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いちじょう じ あそ いとう じんさい 一乗寺に遊ぶ 伊藤 仁斎 しゅうしょく そうぼう すいび のぼ くも ろうじゅ まじ かり はじ と 秋色 蒼茫 翆微に上り 雲は老樹に交わり雁 初めて飛ぶ さんえん かき じゅく からす ふく さ けいかん きのこ おお ひと お かえ 山園 柿 熟し 鳥 銜んで去り 渓澗 蕈 椆 く 人 負うて帰る まち とお み ちり ばくばく はやし ふか ただみ きり ひひ 市遠ければ看ず塵の漠々たるを 林 深ければ只見る霧の霏々たるを たず ほっ たじつ み す ところ ひえい さんぜん やすい いそ 尋ねんと欲す他日身を棲ましむる処 比叡 山前 野水の磯 (詩文に合わせた挿入写真を作る)1、秋に気配を感じる瓜生山に上り中腹から初めて雁の群れを見た。 2、更に進むと山園の柿をカラスがつついていたが、そのうち柿を銜えて飛んで行 った。羽音が耳をつく。3、進むにつれ林は深くなっていった。 詩文説明瓜生山(京都一乗寺)の広く青々として秋の気配が満ちている中を中腹位まで登ってきた。さらに上方を見ると、雲は老樹の木立と絡み空には、今年初めて見る雁が列をなして飛んでくる。更に進んでいくと、山園に、柿が赤く熟れ、柿をつついて食していた鳥が羽音とともに飛び去って行った。谷川付近では茸類が多く採れるとみえ、それを背中のかごに入れて帰る村人たちを見かけた。この一乗寺辺りの村は、街から遠く離れているので、塵や埃はなく、空気がきれいだ。見える物といえば、林が深い為、立ち込めた霧だけである。将来、静かに暮らす処とすれば、比叡山の麓、つまり、この清澄な水をたたえた河原のある一乗寺村の辺りだろう。1、霧の中、谷川付近で椎茸を入れた籠を背負っていく村人に出会った。湿地の 為、茸類が採れるのだろう。2、此処は比叡山の近くで、人里離れていて空気も水も澄んでいる。3、瑞厳山園光寺(京都一乗寺)◎将来棲む処といえば、比叡山の麓でこうゆう塵埃のない野水のきれいな一乗 寺辺りに住みたいとなあ。 作者 伊藤仁斎 1627~1705 (寛永4~宝永)江戸初期の儒者。幼名は源七・源蔵。名は維貞。字は源佐、号は仁斎。別号古義堂・棠隠。京都の人。古義学派の創始者。その塾古義堂に全国より集まる門弟3000余、学界の一方の勢力となった。一生仕官せず、貧苦の中に学問に努め、寛文(1661~1673)初年朱子学を宋儒の独断論として、直接孔孟の原点に聖人の本旨を求める復古学を主張。朱子学の理気説と現実を無視する静的世界観に対して、宇宙人道の活動的立場をとる一元気論を唱えた。学風は道徳論が中心で、仁と義の解明を通して政治論が展開された。死後、弟子たちから古学先生と諡された。以後、長男東涯が古義堂を守り、江戸の荻生徂徠と拮抗し学界を動かした。主著「孟子古義」「童子問」「語孟宇義」など (角川書店.日本史辞典)
2013年11月07日
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い す ず がわ らいさんよう 五十鈴川 頼山陽 へいち うんき しょう さんてん もくいん たた 平地 雲気を生じ 参天 木陰を畳む まんねん かみ いま ところ ちょうしょ しらい こころ 万年 神 の在す処 兆庶 子来 の 心 こ みず きんこ なが なんびと せんしん はか 此の水 今古 に流る何人 か浅深 を測らん かんゆう えいちゅう あざむ たいよう りん のが 姦雄 裔冑 を欺 かんとするも太陽の臨を遁れず ※兆庶=多くの民。 ※子来=子が親の処に来るが如く神を敬い来る。庶民が有徳の君(神)の許に集まる。 (50歳の山陽が母を奉じて伊勢神宮の内宮に詣でた時の作) 詩文説明平地に彩雲がたなびき、天に散ずる老杉は、深い木陰を畳んでいる。この地は永遠に天照大神の静まるところ、万民が子の如く敬い来たる所である。この五十鈴川の水は、太古より流れて尽きず、あたかも皇統の連綿たるに似て、何人もその深浅をうかがい測ることは出来ない。たとい姦雄があって、大神の御子孫を欺こうとしても、太陽の神、大神の尚照鑑を免れることは出来ない。1、漢詩「五十鈴川2、伊勢神宮入口鳥居を過ぎると直ぐ宇治橋「五十鈴川」です (詩文・万年神の在す処 兆庶子来の心) 3,五十鈴川にかかる宇治橋の中央付近(最初の鳥居をくぐり橋の中央)1、「五十鈴川」宇治橋の右下。 2,「新橋・(宇治橋の次の橋)下左側」長い塀の屋敷が眼に入ります。おはらい町通 りの中間位に(おはぎ餅店「赤福本店」)の裏 3、「新橋下右側」(五十鈴川)1、内宮にはこんな大木が至る所に多数あります。2、3,古より口と手を清めるという伝えがある川(五十鈴川)左右 1、天照大神拝殿(万民が古より慕い参拝してる)。新しい拝殿が隣にある(式年遷宮 日、数日前で建物は全部出来あがっていて数日後の遷宮日を待つばかり)2参道の神木。(あまりに大きいので驚嘆している参拝に訪れてる人)3、おはらい町通りとおかげ横丁との交差する処に招き猫 (遷宮を招いている様子ではないでしょうか)
2013年11月02日
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