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2008.03.18
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カテゴリ: 映画/ラブ

「彼女に電話したか?」
「いや。親父が(彼女の泊まっている)ホテルに届けてくれ。」
「お前が自分で届けろ。会いたくないのか?」
「・・・多分。」
「なぜだ?」
「(そんなに)簡単じゃないんだ。」

この作品は「きみに読む物語」と同著者の原作を映画化したものである。
作者ニコラス・スパークスの作品には「純愛」がクローズアップされることが多いが、「メッセージ・イン・ア・ボトル」も例外ではない。

おそらく、オリジナル小説を読んだら、涙無くしてはページをめくれないほどの感動に見舞われるに違いない。
しかし、映画という芸術(娯楽とも言えるが)は、物語ることと見せることとの融合なのだ。
そのどちらか一方のバランスを欠けば、深い穴に落ちることになってしまう。

浜辺に打ち上げられた手紙入りの瓶を、シングルマザーのテリーサが拾い上げるところからストーリーは展開する。
テリーサはシカゴの新聞社の調査部に勤務しているため、瓶の中の手紙をさっそく同僚にも披露する。
そうしないではいられなかった理由とは、その手紙の内容があまりにも誠実で、一人の女性に宛てられた愛情あふれる言葉に満ちていたからだ。
その手紙の全文は、さっそく上司の意向で新聞に掲載。
読者の反響はことのほか大きく、何百通もの投書が寄せられる。
そんな中、テリーサは手紙を書いた人物に好奇心を抱き、しだいに心を奪われていく。

手を尽くして、やっとの思いでその人物、ギャレットの居所をつきとめるのだ。
ギャレットは2年前に妻を病気で亡くしていたが、いまだに妻を忘れることができず、消え失せぬ愛に生きているのだった。


一つ一つの演技にそつがなく、どういう役柄に徹すれば良いのかを、努力によって培っていることがよくわかる。
セイリングのシーンにしろ、嵐の海へダイブするシーンにしろ、彼は全力投球でこの役に打ち込んでいる。
しかし、90年代前半に放っていた輝きを、残念ながらこの作品では感じることができない。
「ダンス・ウィズ・ウルブズ」「JFK」「ボディー・ガード」どれも素晴らしい作品に恵まれていただけ、惜しい気がした。
あるいは本作、ラブ・ロマンスというカテゴリにおいても息の長い役者であろうと、役作りの幅を広げるための挑戦だったのかもしれない。


この作品の存在意義は、全て、ここに集約されていると捉えても差し支えないかもしれない。

その父親を演じたポール・ニューマンの圧倒的な存在感と円熟した演技に、脱帽なのだ。

1999年公開
【監督】ルイス・マンドーキ
【出演】ケヴィン・コスナー、ポール・ニューマン

また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。
See you next time !(^^)





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最終更新日  2008.03.18 11:24:20 コメントを書く
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