小説を書こう!

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2004.12.27
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 二階の自分の部屋で、一階の居間から聞こえてくる両親の怒鳴り声が聞こえないように、耳をギュッと塞ぎながら机の上に顎をのせるようにしていると、妹がノックをして私の部屋に入ってきました。
「どうしよう。どうすればいいのかな?」
 妹は心配そうな顔で私に尋ねました。その顔は本心から両親の事を心配しているような表情でした。純粋に自分の心が顔に出ている、という感じでした。
 私は突然、その純粋さに殺意にも似た怒りを感じたのです。その怒りは、いつも自分の感情を心の底に押し付けるようにして生きてきた私ですら抑えることができなかったのです。
「何言ってるの? すべてあんたのせいなんだよ。あんたのせいで喧嘩をしてるんだよ。そんなにお父さんとお母さんの喧嘩を止めたいなら、あんたが死ねばいいでしょ」
 妹は、私の口から漏れた残酷な言葉に茫然と立ち尽くしていました。そして悲痛な眼を私に向けていました。私はその眼にさらされていることが堪えられなかったのです。
「ここから出て行って!」
 机から立ち上がり、妹をドアの外に押し出すとドアを乱暴に締め付けました。
 私自身も分からない心の底には、私があんなにも努力して得られなかった両親からの愛を、安々と手に入れた妹に対する醜い嫉妬があったのかもしれません。
 それ以来、妹は精神的に不安意になって病院の心療科に通うことになりました。
 私は妹に投げかけた言葉について親に話しませんでした。親から何も言われなかったことを考えると、妹も親にはしゃべっていないのかもしれません。しばらくはびくびくとしていました。妹が、
「お姉ちゃんにこんなこと言われた」
と親に言われて、親から、家族から見捨てられてしまう事を恐れました。いや、それ以上に、世界から見捨てられてしまう事を恐れました。そのときの私にとって家族は世界そのものでもあったのです。この家族は私には安全に存在できる場所ではなかったけど、そんな家族以外に私は「世界」を見つけることができなかったのです。だからそんな私の存在を抹殺するような家族でしかなかったとしても、私はその家族にしがみつく以外に無かったのです。






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Last updated  2009.01.12 11:17:11


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