吟遊映人 【創作室 Y】

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2011.01.25
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「正解だ」
「時間がない」
「あと約3分だ」
「青を切る。部下が待機してるから。私が間違えばわかるだろう」

時代というのは本当に残酷なものだ。
あのころ若かった、美しかった、何もかも素晴らしかった・・・。
人はいつも古き良き時代に万感の想いを込める。
映画にしても、アナログを愛する通たちからすれば、CGなしの本物の迫力に勝るものはないと言うに違いない。

実際そうだろうか?
これだけ情報が氾濫している昨今、視聴者が求めるのは、臨場感に溢れたリアリティではなかろうか。
本作「ジャガーノート」は、すでに37年も前の作品でありながら、映画通100人の評価を受けたイギリス映画とのこと。
(“TSUTAYA発掘良品”に掲載記事あり)
正直なところ、時代性は拭えない。
現代人の追求するリアリティには、今一つの感もある。
だがそれは仕方のないことなのだ。
注目すべきはそういう点ではないことを、まず言っておこう。

豪華客船ブリタニック号は、サウザンプトン港から華々しく出港した。
ところが航海中、あいにくの悪天候に見舞われ、1200人の乗客は不調ぎみ。
しかも悪いことは続くもので、船長のもとに一本の速報が入る。

期限は翌朝8時10分まで。
犯人の要求は50万ポンドの身代金であった。
ところが政府と軍は、あくまでもテロに屈しないという強気の姿勢を取り、軍の爆弾処理班が出動し、船内に仕掛けられた7つの時限爆弾の処理をすることになったのだ。
20110125b

本作を手掛けたリチャード・レスター監督は、ビートルズの主演映画「ビートルズがやって来る。ヤァ!ヤァ!ヤァ!」を大ヒットさせた巨匠である。
また、ペンシルベニア大学卒の秀才であり、吟遊映人が見たところ、頭脳派監督のような気がする。

出演している役者らの顔ぶれも見事。
若きリチャード・ハリスやアンソニー・ホプキンスを拝むだけでも、何やらご利益にあやかりそうな気がする。
映画通の評価を鵜呑みにしてしまうのは危険だが、時代を揺るがせた作品として、実力派俳優たちの立居振舞いからセリフに至るまでをじっくりと堪能するのは、有意義なことであろう。

1974年(英)公開
【監督】リチャード・レスター
【出演】リチャード・ハリス、オマール・シャリフ、アンソニー・ホプキンス

また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。
See you next time !(^^)





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最終更新日  2011.01.25 14:52:47 コメントを書く
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