吟遊映人 【創作室 Y】

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2008.06.15
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「“失われた聖櫃(アーク)”の眠る古代都市です。ヘブライ人が十戒を納めた、“聖なる櫃”です。」
「あのモーセの十戒か?」
「そうです。彼がシナイ山から持って下りて、打ち砕いた石板です。」

劇場で観ることはなかったが、テレビの金曜ロードショーか何かで初めて観た時の興奮は忘れられない。
ハラハラドキドキ、目まぐるしく変わっていく場面展開。
次は一体何が起こるのだろう・・・?!
子ども心にも胸を躍らせ、あいまあいまのCMにじれったさを感じつつ、テレビにかじりついて観たものだ。
だが大人になった現在、改めてこの作品を鑑賞すると、意外にものんびりと腰を据えて観ることができた。

作中、インディアナ・ジョーンズの同僚役(マーカス)として出演しているデンホルム・エリオット。
この役者の洗練されたイギリス英語を聞いて欲しい。
“眺めのいい部屋”やシャーロック・ホームズの“バスカヴィル家の犬”などの英国作品に多く出演しているイギリス人俳優だ。
余談だが、彼はバイセクシュアルであることをカミングアウトし、その後、1992年にエイズ発症のため急逝している。
主役のハリソン・フォードは、この作品に出演するまではスター・ウォーズのハン・ソロ役としての知名度が精一杯で、これと言う代表作にめぐまれていなかった。
だが、この「インディ・ジョーンズ」の興行的成功により、一躍有名になるのだ。

舞台は1930年代の第二次世界大戦勃発直前。
ナチス・ヒトラーは、秘密兵器として偉大な力を発揮すると言われる伝説の“聖櫃”の行方を追っていた。
アメリカ側はその情報を逸早く入手し、大学で考古学を教えるインディアナ・ジョーンズ博士に発掘依頼をする。
要請を受けた彼はエジプトへ出発。
途中、ネパールに立ち寄り、かつての恩師を探すために元カノであるマリオンのもとを訪れる。

その後、一悶着ありながらも、ジョーンズはマリオンを連れてエジプトへ。
しかしエジプトで待っていたのは、ナチス一派の執拗な攻撃だったのだ。

秘境を旅し、夢と恐怖の狭間を体験しながら聖なるものを探求する。
スピルバーグの作品は、エンターテイメントを追求しながらも、常にアートを意識している。
映画というメディアを通して提供されるテーマパーク。

スピルバーグがエンターテイメントとビジネスのバランスを絶妙に計って完成させた、80年代を代表する傑作なのだ。

1981年公開
【監督】スティーヴン・スピルバーグ
【出演】ハリソン・フォード

また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。
See you next time !(^^)





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最終更新日  2008.06.15 11:42:21 コメントを書く
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