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世界最大の金融グループと呼ばれたシティバンクも終焉の時期が近づいている。アメリカ政府は普通株式への転換を行い、国営化に進む決断を行ったらしい。これまでは、金融部門のトップも銀行国営化に否定的だった。自由主義の旗を掲げながら、国営銀行を設立したのでは矛盾する。金は出すが口は出さない米国政府の方針が揺らいだのは、シティの資産内容の悪さだろう。貸し出した資金の多くが焦げ付く可能性が高い。それを察知して、シティの株価は1ドル程度まで下がってしまった。シティの株を買った投資機関はどこも大損をしている。 シティグループを政府管理下におく意味合いは重い。赤字額が大きすぎて、単なる政府融資では支えきれない。世界各地に配置された銀行網を考えると、シティを倒産させるわけにもいかない。あまりにマイナスの影響が大きすぎるし、米国金融資本の海外撤退につながる危険がある。政府そのものがシティを運営すれば、さまざまな信用のマイナスを取り返すことができる。シティバンクから逃げ出した預金を取り戻さないと、収支のバランスが取れない。預金者は逃げ出し、貸出先も夜逃げするという最悪の場面にシティは立たされている。これを変化させるには、信用力を強化するしかない。株価1ドルでは、信用力がゼロに等しい。 シティは利益優先の思想のもとに、あらゆる金融手段を使って預金を獲得してきた。他の銀行と同じサービスでは、シティに預金する客はいない。そこで、非合法すれすれの獲得術が使われることになった。日本支店で富裕層部門の閉鎖が金融当局によって行われたことは知られている。金持ちに有利な情報を流し、それによって多額の預金を獲得するという手法は日本だけでなく、世界各地でも行われていたはずである。普通の市民がシティを利用するのは海外旅行のときくらいだろう。シティは対象を富裕層に絞ることで、収益を向上させてきた。日本の銀行が庶民を相手にしているのとは対照的な姿勢になる。 シティが高収益を上げてきたのは、投資銀行部門といわれている。しかし、正しい投資を行って収益を高め、金利として預金者に配分するのは、途方もないエネルギーが必要になる。投資はリスクが高く、常に収益を得られる保証がない。工場を建設して製品を販売し、そこから利益を得るようになるには、長い期間が必要になる。確かに効率が悪い。そこで、シティグループは即座に利益を得られる不動産部門と高利貸部門に資金を集中させていく。両方を重ねたのがサブ・プライムローンだろう。貧しい人々に10%~30%の高金利で住宅ローンを貸せばどうなるかは、金融専門家ならば見えていた。それでも、シティグループは見かけ上の数字を高めるために、リスクに突き進むしかなかった。 シティの規模と資金力があれば、普通に運営していても利益を上げられる。シティの経営陣は普通の数字を並べることは許されなかった。たちまち、更迭されてしまう。日本の銀行の収益性の低さを笑っていたほどである。しかし、企業に対する融資や途上国に対する資金供給で利益を上げることは難しい。優良企業や貿易収支が黒字の国々は、シティの高金利の金を借りたりしない。シティの高金利融資を受け入れるのは、怪しげな企業と最貧国の政府くらいしかない。つまり、莫大な預金を集めても、投資する対象が限定されていた。世界金融戦争に勝ち抜き、有数の金融グループになったシティが破綻に直面したことは、いろいろと考えさせてくれる。いずれにしても、融資した貸出先が逃げ出している現状では、資金の回収は難しいだろう。シティの赤字を知って、多くの預金者は口座を解約してしまう。次の局面でも、茨の道が待ち受けていることは間違いない。
2009.02.28
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このところ、不安定な天候が続いている。雨が間断なく降って、まるで梅雨のような雰囲気になっている。降雪ではなく、雨なのが救いだろう。いつの間にか、雪柳の枝に緑の芽が出てきた。この植物ほど生命力のたくましいものはない。暑さや寒さに平気で耐え、成長するのも速く、野生種のたくましさを失っていない。 薔薇のように手間がかかる植物と、放置しておいてもたくましく成長する雪柳では、生命力が違う。どんな環境でも根を生やし、病虫害にも強く、枝一面に白い花を咲かせる雪柳はもっと評価されてもよい。最初に手に入れたときには小さな苗だったのに、数ヶ月で他を圧倒する大きさに成長した。5月に咲くという花が楽しみだなあ。
2009.02.27
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自衛艦もソマリア海賊の制圧に乗り出す。国連やNATOは、艦艇の派遣で海賊問題は解決すると考えているが、そんなに甘い話じゃないだろう。ソマリアの立派な港は、日本などが資金援助して建設されている。内戦勃発で無政府状態に陥ったソマリアは、貿易や海運が途絶えて、経済的に孤立している。ソマリアはアフリカ東岸にあり、中東とインド地域を結ぶ要衝にある。昔から、貿易基地として機能してきたが、内戦によってすべての経済機能が停止したので、漁のできなくなった漁船と貿易船が海賊に営業を変更したと言われている。立派な港は役に立っているのである。 ソマリアの港には、海賊業を成立させるための保険会社の出店や弁護士などの事務所が生まれたという。タンカーなどが海賊に占拠されると、これらの機関が活動を開始する。タンカーの本社や保険会社と連絡を取り、無事に救出する条件として多額の金銭を貰い、手数料を取る。ソマリアには海賊業によって豪邸を建築した猛者も多く、憧れの仕事になっているという。確かに1年1万円程度の収入しかない漁民に比較すると、何億円も身代金を受け取る海賊業はこたえられないだろう。ソマリアの海賊が消滅しない理由は、ソマリアの貧しさにあり、それを解決することほど難しい。つまり、ソマリアの海賊が消えることはない。 ソマリアには、臨時政府が政権についている。しかし、この政府を信用する国民は少ない。なぜなら、ソマリア人の一番嫌いなエチオピア軍を背景にして、権力を握っているからになる。臨時政府の腐敗ぶりも凄い。警察は保釈金目的に市民を逮捕する。家族が保釈金を払うと釈放されて無罪になる。支払わないと拷問を受けて投獄される。警察官の給与や警察署の運営費はここから捻出されるという。ソマリア臨時政府には、警察を運営するお金がなく、警察官も自主営業するしかない。 エチオピア軍から大量の武器を受け取った臨時政府は、反政府側のイスラム会議を討伐している。アメリカや英国などが臨時政府に支援を与えて、イスラム原理主義を追放しようとしている。臨時政府は全国を支配下に治めたかに見えていたが、各地の反政府勢力が蜂起して、内戦は続いている。反政府勢力を抑えるために、臨時政府はソマリアの町や村を爆撃したり、戦車などで攻撃したりする。それゆえに、ソマリア国民の反発は強まるばかりになっている。世界史的に見ても、史上最低の政府がソマリア臨時政府と言って良い。その「でたらめぶり」を支援しているのが国連になるので、ソマリアの内戦がやむことはないだろう。 海賊業を辞めさせるには、貿易や漁業を行える環境を取り戻すしかない。民主的な安定した政権ができれば、中継貿易も再開され、漁業も復活できる。イスラム原理主義の発達を恐れて、海外勢力によって設立された臨時政府は物資の横流しから、援助資金の着服までのあらゆる悪に手を染めている。それを批判する人間を逮捕して拷問にかける。そして、あらゆる手続きに多額の賄賂を要求する。役人たちは給料よりも賄賂で生計を立てている。これではソマリアに未来はないだろう。 経済を封鎖されているソマリア人にとって、海賊業が唯一の生計の手段になった。サウジアラビアが石油に頼り、アフガニスタンがアヘンに頼っているのと同じだろう。ほかに生活の手段がなく、先進国の援助もほとんど役に立っていない。村には学校も病院もなく、ほとんど石器時代と同じレベルの生活をしている。そんなソマリアに、金のなる海賊業が出現したのだから、海賊をやめさせるには、ほかの商売を与えないと話にならない。要するに、日本が本当にやらねばならないことは、自衛艦の派遣ではなく、ソマリア経済の再建だろう。
2009.02.26
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今年の欧州CL決勝トーナメントは、イングランド・プレミアとイタリア・セリエAの強豪同士の戦いで始まる。インテル対マンチェスターU、アーセナル対ASローマ、ユヴェントス対チェルシーという豪華な組み合わせになる。まさしく、リーグの雌雄を決する一戦が始まる。予想は圧倒的にプレミア勢の優勢だったけれど、幕を開けてもイタリア勢は苦しんでいる。速攻とタフさを得意にするプレミアについていけず、イタリア得意の形にしてもらえない。プレミア勢は相手の得意技を封じて、僅差で勝つという賢い戦い方に慣れている。ユヴェントスとローマは、あっけなく初戦に敗北してしまった。 インテルはつらい立場に立たされている。イタリア随一の戦力と強さを持つクラブが、まったくマンチェスターUにかなわないのでは、セリエAの看板に泥を塗ることになる。ミラノのホームゲームで開始された戦いは、厳しい展開になった。速攻とと強いプレスに阻まれて、インテルはボールを保持することさえもできない。イブラヒモビッチとアドリアーノの2トップにボールがつながらないと、インテルに得点のチャンスはほとんどない。強力な中盤でゲームを支配するというマンチェスターUのパターンにやられて、シュートすら打てない時間が続いた。 マンチェスターの守備のすごさは、語り尽くされている。4バックの堅い陣形を破る攻撃力を持つクラブは世界のどこにもない。インテル得意のロングパスがつながらないのでは、イブラヒモビッチとアドリアーノも役に立たない。ボールへの寄せが速いので、インテルはじっくりと攻めることができない。インテルのサッカーを前半はやらせてもらえなかった。インテルの戦術は研究し尽くされていたのである。 引き分けでも満足なマンチェスターUは無理攻めをせずに、攻撃のチャンスが来ると一気に前線に選手が集中する。その展開の速さはイタリアには存在しない種類のものだろう。あっという間にサイドを破られて、センタリングを許してしまう。GKが得点をゼロに抑え切れたのは奇跡に近い。後半、モウリーニョは陣形を攻撃優先に変えて、得点をとる戦術に出たが、最後までマンチェスターUの密集陣形を破ることはできなかった。 ミラノの第1戦が引き分けなので、第2戦に運命を賭けることになる。これだけの重量級の強敵と戦う機会をインテルが持っていないというのは痛い。ACミランが衰退し、ユヴェントスは再建の途中であれば、残されているインテルに期待するしかないのだが、勝負の世界は厳しいことを思い知らされる。もちろん、イングランドで行われる第2戦にインテルが勝つ可能性はゼロではない。何が起きるか不透明なのがサッカーの試合なのだから。
2009.02.26
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サザンカは真冬に咲く花として知られている。庭のサザンカは2月になって、ようやく咲く気配を見せ始めてくれた。やはり、九州や四国と違って、山間地は寒さが厳しいらしい。蕾が出て久しいのに、なかなか花が咲かないのであきらめかけていた。幹の周りに保温の囲いなどをすると寒くても花が開くらしいが、そこまで知恵が回らなかった。 サザンカは常緑樹林であり、冬でも緑の葉を絶やさない。桜などは葉を落として休眠しているのに、サザンカは寒さの中で生きている。緑の葉は光合成を行えるので、冬の間も成長できるが、花を咲かすにはエネルギーが必要になる。赤い蕾を見ていると、そのけなげさがかわいらしい。
2009.02.25
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サッカーのラフプレーはどこの国でも絶えない。と言って、イエローカードばかり出していると、試合の熱気がさめてしまう。危険な仕掛けにレッドカードを出したりすると、試合内容が一方的なものに変化させられる。負傷につながる危険なプレイをやめさせ、試合の運営をスムーズに進行させるために考えられているのが、「オレンジカード」という。オレンジカードを出された選手は、一定の時間場外に出される。チームは一人少ない人数で戦わねばならないので、一気に不利な立場に追い込まれる。現代サッカーだと、一人少ないメンバーで戦うことは、大幅に不利な展開を意味しているから、ラフプレイが減ると読んでいるらしい。 イタリアは守備重視の国であり、当たりも激しい。一発レッドカードは珍しくない。しかし、レッドカードの出た試合は一方的な展開になり、サッカーの醍醐味を味わうことはできなくなる。これまでも歴史的な一戦に一発レッドカードが出されて、勝負への興味が消えたことが重なってきた。それを避けるには、ゲームに復帰できるオレンジカードは面白いアイデアだろう。アイスホッケーでは、ラフプレイに対して退場が宣告される。一定の時間、退場者はボックスで待機させられ、相手側のパワープレイが始まる。数的有利になったチームは猛攻撃を行う。これがゲームに熱気と緊迫感を出して、予想外に展開につながっていく。それと同じ効果をオレンジカードは狙っている。 サッカーの場合、同レベルの戦力を持つクラブが戦っているとき、退場者が出てパワープレイになると一気に攻撃は白熱化するだろう。それが90分の最後まで続くのはたまらないけれど、退場が10分程度で終わるならば、得点のチャンスを生かそうとして攻撃は激しさを増す。警告の意味で出されるイエローカードも、国によって判断基準が異なるし、審判が厳しすぎてゲームを破壊することも多い。 サッカーは肉体的に過酷なスポーツになる。そのために、1週間に2試合のペースでゲームが続くと、故障者や負傷者が続出してしまう。日程を過密にしない方法論だけが主張されているけれど、それだけでは負傷発生は解決しない。選手交代の人数を増やしたり、休憩時間の変更も検討されるべきだろう。北京五輪の真夏の昼間ゲームで、給水の休憩をとったことがある。そういう配慮が必要な時期が来ている。日本でもクラブが強くなると、リーグ戦だけでなく、カップ戦やCL出場で過密日程が続く。これに代表の試合が絡むと主力選手はボロボロになってしまう。試合中にトラブルにあう確率も高まる。ベストのコンディションを維持するには、試合時間や日程、試合中の休養の取り方などを研究する必要が出てきている。オレンジカードをゲーム中の負傷者を減らすアイデアとして考えると、効果的なアイデアになってくる。
2009.02.25
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中央アジアの政治情勢は読み取りが難しい。キルギス共和国は3年前に米空軍基地の設置を認めていた。これは経済的な援助を期待しての戦略だったのに、米国政府に熱意が乏しかった。3年たっても、大規模な経済援助は実現せず、キルギス側に失望感と反発が生まれ始めた。アメリカにしてみると、経済援助は餌であり、基地ができてしまえばそれでよいという甘さがあった。イスラム教国にとって、米軍基地を認めるというのは危険を意味する。イスラエルの友人であるアメリカに対して、イスラム教徒は反発する空気が強い。それを押し切って、空軍基地の設置を認めたのは、要するにドルがほしかったからに過ぎない。アメリカにしてみると、イラクとアフガニスタンに使う戦費の増大で台所が苦しい。その上、民間銀行は中央アジア地域に関心がない。まあ、キルギスは単なる便利屋にさせられていたことになる。 この情勢に目をつけたのがロシアだったのは目ざといといえる。チェコのミサイル基地建設問題以来、ロシアはNATOの拡大に警戒している。さらに、旧ソ連構成国がNATOに引き抜かれていき、いまやウクライナは反ロシアの拠点になろうとしている。プーチン首相がキルギスに手を伸ばしたのも当然だろう。双方の思惑が一致して、キルギスとロシアは手を結ぶことになった。キルギスは米空軍基地を閉鎖して、ロシアへの脅威を弱めさせる。ロシアは大規模な経済援助をキルギスに与える。これによって、米国はアフガニスタンへの補給路を失い、ロシアは失った失地を回復できる。 キルギスが空軍基地を閉鎖した背景はロシア対策だけではないだろう。アフガニスタンへの再攻撃目指すオバマ大統領の機先を制することも重要になる。アフガニスタンで戦闘が激化すると、その周辺のイスラム国でも強い影響が出てくる。パキスタン、中国、カザフスタンなどの周辺国にしてみると、新たなアフガニスタン戦争は歓迎できない。そうでなくても混乱状態の続いているパキスタンは、アフガニスタンの和平を望んでいる。キルギスの空軍基地が閉鎖されると、海岸への入り口を持たないアフガニスタンに物資を送るのも苦労させられる。タリバンへの大規模な討伐作戦などは不可能になる。つまり、キルギス空軍基地の閉鎖の狙いは単純なものではなく、相当深い流れを秘めた戦略になっていることは間違いない。
2009.02.24
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「魏志倭人伝」に倭の村々に梅や桃の木が植えられていることが書かれている。弥生時代には、梅の花は日常的な光景になっていたらしい。大陸から稲作が伝来したとき、同時に梅や桃も伝わってきたと考えるのが自然だろう。弥生遺跡からは梅の跡が発見されるのに、縄文遺跡からは出てこないことも立証になる。 といって、梅の原種が日本に存在していたかどうかはわからない。氷河時代には、日本列島が大陸と地続きだったので、多くの動植物が回廊を渡って渡来してきた。梅の原種も渡来した可能性は高い。 梅は日本の自然と環境に溶け合い、植林によって全国に広がった。日本列島のどの地域に植えても育つ。花を楽しむ種と実を採る種に分離して、種類はいまも拡大している。花だけでなく、葉さえもない早春に咲き始める梅を、人々が愛してきたのも自然な感情だろう。
2009.02.24
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欧州CLの「インテル対マンチェスターU」の試合が近づいている。最近のイタリアクラブは、ACミランを除いて、CLで決勝まで勝ち抜くことができない。イタリアが弱体化したのとは逆に、イングランドプレミアの独走が目立っている。その最強集団がCロナウドを擁するマンチェスターUになる。プレミアリーグでもほとんど負けていない強さを持つ。まともに戦ったならば、勝つことは不可能な数字を持っている。モウリーニョの率いるインテルは、どうやって戦おうというのだろうか。 インテルはもともと強い。セリエAで1位でも当然だろうというのがモウリーニョに対する評価になっている。優勝が当然といわれるクラブの監督に就任して、実績を残せる監督は少ない。プレッシャーや選手の反乱に幻惑されてしまう。戦力的にも、心理的にも、体調もすべてが整わないとリーグ優勝は難しい。わずかな誤算が戦略を破壊するのは、アーセナルの姿を見れば理解できる。セリエAやプレミアで確実に勝つことは生易しくない。戦術や戦略だけでなく、選手の信頼を得ることができないと、不満が爆発してしまう。チェルシーが次々と監督を後退させている姿を見れば、ファンの期待にこたえることのむずかしさが理解できる。経営陣は監督の言い訳を聞いてくれない。 アドリアーノの復活に果たした役割も大きい。能力を持つのに発揮できない選手は、心理面に弱さを持っている。一度自信をなくすと、ピッチで復活を果たすことは難しい。アドリアーノだけでなく、ロナウジーニョやドログバなどもトラブルを抱えている。戦術やスタイルが複雑にかかわってくるので、一度先発メンバーから外れると、出場する機会すら閉ざされてしまう。選手の能力を見極めて適切に使うことは、言葉で言うほどやさしくない。有力チームほどスター選手が多く、わがままや不平が横行する。それを交通整理するのは、それなりの統率力が必要になってくる。時間を待ってもらえれば、実現可能な優勝も、即座に結果を求められるサッカーの場では、実現困難な要求になる。 モウリーニョ監督にとって、マンチェスター戦は鬼門だろう。勝てばさすがと評価されるけれど、負けると批判の矢が突き刺さる。インテルがその力量を発揮すれば、互角に戦うことができるだろう。それでも、マンチェスターの攻撃をまともに食らうと、大敗する危険がある。攻めのサッカーを仕掛けるか、守りのサッカーで失点を抑えるかで局面は変化していく。マンチェスターUと互角に戦えるクラブはほとんど存在しないことを計算すれば、インテルが負ける確率が高いだろう。他にはバルセロナ、マドリード、リヴァプールくらいしかまともに戦えるクラブがない。それゆえに、インテルが勝てば、まさしく決勝への道が開ける。このCLは最大の見ものになるだろう。
2009.02.23
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西インド諸島のアンティグア島に、ロバート・スタンフォードの運営する金融グループの本拠があるという。人口7万人の小国を経済的に握っているのが、スタンフォード投資ファンドになる。アンティグア・バーブーダは独立国であり、他国の干渉は受けない。農業以外に産業のないアンティグア島は、金融業とネット賭博に依存している。島には18の国際金融機関があり、世界各国と取引を行っている。多額の資金を運用する金融グループにとって、アンティグアはまさにパラダイスであり、隠し砦になっていた。ロバートは15年間もネズミ講をやっていたのに、SECは手を触れることができなかったのも無理はない。金融当局が相手にできるチンピラではなかった。 スタンフォード大学の創立一族であり、スタンフォード国際銀行を運営している財閥出身の男が詐欺師だったとは誰も信じないだろう。その知名度と信用力を利用して、8000億円近い資金を集めて運用していた。「安全・確実・高収益」のうたい文句に、誰もが魅力を感じて投資していた。金融当局にとっても雲の上の人物であり、調査が行われた形跡がない。内部告発で事件が明るみに出るまで、詐欺を探知できなかった。有数の億万長者がなぜネズミ講を行うかは不思議な現象になる。詐欺をしてまで利益を上げる必要がない。生活や借金に困っているわけでもない。それゆえに15年間も疑われることがなかった。SECが察知したときには数千億円規模の詐欺事件に発展していた。 投資ファンドは実績を要求される。10~30%の高金利を保証しないと資金は集まらない。安定した投資は3%程度の金利しか生まない。投資ファンドがどうやって30%もの利益を生み出すかは謎だった。現在では無茶な不動産投資や商品取引、途上国向けの株式投資に充てていた。それらは50%近い利益を生み出す時もあれば、暴落で大損を出す場合もある。先行きの見極めができないと資金は消滅してしまう。不動産の暴落、原油や穀物価格の値下がり、途上国市場の株式市場の破綻、これらが重なると投資ファンドも支えられなくなる。ファンドが頼りにしていたリーマンの破滅は、混乱に輪をかけている。 ロバート・スタンフォードが集めた資金を何に使っていたかはSECが捜査中という。集めた金を金利の支払いや不動産投資に向けていると、ロバートの金庫には金が残っていない可能性がある。高金利を支払うとファンドは資金不足になる。そこで新たな顧客を集めて資金を埋め合わせる。これが続くと金利を支払いが継続されるので信用力が上がる。金利を支払うために資金を集めるようになると破綻が近づく。ネズミ講は2年程度でサイクルが終わるはずなのに、15年間も続いたのは驚きだろう。それだけ、手腕にたけていたことになる。金融当局が探知できたときには、莫大な額の損失が出ていた。被害者は金持なので支払が行われていれば騒がなかったという事実もある。いずれにしても、詐欺を見過ごしてきた米国金融システムが終末に近づいていることは明らかだろう。
2009.02.23
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風が暖かったので、梅の並木道に行ってみた。国宝の堂のある小さなお寺の参道には、さまざまな梅が植えてある。大雨が降った後なので、紅梅の色が少し落ちている。見時というのは、微妙なものだと悟らされる。花が咲き始めているのは半分程度の樹木なので、これから満開になっていくと、他を圧倒する梅の並木道が生まれる。 まだ、寒々とした寺院の景色であり、見ごろまではもう一息だろう。お寺の周りにも、大樹の白梅がたくさん植えてあるので、早春の観梅はここに限る。地面に座りながら、暖かい缶コーヒーを飲むと春だなあと嬉しくなってくる。
2009.02.22
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キリンが砂漠に住んでいるというのは驚きだろう。草食動物であるキリンが、砂漠でどうやって生きていくかには興味がある。サハラと違い、ナミブ砂漠にはところどころに草が生えている。「奇想天外」という不思議な植物もある。数千年という長寿の植物なので、温暖な緑地帯だったころに芽を出し、砂漠化したナミブを生きてきた。深く根を張って地下水を吸い上げるので、雨も降らない砂漠でも生きていける。周辺が砂漠化したので、幼い苗木の根が地下水脈に届かず、すべて枯れてしまう。生き残っているのは、すべて数千年の長寿を保ったグループだけという奇跡の植物になる。やがて氷河期が来て、砂漠が緑地化すると子孫を増やすことができる。それまで生きながらえねばならない。 ナミブ砂漠はアフリカ西海岸に位置している。海岸沿いには、難破船や動物の骨が散らばって埋まっているので、「骸骨海岸」とも呼ばれる。この砂漠にキリンの一族が生きている。草食動物のキリンが砂漠に住んでしまうのだから、アフリカの生存競争は厳しいことを感じさせる。過激な競争地帯から、ライバルの少ない砂漠に移動してきたのだろう。ナミブ砂漠には、緑の植物が点在している。大西洋から潮風が吹きつけると、砂漠に濃霧が発生する。この霧の水分が植物を育てている。霧の水滴を吸収して、ナミブ砂漠の植物は乾燥に耐えることができる。気流は大陸の奥地にまで入るから、内陸地帯にも緑が点在している。キリンが生活できるギリギリの環境が成立しているらしい。それでも、毎日数十キロの草を必要とするキリンには、つらい環境だろう。餌を探すための距離は、毎日数十キロにもなってしまうという。 年に数日しか雨が降らないのでは、砂漠に適応した植物でないと生存できない。多くの植物は身を守るために棘や毒を身につけているので、草食動物にとってもナミブ砂漠で暮らすことは飢えとの戦いになる。象は地下水を発見する知恵を身に着けて、砂漠地帯を生き延びている。キリンは植物の葉を食べて水分を補給する。朝、露のついた葉を食べることで水分を補給する。年に数回の雨が降ると、砂漠の枯れた川に水が流れてくる。川岸に沿って植物たちが並んでいるのは地下水脈が残されているからになる。わずか数日で乾いて消えてしまう川でも、貴重な水分を与えてくれる。キリンもこのときばかりは喜んで水を飲む。キリンが砂漠の生存競争に生き残ることができた理由は、首が長くて高い木の枝の葉に届くこと、もう一つは棘のあるアカシアの葉を食べられることにある。キリンは巧みに舌を使ってアカシアの葉をもぎ取る。世界で一番美しい砂漠と呼ばれるナビブ砂漠に生き続けるキリンたちは、まさに適者生存の例になっている。
2009.02.22
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小国スウェーデンには、二つの自動車メーカーが残されている。サーブとボルボは高級車ブランドとして、ここまで存続してきた。その歴史を断ち切ろうとしているのが、金融危機による大不況の嵐だろう。サーブはGM、ボルボはフォードグループに属している。親会社のGMとフォードが危機的な経営状況にあるので、子会社の生き残りは難しい。メルセデスほどのステイタスもなく、BMWほどの技術もない。大衆車とは造りが違うけれど、カリスマ的な神話に縁がないブランドだった。サーブはGMがサポートすることで生き延びてきたけれど、GMが経営危機に立たされてみると、救済できるのはスウェーデン政府しかなかった。 米国政府は、GMとクライスラーを救済している。フランス政府はプジョーとルノーに数千億円の資金を与えている。資金難に追い詰められているのは、スウェーデンのサーブとボルボ、ドイツのオペル、英国のジャガーとランドローバーになる。そもそも、欧州系の銀行が危機的財務状況にあるので、自動車メーカーを救えるのは政府しかない。それなのに、スウェーデン政府がサーブ救済を拒否したので、衝撃を与えてきた。巨額の赤字体質に、GMとサーブは救済に値しない企業と判断している。スウェーデン政府が拒否すれば、会社更生法を申請するしかなくなる。 自動車産業はすそ野が広いので、メーカーが倒産すると社会的影響が大きい。雇用に深刻な影響が出てくるので、各国はメーカーの破産を避ける政策を打ち出してきた。スウェーデン政府が財務を精査すると、とても再建など不可能な数字が並んでいたという。救済を打ち出していた政府も、再建は不可能と考えて資金援助を断っている。赤字続きのサーブと黒字経営の続いていたボルボでは立場が違う。サーブ、ハマー、サターンの3ブランドだけで1000億円近い赤字が出る。売り払おうにも、買い手すらつかないのでは、更生法は仕方ないだろう。 サーブの出来事によって、GMを救済し続けるかに疑問が出ている。到底GM再建は不可能というのがスウェーデン政府の判断なので、それをオバマ政権が覆すのは難しい。GMへの資金が無駄になる危険性が大きく、米国民の80%はGM救済に反対というので、それを押し切るのも筋が通らない。組織が巨大すぎて、再建案を書き上げるのに時間がかかるようでは、再生は不可能だろう。自動車産業を本格的に再建するというのがオバマ大統領の方針であっても、それに耐えられるようなGMではなく、局面は相当厳しくなっている。
2009.02.21
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マダガスカル島は熱帯にあり、季節風が強い。島の中央に2000メートルを超える山脈があるので、冬は東風が高山に突き当たって雨を降らせる。水分を失った乾いた風が高山を超えて西部に吹きつけていくので、島の西側は雨の降らない乾燥地帯になる。夏にアフリカ大陸からの西風が吹くと、今度は西部に雨が降り、東部は乾燥していく。雨季と乾季が交互にやってくるから、適応できた植物が繁栄する。 カランコエは多肉植物であり、葉は分厚く、水分を蓄えている。熱風の吹き付ける乾燥地帯は、植物にとって最も厳しい環境だろう。雨期にひたすら水を溜め、厳しい乾燥に備えて生き抜く。鮮やかなオレンジ色は虫に存在を知らせて花粉を運んでもらう目印になる。マダガスカル島の多様な植物群は、適者生存の法則を浮かび上がらせる。
2009.02.20
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多くのPCファンが悩んでいるのが、秋のWindows7の販売開始だろう。新たな7の登場を待つべきか、安定してきたというVISTAにすべきかは、難しい判断になる。登場時にトラブルだらけで批判されたVISTAも平穏になって、数多い問題点も解消されているという。XPの時もそうだったが、2年たてば必ず安定する時代に入る。登場したてのときはバグに悩まされるので、Windows7もすぐには買えない。もう1年XPを引き延ばすか、VISTAに移行するかで1週間悩んでしまった。 セカンドパソコン購入の動機は単純で、VAIOタイプPの発売にあった。これほど使えそうなミニパソコンは見たことがない。重さが600グラムしかないというのも驚きだった。デザインも卓越しているし、動いてくれると面白いマシンになる。普通のネットパソコンは5万円以下で安いけれど、実に使いにくい。VAIOタイプPは驚いたことにVISTAを装備している。マイクロソフトは売り上げの低下を恐れて、さまざまな仕掛けを画策しているらしい。XPモデルは途上国用の低価格OSなので儲からない。そこでメーカーとの綱引きが始まっている。その結果、タイプPはVISTAを搭載したらしい。 久しぶりに量販店に出かけてあれこれ見ると、PCの陳列棚が様変わりしている。10万円以下のA4ノートは珍しくもない。格安デスクトップだと6万円程度から売っている。ノートもカラフルになって、仕事の道具というよりも生活グッズになっている。その中で、A4ノートとネットパソコンという組み合わせは、確かに弱点を補い合って便利だろう。地上波デジタルを装備したデスクトップとB5ノートの組み合わせも使いやすい。使っている東芝TX850がくたびれてきたので、Windows7を秋まで待つか、安くなったVISTA秋冬モデルを買うかが選択肢になった。NET通販を調べてみると、量販店よりも数万円安い値段が並んでいる。Dynabookは3年のメーカー保障に加入できるから、さほどトラブルを恐れる必要がない。楽天を調べていると、QOSMIOの秋冬モデルF40が11万5000円で売っている。QOSMIOは地上波デジタル受信機を組み込んでいるので、この値段ならばお買い得だろう。最初はネットパソコンを買うつもりだったのに、QOSMIOF40の安さに負けてしまった。 COSMIOを使い始めて3日目になるけれど、F40はTX850よりも性能が露骨に優れている。「VISTAはトロイ」という話を聞かされていたが、2年間の進化は見事だと言うしかない。トラブルメーカーの汚名は返上して、安定性を手に入れている。最初はTXを下取りで売り払うつもりだったのに、買い取り価格が3万5千円にしかならないことを知って、サブとして残しておくことにした。やはり、東芝は買い叩かれてしまう。PC値下げの圧力が中古価格にまで影響しているのだろう。今のところはF40はきわめて順調なので、エレクトロニクスは批判されて進化するものだと痛感させられている。
2009.02.20
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「金か、名誉か、サッカーか」という命題は悩ましい。ベッカムはロサンゼルスに移籍したけれど、それは金儲けのためだった。さまざまな欲望のために人間は惑わされるが、孤立した絶海の孤島に行くと誰もがむなしくなるのは同じだろう。ロサンゼルスで行われているサッカーは、ベッカムを満足させることが難しい。それは中東の産油国でも、日本でも同じ話になる。ほかの選手との技術の差がありすぎると、サッカーをやる意欲を失う。ベッカムが過去の人間ならば、すべてをドルのために捨てることもできただろうが、イングランド代表のピッチに立つには、一定の水準のサッカーを日常やっておく必要がある。 ベッカムがマドリードを離れる時、どうしてプレミアに戻らなかったが不思議だった。トップクラスのクラブが誘わなくても、プレミア中位のクラブならば十分に戦力として使える。プレミアでサッカーをしていれば、主力選手は外国人だから、イングランド代表に定着できるチャンスはある。ロサンゼルスでのんびりしていると、勝負勘を失ってしまう。米国サッカーの実情を知ったカペッロ代表監督が、ACミランへの移籍を工作したというのも無理はないだろう。 ベッカムの商品価値は大きい。ロサンゼルスはそれを計算に入れてベッカムを誘っている。スポンサーとの契約もあるので、それなりの移籍金を積まないと獲得はできない。12億円でベッカムが獲得できるならば、商業面でのプラスを計算すると、「それは安い」という話になる。ACミランが安い移籍金を提示して断られたというのも、これまでの流れを考えると愚かな話になる。ベッカムは値切って手に入れる選手とは違う。必要ならば、それなりの札束を積むべきという話になる。 ベッカムは期待を抱いてロサンゼルスに向かったはずだった。そこはサッカーの新天地であり、未開の荒野が広がっている。アメリカでサッカーをやっている米国と南米などの選手は世界トップクラスでなくても、それなりのレベルにある。ベッカムが神業を連発できなかったのは必然になる。期待していたロサンゼルスの観客が不満に感じたのも仕方がない。全盛期を過ぎたベッカムに神業を期待すべきではない。それでも、イタリアだったら、ベッカムを理解できる選手がいるので、組織プレイができる。ピッチの上でパスを出せるし、パスを出してくれる。孤立無援のロサンゼルスとは、サッカーの充実感が違う。イタリアに残留したくなったのも無理はない。 契約は契約だから、移籍金がまとまらないとロサンゼルスに戻るしかない。アメリカにもどると危険この上ない。同僚や監督も冷たくなるし、尊敬してくれないだろう。ファンは裏切り者呼ばわりをするから、ロサンゼルスに戻ることは不可能な立場にある。ACミランの首脳陣はそれを知っているから、移籍金を値切ったのかもしれない。しかし、ベッカムの立場を考えると、値切ってはいけない。ロサンゼルスが満足する金額を払うことはトラブルを避ける有効的な解決策になる。ベッカムがイタリアにやってくるというならば、金など惜しんでいる場合ではない。
2009.02.19
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アフリカの東岸に位置するマダガスカル島は、生物学的に孤立した島になる。多くの固有な動植物が繁栄している。古代ゴンドワナ大陸の一部分であったのに、いつどのようにして分離したかは謎になっている。 熱帯に位置しながら、高山を持つマダガスカルは、熱帯雨林や乾燥地帯などの複雑な環境によって、多様に発達した植物があふれている。 ふしぎな花「ミラベラ」は、サボテンと同じ多肉植物であり、マダガスカル独特の雰囲気を持つ。釣鐘のような多数の花が見事に並び、異次元の姿を感じさせる。これがサボテンの仲間というのが面白い。
2009.02.19
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G7記者会見の場に酩酊した状態で臨んだ中川財務大臣が辞任させられた。さすがに、この醜態を取り繕う言葉はないだろう。晩餐会よりも、焼鳥屋が好きな人間は数多くいる。蝶ネクタイが嫌いな人間が政治家にいても、不思議ではない。欧州では、ランチにもボトルワインが出されるから、用心しないと危ない。日本では昼間から酒を飲んでいると、それだけで人間失格と思われてしまう。食文化の違いは恐ろしい。いずれにしても、閣僚の昼食会を抜け出して、女性記者たちとコップ酒を飲んでいた財務大臣は、ろれつが回らないほど酩酊してしまった。 風邪薬が原因という言い訳もあるが、それだけでろれつが回らなくなることはない。会見に同席した財務省の役人も弱っていただろう。大臣を怒りたくても、立場上怒れない。記者会見を中止させるだけの度量が欠けていた。もっとも、酒好きの酔っぱらいが部下の言うことを聞くことはないだろうが。 どちらにしても、こういう事件では辞任は避けられんなかった。世の中に完璧な人間はいないし、同じ過ちを繰り返すのも人間になる。酒とタバコと麻薬は、一度沼にはまると抜け出すことは容易ではない。その日常生活が肝心な時に出てしまう。財務大臣を惑わしたのは、よほどの銘ワインなのだろう。そして意外と利いてくるのもワインの特色になる。CNNを見ていたら、日本ではこういう場合やめさせられると強調していた。国家の体面を失う不始末が辞任につながることに驚いている。 記者会見の場に千鳥足で来る大臣は、さすがに二度と現れることはないだろうが、よく政界を無事に乗り切ってきたものだと驚かされる。経済に対する不手際は批判されることがなくとも、笑って済ますべき事件を騒ぎ立てて、辞任に持ち込むのは日本のマスコミの得意技になる。日本人は政策論議よりも、こういうスキャンダルが好きなので、きちんと物事を進めないと転がされ終わる。政界が実力本意ではなく、年功序列の順番大臣制度である限り、待てば順番が回ってくる。順番が回ってきたときに何をやらかすかは、その人間性があらわれる。経済政策の失敗は厳しく糾弾されても、酒を飲みすぎて記者会見をぶち壊したくらいを大騒ぎすべきではない。 G7の課題は酔いどれ大臣ではなく、経済再建にある。経済政策がうまくいかないと、世界不況が長引いてしまう。景気対策は、大規模な財政出動を求められるから、国会でも意見が一致しない。財政赤字の日本にできる貢献は限られている。政治家に精錬潔白さやすぐれた経済判断力を求めてはいないのだから、このレベルのことは裏では日常的だろう。ほとんどの事件は蓋をされてもみつぶされてきた。今回は酒による酩酊だから、財務省の役人にも対処のやりようがない。この教訓は、海外で行われる昼食会で、最高級のワインを飲みすぎてはいけないことくらいだろうか。
2009.02.18
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そんなことが起きるだろうかと考えられていた事故がついに起きてしまった。英国海軍のミサイル潜水艦「バンガード」とフランス海軍ミサイル潜水艦「トリオンファン」の2隻がほぼぶつかったという。互いにソナー(音波探知機)が機能せず、接近に気がつかなかったというから深刻な話になる。幸いに正面から当たったので、衝突後すれ違う結果になり、乗員は無事だった。搭載されている原子炉にも被害が出ていない。横から当たっていたら、大惨事が起きていたところだった。 ミサイル潜水艦は海面に浮上することを想定していない。常に隠密行動を行うために、港から出ると海中に潜ったままになる。それゆえに、広い大西洋で2隻の潜水艦が接近する確率はきわめて低い。潜水艦の接近を探知するには、音波を発信して跳ね返る音を聞いて判断するしかない。原潜は海中でも30ノット近い速さで進むから、気がついたときには手遅れだろう。英国とフランスが同じ海域で訓練することもありえないから、どうして原潜が接近したかは謎だろう。ロシアの潜水艦ならば、追尾行動を取ることも考えられるけれど、英国とフランスでは偵察も考えられない。 トライデント級原潜には、16発の核ミサイルが搭載されている。それぞれが数発の核弾頭を持つので、破壊力は大きい。ロシア原潜の大部分を軍港に係留しているけれど、英国とフランスは臨戦態勢にあるらしい。先制攻撃に弱い陸上のミサイル基地を捨てて、海中から発射するようになってから、多くの原潜が沈んでいる。機能優先のために安全性を軽視しているので、海中で事故が起きるとまず助からない。乗員を海底から救出する方法は手間と時間がかかるから、事故が起きれば絶望的な最後を迎えるのは、第二次大戦中と同じになる。 英国海軍とフランス海軍が、いまだにミサイル原潜を保有している理由は、核大国としての面子の部分が大きいだろう。一度も使われたこともなく、今後も使われないはずのミサイル潜水艦を保有し続ける意味はない。技術が進歩して、途上国でも核開発ができるようになると、いずれミサイル原潜も建造され時代が来る。それを避けるには、原潜そのものを禁止するしかないのだが、核保有国は利権が侵されるといって強く反対する。廃棄することもできずに、錆だらけの旧式原潜が並んでいるロシアの軍港も哀れだが、いまだに核大国の利権を維持するために原潜の保有を続ける英国とフランスも情けないなあ。
2009.02.17
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東洋のツツジが西欧に移植されて生まれた品種がアザレアという。繊細で地味な味わいがツツジのよさなのに、欧州から里帰りしたアザレアは派手で豪華な姿に変身していた。確かにこれがツツジ系統とは思えないほど華やかに姿に変身している。 アザレアは熱帯系の原種を種にしてきたから、寒さに弱い。零度以下になる地域では枯れてしまうので、冬は室内育種が必須になる。気温が温かくなったら、屋外に並べておけばよい。それにしても、植物の進化の歴史にはいつもながら驚かされる。
2009.02.16
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イタリアにサッカーの多様性が生まれつつある。インテル、ACミラン、ユヴェントスとサッカーの方向性が異なってきた。インテルはバランスの良さを信条にしている。迫力や破壊力ではなくても、相手をジワリと追い込んでいく。それに比較すると、ミランの戦力は豪華絢爛だろう。パト、ロナウジーニョ、セードルフ、ベッカム、ピルロ、アンブロジーニと並んでいると凄みがある。カカがいなくても負ける陣容ではない。ボール扱いのうまさは、どのメンバーも際立っている。個人を中心とした技のミランに移籍しては、フラミニの出番がないのは仕方がない。組織を第一に置くプレミアと個人技を重視するミランでは、パスの名手もかすんでしまう。 インテルはイブラヒモビッチとアドリアーノが攻め立てる。2枚看板が機能しないとボールが前に進まない。大型FWを前線に立てて、それめがけて突進していく。普通にシュートをしたのでは、GK弾かれてしまう。高さと大胆さと柔軟性でミランの網を潜り抜けようとする。アドリアーノの先制点はどう見てもハンドだけれど、あの角度にパスを出す感覚が鋭い。2点目はイブラヒモビッチの高さとスタンコビッチの鋭さが噛み合った得点だった。これほど切れ味のある攻撃はセリエAにおいても少ない。ミランDF陣も身動きできない見事な展開で2点差突き放す。こうなると、ACミランは守りを捨てて攻めるしかない。 ベッカムはまったく目立たなかった。体調が悪かったのだろうか。この豪華メンバーの中では、やはり普通レベルに甘んじてしまう。ロナウジーニョですら、存在感が希薄になっているミランの現実がある。イタリアのサッカーに一番なじんでいるのは、MFセイドルフだろう。ピッチを縦横無尽に走り回って、攻撃の起点から、前線の突破や守備までこなしてしまう。ロナウジーニョとセイドルフがいると、確かにベッカムの役割はほとんどない。守備ではベッカムの特質も生かされない。 プレミアのサッカーに比較すると「イタリアは緩い」という意見が出るのは無理もない。プレミア流の堅い守備と強いプレスと速いパス回しに比較すると、イタリアはのんびりしている。無駄のないサッカーなど目指していない。常に心にゆとりがあり、分をわきまえている。攻撃をするのはFWであり、DFは守備に重点を置く。無理に圧力をかけてボールを奪うようなことはしない。それゆえに技のある人間は目立つ。驚いたのはパトが大きく成長していることだった。ロナウジーニョやアドリアーノを超えようとしている。これだけ確実に得点を叩き込むFWに成長するとは予想できなかった。ACミランは、ブラジルのリズムそのままのサッカーに進もうとしている。
2009.02.16
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アフガニスタンで何が起きているか、何が起きようとしているかを日本人が知ることはできない。情報の伝達が欠落しているからになる。そこで、アフガニスタンの話には、誇大妄想的な尾ひれがつくことになる。世界の90%以上のアヘンを栽培していることや米軍が援助した武器の半分は行方不明になっている話などは、それに当たる。政府要人は賄賂を要求し、国土はいまだに戦場になっていると伝わる。オバマ大統領がカルザイを信頼するに値しない人物と主張するのも無理はない。そこで、追求される側のカルザイ大統領のインタビューがCNNで行われ、その姿を見ることができた。 質問は単純なものが多かった。家族に麻薬密売業者がいるというのは本当かという質問などである。カルザイはその情報の多くが米軍関係者の陰謀によるものと語る。アメリカに非協力的なカルザイを米軍はやめさせたがっている。カルザイの信用をなくすために偽りの情報を流していると言う。カルザイは「アフガニスタンの村にテロリストは存在しない」と断言している。それゆえに、米軍やNATO軍がアフガニスタンの村々を攻撃することを強く批判している。南部の村々を攻撃しても、住民の反発が起きるだけで無駄であることを訴える。「タリバンはアフガニスタンにいない」と主張する言葉をアメリカ軍が信用できないのも無理はない。その言葉が真実だとすると、多くの軍事作戦は無駄な行動になってしまう。日本人には、いったいアフガニスタンの村で何が起きているかを知るすべがない。 オバマ新政権は、米軍を増派してタリバンを攻撃すると公約に掲げている。しかし、カルザイが「アフガニスタンにタリバンがいない」と主張すれば、米軍は矛先をパキスタンに向けざるを得ない。アフガニスタンで起きている米軍の戦闘は、実はタリバンとの戦いではなく、一般民衆を誤爆しているに過ぎないことになる。これが事実だとすると、これまでの通説は大きく書き換えられることになる。「一体どこにタリバンはどこに潜んでいるのだろうか」は愚かな質問になってしまう。タリバンはアフガニスタンにいないのに、米軍やNATO軍は誰と銃火を交えているのか。それを確かめる手段や情報網を持っていない。 一般のアフガニスタン人、アフガニスタン南部に住むパシュトン人、一般のパキスタン人、パキスタン西部に住むパシュトン人、海外からやってくるイスラム戦士のムジャヒディン、アルカイーダなどのテロリスト、これらが渾然一体になって国境地帯に住んでいる。米軍とNATO軍は、それらを区別することができない。そこで、無差別に村を襲って攻撃する。犠牲者の多くは一般の村人であり、それが映像で伝えられてアメリカ軍に対する反発が強まる。多くのアフガン人とパキスタン人にとって、米軍とNATO軍は敵にしか見えないのだろう。アメリカ軍は多数の民衆に包囲されている。 カルザイの「アフガニスタンにタリバンはいない」という言葉は重い。それでも、「テロリストは国境の外にいる」というカルザイの言葉を信じる米国人はいないだろう。アフガニスタンを本当の戦場と考えているオバマと「アフガニスタンの村にテロリストはいない」と語るカルザイでは、おそらく話が通じない。基本認識がこれだけずれていると、まったく対話にならないだろう。それゆえに、カルザイは信用するに足らない人物という評価が出て来る。もし、アフガニスタンだけでなく、パキスタンにも戦火が拡大すると、この地域は手をつけられなくなるほど混乱してくる。オバマ新政権は、この問題の解決に慎重になる必要が出てくる。アフガニスタンの真相が見えていないのでは、戦いようがない。
2009.02.15
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梅の花の美しさを思い浮かべると、ひ弱い樹木だと感じてしまう。実のところ、梅は樹勢の強い一族になる。真冬には、すべての葉が落ちて枝だけのみすぼらしい姿になっているけれど、蕾が芽生える頃になると枝に勢いが出てくる。 天に向かって多数の枝を突き出している姿は、異様なほど迫力に満ちている。同じバラ科の桜や桃に比較すると、丈夫で病虫害にも強い。庭に放置されていても、春になると真っ先に花を咲かせてくれる。さらに焼酎梅や梅干の効用があるのだから、人間が手離せないのも無理はないなあ。
2009.02.14
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渡り鳥のシーズンがやってくる。春や秋になると、餌場や繁殖地を求めて多くの鳥が長距離を飛行する。それは何百キロ、何千キロの長旅になる。その過程で多くの仲間が犠牲になっても、鳥が渡りをやめることはない。飛んで行く先を精密に把握していて、毎年同じ地域に飛来する。夜間飛行する種族もあるというから、渡りの秘密を人間が解析できないのも無理はなかった。実のところ、人間はどの鳥が何のために渡るかさえも把握できていない。ところが、鳥の体に電子機器を装着することで、飛行ルートや時間を観測することが可能になった。渡り鳥の動きを把握できるようになったことは、生物学にとって画期的な出来事になる。 鳥の速度は予想外に速い。一日に500キロを飛行する鳥がいる。そのルートは直線でなく、寄り道しながらのんびり進むというのが面白い。まさしく、伊勢参りと同じ感覚なのだろう。単に苦しいだけの旅であれば、進化の過程で絶滅させられる。鳥が長旅を楽しみながら飛行できないと、渡りそのものが消えてしまう。繁殖地からの帰り道は一直線と言うのもさまざまな事情を考えさせてくれる。雛の安全性や体力を考えた処置かもしれない。1万キロ以上を旅する鳥は珍しくない事実は、タフな種族だけが生き残ったことを意味する。やわな種族はとうの昔に消滅している。 鳥が正確な飛行ルートを探知できるのは、太陽の光の偏差を分析できる能力を持つからだという。太陽を見ながら、自分の飛行位置を正確に知ることのできるNAVIを頭脳に搭載しているらしい。夜間飛ぶ一族は、星の位置から自分の位置を判断するらしい。いずれにしても、数千万年の進化の過程で身についた能力であり、鳥の本能でもある。近くにある餌場を目的地にするのではなく、何千キロも飛行する理由は、いまだにわかっていない。いずれにしても、正確に陸地や海上の位置を把握できないと、一族はたどり着けずに餓死するしかない。厳しい宿命を生き抜いてきたことが、鳥の繁栄の秘密だろう。 飛行している最中は、満足に餌も取れないし、水も飲めないと思われてきたが、そんなことはないらしい。海を渡る鳥は餌や水を確保しながら進むらしい。途中の島の位置を正確に計算できないと、休むところさえ見つからないから、探知能力が進化してきたのは当然だろう。人間の山林開発によって、繁殖地を失う場合も出てくる。そのときには、新たな餌場や繁殖地を発見する能力も求められる。過酷な旅をする渡り鳥は、たどり着く総数が勝負になる。全員が生き残れるほど渡りは簡単な旅ではない。 大陸移動が渡りの原因との説も出ている。ゴンドワナ大陸が分裂していく過程で、鳥たちは地形の変化に適応して渡りを行うようになったという説である。一理はあるけれど、それだけで複雑な飛行ルートを説明できない。多様な鳥が生まれる過程で、餌場や繁殖地を争わずに確保する必要に迫られ、それが渡りの起源になったことは間違いない。同類は同じ地方に向かうから、争いを避けるためには、距離が長くならざるを得ない。これを見ると、自然界は人間の考えるよりもはるかに過酷であり、それを生き抜いてきた種族はタフである。人間が原野をむやみに開発しなければ、絶滅などの恐れは少ない。すでに、弱い種族は淘汰されて消えている。
2009.02.14
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企業経営者と親交のあるコンサルタント会社の裏金疑惑は、報道を聞いただけでは読み解きがたい。どこまで深く関わっているかは、解きがたい謎だろう。CANONが大分に進出するに当たっては、大分県の露骨な優遇策が行われたという。そうしないと地方に工場など建設されない厳しい現実がある。県土地開発公社は最大限のサービスを行うことで、CANONを誘致した。この甘い汁を横から吸おうとしたのが大光になる。CANONの威を借る狐なのだが、大分県の関係者は大光に頭が上がらなかったらしい。この男を不機嫌にすると、CANONがつむじを曲げてしまう。やむを得ずに裏工作を認めるすることになってしまった。 裏金事件は、大分県の土地開発公社の造成疑惑から始まっている。公営企業である土地公社が造成を行うとき、本来は入札を行う。ところが、これが無視され、指名入札が行われていた。(CANONが要請していたからやむをえなかったというのが公社側の言い訳にされている)CANONが工場を建設して操業すれば、元は取り戻すことができると踏んだらしい。造成を請け負った鹿島は下請けに出す。1次2次と下請けに出されていくうちに、どこかで裏金が捻出される。支出先については鹿島が黙秘しているので、どう流れて行ったかがわからない。大光が受け取ったことになっているけれど、本当のところは不明だろう。 大光は土地公社から工場の隣接地を手に入れて、CANONの寮を建設している。相場の半額で入手したことも問題になっているが、そのくらいのサービスをしないと工場がやってこない現実がある。公正な取引を主張していたら、他の県に負けてしまう。企業は最も有利な条件を出す地域に進出するから、争って甘い餌を撒くことになる。よそに取られる前にCANONと契約するには、ほかよりも好条件を出すしかない。工場建設だけでなく、あらゆる面での優遇がされているはずである。 エレクトロニクス産業分野で、九州は本拠地にやっと成長した。さまざまな先端企業が九州に進出する過程で、地元の誘致合戦が起きている。工場進出は100%か、ゼロかという厳しい競争になってしまう。負けると造成した土地が売れ残って終わる。日本国中に余った工場造成地が並んでいる。大分県はその中で成功した地域だろう。誘致に成功するには、道路網や港建設などのさまざまな公共事業が要求される。やっとCANONに進出してもらったら、今度はコンサルタント企業が踊りだす。無理難題を拒否して工場無しで終わるか、手練手管を使って工場を建設してもらうかが、地方経済の成長の分かれ目になる。確かに、解決が困難な問題だってことはわかるなあ。
2009.02.13
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白梅と紅梅の違いは、カラーバージョンと思っていたら違っていた。白梅は梅の実を採取し、梅干を造る種という。紅梅の花は美しいが、実は小さくて渋く梅干にならない。紅梅はあくまで観賞用の樹木であり、畑に白梅が圧倒的に多いのは当然になる。 昨秋、苗木を買ったとき、白梅とも紅梅とも書いてなかったことを不思議に思ったけれど、農家にとって梅が白梅なのは当たり前なのだろう。梅の木も小さいとかわいらしい。 先日、満開の紅梅を見たので、梅の並木道がある古寺の参道に来てみた。さすがに2月中旬では、梅も蕾のままで寒さに耐えている。嬉しかったのは、白い花が今にも咲きそうな枝を見つけたことにある。開花の瞬間を予感させる白梅は、すでに春の訪れを感じているらしい。
2009.02.13
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ピム監督の挑発発言は、日本のマスコミをにぎわせた。紳士であるはずの代表監督が刺激的な発言を重ねることは珍しい。その意図がわからないから、日本の選手たちを刺激しただろう。驚きは二つある。一つ目は、試合2日前の直前召集だった。欧州でプレイする選手が多いオーストラリアは、日程的に厳しい。イングランドなどから飛んでくるには、時差ぼけなどの苦しみもある。「挑発発言」は自信のなさと批判されるのも無理はない。欧州組を中心に置くと、万全な体調で戦うことは不可能なのは日本だけでない。 二つ目の驚きは、ワントップサッカーという守備的な配置だった。強烈なパンチを持つオーストラリアが守りに徹するという展開は、さすがに予測できなかった。プレミア流の失点をしないサッカーに徹すると、確かにオーストラリアは手強い。高さを武器に深い守備陣形を引かれて、日本側にほとんど得点のチャンスが生まれなかった。もともと攻撃力の弱い日本が、高くて堅い守備を破るのは難しい。チャンスはフリーキックしかないというのは事実だろう。そのFKは高さを意識したために外れてしまった。 4人のDFだけでなく、3人のMFが守備に回るという4-3-3のシステムは、高さに余裕のあるアジア地域では鉄壁といってよい。日本はフリーキックやロングパスをゴール前に入れたのに、80%くらいはオーストラリアに取られてしまう。これではゴール前にロングボールを蹴ることは、相手にボールを渡すのと同等になってしまう。DFの寄せも速いから、ドリブル突破も難しい。パスを丁寧につないでいくしかない。雑なパスはたちまち奪われてしまう。中盤からのプレスも効いている。確かに欧州レベルのきついサッカーを狙っている。 日本側は俊輔と松井を軸に攻撃しようとしたが、高さの壁にことごとく弾かれてしまった。ゴール前に入れるボールを低く狙おうとしても、密集陣形を突き破れない。といって、丁寧にパスをつないでいくと、ゴール前にたどり着いたときには、がっちりとした守備が固まっている。まったく点が入りそうもないゲームになってしまった。こういうレベルの試合に勝つには、破壊的なストライカーが求められる。 ピム監督は日本をなめているという批判が強かったけれど、まったく逆だった。日本を甘く見ていたら、深い守備陣系は取らないだろう。オーストラリアのFWが孤立したのも、チームが前進しすぎることを恐れた効果になる。中盤を日本に支配されることは覚悟した上で、それを受け止める戦術は3ボランチしかなかった。オーストラリアの攻撃シーンが少ないことを批判されても、予選を勝ち抜くにはこれしかない。オーストラリアはアジアの中では圧倒的に強いと信じられているが、ピム監督はそう考えていないらしい。いずれにしても、この試合は引き分けに持ち込むしかなかった。勝つことは、どちらにとっても乗り越えるのが難しいテーマになっている。
2009.02.12
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自動車の世界的な販売不振にどう対処するかは、各国政府によって異なる。倒産寸前のGMとクライスラーを抱えるオバマ政権は、このまま苦悩するだろう。資金援助を与えても、それは破綻への猶予になるだけであり、抜本的な改革案が出て来る可能性は低い。GMの改革案締め切りは2月17日になっている。この日までに改革案を提出できないと米国政府の支援は打ち切られる。そんな短期間で、抜本的なGM改革案が出るわけもないから、田舎芝居に過ぎないと見る向きは多い。GMを倒産させると地域への影響が大きすぎるから、オバマ大統領の判断は難しい。 フランスのサルコジ政権は、スマートに解決案を見出している。1兆円の融資を自動車業界に与える代わりに、雇用と工場の維持を約束させている。これほどの不況が長続きすることはないから、しばらく政府融資でしのぎ、欧州の経済回復を待つ作戦になる。フランス政府がルノーやプジョーにリストラを求めるのでなく、雇用の維持を要求したという点が新しい。放置しておくと、日本企業のようにリストラに走ってしまう。それは国民に不安を与えて、消費不況を引き起こす。それがさらなる販売不振を引き起こす。サルコジ大統領の政策は、この循環を断ち切る狙いがある。確かに、ほったらかしの日本政府とは違う。 需要の急減が信用不安によるローンの停止にあることは間違いない。住宅や車を現金で買える人間は少ない。金融危機の真っ最中にあるので、企業や個人に金融機関が融資を行うことができない。金を借りたがる人間は危ないという判断を下されてしまう。そこで、無理をせずに中古車や小型車を求めることになる。これは世界中同じ流れだろう。信用不安が収まるには、数年間の歳月が必要になってくる。つまり、高級車メーカーや大型車には、しばらく厳しい時代が続く。これからもオバマ政権はGMをどう処理するか悩むだろうし、サルコジ政権は確固たる決意で突き進んでいくはずである。日本政府は、道路建設のための自動車税の確保が第一なので、思い切った政策ができない。じっと待ち続けるつもりさ。
2009.02.11
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お寺の境内にひっそりとサザンカの花が咲いていた。多くの植物が葉を落としている中で、緑の葉を茂らせているのは、針葉樹と笹の類と照葉樹になる。梅のあでやかさとは別次元の清楚さを持ち、冬に咲く花としては貴重な存在だろう。 じっと観察していても、山茶花と寒椿の違いはわかりにくい。同じツバキ系の花なので、江戸時代から交配を重ねてきた報いかもしれない。色の濃さや派手さを感じるツバキとすがすがしさを感じるサザンカという程度の違いしかない。花弁や蕾や葉を見ても、図鑑で調べてもすっきりしない。DNA鑑定しか方法がないというのもうなづける。椿は文字通りに春に咲く花であり、冬に咲く山茶花と季節分けがされていたはずなのに、早咲きと美しさを求めるあまり、迷路に入っている。やはり、花は自然のままがふさわしい。
2009.02.10
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チェルシーまでが監督交代地獄に落ち込もうとしている。急展開でスコラーリ解任を決定した。これは予想されていた展開なので、誰も驚かないだろう。圧倒的な強さを演出したモウリーニョ追放のときは誰もが悲しかった。モスクワのCL決勝まで進んだグラント将軍を更迭したときには素直に驚かされた。モスクワのPK戦敗北は、まったく監督に責任ではない。選手も監督更迭に強く反対したにも関わらず、首脳陣は無情に首を切り、コーチ陣も一新された。これによって、戦略の根本が崩されてしまった。 その後にやってきたのが元ブラジル(ポルトガル)代表監督のスコラーリだったので、危険な予感を感じたのは無理もない。ブラジル式のサッカーが、即座にイングランドプレミアで通用するほど甘くはない。そもそも、欧州と南米ではサッカーの理念が違う。ブラジルの個人技サッカーは、鉄壁の守備を持つマンチェスターUに対抗することはできない。勝つことを第一に熱いサッカーと、負けないことを徹底した冷徹なサッカーの間には、深い溝がある。その溝を埋めるのがデコやクレアズマのはずだったけれど、力量を発揮する暇がなかった。スコラーリの思うようなサッカーをやって敗北したのならば惜しくはないのに、スタイルが完成する前に解任では納得できないだろう。 チェルシー首脳陣としては、優勝するために招請したスコラーリ監督が、早々と戦線から脱落するようでは、リーグ戦終了まで待っていられないというところだろう。最強のチームに、プレミアの事情を知らない人間を選択した誤りは大きい。大物監督ほど自分の信念を変えることができない。選手にしてみると、突然ブラジルサッカーを命じられても、体が動かない。チェルシーの不調というよりも、戦術や作戦の変化に選手が戸惑っているうちにシーズンが半分終わっていたというところだろう。スコラーリを惜しむ声が上がっていないところを見ても、雰囲気は理解できる。 次の監督はバルセロナを追放されたライカールトの可能性が高いだろう。他にはロシア代表監督ヒディンクあたりになる。プレミアでこれほど厳しく結果を求められると、たいていの人間には達成不可能な話になる。首脳陣は「優勝して当然」という考えでも、プレミアでリーグ戦を勝ち抜くのは容易ではない。失点ゼロの試合を続けるのは、本当に困難な戦術を貫かねばならない。単に戦力が充実しているだけでは、優勝ラインには届かない。監督の戦術や作戦が優れていても、それだけでは1年間を戦えない。資金や補強がうまく行くのは当然な話になる。そこに落ち度があっては優勝戦線から脱落させられる。チームの雰囲気や信頼関係も重要になってくる。ドログバのようにすねている人間が出ては戦えない。すべてが揃わないと世界王者のマンチェスターUに対抗できない。 チェルシー首脳陣が焦るのも無理はない。優勝から遠のくと資産価値が目減りする。1000億円の借金を抱えるチェルシーとしては、資産価値の減少が一番こたえる。ロシア株の暴落で損害を出したアブラモビッチが買い手を捜しているというが、弱くなっては売却価格を買い叩かれてしまう。チェルシーを売り抜けるには、借金を相殺できる1000億円が相場になる。それには、強いチェルシーを世界に印象づけねばならない。世界大不況が重くのしかかっている時代には、止まることが許されない。
2009.02.10
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オーストラリアで起きた山火事は、想像を絶する規模になる。すでに120人以上が焼死しているという。大火災に迫り来る炎から逃れることができないケースが続出している。夏の40度を超える気温と、大地の乾燥が火勢を強めていく。あまりに消失範囲が大きいから、火に包囲された人間に逃れる道がない。一箇所だけでなく、ヴィクトリア州の数箇所から同時に火災が発生し、火災に手を付けられない。もともと乾燥地帯にあるオーストラリアでは、山火事が多発は避けられない。 これほどの大火災になる理由もはっきりしている。オーストラリアの森林の80%がユーカリの木で構成されていて、樹木の内部に油脂分が大量に含まれているから、とてつもなく燃えやすい森林になっている。砂漠地帯の乾燥に耐えるように進化してきたユーカリは、数百種類のさまざまな樹種に進化してきた。100mの高さになる大木や数mの高さにしかならない低木もある。その多様性と適応性の高さが、砂漠地帯のオーストラリアに森林地帯が形成された理由だろう。生存競争に生き抜くために、ユーカリは山火事を必要としている。多くのユーカリの種は熱せられないと芽を出さないという。ユーカリという特殊な樹木が発達したことで、オーストラリアの緑を救ったけれど、それは山火事の多発をもたらすことになった。 山火事の焼け跡に最初に芽が出るのがユーカリの木という。山火事はユーカリの敵ではなく、友というのが砂漠地帯の生存競争の厳しさを物語っている。森が消滅して焼け野原になったときにユーカリの力が発揮される。ユーカリは少雨と乾燥に耐え、どんな厳しい環境でも進出する能力を持つ。8年間で成木になる成長の速さを持つ。山火事が起きれば、油脂のために大火災に発展する。その焼け野原に最初に芽を出せば、その地域はいずれユーカリの森になる計算だろう。他の植物は絶滅しているから、ユーカリの占有率が高くなるのもうなづける。ユーカリは進化の過程で、森林火災を利用する方法を編み出したらしい。おそらく、ユーカリは地上最強の植物ではないだろうか。 ユーカリは砂漠化している乾燥地帯や焼き畑農業で空白化した熱帯に植林されるようになった。乾燥に強いだけでなく、あらゆる環境に適応した樹種がオーストラリアには揃っている。南米の放牧地にも植林されて見事な森林が育っている。多くの途上国では、薪にするために森林は伐採されて山は裸になっている。その空白を救える樹種はユーカリしかない。他の木を植えても、育つ前に切り倒されてしまう。木材やチップのために自然林や原始林を切る必要がなくなる。ユーカリは有用な植物だが、山火事から逃れることができないことを忘れるべきではないだろう。
2009.02.09
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寒風が吹きすさぶ2月に、梅は咲き始める。こんな寒い時期に花を咲かしても、昆虫などは少ないから、受粉に差し障りがあるだろうと思ってしまう。早咲きが有利なのは、他の花が咲いていないから、昆虫を独占できることくらいしかない。被子植物にとって、花を咲かせることは大仕事であり、莫大なエネルギーを消耗する。桃の花のように、暖かい時期に花を咲かせるとずっと楽になるのに、梅は寒い風の中で必死に花を咲かせている。どうしてなのだろうか。 梅は古来に中国から移植されたらしい。奈良時代には、花といえば梅をさしていた。中国文化の象徴的な存在だったのだろう。そのために、梅の体内時計は中国標準時らしい。原産地では開花に最適の時期でも、日本では寒すぎる。そのうえ、日本人は早咲きを好むから、寒い時期にぽつんと花を咲かせる梅が大切にされてきた。もともとは梅の実が目的なのに、農家以外は忘れている。 梅の実を取るのが第一ならば、日本全土に広がった理由も理解できる。焼酎梅や梅干がなかったならば、食生活が乏しくなる。貴族たちは花を愛したけれど、農民は梅の実を愛してきた。平安貴族は花見を桜に切り替えていくけれど、まさしく生活から離れた貴族の発想だろう。花と実を好む農民によって、今でも梅は各地で紅白の花を咲かせている。
2009.02.08
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アフリカの東側に位置するマダガスカル島は、神秘に満ちた孤島になる。さまざまな探検が行われ、生物理論を書き換える発見が数多く行われてきた。この島に環境危機が迫っていることは事実である。人口の増加に伴い、原始林の多くは伐採されていく。残されているのは国立公園などの限られた地域しかない。マダガスカルの自然をどうするかには、さまざまな議論があり、政府は二つに分裂して権力を争っている。マダガスカルでも部族と権力欲の問題が発生して、島民は貧困にあえいでいる。環境どころではないというのが本音だろう。そこを海外資本が取り込んで利益を求めるから、わずかに残された原始林などは消し飛んでしまう。 マダガスカル島は古代ゴンドワナ大陸の末裔と考えられている。ゴンドワナ大陸はジェラ紀以降に分裂を繰り返して、南アメリカ、アフリカ、インド、南極、オーストラリアに分かれていった。マダガスカル島は広い面積を有するので、ゴンドワナ大陸の遺産を受け継いでいることは間違いない。爬虫類の90%がマダガスカルの固有種というところにも表れている。白亜紀にはアフリカ大陸と分離して、マダガスカル独自の生物分布を確立したと考えられている。それ以降は、他大陸の生物を混じることがなかったので、ゴンドワナ的要素を濃く残したまま数千万年を重ねている。 マダガスカルはフランスの植民地にされてから、大規模農園経営が行われてきた。熱帯地方に存在するので、農業に関して恵まれたい位置にあり、ほとんどの原始林は切り倒されて、農園に変えられていった。大部分の貴重な生物は過去に絶滅している。人間の管理の行き届かない地域に、ゴンドワナの生き残りがしがみついている。日本の1・6倍の面積を持つので、調査や観察に限界がある。貧しさが貴重な植物や動物を狩猟対象にして滅亡させてきた。といって、国際社会にできることはほとんどない。農業に制限を加えることは、飢餓の発生を意味するからになる。 マダガスカルに住むカメレオンには、孵化してから2ヶ月で成熟して子孫を残し、5ヶ月で寿命を迎えるという種があるという。これはまさに爬虫類の起源を暗示している。生物の進化が寿命を延ばす方向にあるとすると、数ヶ月で寿命を終える生命は、まさしく原始的な生き方であることは間違いない。カメレオンが何のために短期間で世代交代をするかは解きがたい謎になる。世代交代が早いと進化も早くなる。寿命が短ければ短いほど世代交代が進み、新たな種が生まれる可能性が高い。短命だと環境の変動などに新世代で対抗できるから、気候変動に耐えて生き残ることができる。機能的に成熟した生物は、気候の変動などに対応できず、恐竜のように滅ぶしかない。 先進国はマダガスカルを観光目的でしか訪れない。国立公園や原始林は部分的なもので満足している。原始林の大部分は滅ぼされていることを知れば、別の価値を発見できるだろう。アフリカと同じで、マダガスカルも近代化に失敗した。民主主義は定着せず、人々は部族の利害だけしか求めない。大統領になれば権力を手に入れられるだけでなく、海外援助などのすべてを自分のものにできる。それを自らの部族に配分することで、権力の意味を伝えて、基盤を磐石にしようとする。それに抵抗する勢力は、武力で叩き潰すしかない。そういう政治がずっと続いてきて、貴重な原始林は切り倒されていく。それを変化させるには、最貧国の政治制度にも踏み込んでいく国際社会の勇気が必要になってくるだろう。
2009.02.08
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弱肉強食のエレクトロニクス競争は、シェアが低下すると、猛烈な赤字が襲ってくる。将来のために、過激な競争に耐えることにしても、資金の消耗は激しい。昨秋以降の液晶TVの激烈な競争は、大幅な価格の低下をもたらしている。このコスト削減は凄いというしかないけれど、敗北者になるとまったく採算の見込みが立たなくなる。液晶TVでなく、独自のプラズマTVを生産していたパイオニアには、価格の大幅低下がこたえたらしい。液晶並みの価格で販売しないと、店頭でも過剰在庫になってしまう。パイオニアが降参するのは時間の問題だったけれど、世界金融危機が足を引っ張ってしまった。 10万円を切る価格で32インチの液晶TVが販売される事実は衝撃だろう。驚くのは、それに耐えられるコスト削減術になる。まさに血のにじむようなケチケチ作戦が行われていることは間違いない。生き残るのは、シャープとソニーとパナソニック程度だろうか。東芝と三菱は孤軍奮闘しているけれど、日立やビクターはおそらく危険水域に到達している。液晶TVはブルーレイ技術と微妙な関係にある。レコーダーと一体化した販売戦略が必要なので、レコーダー部門が弱いと安値で売るしかなくなる。東芝の液晶TV価格は、まさに驚きでしかない。 パイオニアは独自のプラズマにこだわってきた。「大型TVはプラズマ」という神話が通用していた間は安定したシェアを確保できたけれど、大型部門にも液晶が進出してくると、価格競争に巻き込まれてしまった。エレクトロニクス業界の中で、独自の少量生産機種で生き残ることは難しい。日立も独自のプラズマ生産を断念したのを見れば、大量生産の意味が理解できる。シェアを奪って店頭に並べてもらわないと売れない現実がある。ユーザーが独自の技術を評価することは少ない。価格とデザインと店頭での画質で決めてしまう。そうなると、パイオニアのプラズマTVは高価なだけで魅力に乏しく見える。クロの映像を理解できるのは限られたユーザーだけであり、大多数がパナソニックに向かってしまう現実は否定できない。 販売競争が激化すると、エレクトロニクス製品の価格は大幅下落する。10万円で32インチの薄型TVを販売するには、それなりの製造ノウハウを持たないと、達成不可能な話になって終わる。パイオニアのように無理をしても赤字になるならば、思い切って事業を清算したほうが賢明と考えても不思議ではない。こだわりを持つ独自の技術が評価されて、優れた製品が売れる市場が健全なのに、日本の家電販売市場はそういう良識が失われている。購入する側も、1円でも安い商品を求める。さらに、米国や欧州市場ではライバルも多いので、過激な販売競争が待っている。やめることが賢明というパイオニアの撤退は、いろいろなことを考えさせられる出来事だった。
2009.02.07
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陽気に誘われて近くのお寺を訪ねたら、もう梅の花が咲いている。早咲きの品種なのだろうが、ほかに咲いている所はないので驚かされた。よほど日当たりがよいのだろうか、ほぼ満開の花が咲いている。 真冬の最中だと思っていると気分がめげる。春が近いと感じれば、心は軽くなる。それにしても枯れた情景の中に、ぽつんと花を咲かしている2本の梅はたとえようもなく美しい。古来、梅が愛されてきた理由も理解できる。朝は寒くてたまらないのに、心だけは春の気分で暮らしていけるなんて、素敵ではないか。
2009.02.06
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日本郵政がオリックスに格安で「カンポの宿」を一括売却しようとしたことが議論を呼んでいる。これは政治家も絡んでいるので、表面的に観察しただけでは、事件の真相が見えてこない。総費用2400億円で建設した施設を120億円程度で売却するのは、オリックスの不正工作があるというのが鳩山総務相の主張だろう。これに対して、日本郵政は簿価そのものが低くて、細分化して売却したのでは赤字施設だけが売れ残ってしまう。黒字の施設だけを売却すると残された赤字施設の従業員を解雇せざるを得なくなる。そこで一括売却が正しいと訴えている。確かに底が深い問題になる。 公共宿泊施設として建設されているカンポの宿は、どうしても非効率になり、赤字運営が避けられない。たとえ宿泊施設を安く買い取れても、従業員の給料や待遇などは元のまま(公務員並)なので、よほどの運営能力がないと経営は破綻に追い込まれる。建設費が100億円の施設を10億円で買っても、赤字運営になることがわかっていれば買い手はつかない。買い取った後に、施設の従業員を解雇して、更地にして売却すれば土地代は儲かるから、多くの施設は数年後には消えてしまうだろう。それを避けるには一括売却して、赤字の施設の損失分を黒字の施設の利益で埋めるしかない。「カンポの宿」を細分化して売却すると、黒字の施設を手に入れた企業は大儲けするが、赤字の施設を買い取った企業はさっさと売り払うしかない。宿泊施設として経営が成り立つのは、「カンポの宿」の一部に過ぎないというところが裏面に残されているのが厄介になる。これが「カンポの宿」を公共施設として運用するしかなかった理由になる。民間のホテルとしての競争力はほぼゼロに近い。 オリックスが一括で買い取る決断をした理由は不透明だろう。総額2400億円の施設を120億円で手に入れれば、帳簿上は大儲けになる。しかし、ほとんどの「カンポの宿」は赤字運営だから、毎年多額の損失が出る。新たなホテルチェーンとして成功する可能性もあるけれど、赤字続きで破産に追い込まれる危険もある。どちらに転ぶか不透明なときは、安く買い叩くしかない。日本郵政が一括売却にこだわるのは、黒字の施設だけをつまみ食いされると、残された赤字施設は解体するしかない。どこかで赤字分を埋める利益を出さないと、赤字施設の従業員の解雇が避けられない。まさに公務員的な発想だろう。 鳩山総務相と日本郵政の厳しい対立は消えることはない。オリックスへの安値売却を地元と結びついた政治家が認めるわけがない。といって、赤字運営の「カンポの宿」を一括で買い取る物好きは、この不況のときに出て来るはずもない。「カンポの宿」を細分化して売り払うと、黒字の施設はホテルとして生き残るけれど、赤字の施設は即座に解体されて、従業員は解雇されてしまう。多くの施設は採算が合う業態が見つかるまで転売を続けることになる。これだけは、売り払って数年間が経たないと結論がわからないのが悩みになる。本当に解決は難しい。
2009.02.06
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プレミアリーグの折り返し地点をすぎて、チェルシーのドログバは1得点しか上げていない。得点どころか先発としても干されている。スコラーリ監督は不振のドログバをほとんど使う気がないらしい。好調のアネルカやカルーがいれば、FWには困らない。こういう厳しい状況に追い込まれると、周囲から猛烈な圧力がかかって、試合中にシュートに持ち込むことさえもできなくなる。心理が焦れば焦るほど、得点のチャンスは消えていく。まったく役に立たなくなったドログバにブーイングが浴びせられ、やる気を失う。 何がドログバを追い込んでいるかは見えてこない。短期間でこれほど存在感を失ったプレイヤーはいない。技術の低下、年齢による体力の衰え、作戦や戦術が変化して能力が生かせない、ドログバ特有の突破力やチャンスにシュートを叩き込む凄みが消えている。さまざまな原因が積み重なって、最悪の状態に追い込んでいく。たまにチャンスが出てきても、焦りから失敗を重ねる。ほかに有力なFWが存在するチェルシーでは、ベンチを暖めるしかない。そういう目にあったことのなかったドログバは不満と不安で前が見えなくなっているのだろう。 プレミアは勝つためのサッカーに徹している。まず守備に重きを置き、FWは囲みを突破する強烈な破壊力を求められる。数字を残していかないと生き残れない。プレミアの水に合わずに逃亡したストライカーは数知れない。並みのストライカーでは通用しないサッカー世界だろう。力量が落ちて普通のFWレベルになると、チェルシーのストライカーとしては先発させられない。勝つためには決定力を持つFWが必要になる。ドログバの不振の原因がわからない間は、ベンチ登録さえも危なくなる。首脳陣からやる気を失っていると誤解されると出番さえも回ってこない。 1トップサッカーは、FWが一人いれば十分という厳しい戦法になる。複数の大物ストライカーが存在するチェルシーでは、ライバルを蹴落とせないと生き残れない。ドログバがピッチで復活することができるか、それともシーズン終了後に移籍させられるかは、残されたシーズン後半の結果で決まってしまう。アフリカ出身選手として最高の評価を得たドログバがどうなるかは本当にわからない。役に立たなくなった選手を高額で雇うほどプレミアは甘い世界ではないから、そろそろドログバもやる気を出さないと危険水域を越える。
2009.02.05
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薔薇の花は美しいが、育成には手間がかかる。細やかな神経で育てないと薔薇は美しい花を咲かせない。病虫害にも弱く、虚弱性が一番の悩みになる。それでも薔薇を愛する人は多く、数限りない品種が生まれている。 ミニバラは公園や道路の緑地帯に植樹することを目的にした花という。四季の寒さや暑さ、病虫害に対する抵抗力などが求められて、改良を重ねてきた。花は小さくても美しいし、何よりも手間がかからない。晩秋にミニバラの株を手に入れてしおれてきたので、プランターに植え替えて暖かい玄関に置いた。そうすると12月になっても、ミニバラは青々とした葉を茂らせている。確かに本家の薔薇とは異なる耐寒性を持つ。 ミニバラは屋外で寒さにあて、新芽を出させる必要がある。そこで1月中はプランターを屋外においたら、葉は枯れて枝だけになってしまった。よく見ると、赤い芽が春を待っている。寒気にさらすことは、ミニバラ一族が生き残るための必要な試練らしい。玄関に残しておいた株は葉が青々としていて、白い蕾がほころんでいる。2月に花が咲くのを待つべきだろうか、それとも一度は寒気にさらすべきなのだろうか。
2009.02.04
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ACミラン首脳とアンチェロッティ監督の心理は揺れていることは確かだろう。ベッカムとロナウジーニョの並立という複雑な問題に悩まされているからになる。先発メンバーの顔ぶれから見るとアンチェロッティの考えは次第に鮮明になりつつある。ベッカムは欲しいが、ロナウジーニョは無用というのが本音だろう。豪華スター全員を出場させることができないとすると、誰かがベンチに座らなければならない。まずインザーギが座り、次がシェフチェンコ、ついにロナウジーニョの番が回ってきた。 パトのワントップに変化あるまい。ブラジル人特有のセンスをしているし、チャンスにめっぽう強い。MFはベッカム、カカ、セードルフ、ピルロ、アンブロジーニという渋い組み合わせを数試合使っている。誰もが見たいベッカムとロナウジーニョという組み合わせは黙殺されている。ベッカムがいれば、ロナウジーニョは無用というのは理解できるが、出番のなくなったロナウジーニョは黙っていないだろう。いずれ、騒動が持ち上がることもはっきりしている。 ベッカムのプレイスタイルは組織型であり、ロナウジーニョは自由奔放型だろう。勝つためのサッカーを優先するならば、ベッカムの評価が上がるのは仕方がない。守備に対する認識も別次元になる。ベッカムを使えば、まず中盤は破綻することがない。ピルロやアンブロジーニの邪魔にならない。カカを狙ってキックを打つことができる。万能型のプレーヤーだといえる。それに比較すると、ロナウジーニョは攻撃一辺倒で型破りな技を持つ。ACミランの組織型サッカーになじもうとしない。これでは残留したカカもやりにくい。ミランスタイルに敬意を払わないと長続きはしない。バルセロナ時代と違って、ロナウジーニョのためのサッカーはできない。 インザーギやシェフチェンコはとっくに先発を諦めているので、不満を爆発させる危険は少ないだろう。ロナウジーニョはベンチを暖めるためにミラノにやってきたのではないという意識がある。ロナウジーニョの自由自在な動きに周囲がついていけないのは、メンバーの慣れとチームのスタイルに原因がある。ロナウジーニョはどうしても自分中心の動きを選んでしまう。ミランの選手は慣れていないので動きが読めない。どこにパスを出せばよいのかわからない。どこにパスが来るかを予知できない。組織的な戦術を貫いてきたアンチェロッティには、この動きが苦々しく見えるのだろう。 全盛期のロナウジーニョならば、すでにイタリアの得点王を奪っているだろうから、文句を言わせない凄みがあった。自分のサッカーをやって何が悪いという主張に根拠があった。現在の決定力だとパトにも負けてしまう。といって、ミランのスタイルに合わせることは、自分を殺すことにつながる。監督と選手の間に挟まって苦しむのが経営陣ということになる。ロナウジーニョは商売になる。TV放映権だけでなく、観客動員数も、関連商品も売れる。そんなスターはベッカムくらいしかない。その二人が共存できるかは判断が難しい。ミランが商売を優先していくか、それとも勝負に徹するかによって、奇想天外のとんでもない出来事が起きる予感がする。
2009.02.04
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ホンダF1チームには、本社側から売却期限が設けられていた。12月末までに買収先が決まらないときは、レース組織は解体されることになっていた。本来ならば、12月の期限切れによってチームは解散しているはずなのに、業務は継続されている。これは不思議な現象になる。ホンダ本社がこれについて公表したことはない。金融危機の真っ最中に、年間200億円以上の支出を伴うF1事業部門を買収する企業は、簡単には現れないと考えるのが普通だろう。 推定としては三つ考えられる。すでに有力な買収先が決まっていて、その手続きのために時間がかかっているのが一つ目だろう。チームの買収先が決まっていれば資金的な不安はないので、発表待ちをしている最中だという考えればよい。二つ目の推定は、もっと厳しい局面を想定している。本当はチーム買収を行う企業が決まっておらず、現時点でも買収先を探していると判断せざるをえない。金融危機は豊富な資金を持つ米国や英国を直撃しているから、ホンダの代役は簡単には見つからないと考えるべきだろう。三つ目は、噂されているようにニック・フライが自分でチームを買い取ってしまうプランになる。売値は1ポンドだから、チームを買い取ることは難しくない。運営資金をどこから見つけるかが課題になってくる。 F1事業に関しては、バラ色の夢が語られていた。それに魅せられて、SuperAguriも飛び込んでしまった。バラ色の夢は続かず、現実の世界で破綻させられて、厳しい現実だけが残されている。新たな自動車企業が参戦する確率は低い。乗用車の販売減少に追われていて、危機を克服するだけで精一杯なのである。エレクトロニクスや金融などの有力スポンサーたちも、F1に投資する余裕はなくなっている。数少ないスポンサーでさえも逃げだろうとしている状況がある。ワークスチームを買収するような度胸のある経営者が存在するとも思われない。 F1レースの目的は優勝することにあった。09年度は生き残ることが最終目標になる。難しい立場にあるのがルノーとトヨタだろう。1円のコスト削減を厳命するゴーン社長やトヨタ首脳陣が優雅なF1投資を認めるかが鍵になってくる。そういう贅沢も企業に必要だと認知してもらえば、F1参戦は継続されるだろう。資金をもっと緊急な方面に振り向けるべきだという話になると、F1参戦は危うくなる。ワークス側が支払う資金は、およそ年間200億円になるけれど、これを高いと感じるか、安いと感じるかは経済状況に左右されてしまう。合理主義者のゴーン社長は甘くはないことは知られている。 開幕まで1ヶ月しかないのに、F1チームの行方が決まらないというのも不思議な話になる。売却先が決まるまでは、ホンダ本社も運営資金を出すだろうから不安はないけれど、本当に売却先が見つからないときは解散するしかない。ニックフライが1ポンドで買い取るにしても、毎月の運転資金は20億円近くが必要になる。資金豊富なスポンサーを見つけないと、あっという間に倒産に追い込まれてしまう。ホンダ本社が12月までという期限を設定したのは、こういう事態を恐れていたからだろう。買収する財政力と意欲がある企業を見出せるかには疑問が残されている。
2009.02.03
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冬花の代表は「ビオラ」だろうか。園芸店にも、さまざまな色彩のビオラが並んでいる。数株を花壇に植えてみると、なんと朝凍っている。霜に覆われる土だけでなく、植物までが凍結するのだから、日本の冬は厳しい。昼間になると溶けて、ビオラは普通に黄色の花を咲かせている。このタフさがないと、冬を越すことはできないのだろう。咲き終わった花柄を早めに摘むことで長い期間咲いてくれる。色彩の消えた冬枯れの花壇を黄色のビオラが明るくしてくれる。
2009.02.02
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英国の名門銀行でも、ロイズとロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)は別格の扱いを受けてきた。スコットランド紙幣さえも発行している商業銀行になる。そのRBSが数兆円の損失を出し、信用不安が高まっている。そこに付け込まれて、英国ポンドが売りを浴びせられている。とどまるところのないポンド下落で、1ポンド125円の相場にまで達している。通貨価値が数ヶ月で半減することは珍しい。ヘッジファンドはポンド相場の下落を最大級の儲けどころと考えていて、これからも強気に仕掛けてくるだろう。それに対抗する手段が尽きているのが英国の現状になる。 英国政府は金融業を主体にした経済繁栄を想定していた。国際金融取引は、地味な工業生産よりも利益率が高い。原油の高騰によって、中東から莫大な石油資金が流れ込み、ロンドンのシティはNYと並ぶ世界有数の金融取引市場に発展した。中東諸国は親イスラエルの米国よりも、アラブよりの英国を信頼してきた。その金融都市が崩壊したのだから、影響は計り知れない。金融が止まれば、経済は息の根を止められてしまう。多くの途上国は開発資金を外資に頼ってきたので、政府の金庫は空になっている。それを埋められる方法が消えてしまった。 英国政府が投資を呼び込むためにポンド高に誘導していたことも、金融動乱の要因になっている。最適な時期に適切な相場でユーロ加盟をすべきだったろう。ユーロを導入しては、独自の金融政策が成立しないと英国政府が判断していたことは間違いない。変動相場制では、ポンド高にも、ポンド安にもなりうる。最良のシナリオだけが成立するとは限らない。ポンドの価値が半減しては、英国の金融機関に預金していた人々は大損してしまう。それを避けるための資金流出がさらなるポンド安を呼び込む。 英国の金融機関がどれくらいの損失を受けているかは、現時点で把握することは難しい。そのことが国際市場の疑心暗鬼を呼んで、ポンド売りの材料にされてしまった。一度変動幅が拡大すると波乱は止まらなくなる。ドル、ユーロ、円、ポンドが複雑に絡み合って、投機筋に支配される相場が続いている。ポンドがどこまで下落するか、円がどこまで高騰するかを予測することは困難な話だろう。ただし、方向としては投資家心理の動きに左右されることになる。投資ファンドが市場で儲けるには、通貨の変動幅が大きいほどチャンスが生まれる。ポンド安と円高がどこまで進むかは、解けない謎になっている。
2009.02.01
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蘭は日本国内では希少種として扱われているけれど、世界的には最も繁栄している植物になる。被子植物の中では、比較的遅い時期に誕生したと思われてきたけれど、琥珀の中の古代の蜂が発見され、その背負っている花粉を分析することによって、蘭の誕生年代は白亜紀後期と考えられるようになった。 蘭が生存競争を勝ち抜いてきたのは、昆虫との特異な共存関係にある。特定の昆虫に蜜を提供することで、1対1の関係を築き、それによって独占的な生存条件を見出した。他の昆虫を排除することで花粉の運搬路を独占し、生き抜いてきたのである。 蘭を養殖することは難しい。もともと樹上生活を送るので土が無用である。種は小さく、根は細菌と一体化して栄養分を受け取り、熱帯林の枝にしがみつくようにして成長する。高い位置に根が定着すれば、太陽光を独占できる仕掛けになる。熱帯林の地上はほとんど光が届かず、生き残れない。厳しい環境に適応できた蘭は圧倒的な優位性を獲得し、次第に耐寒性も手に入れて温帯地域まで広がってきた。そういう意味で、日本に残されている野生種は、本当に貴重な存在なのさ。
2009.02.01
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ネット社会が広がると、新聞は滅ぶしかない。毎日のニュースを知るのは、かつては新聞しかなかったのに、TVや雑誌の時代も過ぎてしまい、いまはネットの時代が始まっている。ニュースを読むならば、YHOOのほうに速報性がある。自分の趣味の範囲を知るネットに比較すると、万人向けの編集に追われる新聞はつらい。専門的な記事を増やすと難しいと一般読者の批判を浴びる。スポーツなどは、どれも満遍なく扱わねばならないので、ひとつの記事が小さすぎて情報不足になっている。といって、サッカーのことだけを詳細に扱うわけにも行かないだろう。 朝日や毎日が赤字に転落したのは無理はない。海外でも有名紙が次々と廃刊に追い込まれている。何百万の読者を維持してきたほうが奇跡だろう。全国の占有率を背景に大手新聞社は広告収入を増やして生きのびてきた。購読料が半分、広告料が半分というのが内情であることは間違いない。その頼みの広告が不況で減少すると、新聞社も赤字になってしまう。多くの廃刊は、弱肉強食による経営不振によるものだった。現在は、むしろ小さな新聞社ほど安定している。規模が大きいと、印刷工場も全国に展開し、各地に配送を行わねばならない。1日100円で配達料込みというのが不思議だろう。それは全国の新聞販売店の涙の結晶で維持されてきた。ところが、不況はすべてを飲み込んで廃刊に追い込もうとしている。 金融危機は日本には無縁のはずのパニックだった。電機や自動車産業の不振を取り上げて、マスコミは危機感をあおってしまった。これまでの通例だと、こういう危機報道は新聞の読者を増やしてプラスに働いてきた。ところが、金融危機の波及効果で広告料が激減したのは痛かった。スポンサーは効果的な広告媒体が新聞でなくなっていることを熟知している。TVでさえも神通力を失った。目の敵にしてきたネット社会が拡大してくると、ニュースを提供して利益を上げるしかない。どの新聞社もYAHOOにはかなわなくなっている現実がある。 新聞、雑誌、TVという御三家が揃って経営不振になる世の中を誰が予想しただろうか。全国紙が3つ程度と地方紙があれば不足はない。衛星放送が始まって、TV局が増えすぎてしまい、視聴者の奪い合いが経営不振の背景にある。過大なデジタル投資は採算を無視した政策だった。雑誌は趣味に徹した専門誌しか生き残れまい。それらをすべて食い尽くして拡大するのは、ネット通信網の映像と情報伝達になる。自分の好きな時間帯に好きな番組を見れるネットTVが視聴者を奪うのは時間の問題だろう。電波に頼るアンテナでなく、光通信網に接続できる放送システムが完成すると、いよいよ変動の時代が始まる。実を言うと、その前に面白い番組が欲しいのだけれど、それは期待薄かな。
2009.02.01
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