりして距離を縮めようとするが上手く気持ちが伝える事が出来ない上にタイミングも悪く、黒川が別ネームで応募した作品の落選通知が届いた日に訪ねてしまい、八つ当たりで抱かれてしまう。黒川は実晴が初めてだったことに気がついたが、自分を止められなかったこともあり激しく後悔し謝罪したが、再び手料理を差し入れしようとする実晴の気持ちがさっぱりわからず戸惑いを感じ始める。だが実晴のつくる料理の味が気に入っていた黒川は、もって来るより家で作れと誘い、黒川の部屋で二人して食卓を囲むようになってきたある日、見知らぬ男が実晴の部屋を訪れているのを目にする。黒川は男のことが気になっていたが、実晴は黒川の部屋へあがりこんでいた女性が黒川の元妻だと知らず不安を感じていた。考え事をしながら作った料理は失敗で、食後のコーヒーのためにフィルターを部屋へとりに戻った実晴は、待ち伏せしていた叔父に部屋へ押し入られ、圧し掛かられていたところを危うく黒川に助け出されて・・・というお話。鍵のかかっていた部屋へ黒川が助けにきたのは、まぁ、流れとしてもOKなんですが、鍵が部屋の外に落ちてたってのは都合が良過ぎてちょっとイタダケマセン。住んでたのがボロアパートなら『大きな物音が聞こえたのでドアを蹴破って、云々』となりそうなものですが、しっかりしたマンションなので、そうなってしまったんだろうか。要のシーンだと思うので一捻り欲しかったです。(^^;;14の歳の開きがある天然で意外性のある実晴に黒川はメロメロなようで、オヤジモード全開で絡んでおります。楽しかったです。
2008年03月09日
コメント(0)
![]()
新米弁護士・仲原の悩みは、山野・朝宮・大槻という同僚達。自分達が優秀なのをいい事に、お節介や邪魔をする。少々うざいが、彼らには口で敵わない。仲原の昔の不倫絡みの訴訟が起こった時、大槻だけはやれと言った。「自分でケリつけられるだろ」と。普段は辛辣な彼が自分の力を認めてくれた様で嬉しく、仲原の中で彼の存在が次第に大きくなっていく。だが訴訟は難航し…。それぞれが主人公になれそうな若手弁護士が4人も登場するお話です。の割にはイマひとつ盛り上がりにかける内容だった気がします。弁護士ものなのに、裁判そのものの影が薄く、主人公仲原の過去との決着に絡めた同僚大槻との恋が中心になってたからだと思います。もう少し調停での攻防を練り込んでもらっていたら、ラストまで熱のあるものになってたんじゃないかな~と。仲原が勤める事務所に、一人の女性が離婚の相談にきたことが、過去に対峙するキッカケとなっています。仲原は学生のころ教師と不倫していた経験があり、女性はその教師の妻だった。担当となることを同僚たちは反対したが、これまで苦手意識のあった大槻だけは仲原の背中を押し、引き受けることになった。最初の調停で離婚の同意を得られなかった仲原は、相手方である教師久谷に強引な呼び出しをされたホテルの一室で襲いかかられ、逃げ出してきたところで大槻と偶然出会う。ショックのあまり混乱していた仲原はもう一度戻って久谷に身体を投げ出すと言い出し、止めようとした大槻と関係する。それ以来、仲原はいつもどこかで大槻のことを考えるようになり、ぼんやりしたり仕事上でミスをしたりするのを見かねた所長から、大槻の隠された荒んだ過去を聞き、本人の口からもっと色んなことを聞きたいと願う。調停期日が迫るある日突然事務所へ仲原を訪ねてきた久谷は、昔の写真をネタに仲原を恐喝、ヨリを戻すことを強要し再び襲いかかる。そこへ事務所へもどってきた大槻が現れ、ぶち切れして理性が飛んでしまった大槻は久谷を激しく殴打した後、荒れていた昔を告げると共に仲原への気持ちを告白する。。。というお話。仲原との後でも浮気を繰り返していた久谷が、本当は全てを捨てて仲原を取りたがっていた本心を明かしたシーンは、それまでの下半身の軽い身勝手なおっさんのイメージを払拭する威力はあったんですが、それならそれでもうちょっと違ったアプローチをしなさいよと一言いいたくなります。でも、一度逃がした魚は二度と手に入らなかったってことで。ご愁傷様ってところです。脇キャラになってしまった残りの二人の同僚は、仲原がストレートだと思って気持ちを抑えていたんですが、男性教師と関係していたことを知り、合間をみてはアタックしていて、仲原を巡り火花を散らしていましたが、トンビに油揚げ状態でこちらもご愁傷様でした。山野なんかは仲原のことをずっと見守っていただけに、このままお話が終わるのは可哀想な気がするのでいつか続編が出るといいな~と願っております。
2008年03月06日
コメント(2)
![]()
魔娼ピアニストの佐光に喚び出された悪魔の艶夜。早速契約して魂を奪おうとするが、いきなり襲われ、監禁状態に!「あなたは、そんな顔してイくんですね」人間ごときに快楽で跪かされる屈辱、それさえも欲望に素直な体は悦んでしまう。悪魔を玩具のように弄ぶ男なのに、魅惑的なピアノの音色、艶夜に対してだけ向ける熱のこもった眼差し。こんな人間、初めてだった。だが、逃げ出そうとした艶夜は、佐光に羽根をもがれ…!!執着するのは、あなたにだけ―悪魔をも翻弄する甘美な旋律。あさひさんって軍服がめっちゃ好きなんでしょうか?今回のはピアニスト×悪魔なんですが、召還された艶夜は軍服姿で現れます。なぜ?と問いかけた佐光に別段おかしなことではないと返していますが、おかしいだろ。やっぱり。。しかも地界ではマッパでいることも多いらしいのに。とはいえ、桜城さんのイラストは色っぽくて、ステキでした。初めての悪魔(天使)もので、人間と契約し望みをかなえないと地界へ帰れないだとか、人間界は悪魔にとって実は息苦しい世界であることとかそういう設定はなかなか面白かったです。特に人間になった悪魔が、人間界の細かな習慣がわからず戸惑ったり、勘違いしてしまうのが楽しい。佐光がもう少し陰湿だったらもっとよかったかも。お話は、召還され人間界へ現れた悪魔の艶夜は、契約を取り付ける前にいきなり襲われ体を拓かれてしまうが、自分を呼んだ人間佐光が今まで会ってきた人間と同じような反応を示さないことから佐光に興味がわく。佐光は悪魔に依頼するまでもなく全てを既に持っていたが、人生に退屈しきっている孤独な男だった。佐光がもたらす快楽に酔いながらも、悪魔としてのプライドが縛り付けられることに我慢できず隙をついて逃げ出そうとしていた艶夜の片羽を怒りのあまりもぎ取ってしまう。佐光は手当てに薬を用意するが、人外である艶夜に効き目はなくまた人間界では精気が養えない艶夜は徐々体力を消耗していく。佐光にはなす術もなく、艶夜が好きなピアノを弾くことしか出来なかった。そこへ様子を覗きに上級悪魔であるサタナチアが地界からやってきて、ひと目で佐光が気に入り、契約できないのなら生きたまま地界へ引きずり込めと命令する。佐光を守るため艶夜はサタナチアと前代未聞な契約を申し出て・・・同時収録の続編では、願いが叶い相思相愛の二人の甘々な日々が始まっていますが、佐光には著名なピアニストとしての仕事があり、頼りない艶夜の傍にずっとついているわけにはいかず、その間に嫉妬で暴走したマネージャーの罠にかかって危機一髪なお話となっています。甘さ加減が増していて、こっちのほうがあたしは好きだったんですが、脇キャラ二人の登場場面があまりに少なかったので、どういう目で見ていいものか判断に悩んだので、消化不良な気分です。まぁ、どれだけ二人がラブラブなのかが伝わればOKな続編っぽいので、深刻に考えることでもありませんが(^^;;
2008年03月05日
コメント(2)
![]()
個人教授有名塾講師の俊一は、かつての同級生の弟・育美の家庭教師をすることになった。しかしそこで俊一が高校時代、育美の兄に性欲の捌け口にされていたことを思い出されてしまう。「俺、知ってるんだよ。あんた、兄貴とセックスしてたよな」育美の荒々しい愛撫に翻弄される俊一。育美の執着に戸惑いながらも、俊一は以前同級生に抱かれた時、育美に見られていたことで歪んだ快感を覚えたことを思い出し…。部屋の隅に積んであった未読本を眺め何を読もうかと思案していたところ、この本が2冊あることに気がつきまして、ちょっとしたショックを感じています。この手の失敗は実はわりと頻繁に繰り返していて、それを防止するためのブログだったわけですが、買ってすぐ読むわけではないので殆ど効果を発していないことがさらに気分を沈めています。それはともかく。ダークでエロの濃い作品でした。俊一と、育美という同級生の祐介の弟とのカプの話なんですが、そうなる前、高校生の頃に祐介に関係を強要されていた過去が序章になっています。時が流れ社会人として働く今も近況を伝え合う程度には会っていて、弟育美の家庭教師のバイトを押し付けられる。7年ぶりに俊一の前に現れた育美は投げやりで頑なな態度で、約束どおりに修一のマンションにやってきても勉強する意思は殆どなく、俊一は焦りを感じ始め説得しようとするが、育美は祐介と関係していた俊一が忘れられなかったのだといい、突然襲いかかる。勉強する代わりに俊一との関係を望んだ育美は苦手だった科目の成績を劇的にあげ、俊一とともに祐介に食事に誘われるがその席で祐介と俊一はそれぞれある事に気がつく。帰り道で隠し事をしていた育美を俊一はなじったが、俊一に対する7年も前からの執着心を告白され、祐介と寝ていた同じ家で育美と抱き合う。思いが通じ合い平穏な日々は長く続かず、弟との関係に確信を得た祐介に呼び出された俊一は別れを命じられる。しかし、それを拒んだ俊一は保護者として祐介が塾へ通報したため、職を失う。呆然と家にたどり着いた俊一に、育美は『自分の願いどおりになった』と告げる・・・というお話でした。この辺りからお話が二転三転していき、読みながら「うそっ?」だとか「えぇ~??」だとか思わず口から飛び出すわけです。テストで1回上位をとられたからといって、俊一を襲った祐介は腹黒さはピカイチでしたが、育美もその弟だけあって実はしたたかにこっそり計画を練って相手の反撃にも余裕しゃくしゃくだったのがちょっとびっくりで、ラストはさらにびっくり。違和感たっぷりの付け足しラスト告白がマイナス要素なんですが、こういうどんでん返し的な流れは大好物なので問題ありません。腹黒ばっかりで面白いお話でしたが、濃い~のが苦手な人には不向きです。何しろ音がすごかったので。『ぬちゅ』とか『じゅるっ』とか『くぷ、ちゅぷっ』だとか・・・書き出したらキリがないっていうか・・・(^^;;もう、お腹いっぱいいっぱいって感じです。
2008年03月04日
コメント(2)
![]()
光の地図小柄で元気いっぱいの藤崎と、背が高く冷静な仲本。正反対の二人だが、大学の入学式で出会って以来、一番息の合う友人同士だ。だが、三年に進級した頃から、仲本はかすかな胸の痛みを感じるようになっていた。藤崎と歩くこの日々も、いつか失われてしまう―。周囲が将来に向けて動き出すなか、さらに焦りを深める仲本だが、そんな時、藤崎を好きだと言う女性が現れて…?「キスの温度」サイドストーリー登場。『キスの温度』のリンク作で、主人公はあちらの主人公の友達でノッポ仲本と子犬チックな藤崎のカプです。仲本はいつも前を歩く藤崎のつむじをみているという、ここからして既に面白くて味のあるお話でした。前作の終盤から少しだけかぶってお話が始まっていて、視線が違うのでその辺りもほぉ~と思いつつ。お話は・・・自分の将来について何も見えてこない仲本は、3年に進級したころから、藤本たちと穏やかに過ごす毎日の終わりが近づいていることに不安を覚えるようになっていた。だが、藤崎のことが好きだという女子学生が現れ、学生生活の終わりを恐れていたのではなく、藤崎と一緒にいられなくなるということをこそ怖れていたんだと気がつく。藤崎への気持ちがいっぱいいっぱいになってしまった仲本は、様子をみにきた藤崎が卒業したら北海道の叔父のもとへ養子に入る話をするのに、行くなと止め、気持ちを告白。いきなりキスまでされた藤崎は驚いて逃げ出すが、嫌悪感は感じなかったし、仲本とずっと一緒にいたい気持ちが自分にもあったと気がつき、その後仲本と話し合い想いは通じあう。この後に書き下ろし3作が同時収録されていて、1つめの書き下ろし『手をつないで歩こう』のほうがお話としては中心的な感じです。恋人同士になれた二人ですが、アメリカへ移住することになった麻生たちに比べ、仲本たちには何のビジョンもなく、しかも藤本には養子入りの話が立ち上がったままです。ここから双方の家族を巻き込んだ大悶着へと発展していきます。藤本の兄弟たちは藤本を大切に思うあまり「本当に大事に思うのなら」と別れを強要し、決心を固めたはずの仲本も身を引かざるを得ない所まで追い込まれますが、解決への糸口となったのは、藤本のツルの一声。「何が自分の幸せなのかは自分で決める!」う~ん。。。オトコマエ発言(*^^) このセリフに家族もバタバタと折れだし、北海道の叔父さんも、話をまとめることが出来た仲本たちを認め無事ハッピーエンドとなりました。残りの書き下ろし2編はごく短いものですが、まるで新婚夫婦のような甘々なお話。仲本、デレデレです。(^ー^* )フフ♪
2008年03月03日
コメント(0)
![]()
キスの温度忘年会の夜、アルコールの酔いに流されるように麻生と寝てしまった智里。それ以来、毎日のように部屋に来てはキスだけをくり返す麻生に、智里は戸惑いつつも抗えずにいた。ところがある日、麻生に女がいるという噂を耳にする。麻生は何で俺にキスするんやろ、何で俺は拒めへんのやろ―?改めて自分に問いかける智里の出した答えは?大量書き下ろし「もっと強く抱きしめて」も収録。『キスの温度』と『光の地図』は一応1巻、2巻となっておりますが、主人公は別々です。4人とも大学の友達で2カップルになってしまったんですね~。アエエナ~イなどど思ってはいけないのです。BLですから(^^;;『キスの温度』はキス魔麻生とニブチン岡田とのじれったいお話です。麻生は岡田にとって普通の友達でしたが、忘年会の夜酔った勢いで寝てしまいます。それ以来顔を会わせる度にキスしてくる麻生は、岡田の部屋に何をするでもなく入り浸り、キスから先を仕掛けてこず、麻生が一体何を考えてるのかさっぱりわからない岡田も麻生とのキスは心地よいものだったので深く考えもしなかった。だが、麻生に彼女がいるらしいという噂を耳に挟んだ岡田は、麻生が女性と親密な様子でいるところを目撃してしまい激しい動揺を感じながら、彼女がいる麻生とのキスはもうやめなければいけないと思うのだった。その日もいつものように部屋へやってきてキスをしようとした麻生に、彼女がいるのに他の人とふざけてキスをするのはよくないと拒んだ岡田は、逆に忘年会の夜自分と寝た理由をよく考えてくれと哀願され。。書き下ろしの続編『もっと強く抱きしめて』が同時収録されていて、こちらは麻生が好きだと自覚して甘い仲になった二人の前に、以前麻生と付き合いのあった男が現れ一波乱という展開です。麻生は昔は人に全く執着心を持っていなくて、来るもの拒まずな荒れた毎日を過ごしていて、麻生に好意を寄せていた男も麻生が誰にも心を開いてはいなかったので安心していたのに、大学へ入ってから(つまり岡田と知り合ってから)は荒れた生活とはきっぱり縁を切ってしまい、相手にされなくなった男が岡田の前に姿を現し、過去を暴露しています。麻生は岡田の部屋へ訪ねてきていた男を兄だと知らず誤解した上に、荒んだ過去をもつ自分はふさわしくないからと身をひこうとし、岡田は岡田でいつか飽きられ捨てられるのではとビクビクし始め、二人の関係がきれそうに。で、『キスの温度』で一役買っていた麻生の歳若い伯母がこちらでも大活躍。伯母に力付けられた岡田は頑なに岡田を避けようとする麻生(この話ではキス魔から臆病者に変身している)を捕まえ誤解をとき、『俺がずっと傍にいるから大丈夫やで』と安心させ和解へ。二人が相手の気持ちをあれこれ考え、ぐるんぐるんのぐちょんぐちょんな様が楽しめます。2巻となる『光の地図』は後日。
2008年03月02日
コメント(0)
全13件 (13件中 1-13件目)
1
![]()

