“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

2022.09.29
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テーマ: 中国料理(142)
カテゴリ: 中国料理研究

沼さん主催の貸し切りの四川料理勉強会 ​でした。
その時に沼さんが使っていない個室の件でいろいろ聞かれ、麻布十番から移転しないといけないかもしれないなと思っていました。
 それから井桁さんはいろいろ物件を探したようで、ようやく希望する一階に面する物件にご縁があり、広尾に本店がオープンすることになりました。

 まずはHPの引用から・・
創業以来、飄香ではいずれの店も化学調味料は一切使わず、厳選した本場の香辛料や自家製の発酵調味料にこだわった料理を提供しています。さらに井桁は、コロナ禍以前は毎年四川省に赴いて現地の味を探求するだけでなく、伝統四川料理の流れをくむ老舗『松雲澤(ソンユンゼア)』を中心とする『松雲門派(ソンユンモンハ)』に弟子入りして「継承人」として認定を受けるなど、現地で学んだ「本場四川の味の伝承」をモットーに、常に四川料理に真摯に向き合い、研鑽を積んできました。

四川伝統の調理方法に加え、日本の風土に根づく食材の魅力の引き出し方など自身がこれまで培った経験と技術、薬膳の知識など全てを昇華させた“飄香ならでは”の“ここにしかない四川料理を追求します。




お店は広尾から5分くらいの新築のビルにあります。
一階と言っても奥に隠れ家的にあります。


この扉の先に入口の扉はあります。



ここから覗くと無限の可能性が見える、飄香のマークだそうです。
(知らなかった)






店内に入ると左手にオープンキッチンがあり、井桁良樹シェフがおります。
こちらのお店はワンオペレーションで、シェフが献立を考え、一から心をこめてつくります。


テーブル席で落ち着いて食事ができます。


 お店は18時から入ることができて、18時30分一斉スタートです。
早く到着しすぎたので、広尾駅に近い『Blue Bottle Coffee』でメールをしておりました。

 今日はオープンして2ヶ月くらい経ちました。
会員の井桁さんへの景気づけをと取材をかねて勉強会を開催することにしました。


本日のメニューはおまかせになっており、こちらが本日のメニューです。
ロマンチストの井桁シェフならではですね。




下記がアルコールおよびワインリストです。


本日はワインペアリングにしました。





まず、前菜2品にあわせシャンパーニュから・・・




Champagne Deutz Brut Millesime


芙蓉

上は豆乳をムース状に仕上げ、下には干し肉とひんやりした白隠元をあわせています。
揚げ菓子は砕いてテクスチャを楽しむそうです。




竹韻
代々木上原店の屋号になっていますが、竹の余韻をモチーフにした料理。
四川省というと竹で、竹菓子がいろいろなところにあります。
二枚の竹墨を練り込んだパイが奏でる竹のイメージを表現しています。
その竹墨を練り込んだパイの内側にはフォアグラを挟んでいます。
笹に見立ててらっきょのピクルスがはみ出ています。
自家製甜麺醤と唐辛子ジャムで仕立ています。
緑茶のパウダーがかけてあります。


唐辛子の辛さがじわじわきます。


続いては、中国の白(2020 Silver Heights The Last Warrior)を合わせます。


中国は確かワインの生育条件が整っていて、フランスなどから醸造家を呼んでワインづくりがさかんになっています。
メルシュリースリングとシャルドネで、皮感を感じます。


琵琶
泡菜がメインの料理
泡菜のピクルス液でマリネした牡丹海老
泡菜のピクルス液を乳化させたマヨネーズのようなソースに仕立てあります。
ロックチャイブ


ソースの下に餅麦と刻んだピクルス入っています。ピクルスは炒った海老の殻の香りです。
海老の尻尾まで食べられるそうです。


これは、未知の食べたことのない料理ですね。
牡丹海老は凝縮されてねっとりした食感、酸味のあるソースとピクルスのテクスチャがあります。
「四川料理博物館」には飲む泡菜の絵があるそうです。
酸味のあるソースはまさにそんな感じを表現しているとのことです。


静夜
詩人の李白の詩に「静夜思」といのがある。
蒸茄子とすり潰したピータンの料理。
ドクダミ茶のジュレで寄せてある。
これはおいしい。
青唐辛子がピリッとします。


あわせるワインはロゼです。
2020 COTEAUX D'AIX EN PROVENCE




柳緑
川沿いに垂れる柳をイメージした料理
飄香風馬刺し
青森県産の馬肉をそれぞれ二枚重ねている。
上は赤身、下には紹興酒でゆっくりマリネした刺しの入ったお肉
ソースはニンニクソース
オクラとレモンバームを乾燥させたパウダー
馬肉はねっとりとした食感で、ニンニクのソースがうまい。


馬肉にあわせて10年ものの紹興酒


文明
中国四川省、険しい山が連なる大涼山。その山頂の秘境で、涼山イ族の人々がシャーマンを中心とした不思議な暮らしを営んでいる。最近の研究によって、人々は5千年前に、黄河文明と並ぶ長江文明を築いたある王国の末えいであることが分かってきた。
そのイ族は今も韃靼そばを食べて育てているそうです。
ダッタン蕎麦のクレープでそんなイ族を表現しました。
陳皮で香り付けして柔らかく炊いた甘い味わい鰻
カリカリの湯葉、ゆっくり乾燥させた春菊


半分に折って、くるくると巻いて食べます。




ピノグリと合わせます。
2015 GRAND CRU DOMAINE SCHLUMBERGER


随園


前菜最後はシグネチャー料理です。
北海海鼠の内側に豚のアキレス腱とミンチをいれています。
豚肉とムール貝のソース
海鼠の柔らかさ、手間のかかった料理です。




原木椎茸のパウダーが入った椎茸に見立てた蒸しパン




グルナッシュとシラーのセパージュのペランファミリーの赤と15年ものの紹興酒の二種をあわせます。


2019 Famille Perrin Vacqueyras Les Christins


月光
ゆっくり火入れをして甘みを出した南瓜と大分冠地鶏のレバーで浮き身にした月
ダブルの清湯スープ
上が冠地鶏とすっぽんの清湯スープ、短角和牛の清湯スープ
まず、スープの上澄みをすくっていただきます。


思郷
塩漬け発酵唐辛子と松川鰈の料理
魚のアラとザリガニの出汁


あわせるワインは
2019 Sancerre LA PLANTE FROIDE




貴妃
楊貴妃をイメージしたシグネチャー料理
鮑のジョージアのオレンジワイン煮込み


千葉県の「源ファーム」の十角糸瓜、山伏茸
添えてあるジャスミンライスをソースに入れて食べます。


こちらが千葉県の「源ファーム」の十角糸瓜です。


20年の上海老酒


楽山
ペンピー鴨(燻製鴨) エトフェした茨城の霞鴨




ロースと骨付きのもも。
火入れがとてもよくて、うまい!


勾魂
猪の澱粉と白嶺茸の蕎麦
魂が抜けるほど美味しい料理とのことです。
うまい。


白酒をあわせます。


白露
デザート
福建省の白茶と洋梨のソルベと濃く抽出した杏仁をプリン状にしている、上には白キクラゲのコンポートをあわせています。




喜筵
回鍋甜焼白
豚肉と小豆を時間をかけてとろとろにしたお料理
滋味ある料理です。


菊茶の泡をのせて仕上げてあります。
いつもながらおいしい。

まさに井桁良樹シェフの集大成をこめた唯一無二のレストランとなりましたね。
すばらしかったです。

飄香
〒150-0012 東京都渋谷区広尾5丁目19−1 VILLAGE 1F 2
電話 03-6277-2141





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Last updated  2023.01.07 14:31:47


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