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仮面ティーチャー平凡な小学校教師・諸岡覚(もろおかさとる) (27才)の秘密―― それは、彼が『少年好き』であるということ? 「この職場は天国だ…!」しかしこのよこしまな 想いは、誰にも知られてはならない。学校での 彼は善良で無害な仮面ティーチャーなのだ!! 日夜おのれの煩悩とたたかう諸岡先生の 愛と苦悩を描くシークレット・ラブコメディー。 京山あつきさんのほかの漫画が欲しかったのですが見つけられず、こちらを買ってしまいました。すっごく面白かったです。なにがって、、、先生の苦悩ぶりが。お気に入りの男の子が保健室で休んでいるときに、授業開始のベルが鳴ってしまい、その子の傍から離れたくないと思った先生はいきなり壁に頭を自ら打ちつて負傷し、生徒たちに自習をいいつけて保健室へ戻ったのはいいけれど、額を割るほどの怪我だったのですぐ失神。救急車で病院へ運ばれ、額を2針縫い入院となる。 数日後、その子と他の子供たちがお見舞いにやってきてくれたけれど、変声期を迎えてしまったその子の声がおっさん声になっていて愕然とし、打ちのめされる。そんな先生に入院中の小さな男の子が声をかけてきて、やっぱり男の子が好きだと思ってしまう。。。2話目は先生の学校へ、小柄な先生が代理教師で入ってきたお話で、先生は子供にしか萌えない人なんですが、転任してきた先生は外見はちょっと大きめな男の子風。その人を好きになるのは犯罪ではないので仮面をはずすことが出来ると、俄然燃える先生ですが、やはりここにも問題が。代理教師は確かに見た目は幼いけれど、やはり大人。持ってるモノは立派な大人サイズのモノで、それを前にして先生の苦悩はやっぱり続く。3話目。なんとか新任先生とコトを運ぼうとあれこれと苦心した先生は、代理の期間の最終日、代理教師に子供の定番アイテム『白いソックス』を履いてもらって、ようやく思いを遂げられ二人の未来を想って幸せな気分に浸るが、次なんてないよと、フラレてしまう。代理先生の話は3話目で終わり、このあと4話目、5話目と続きますが、また違う騒動のお話です。一冊まるごと笑えますが、女の子にイタズラしちゃう先生が現実にいてニュースになることもあるわけで、先生たちが心の中で何を考えてらっしゃるのか、不安を覚えてしまいました。
2008年06月17日
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ergo(vol.5)待ちに待った5号が届きましたっっ!!中身は後でじっくり読むとして、まず第一に確認しなければいけないのは、やっぱり限定小冊子がどのタイトルになったかということで。。。。アンケート結果は当然というか必然というか、1位は『檻の外』。2位が『ROSE GARDEN』でした。みんな想うことは一緒よね~とうれしかった気分はつかの間で、その下を読むと先生と相談した結果冊子は2位の『ROSE GARDEN』と4位『牛泥棒』になったと書いてあります。うっそ~ん確か1~4号では一番人気の高かった作品の小冊子になると書いてあったはずがっ。どこにもリクエスト結果を参考にして決めるとは書いてない!う~ん、ちょっと騙されたような気分です。喜田川と堂野のカプは喜田川が作品で既に逝っちゃってますので、その後という意味での続編は有り得ず、先生も圭の人生を書ききったと書かれていたのを知っていましたので、やっぱりねぇという気持ちもないではありませんが、それならそれで注意書きするなりなんなりして欲しかったなと残念です。期待しちゃったじゃないの。とはいえ、応募はするんですけれどね(笑
2008年06月13日
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狩人は夢を訪れる夜ごと激しくなっていく、夢の中の淫らな愛撫―。美大の新米講師・初音は、一流画廊のオーナー・高階一臣と出会って以来、淫夢に悩まされるようになる。高階は優雅な物腰の紳士だが、夢では半裸で野性的な陵辱者。清楚な初音の美貌が悦楽に歪むのを冷ややかに貪るのだ。「私を待っていたんだろう?」その囁きに、身も心も溺れていくが、ある朝夢と同じ場所に残る痣を見つけて!?あらすじを全く読まず、予備知識のない真っ白な状態で本を読むのは、意外な方向へ話がころがっていく時もありものすごく得をした気分になります。この本もタイトルと序盤の出会いの段階では昼の顔と夜の顔を持つ、2面性のある男とそれに魅入られた受の話だと勝手に想像していましたが。受は男と出会ってから毎晩男の夢を見るようになります。夢のなかで男は受を誘惑し、恋人であるかのようなキスをしかけてきて、それは日増しに深いものになっていき、受は目覚めるとまるで現実のことであったかのような疲れやしびれを感じるようになる。睡眠不足や、淫夢をみてしまう自分を恥じる気持ちと現実の世界で接する男への気持ちに揺れ動く心が受の体力を消耗させ、心配した受の友人が男のことを調べ始める。友人は、昔男と親密になったカメラマンが突然不可解な死を迎えたことを調べ上げ、男にまつわる怪しい噂も耳にして警告するが、受の心はすでに男に殆ど傾いていて会うことを止められず、誘われたドイツ行きも結局断れず同行する。衰弱した受がドイツで男とともに観たものは・・・かなり端折った紹介になってしまいましたが、もっと奥行きのある緊迫したストーリーです。だんだんと明らかになっていく男の素性にドキドキしましたし。エロは若干濃いかなと感じました。雰囲気はめっちゃエロイんですが、やってることは普通~初心者の中ぐらいでしょうかね。攻はある意味その道のプロなんですが、実は禁忌があって極めて喜んではいけないんだとかで(笑 攻の正体がわかってしまうと、半分ぐらい面白みがなくなってしまうので伏せますが、この禁忌がちょっと微妙。強引だなと思わないでもないですが、これがないと二人は助からなかったし、受の意外な選択がブラックなラストになったので、まぁいいかなと。でも、受が違う意味で攻を助けて、二人とも手に手をとって死んでしまうというラストもありだったんじゃなかろうかと思ったりしています。こっちのほうが男と会う前の受の性格にはしっくりくる様な気がして。
2008年06月12日
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覇王の愛枷億単位の宝石を買った各界の著名人が仮面で顔を隠し、あらゆる愉しみに興じる船上パーティー。ジャーナリストの佑紀は、父の仇を取るためスタッフとして主催者である郭竜傑に近づくが失敗し、愛玩具として衆人環視のもと弄ばれる。表の顔は宝石商、裏では香港を根城にしたマフィアである竜傑の非情かつ淫猥な仕打ちを受けた佑紀は、さらに彼個人が所有するクルーザーに監禁され、淫らな調教をほどこされることに。屈辱的快楽の中、佑紀は復讐の機会を窺うが----。 134Pほどの薄い本で、気がつくと読み終わっていました。なんだかなぁ~って感じです。序盤から中盤までが↑のあらすじで、復讐のため潜入したはずが捕らわれてHされちゃってる間になんとなく相手のことが違った意味で気になり始め、それでも僅かに残っていた理性でこのままではいけないと隙をついて相手を突き飛ばし逃げ出したけど、打ち所が悪かったのか立ち上がって追いかけてこない相手を見捨てられずまた戻る・・・なんじゃそれ~な展開です。敵の相手は香港黒社会の闇の王とも呼ばれるボス。そのボスが突き飛ばされて気絶してしまいます。なんと頼りないボス!!またその側近たちも有り得ないほど頭が固い。『命令されていない行動をとると命がない』と刷り込まれていて、眼前でボスが倒れて意識を飛ばしているのに、誰も有益な行動がとれない。ただ見てるだけ。有り得ない~~。幼稚園児じゃないんだからさぁ。戻ってきた受に怒鳴られ、指示を受けようやく動き出す側近たち。使えないやつらです。突き飛ばされて気絶するボスもボスですが、もっとまともなガードを雇うなり育てるなりしなければ、この先の命は殆どないんじゃないだろうか。今まで生きているのが奇跡。で、ボスとよくよく話をしてみた受は父親の死の真相、ボスが手を出したわけではなくボスを狙う相手勢力との抗争に巻き込まれてしまったということをしり、愛を知らない孤独なボスを見放すこともできず遠距離恋愛をすることになりました。。。。ぬるい。ぬる過ぎです。香港黒社会っていうと、もっと情容赦がなくて血がドバドバ流れる冷酷な社会じゃないとワクワクしません。
2008年06月11日
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神の右手を持つ男大学病院に所属する御影貴和は、「神の御子」と呼ばれる天才脳血管内科医。ところがある日、医療過誤を巡って大学側と対立!!設備も整わない病院に左遷されてしまう。さらに追い討ちをかけたのは、脳神経外科医の大信田穣。幼なじみで恋人の穣は、なぜか突然態度を豹変。「もう来ないでくれ」と貴和を冷たく拒絶して…!?最先端の医療現場で働く、青年医師達のメディカルLOVE。初めての作家さんで、表紙イラストからも察せられるようにドクターもので敷居が高かったし、タイトルも艶っぽくなく、普段なら意識せず素通りになってしまう本でしたが、古本屋さんで安かったので購入。予想外にいい作品でとっても喜んでしまいました。お話の前半は↑のあらすじのとおりで、見解の相違で次期教授と噂される男と対立してしまったことから病院を追われてしまった貴和。そればかりか、穣が突然手のひらを返したような態度をとるようになったことでひどく心が傷つき、笑うことも出来なくなった貴和を優しく労わってくれたのは、貴和が飛ばされた田舎の病院の精神内科医師、観月だった。それでも貴和の心はまだ穣に残っていて、穣からの『逢いたい』というメールに疑いを持つことなく深夜大学へ呼び出されるが、そこで待っていたのは穣の上司であり、貴和が病院を出される原因となった男だった。男は穣から貴和をプレゼントされたのだといい、強カンしようと襲いかかるが、寸でのところで駆けつけた観月に助けられる。貴和が心に受けた傷はさらに深くなり、穣のことは忘れようと決意し観月と新しい生活をはじめるが、ある日病院へ脳梗塞で倒れた男が運びこまれ、MRのある病院へ救急車で運ぼうとするが救急車が出払っていて運搬の手立てがない。貴和は穣のいる病院へドクターヘリの要請をだし、患者とともに古巣である病院へと向かう。オペは大学の派遣医師が担当していたが、腕が及ばす発症からかなり時間がたってしまい、途中から貴和が施術させられ、無事終了することができる。オペの後、穣と2人きりになった貴和は穣の裏切りの理由を聞き、詰りたい気持ちがあったが、口に出す前に観月が迎えに現れその機会さえも逃してしまう。一方、真実を公にすれば貴和も自分も未来はないと実は脅されていた穣は、貴和を第一線の病院へ戻すため貴和との接触を避け続けていたが、今回の脳梗塞の見事な腕もあり呼び戻されることが決まった矢先、辞職願いが届けられる。貴和は派遣先の病院での就職を決めてしまったのだった・・・と、二人のすれ違いがのたうち回る切なさがあったり、傷ついた貴和に心を寄せている観月が哀れであったり、脇の先輩医師がいいところでいい味を出してたりと、最初から最後までがっつり読める本です。ラストも貴和が古巣の病院へ戻ってめでたしめでたしとなるのかと思いきや、あっさりとそうは終わらなかったところも◎オススメです~
2008年06月10日
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2008年5月発売ノベルス狼伯爵 ~永久のつがい~撃たれた狼を助けた獣医の良宏。ある夜、狼は美貌の男へと変貌し、番となる同族の良宏を探していたと告げる。その男・カイルは百年程前、狼伯を継ぐ者として生まれ、儀式を経て人狼となったという。驚愕する良宏だったが、言われるがまま逞しい体に噛みつくと甘美な興奮を覚えた。さらに、それこそが番の証だという、体だけでなく心までも繋がる“同調”によって、深い悦楽を教えられる。己に眠る人狼の血に目覚め始めた良宏。だが、人狼ハンターが迫り・・・タイトル通り、人外、人狼のお話です。沙野さんの『獣の妻乞い』がドキドキものだっただけに、とっても期待しながらも同じような感じなのかなとも思ったりしていましたが。内容は全く違っていて、こちらは伝説で出てくるような、吸血鬼なんかと並び語られる狼人間のお話で、簡単にいうと、狼伯爵が番となる狼人間を捜し当て、他の人間との相違に気がつきながらもまさか人狼だとは思い至らなかった受を、正しい人狼への道へH込みで優しく導くというスジです。ここに、人外のものを総て敵だとみなし抹殺しようとする、バチカンが差し向けるハンターとの戦いが絡んでくるわけですが、中盤明らかにされる受の祖先とまだ若かった狼伯爵との出会いと別れが、いい味のスパイスになっていて、涙がぽろり。『人』を捨てることの迷いと怖れが捨てきれず、狼伯爵が祖先の身代わりとして自分を欲したのかと疑う気持ちもあり、一度は狼伯爵のもとを離れようとする受ですが、再び襲ってきたハンターから身を挺して守られついに決心します。エロっぽさはなぜかあんまり感じなかったです。牙に感じるところがあって、興奮するとお互いを噛みあうってところがのれなかったのかもしれません。狼だったかどうかは定かではないんですが、マウンテンしている♂が♀の首筋を甘噛みしている映像を、昔TVでみたことがあるのを思い出しつつ読みました。TVでは、途中で♀に逃げられないように噛むんだと言ってたような気がしますが。終盤に狼伯爵をロンドンへ呼びにきた特使ってことで、日本人風の大柄な同属の男が現れますが、これはもしかして、『月の秘密』の太地じゃなかろうかと思うんですが、どうでしょう?作中に『美男の逆襲』のローランドも登場していて、こちらの本はまだ未読なのでがんばって手に入れようとしています。
2008年06月10日
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ミッシング・ロード武道の名家・崇城家の長男で弓道の名手である弘樹はある日、家に代々伝わるいわく付きの矢に触れ、異世界「ルマルシャン」へと飛ばされてしまう。突然の出来事に混乱する弘樹だったが、現場に居合わせた金髪碧眼の美形王子・イーザンによって、国を上げての客人「宝客」としてルマルシャンに迎え入れられる。弘樹は帰り方を模索しながらイーザンのもとで日々を送るが、お互いを深く知るにつれて甘やかな感情が芽生え始めて…。異世界ファンタジーのBLです。1冊で完結だと思っていましたが、どうやらシリーズになるらしく、画像を貼るため検索してたら2巻目が既に出てることがわかってびっくり。お話はどことなく『まるマ』を思わせるような感じですね。あちらは主人公と側近との間に愛があるのかないのか微妙な線をひたすら走っておりますが、こちらは行為こそソフトなキス止まりですが相手のことがそういう意味で大好きなことがハッキリとわかっている点が大きな相違点です。もえぎ文庫ってどういうBLを扱ってるところなのかを知らないので、今後の展開で関係が進むのかどうかはわかりませんが。異世界であるルマルシャンに飛ばされた弘樹は、王子イーザンや側近アランディスと関わるうちに過去に何人も同じようにこちらに飛ばされた人間がいて、技術や知識をルマルシャンに残し、各国の繁栄に貢献してきたことを知る。飛ばされてきた人々は『宝客』と呼ばれその恩恵を得るために昔は国同士の争いとなることが多かったので、宝客が現れたその国が宝客を保護する権利を得ることが決められていた。イーザンの国の隣国は、イーザンを長年ライバル視している王子ギョームの国。ギョームは、弘樹がイーザンの国の宝客と認められるための承認式のためにやってきたが、弘樹を見るなり気に入り、イーザンが弘樹の傍を離れるように仕向け、弘樹が一人になった隙に騙して拉致してしまう。。。お話の導入ということで、あまり大きな展開もありませんでしたが、弘樹の初々しさが可愛いし好きなジャンルでもあるので、エロはなくとも楽しかったです。
2008年06月06日
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2008年3月発売文庫埃まみれの甘いキス甘いからだいわゆる、ゴーカンだ。と矢倉は思う。たとえ、村川の熱い体と唇から蜜のような快楽を注がれ、あまりの愉悦にいやらしくのたうち、濡れた体であさましいほど続きをねだったとしても、だ!!ガテン系職人のくせにキレイな顔と体の矢倉は、建築業界の零細会社の社長。微妙かつ歴然とした商売敵である中堅会社の若社長、村川と飲み屋で意気投合をして―。だが、曖昧な関係を追い詰めるように、二人の仕事も心も揺るがす事件が起きる!?新たな展開をラブ&大量書き下ろしで登場。最近好きになった作家さんで、この前読んだのは確か酒屋さんのお話だったはず。今回のはガテンです!受はニッカボッカとヘルメット姿の働く社長ですが、丁寧な仕事が評判とはいえ不況の煽りをくって借金に苦しみ、かかえる職人たちが騒動をおこし悩みのタネを増やしていく。。。社長も楽ではないってことですねぇ。村川との出会いは行き付けの飲み屋で、泥酔した受の矢倉をお持ち帰りし熟睡しているのをいいことに矢倉の了承もなくコトに及んだのが始りで、村川の性格とは馬が合い、その後も強カン魔と罵りながらも関係は続いていたが、村川は同じ建設業界の人間で、矢倉の会社に仕事を下ろす若尾美装とはライバル関係にある村川工業の社長だった。古参の職人が事故で入院したうえ、他の数人の職人が若尾美装の下請けへの対応が悪いことに不満を持ち、村川工業の下請けへ流れていくという掟破りもあり、職人不足で仕事に遅れが出始め矢倉は追い詰められ、古株職人からも若尾の下では事態が好転しないと村川工業へ乗り換えることを薦められるが、若尾美装に300万の借金がある矢倉は身動きがとれない。プライドが高く、煮詰まっているくせに一言も相談してこない矢倉に村川が堪らず300万の肩代わりをさせろと言いだし、村川の下請けに入ることを決めた直後、思いがけないミスが起きてしまって。。。と、次から次へと波紋をよぶ波がやってくるので、ワクワクしながら読めました。Hシーンもしっかりありますが、お仕事の話もそれに負けないぐらい書かれてあり、職人と借金としがらみの間でウンウン唸るガテン美人が読みたい人には絶対のオススメです。
2008年06月04日
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2008年4月発売文庫午前一時の純真深夜の帰り道、突然目の前に飛び込んできた血塗れの男―。内気な大学生の史也は、無視できず介抱するが、偶然男が持つ拳銃を見つけてしまう。「バラしたら殺す」傲然と威圧するその男・鷲谷は、なんと対立組織に襲われた若き極道の組長だった!!しかも恩を仇で返すように「始末するには惜しい身体だ」と、史也を陵辱して!?極道の男に刻まれる痛みと快楽―ハード・セクシャルLOVE。水原とほるさんの作品は暴力Hばかりなので、苦手意識があるはずなのに気がつけば手に取っている。我ながら不思議。見てはいけないものを覗き見るようなものなんだろうかと思ったり。今回の攻は極道の組長さんです。腹を刺されて血まみれだったところに、通りがかった不運な受のマンションへ強引に連れていかせた上、懐の拳銃を見られたってことで殺す代わりに強カンし、画像を取って意のままに従わせる、キョーフの男。受のことを『命の恩人』だとか、『気に入ってるんだぜ』といいながら、行為に一片の労りもないし、ちょっとでも受が嘘をつこうものなら、大変な目に合わされます。裏表紙には『ハード・セクシャルLOVE』と書いてあるけれど、愛があるんだかないんだか。ラスト近い山場では、受は敵対する伊勢川という男に拉致られますが、攻が助けにきて(取り返しにきた、というのが正しいかも)、心の中で拒絶し続けていた攻との関係を受け入れるというお話です。そりゃぁSの伊勢川よりは攻のほうがマシかもしれないけど、後からよく考えたら攻がいいと思ったのは気の迷いで、安易な選択を後悔すると思うんだけど。。。。
2008年06月04日
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純情と劣情の境界線ウェイターとして働く総一郎は、いいかげんの節操なし。そこへ、寮の老朽化が原因で追い出された従兄弟で高校生の春日が転がり込んできて同居をすることに。無理やりだった生活も春日の優しさによって、総一郎には当たり前のものになっていった。しかし、総一郎がクラブのオーナー・三条とつき合っていると知った春日は急に態度を冷たくし、同僚に媚薬を使われ嬲られた総一郎を押し倒してきて…。昔は、総一郎の後をついて回るほどの人懐っこさをみせていたが、見上げるほどに逞しく男っぽく成長した春日に翻弄されて―。逆転するはずのない上下関係が突然、揺れ動く。健気ワンコロ年下高校生と年上凶暴美人襲い受けの境界線はどこに。読みづらく、分かりにくい文章でと~っても手こずった一冊でした(ーー;)登場するキャラは一人一人が個性的ではありますが、受キャラがイラストの持つ雰囲気とかけ離れすぎていて、あたしはまずここでつまづきました。因みにカバーの向かって右が受の総一郎なんですが、作品では大学も中退して自堕落に生きていて、バーでウエイターとして働いているものの、オーナーとできていて勤務態度もよろしくない。攻は受の甥にあたり、高校生という設定です。受の友人として性転換した譲(肋骨を一本とって、極細のウエストを創り出したツワモノ)と、ヤのつく家業の三男として生まれ本人も背中に紋を背負った立派な極道の顕が登場し、総一郎の勤め先のクラブのオーナー、三条も冷酷な男で、物語は全体的に暴力的な暗い雰囲気がいっぱい。3行読んでは2行ほど前を読み返し確認しながら読むという、まだるっこしい読み方をしながらお話の中盤まで行くと、受が攻の存在を認める気になりはじめるあたりからようやく面白みを感じるようになってきたのが、別れを切り出した総一郎を三条が店のディーラー小山に売り、輪カンと暴力のシーンでゲンナリ。攻より脇キャラの顕のほうが重要な出番が多く、攻の魅力が出きっていない作品で残念ながら不満の残る作品でした。
2008年06月03日
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愛してるって言われても大手ディベロッパー勤務のエリートで、遊びもスマート。何事にもソツのない武井は、専務じきじきに社の裏金の調査を命じられ、同期の経理・篠崎に接近した。地味な身なりと仕事への厳しさから周囲に敬遠される篠崎が、実はダイヤの原石のような美貌とうぶな性格を隠し持っていると知り、興味を覚えて篠崎を「変身」させる武井。やがて本気で惹かれるようになるが、篠崎にはある秘密があった…対照的な二人が手探りで進める恋の結末は―。イラストは山田ユギさんが書かれていて、著者あとがきにもあるようにタイトルがユギさんっぽいとあたしも感じました。バーバラさんといえば、あたしの頭の中では濃厚、濃密といった言葉が浮かび、ユギさんのイメージとはちょっとズレてるような気がしたんですが、作品を読んでみれば違和感もなく、スッキリと読めてしまいました。カプの片割れ、エリート社員の武井は上司の命令で『経理といえば篠崎』と呼ばれるほどの切れ者で美人な篠崎に近づく事に。女性だと思っていたその人は同期の男で、社内では毛嫌いされている存在の冴えないビン底眼鏡君だとわかったが、顔合わせの場所で偶然にも冷たい恋人に涙する姿を見かけ、純情で一途な篠崎のことが気にかかりはじめる。相手を見返すために武井が篠崎に手を貸してやると篠崎の外見はかなり改善され、篠崎の相手、経理部長の小田と会うことになる。関係の修復を願っていた篠崎は、小田に手切れ金の代わりだと裏帳簿の管理を押し付けられ、小田からは一片の愛情も向けられていなかったことを知り傷つく。傷心の篠崎は優しく慰めてくれる武井の告白を信じられず勢いでベッドに誘い、濃密な夜をすごして心の空洞を埋めることができたが、武井は篠崎が失神している間に、裏金にかかわる帳簿が篠崎の鞄に入っているのを見つけ、篠崎を助けたい一心で独自の調査を始める。武井と篠崎の関係はその後も続いていたが、深夜目が覚めた篠崎は武井が裏金に関係する貸金庫の鍵やカードデーターを盗んでいる姿を見てしまい、武井に対する猜疑心が湧きはじめ、武井が自分に近づいてきた訳を知った気になる。データーが盗まれた経緯をすぐさま小田に相談しようとしたが連絡がつかず、翌日も小田は出社してこない。時間の経過が武井に犯罪を行わせてしまうと焦っていた篠崎の前に、抜き打ちの社内監査を行うといいながら、小田の親戚でもある専務の土屋が乗り込んでくる。罠にかけられたことに篠崎は気がついたが逃れる手もなく、篠崎の鞄の中の裏帳簿は発見されてしまい、罪を押し付けられようとしたその時、武井が現れて。篠崎も武井も真性のゲイではなく、篠崎はマジメ一筋で生きてきたのが禍して、ふと気がつくと誰からも相手にされてない存在になってきたところへ、ワルオヤジ上司小田から気まぐれに好きだと言われて小田しか目に入らなくなってしまったようです。純真です。一方の武井はというと、何事にも器用にソツなくこなす男で、女性とも適当に遊んでいるようですが不実なわけではなく、篠崎に対する態度はソフトな気遣いが見られ、優しい男であることがわかります。武井に逢うまでの篠崎は散々だったようですが、武井と付き合うことで外見や人との接し方などを身につけ、仕事のほうも当初からの望みであった開発チームに加われたりといい方向へ転がっていくようで、いい出会いが出来てよかったね~とホンワリとしたラストでした。
2008年06月03日
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田舎の研究所に左遷され、独身寮に住むことになった清家珠希は、そこで出会った年下の青年・律に、何かと面倒を見てもらっていた。人懐っこい律をかえって疎ましく思いながら、珠希の中で彼の存在は大きくなっていく。やがて、自らのプライドの高さで律を傷つけてしまうのだが…。「珠希さんは甘いんだ。俺に狙われていることに気づかなかったでしょう?」目の前には珠希の知らない律の姿があった。お話のスジからいえば高久さんのイラストはピッタリ合っていて、いい感じなんですが、う~ん。。。読後感想はとてつもなく微妙な話だったの一言でしょうか。萌からかけ離れていたわけではなく、むしろ年下攻のワンコ的なところとか大好物。なのに、グッと来なかったのはきっと、攻の腹黒さ加減が薄かったのと、脇キャラの絡みが少なかったからじゃないのかなと、思ったりしています。お話の展開の山と呼べるべきものがない、あるいは低いので気がつきにくく、OB会での二人の再開がそれにあたると思うんですが(違うのかも。。。)盛り上がりに欠ける気がします。今までしつこいほどに懐いていた相手に、突然冷たい態度をとられ心が冷えてしまい、自らの態度を振り返るという流れはとてもスムーズではあるんですけれど。お話には二人の同僚だとか、珠希の親友二人だとか脇キャラも数人登場していて、同僚はともかく、珠希の親友たちがなぜお話に絡んでこなかったのか不思議。珠希は自分に一言の相談もせず渡米した宏典を恨みつつも、届いた絵葉書をいつまでも手放せないほどだったのに。BLならではの流れでは、こういう場合必ず帰国したらひと悶着あって、亀裂が入りそうになるけど、最後には愛を確かめ合ってハッピーエンドが定石なはずが。本作でも親友、宏典は書き下ろし続編で帰国してきます。で、ワンコ律は自分との約束を反故にしてまで出迎えに行こうとする珠希の気持ちを疑い、空港まで尾行。コッソリ様子を伺うはずがバレてしまうが、珠希は宏典に既に付き合っていることを告げていて、その場でも恋人だと律を紹介。宏典はあっさり自宅へ帰り、珠希の態度で尻尾もちぎれそうな勢いの律は珠希が手放せないと確信を強めてお終いです。どことなく残念だな~と感じたお話でした。
2008年06月02日
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なんだかスリルとサスペンス「こんな男前をダマせるなんて、オレってイケてる?」。高校2年生の仁木は学園祭での女装で、シャープな美形・大滝の誘惑に大成功。ところが、紳士的だった彼は仁木が男だと知り豹変!お仕置きと称してHを仕掛け、その写真をネタに脅迫してきた!?実は大滝は大手広告代理店の超エリート。平凡に見える仁木の隠れた美貌に気づき、なんと雑誌のモデルにスカウトするが…。32×16の歳の差カプです。攻の大滝はそのスジの人間かと疑ってしまう言動と性格で、本当の職業がなかなか明らかにならず、確かにスリルとサスペンス感がでていて面白かったです。不遜でオレ様で意外と子供っぽいところは、以前紹介している小川いらさんの『太陽を抱く男』のレオと極似していてBL界ではよく見かけるキャラですが、本作であたしが面白いと思ったのは受キャラのニッキーこと仁木のほう。原寸大の高校生キャラの仁木ですが、ゴーカンされた大滝からヤの線もチラチラ伺えるなかで、無断で撮られてしまったHな写真をネタに脅されつつも、興味のないモデルの世界から抜け出そうと画策したり、毎回身体だけ求めてくる大滝に心が伴わないのは悲しいから嫌だとハッキリ告げるというような、芯の強さがあります。お話のラストは大滝の部屋にやってきた一人の女性に大滝の女性関係を期せずして暴露することになり、大滝との関係はみごとに切れたうえ、他の相手にも手を切らせることを約束させたり、ベッドのこともあれこれと注文したりしますが、その頃にはすっかり仁木に嵌ってしまっていた大滝は不承不承ながらも了解してハッピーエンドとなります。二人のセリフは軽快でテンポがいいため、無理やりHにはつきものの悲壮感は全然ないので、違和感を感じる人もいそうですが、あたしはなかなか面白いお話だと思いました。
2008年06月02日
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金曜日に僕は行かないあの日、約束の場所に行かなかった僕を義兄は怒っていないのか―?十三年前、駆け落ちを約束しながら別れた義兄と仕事で再会した聖也。義兄の奏は今や大手ゼネコンの次期社長候補。ところが約束を反故にした聖也を責めもせず、地位も名誉も捨てて「今度こそ君を離しはしない」と宣言!!激しい執着を甘い言葉に代えて囁いて…!?歳月を経て兄の手に堕ちる時―インモラルラブ。叔父×甥の次は義理の兄弟カプを読んでみました。両親の再婚によって兄弟となり、それぞれに孤独を感じていた二人は互いに惹かれあい一線を越えてしまいます。しかし母親に現場を目撃されたことがきっかけとなり、冷え始めていた両親は離婚、それぞれの親についていくことになった二人は駆け落ちを計画していたが、その夜弟の聖也の父親が倒れてしまったため待ち合わせ場所へは行けなくなった。父親の遺言に縛られ、渡米してしまった兄とはそれきりになっていた。が、聖也が加わった大規模な新しい仕事の事業主として現れたのは、大手建設会社の専務職につき切れ者と評されている兄だった。義兄の奏は社長の娘と結婚していたのを知った聖也は、思わず、13年前待ち合わせの場所へ自分は行ったと嘘をついてしまう。聖也の上司は仕事相手である奏との繋がりがあることに小躍りし躍起になるが、そんな思惑とは無関係に通常では考えられないような優遇を奏は約束し、周囲に波紋が広がっていく。奏の盲愛に聖也はとまどい、奏が妻帯者であることを指摘すると、その頃浮き上がってきていた土壌汚染のデーター捏造疑惑の罪を公表し、何もかもを全て捨て去ってしまったうえで、聖也にもう一度二人でやり直したいとエアチケットを握らせる。心を決められない聖也は、航空券を握り締めたまま、奏の前から逃げ出して。。。著者のいつものような軽さが全くない作品でした。特記すべきは攻の奏の壊れっぷりでしょうか。過去、待ち合わせに来なかった聖也を全く恨んでいないのはいいとしても、仲を引き裂かれた形となったことでその後の彼はまるで抜け殻くんだったようです。望まれたから会社に入り、求められたから入り婿にもなったと話し、聖也と再開が叶ったので妻などどうでもいいと言い切っております。う~ん、、ちょっとこの『どうでもいい』発言にはお話とはいえ、引っかかるものがありました。どうしても忘れられなかった気持ちはわかりますが、無責任行為はいただけません。行動力はあるようなので、それなら別れさせられたあの後、再開の手立てを立てていればよかったわけで。。。。と、なんだか自分本位な攻が好きにはなれないお話でした。
2008年06月01日
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