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世界最大の攻撃力を持つバルセロナと復讐心に燃えるチェルシーとのCL準決勝激突は、誰もが関心を寄せる試合だろう。そこには、世界最高のサッカーが展開されるはずだった。しかし、ヒディンク監督の率いるチェルシーは、徹底した守りのサッカーを展開して、バルセロナを完封した。グアルディオラ監督が怒りをぶつけたのも無理はない。チェルシーの猛者たちは、メッシ、エトー、アンリを包囲して動きを封じてしまった。20本以上放たれたシュートは、ほとんどが無駄玉に終わった。 バルセロナを抑えるために守備的戦術を練ったクラブは多い。それでも、ドイツのバイエルンのように粉砕されて終わっている。カンプノウの10万人に包囲されると、どんなクラブの選手も足が震えて緊張感に縛られてしまう。この殺伐とした競技場で、平常心で普段のサッカーができるのは、チェルシーとマンチェスターUしかないだろう。サッカーの実力だけでなく、どんな状況にも冷静に耐える精神力がないと、90分間耐えられない。ほとんどのクラブは守ろうとしているのに、守備陣を崩壊させられている。 ドイツ・ワールドカップで日本がオーストラリアに逆転負けを喫したとき、同じように怒りの声が上がった。今から思い起こせば、やはりヒディンクの指揮能力が卓越していた。相手の弱点を突き、自らの優位な点を徹底して利用する。チェルシーは本来攻撃力を持つチームなのに、それを温存して守備に徹した。バルセロナに90分間も攻められて、耐えきるのは並大抵ではない。一瞬の気の緩みやミスが即座に失点につながる。メッシをまず抑えるという戦術は確かに機能していた。存在感のないメッシというのは久しぶりだろう。 敵地で失点せずに引き分けるという戦法は、バルセロナ相手に難しい。チェルシーの中盤5人がスクラムを組んで壁を作るという戦術は、サッカー史を変えるかもしれない。攻撃を封じられたグラルディオラ監督は会見で不満を爆発させたが、サッカーは2試合合計で勝ったほうがすべてを奪う。スタンフォード・ブリッジの地で、確実にチェルシーに勝てるとは言えないのがバルセロナの本音だろう。圧倒的な優勢を期待されていたバルセロナは、どういう戦術を組み立てるかが第2戦の鍵になる。 マルダ、バラック、エシアン、ミケル、ランパードという凄腕が、一心同体になって守備的なサッカーに徹するという姿は、めったに見れないだろう。相手が強敵バルセロナだから、それを可能にしている。そのために、真の意味で決定的な場面というものは少なかった。ある程度までバルセロナが攻め込んでも、そこからゴールが遠い。守備的なサッカーは、観客やマスコミから批判されることが多いけれど、この結果を見ればそんなことはない。どこかで1点を取れば、チェルシーが勝ったかもしれないという恐怖を植え付けた意味は大きい。イングランドの第2戦は面白くなってきたぞ。
2009.04.30
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厳罰が避けられないと思われていたマクラーレンに対する処分は、執行猶予という判決になった。さまざまな思惑と複雑な情勢が、FIAのモータースポーツ評議会に作用したことは間違いない。金融危機の勃発によって、莫大な赤字に追い込まれているダイムラーの経営陣が、屈辱に対してどのような行動をとるかは見えていた。処分を穏便に済ませば、しばらくはマクラーレンが安定する。マクラーレン、ブラウン、インディアの3チームにエンジンを供給している有力ワークスがF1から撤退することは、なんとしても避けたい。 ハミルトンが虚偽の証言を行って、トゥルーリを貶めたという罪は重いが、F1の本質を突く問題ではない。ハミルトンが謝罪して反省すれば、それで終わってしまう。それに対して、ダイムラーの巨額赤字はいまだに解決策が見えていない。1ヶ月に数百億円が累積していく。クライスラーを売り払って身軽になったダイムラー社も、本気でコスト削減に取り組まないと財務が破綻する。高級車販売は景気に大きく左右される。先進国市場で失った販売台数を途上国に期待するのは早すぎる。米国経済が復興するには、数年間の歳月が必要になる。そんな情勢では、高級車メーカーはとても持たない。 ドイツの労働組合はF1撤退を提言している。年間数千億円の経費削減を労働者だけに負わせるのは過酷だろう。人員整理だけでなく、工場設備の廃棄も大胆に進めないと、数千億円のコストダウンは難しい。そういう犠牲が出ているときに、F1に莫大な投資などしていられないというのが本音になる。それはどこのメーカーにも共通する発想だろう。高級車の過剰な利益を使ってクライスラーを買収し、技術を誇示するためにF1参戦を果たしてきたが、それを捨てて小さく身軽な体制に戻れるかは、経営陣の判断力次第になる。 同じように苦しいトヨタとルノーは小型車が中心になり、途上国市場にも強い。1台あたりに利益が薄いので、数で稼ぐしかない。来年度以降にどのような事態が持ち上がるかは誰にもわからない。景気が急速に回復して、自動車メーカーが黒字化できる可能性は少ない。無駄な経費や人件費を削減してコストダウンする過程で、F1参戦をどのように考えるかは、経営陣によって異なるだろう。確かに、危機が迫っている。
2009.04.30
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花の少ない冬季に、花屋さんの店頭で目立つのがベゴニアの色彩になる。もともとは熱帯の種なので、極端に寒さに弱い。3月頃に、2・3日外に出しておいたら、寒さにやられて赤茶けてしまった。枯れた花や葉を切り詰めて、暖かい玄関の隅に並べておいた。 4月末になって、ベゴニアはオレンジ色の花を咲かせ始めている。まだ花の数が少なく、華やかさはないけれど、熱帯の植物が復活してきたのだから、祝杯を上げるしかない。派手な外観にひかれて、真冬に熱帯の花を買うのは用心しないといけないなあ。
2009.04.29
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クライスラーを救済できるか、それとも破たんさせるかの結論が月末に迫っている。すでにUAWと妥協が成立していて、イタリアのフィアット社ともクライスラー救済で話はまとまっている。残されている厄介な問題が銀行団との債務削減交渉になる。どれくらいの割合の債務を削減するかは、銀行の経営に与える影響が大きいので、妥協が成立しにくい。借金棒引きの代償としてクライスラーの株式を割り当てることで話はまとまっているけれど、銀行団がどれだけの借金を棒引きするかは読めない。クライスラーが倒産したら債務は消滅するのだから、借金を割り引いてもプラスになるという論理で、アメリカ政府側は銀行団を説得している。 フィアットがクライスラーを救済する狙いはよくわからない。財務が健全化すれば、クラースラーをグループに入れる価値は出てくる。それには、クライスラーを黒字化することが必須の条件になる。この数年間、利益を上げることができていない企業をどうやって再生するかは見ものになる。安く買いたたいて再生すれば、莫大な利益が手に入るのは日産と同じだろう。うまくやれるかどうかは、未知の領域なので、誰にもわからない。 クライスラーを保有していたダイムラーは、自身の赤字に苦しんでクラースラーの株を手放している。とても黒字化することはできないことを熟知しているから売却したのに、イタリアのフィアットがどうやって黒字化するのかは、先の見えないドラマになる。借金を棒引きして、労働組合への医療支出も減らし、政府からの支援を受ければ立ち直れると経営陣は豪語している。それが事実ならば、とっくに実現しているだろう。 再生が絶望的だったクライスラーが復活できれば、オバマ大統領の経済手腕への評価も高まる。まさしく、政治的な思惑と実体経済の戦いになる。フィアット500が米国市場に受け入れられると、クライスラーの遊休工場が役に立つ。フィアットの車はすべて小型車なので、そのまま米国で生産すれば低燃費車になる。ほとんどシェアのなかった米国市場にフィアットが進出できれば大きなメリットになると考えているらしい。フィアット500を現地生産化するには、さまざまな障害がある。それでも、新たに新型車を開発する手間を省ける意味は大きい。オバマ政権とフィアットの思惑は一致しているけれど、それが順調に進展していくかは、まったく予想できない。
2009.04.29
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第二次世界大戦の契機になったのは、セルビアで起きたサラエボ事件になる。オーストリア皇太子フェルディナンドは、軍の閲兵のためにサラエボ入りしていた。それを待ち構えていたのがセルビアの民族主義者6人だった。まず、チャブリノビッチが皇太子の車に爆弾を投げつけた。爆弾は王妃の首にあたり、道路に転がって爆発した。奇跡的に皇太子夫妻は難を逃れて、次の行事が予定されていた博物館に向かう。その博物館前の道路で、二人目のブリンチッブが自動拳銃を発射する。1発目は皇太子に命中し、2発目は王妃を殺害する。この暗殺事件が、第二次世界大戦の引き金になった。オーストリア帝国はセルビアに宣戦布告し、それが互いの同盟国を巻き込んだ世界大戦に発展していく。 セルビアは近代に至るまで国家として認められていない。オスマントルコ帝国の属国、あるいは一地方として扱われていた。セルビアが歴史から消えたのは、コソボの敗戦になる。1809年、セルビアのニシュ近郊でセルビアとオスマントルコの激戦が行われ、大損害を出したオスマンの司令官ハルシドは警告として「髑髏の塔」を建設する。セルビア軍の兵士の952人の髑髏を塔の壁に塗りこめたのである。セルビア人への警告として立てられた塔は、独立への記念碑としてセルビア人の記憶に刻まれていく。 セルビアはオスマン領内での自治権を次第に拡大して、セルビア王国を打ち立てる。しかし、国際会議ではトルコのの属国として扱われ、独立国家として認められなかった。南進するロシア帝国がトルコを破り、サン・ステファノ条約が結ばれると、バルカン半島のセルビアとルーマニアとモンテネグロは独立を承認される。ところが、この条約はベルリン会議で破棄される。西欧諸国が条約反対に回り、破棄を迫ったからになる。オーストリア帝国はロシアとの密約を破って、西欧諸国と同調する。領土を失ったセルビアはオーストリアへの反発を強めていく。これがサラエボの暗殺事件につながっていく。
2009.04.28
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ジニアはメキシコ原産の花であり、ヒャクニチソウとも呼ばれる。花の咲いている時期が長く、環境の変化に強い種なので、花壇にはぴったりの花だろう。公園などでは、長期間放置されることも多く、乾燥などに耐えることも選択の要素になる。 自然の種を改良して、環境変化に強い新種を作り出すことがプラスなのか、マイナスなのかは定めがたい。野生種は生存競争を生き残ってきた種なので、適地ならば勢力を拡大していく。温室などで育てられる人工種は、寒さや気候の変動に弱く、枯れやすい。次々に生まれる新種をどのように選別していくかは、解きがたい課題になっている。
2009.04.27
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アフリカ骸骨海岸から広がるナミブ砂漠には、さまざまな砂漠植物が生きている。その中でも衝撃を与えるのは奇想天外だろう。(http://www.geocities.jp/ir5o_kjmt/kigi/kisoteng.htm)なんと2000年の寿命を持つ裸子植物という。原始的構造からして、数億年の歴史を持つ植物と考えられている。奇想天外の特色は葉先ではなく、葉の根元が伸びるという構造にある。根元から毎年数センチずつ伸びていく。数百年たつと、葉の先は避けてぼろぼろになってしまう。しかし、新たな葉は出てこない。数千年間にわたって、2枚の葉が伸び続けるらしい。 サボテンではない奇想天外が砂漠気候に耐えられるのは、葉の表面の構造にある。広い面積の葉に無数の気孔が開いていて、そこから霧の水分を吸い取っている。骸骨海岸を流れる寒流から発生する海霧の水分が、この古代植物を守っている。朝霧は砂漠の奥地まで到達して、乾燥した大地の生物に恵みを与える。霧の発生が少ない年には、多くの奇想天外が枯れてしまう。水分の蒸発を防ぐのではなく、霧を吸収するために葉は進化してきた。多肉植物にはできない芸当だろう。 地下水の大好きな奇想天外は長大な根を伸ばす。日本で栽培している研究者が根を計測したところ、わずか数センチの苗に数メートルの根が出るという。砂漠で生きる秘密の二つ目が、貪欲に水源を求める根の長さになる。地下に数十メートル伸ばした根で水脈を探し当てた奇想天外は、数百年間水に困ることはない。地下水脈を探し当てられない固体は消えていくしかない。 葉の先ではなく、葉の根元が成長する植物は、昆布くらいしかないという。水中から上陸した植物の原始的な性質を奇想天外は受け継いでいる。数億年の歳月を生き残った奇想天外は世界中に広がったはずなのに、ナミブ砂漠にしか生息していないところから、砂漠以外では被子植物との生存競争に負けてしまうらしい。ライバルが生息できない70度にも達する厳しい暑さのナミブ砂漠に適応して生き残った。地球には、まだまだ驚くべきやつが生存している。
2009.04.27
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レース展開の本質は、マシンの性能とドライバーの腕になる。しかし、マシンの性能がよくても、ドライバーの腕がなくては勝てない。優れたドライバーがいても、マシンの性能が悪くては勝てない。両方そろっていても、レース戦略がなっていないと勝利は遠くなる。ミハエル・シューマッハとロス・ブラウンがそろった時代に、フェラーリが全盛時代を築いたのは偶然ではない。トヨタのマシンは一番速かったのに、ガソリン搭載量とタイヤ選択とピットストップの時期を間違えて、勝利は逃げてしまった。 ブラウンGPのマシンは、ロングランに強い。タイヤの磨耗が少なく、最後まで安定したタイムを重ねることができる。ガソリンが軽くなった瞬間にタイムを刻めないと、ピットストップ作戦を生かすことができない。この瞬間にタイヤが磨耗していては、マシンの操縦性が低下してブラウン戦術が成立しない。すべてを計算に入れて予選と決勝を戦わないと、F1レースを制することができない。予選4位だったバトンは、ブラウン戦術を生かしてトップに躍り出て、そのまま逃げ切り、まったく危なげない勝利を勝ち取っている。ロス・ブラウンはすごい。 予選1位と2位のトヨタは、上位グループの戦いに慣れていない。ガソリンを軽くして、トップと2位を獲得したならば、なんとしても3位以下を抑えないと逆転される。1位を走るマシンはさっさと逃げ、2位は下位を抑えないと勝利を呼び込めない。タイムの遅いハードタイヤを2セット目に選んだのも、トヨタが脱落した原因になった。渋滞の中に飛び込むと、そのまま頭を抑えられてしまい、せっかくの予選1位の速さを生かせなくなる。軽い燃料で速いならば、それを生かす作戦を練っておかないと、渋滞で身動きできなくなる。 腕と度胸で勝負するレッドブルのベッテルは、瞬発力を生かして2位に食い込んでいる。これだけトゥルーリに頭を抑えられていても、焦らずにチャンスを待つ精神力に驚かされる。じわじわと攻め立てて、ピットストップで逆転を狙えるドライバーはそんなにいない。これだけ予選タイム差が接近すると、ドライバーの腕にプラスして、作戦参謀の頭脳が結果を左右してくる。フェラーリで鍛えられたブラウンの経験がこれほど生きるとなれば、バトンの快走はしばらく続くことになる予感がしてくる。
2009.04.27
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白露錦の白い花が咲き始めている。あまりに地味な姿なので、花と葉の区別がつきにくい。花と同時に緑色だった葉が白く変化している。それもまだらに白と緑が混ざっている。いずれはすべての葉が白く変化していくというが、これほど不思議な色彩の変容は見たことがない。これは春に起きる現象だという。 1年前は小さな苗だった。葉の色はすでに緑であり、それ以降は特に変化していない。高さが70センチくらいに成長すると、姿も整ってきて風情がある。山奥に埋もれていた白露錦が庭木として愛されているのも当然だろう。やがて緑の葉に戻るのが、惜しい気さえする。
2009.04.26
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旧ユーゴの崩壊による民族紛争ほど、憎悪の感情が激発した事件はないだろう。事実上3分割されたボスニア・ヘルツェゴビナは、国でありながら国とはいえない。それを象徴する都市「モスタル」の旧市街は、破壊されたままの姿が各所に残されている。数百年の間、イスラム教徒であるボスニア人(ムスリム)、クリスチャンであるクロアチア人、セルビア正教徒であるセルビア人が隣人として暮らしていた。その隣人たちが互いに殺し合い、モスタルだけでも数千人の犠牲者が出ている。激しかった市街戦が終わると、セルビア人とユダヤ人は町を去り、西モスタルをクロアチア人、東モスタルをボスニア人が占拠して対峙している。憎悪の感情だけが残されている。 いつまでも民族対立が終わらないことに業を煮やしたアメリカ政府の強権的な和平案により、ボスニア停戦は実現した。領土的な野心を持っていたクロアチア側も、ヘルツェゴビナ併合をあきらめて、この和平案を呑んだ。セルビア側も自治共和国が成立すれば不満はない。多くの犠牲者を出したボスニア側も和平案を了承した。しかし、これは紙の上の和平案であり、民族間の憎しみが消えたわけではない。ボスニアを実質的に3分割することで、民族紛争の種を取り除こうというプランだろう。 西欧のジャーナリズムは、ボスニア紛争をキリスト教の正義感に基づいて報道してきた。悪役はセルビア人であり、それを支援しているロシアも同罪になる。騒動の裏に隠れて、クロアチア人たちが民族浄化をやっていたことを報道するものがいなかった。国連がモスタルの惨劇に気がついたときには、徹底した民族浄化の後だった。宿敵セルビアに対抗して同盟を結んでいたクロアチア人とボスニア人が主導権をめぐって対立し、互いに殺し合うことになった。 モスタルの民族紛争は複雑であり、理解することは難しい。最初にモスタルを攻撃したのはセルビア勢力であり、モスタルの町の占拠という野心を抱いていた。これに対抗して、クロアチア人とボスニア人は手を握ってセルビアと戦った。国際社会はセルビアを非難して排除した。まさか、セルビア勢力の去ったモスタルで、クロアチア人による民族浄化が行われるとは予想していなかった。農民だったキリスト教徒と地主階層だったイスラム教徒は歴史的な敵対関係にある。 中世にオスマントルコ帝国の支配下に置かれたボスニアには、イスラム教徒が移住してきた。近代にオーストリア帝国の配下になると、今度はキリスト教徒たちが流れ込んできた。東モスタルの旧市街にイスラム教徒、西の新市街にキリスト教徒が住み、チトー時代まで共存していた。ユーゴスラビアが崩壊して、民族自立の時代になると、大クロアチア思想に取り付かれたキリスト教徒が、イスラム勢力一掃を狙って民族浄化をはじめた。戦力的に不利なボスニア人たちは、イスラム諸国から支援を受けて、キリスト教徒と戦い続けた。中世の宗教戦争が復活したのである。 モスタルの市街戦は、1軒1軒の家をすべて破壊しつくす激戦だった。大量惨殺や収容所の拷問が日常的な光景になっていく。モスタルの惨劇を察知した国連は、3民族を並存させる強引な和平案をまとめた。これほど憎しみあっている民族をひとつの国にまとめる考えには無理がある。モスタルの住民は互いに憎しみ合いながら、日常生活を続けている。扇動政治家の話を鵜呑みにして行動すると、消すことのできない悲劇に陥るという歴史をモスタルでも繰り返している。
2009.04.26
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フェラーリとマクラーレンの脱落が、F1世界に複雑な情勢を生みつつある。その隙を縫って、トヨタとブラウンGPとレッドブルが急上昇している。タイム的には僅差にあるが、総合性能では大きな差が生まれている。フェラーリとマクラーレンが最新のシステムに遅れをとった理由は、昨シーズンの優勝争いだろう。旧型マシンの改良に資金と人材を投入したことが、最新型への遅れを生じさせてしまった。フェラーリ出身のロス・ブラウンとマクラーレン出身のニューウィが開発するマシンが優れているのは偶然ではない。 トヨタF1の技術的進展は、FIAの規制強化によるメリットを生かしたものになる。すでに150人のリストラを決めているほど、合理的で無駄を省くという姿勢がトヨタの強さの根底にある。伝統的なフェラーリとマクラーレンには、組織改革が難しい。KERSの開発に人材を割いていると、ほかの部分がおろそかになる。重点的に投資を行う部分と軽くしてもかまわない部分の見極めが組織に求められている。すべての部門に開発投資を行っていては、フェラーリといえども資金的に苦しくなる。 メルセデスAGは年間数千億円になる赤字の埋め合わせに苦労している。世界不況は高級車部門につらく厳しい。ライバルであるBMWとの提携に乗り出したのも、このままでは赤字が危険水準に達することを予感しているからになる。F1参戦を続けるか、それとも撤退するかは、単純に赤字額になる。本業の赤字が累積していくと、メルセデスといえども道楽は続けられない。環境問題や低燃費に一番遠い技術がF1であることはいうまでもない。F1参戦のメリットとデメリットを計算する時期に来ている。 ブラウンGPの速さが続くかは、開発資金が続くかにかかっている。F1参戦に必要な資金をブラウンGPは確保していない。勝つことでスポンサーも増えつつあるけれど、それで1年間戦えるほど甘い世界ではない。すでにパーツ不足のために、使い古しの部品を再利用しているという。それでは戦いの場で勝ち続けることは難しい。資金的な限界があるレッドブルも同じだろう。そこに、トヨタの優勢と勝利が見えてくる。レースに勝つことに慣れていないトヨタチームはさまざまなトラブルを起こしている。マシンのせっかくの速さをなかなか生かせないトゥルーリが、バーレーンでどのように戦うかは見ものだろう。
2009.04.26
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アヤメはたくましく、丈夫に育つ。自然に生えていた菖蒲を数本に株分けをして育ててみると、驚くほど生命力が強い。地下茎や球根で増える植物は乾燥や寒さに強く、野性のたくましさを持ち続けている植物になる。 紫の花の豪華さと派手さがアヤメの特色だろう。1本に3つ程度しか咲かないけれど、一つの花のスケールの大きさと紫のあでやかさに圧倒される。数日で紫の花は萎れてしまい、開化を楽しめる期間の短いのもアヤメらしい。
2009.04.25
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携帯電話の販売が危機に瀕している。2月はなんと前年比40%減という数字になっている。機種変を実行したのが60%の人々に過ぎないことが、携帯業界の混乱を示している。3社独占と980円の低料金旋風と変わり映えしない機能が、買い替え需要を失った原因だろう。少し前まで、ほとんどの人は2年ごとに機種を買い換えていた。2年過ぎると汚れて古くなるし、機能も劣る。持ちの悪くなったバッテリーは数千円するので、機種を買い換えたほうが得になる。それが機種変という莫大な買い替え需要を支えていたのに、携帯業界に驚くような事態が進行していた。 携帯料金980円を強烈に打ち出したのはソフトバンクだろう。高すぎる料金を下げるという動きは歓迎すべきだったのに、その裏で携帯電話の販売価格は急上昇してしまった。1~2万円前後だった携帯の価格は3万円以上に上昇している。かつてのau1円携帯は、文字通り1円しか払わないシステムだったのに、今では分割ローンの頭金が1円になっている。見た目は1円でも、買うと2年間ローンを支払わされる。それが嫌で現金価格で買うと恐ろしく高くなる。これでは皆が機種変をやめるのも無理はない。 ソフトバンク同士だと無料通話があるけれど、auはその戦術を実施していない。最も人気のあったauが最下位に転落したのも当然だろう。何度カタログを読んでも、どの料金が得なのか見えてこない。一度契約すると2年間は解約できないので、悩むことになる。多額の解約料をとることで、継続を狙うという作戦は汚い。半額という値段にひかれて契約すると、まず2年間は動けなくなる。さらに、途中でローンを払えなくなる事故も続出している。本当にやばい商売に手を染めている。 日常生活に必要なので手放すことはできないから、それをネタにもう収益を上げるという手法を何とかしないと、携帯を買い換える人間は激減していく。あまりに人をコケにしたシステムを知って、高すぎる機種変をしばらく伸ばすことにした。実質的な料金は下がっていないのに、機器の値段だけを高騰させた携帯会社の責任は大きい。販売台数40%減という数字は、さすがにこたえるだろう。工場で生産した携帯電話が倉庫に山積みされてしまう。それをさばくには、大幅な値下げを断行するしかない。実質3社独占というのは、やはりタチが悪い。
2009.04.25
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自動車業界の下克上は、ポルシェのVW買収劇だった。ひそかに株の買い占めを行い、一気にVWの支配権を握ったポルシェAGに対して、VW経営陣が何を思っているかは伝わってこない。厳重なかん口令が敷かれているのだろう。小が大をのみこむ買収は、金融危機の直前に計画されている。金が余って、資金の使い道に困っていた時代の話になる。 経営不振だったポルシェの財務を向上させたヴィーデキングCEOは、上昇したポルシェの株式の運用して、最大の利益を上げる戦略を練っていた。そこで目を付けたのがVWになる。フォルクスワーゲンはフェルディナンド・ポルシェの設計したカブトムシから歴史が始まっている。ポルシェ一族の賛同を得て、VWの株式を50%近く買い集め、事実上の支配下に置いた。しかし、VW買収資金のほとんどは金融機関からの借金だったことから、ポルシェは1兆円近い債務を背負うことになる。買収劇により、VWの株式は急上昇したので、帳簿上は数千億円の利益が転がり込んできた。 VW首脳がこの戦略に反発していることは事実だろう。売上は10分の1以下のポルシェに支配されては面白いはずがない。VW経営陣とヴィーデキングとの対立も深刻化している。VW買収によりポルシェは莫大な利益を得ても、それを現金化することができない。株式を売却したのでは支配権を失う。1兆円の負債は返済を迫られる。ポルシェの利益で返済できると豪語していたヴィーデキングも、世界不況には勝てなかったらしい。ポルシェの売上は激減している。それは株価の下落を招くことになる。借金の担保にしているポルシェ株が低迷すると、借金地獄が始まる。 このジレンマを解決するには、小が大を呑み込んでいる状況を解消するしかない。VWがポルシェを買収してしまえば、この下克上は解消する。ポルシェがVW傘下に収まるほうがずっと自然だろう。このひそかな動きに困惑しているのがヴィーデキングになる。数千億円の儲けが凍結状態にあることがポルシェの動けない理由になる。ポルシェを世界有数の高収益企業に仕上げた功績も奪われてしまう。ポルシェがVW帝国を支配し続けられるか、それとも逆買収でVW傘下に組み入れられるかのどちらに転ぶかは、金融機関次第だろう。ポルシェとVWの血で血を洗う戦いが待っている。
2009.04.24
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ダイアンサスの白さは際立っている。ほとんど影のない純白の花が咲く。これほど白さを感じる花は少なく、花桃の豪華な白さとダイアンサスの可憐な白さは双璧だろう。日本のナデシコと同種であり、さまざまな色彩の種が育てられている。 ダイアンサスの耐寒性にも驚かされる。凍りつく寒さを耐えて生き残ったのは、黄色いビオラ2株と白のダイアンサス1株だった。零下の気温に凍りつきながら、花を咲かそうとするのは、自然の驚異というしかない。二つに共通しているのは、小さな株なのに地下の根の大きいことだろう。これが生命力の源かも知れないなあ。
2009.04.24
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人類が自然を自戒して文明を築いてきたことは事実だろう。その過程で数多くの動植物が滅亡させられている。人類が生き残るためには、森林を切り開き、農地を耕作して食糧を生産するしかなかった。激増する人口を養う食糧生産をするには、化学肥料や農薬を大量に使うしかない。急激に農業生産を増加させることは、必然的に自然破壊につながる。焼き畑農業やヘリによる農薬散布などはその典型だろう。これに対して、自然保護団体が反対するのも当然の行為になる。途上国の多くでは、飢餓さえも満たすことのできない貧しい人々が存在していて、乱伐で裸にされた山林は珍しくもない。 自然の動植物保護から、家畜やペットまで範囲を広げたのが動物愛護運動になる。最初は「毛皮を着るな!」程度の抗議運動で済んでいたのに、次第に行動がエスカレートしてきた。イルカやクジラの保護運動や実験動物に対する抗議活動などは過激化する一方である。捕鯨の邪魔や動物実験を行う研究所を焼き討することは珍しい出来事でなくなった。人間には不可能な医学的実験や残酷な解剖などをペットが引き受けている。動物保護の単純な抗議では効果がないので、研究所の爆破や焼き討ちが世界各地で広がり始めている。米国では、AFL(動物解放戦線)の運動が過激化している。 製薬会社や生物研究所が動物実験をやめることはありえない。彼らはそれによって莫大な利益を上げている。最終的には、医薬品の開発などによって人類の進化に貢献しているという自負もある。研究員たちは、人間に対しては不可能な実験を動物に対して無慈悲に行っている。それを科学的な実験と解釈するか、動物に対する虐待と解釈するかで意見が分かれる。日本では、動物実験そのものが隠蔽されているので、世論がその事実を察知することはない。米国では、残虐行為の正当化を主張する研究員に対して、テロが行われるようになった。研究所や自宅が放火されることは当たり前になっている。動物愛護運動に警察が探知したり、捜査することは不可能な現実がある。 FBIは過激な動物愛護行動に対して、テロと認知して捜査しているが、社会の壁に遮られている。動物愛護運動に参加している人々は、FBIよりも命を賭けてテロに挑む人間をひそかに支持している。政治的なテロや金目当ての殺人のような犯罪捜査を行うことは難しい。自然保護運動や動物愛護運動を警察が排除することも不可能だろう。多くの人々の寄付金が資金を提供している。普段は社会の良識人である動物愛護家が、突然研究所を爆破するのだから、捜査は難航を極める。愛護運動家たちは、過激行動派を共同で守るので、逮捕することは不可能になっている。人間の欲と正義をどうやって調和させるかは解きがたい難問だろう。
2009.04.24
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ロシアのゼニトから移籍してきたアルシャビンに対しては、二つの異なる評価があった。「ユーロ08の大活躍は本物」と見る人々と、「プレミアでは通用しない」という否定的な見解になる。最初に獲得を狙ったのはバルセロナだったが、移籍金で話がまとまらず、プレミアのアーセナルと契約している。アーセナルは負傷者の続出による戦力低下に悩んでいたから、積極的に獲得工作に乗り出した。そして、リヴァプール戦が始まった。 アルシャビンの1発目は、ファブレガスのセンタリングを軽くゴールの上方に蹴りこんで得点している。何気無く左足で蹴ったように見えても、GKの手の届かないゴール上側に決めている。2発目はDFのボールを奪って、右足でロングシュートを決めた。これもGKの動きを見て、指の届かない右隅に叩き込んだ。3点目はリヴァプールのパスミスを突き、フェイントをかけてから右足でGKの右足脇を抜いている。GKとDF陣は身動きできなかった。4点目は、DFの裏に飛び込み、左足でGKの肩を抜いてゴール左隅に決めている。 アルシャビンの特徴は、正確無比なシュート力とGKの動きを読んでかわす技だろう。単にシュートを蹴るのでなく、計算してコースやタイミングを決めている。FWとしての実力は、まさしく対戦したトーレス並というところが驚かされる。背が170センチしかないので、アーセナルでは1トップ2シャドーのMFとして使うことになるだろう。ウォルコットやベントナーよりも技術は熟達している。アデバヨルと2トップを組めば、プレミア最強のFW陣として通用するだろう。 FWが余剰になっているバルセロナよりも、深刻な得点力不足に悩むアーセナルのほうが活躍できる場面は多い。こんな逸材が突然登場するのも、プレミアの魅力になる。次の試合からは徹底マークにあうので、これほどフリーで打てることはなくなくなっても、パスサッカーの前衛にアルシャビンがいる事実は重い。ハードなプレミアサッカーの洗礼を浴びても、びくともせずに切り込んでいく姿はたくましい。アーセナル復活の芽が出てきたことを素直に喜びたい。
2009.04.23
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モミジが春にどのような色彩の変化をするかは、あまり知られていない。昨年の夏に「桂」というモミジを植えたときは、直射日光で葉が焼けてみすぼらしい姿だった。大きくなるにつれて、鉢から土に埋めなおした。秋になって真っ赤に紅葉すると思っていたら、黄色いままで落葉してしまった。モミジなのに紅葉しないとがっかりしたものである。 春になると、深紅の芽が出てきて驚かされた。紅葉よりもさらに赤いのである。その葉が黄色く変容して、次第に黄緑になりつつある。春にも葉の変容が楽しめるとは知らなかった。モミジが愛されるのも当然だろう。短期間のうちに「桂」の小さな苗は、黄緑の葉につつまれている。
2009.04.22
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元ホンダチームであるブラウンGPの大活躍に対しては、讃美ばかりではない。むしろ、ほかのチームの嫉妬とやっかみを買うことになった。チーム組織と予算が半減したブラウンGPが勝てるマシンを開発できたことが驚きを与えている。その成功は、二つの教訓を残している。ひとつは、勝つためには時間をかけてマシン開発すべきだということ、二つ目は必要な部分にだけ予算をかけるというシステムを構築することになる。 ブラウンGPには、スペアマシンがない。それどころか、予算不足によってパーツさえも満足にそろっていない。バトンは更新すべきパーツを再利用して、急場をしのいでいるという。いずれ、予備のパーツがすべて消耗したとき、戦闘力は大幅に低下する。新たな開発やパーツの購入には資金が欠かせない。ロス・ブラウンの技術によって、マシン開発に成功しても、組織の実態は弱小チームと同じになる。新たな大物スポンサーを獲得しないと、年度途中で脱落する危険がある。 レースで勝つためには資金が必要になり、資金を得るにはレースで勝たねばならない。ところが、ルノーのブリアトーレ親分が不満を爆発させたことで、ブラウンに危機がぼっ発してしまった。各チームは年間30億円から50億円の賞金をエクレストンからもらうことができる。ホンダも35億円前後を受け取れることになっていたので、ブラウン側も受け取る権利を主張している。しかし、ブリアトーレがブラウンへの配分に反対したことによって、賞金を受け取れるかどうかは不透明になった。ホンダチームの遺産を受け取るには、投票で70%の賛成を得なければならない。受け取れないと、後半戦の予算に影響を与える。 ホンダは工場や風洞や土地をロス・ブラウンに総額1ポンドで譲ったという。他に参戦費用なども支払ったから、事実上無償で組織を手に入れたことになる。うまくスポンサーが獲得できて、必要経費を工面できるとチームとして成功できる。資金が不足して、開発が遅れたりすると成績は下がっていく。有利なのは1年限りなので、その間に体制を固めないと長続きはしない。レッドブルとブラウンの成功は、ワークス側の反発を呼び、論争の行き先には分裂や解体が待っている危険がある。ブリアトーレが噛みついたのは、その第一歩に過ぎない。ブラウンGPが勝つことは、ワークスの敗北を意味する。それに耐えられる人間は限られているのさ。
2009.04.22
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金融危機に対して何もできなかったIMFは、世界中の金融機関が受けた損失を4兆ドルと認定した。この推計が事実とすると、400兆円という資金が短期間に消滅しているから、世界不況になっても不思議ではない。証券や株式などの暴落と貸し倒れが損失の中心という。その3分の2を世界中の銀行が背負っている。深刻なのは、消えた400兆円を埋める方法がどこにもないことだろう。政府がいくら資金をつぎ込んでも、総額4兆ドルには「焼け石に水」になってしまう。 資産価値を失った金融商品は紙くずにされている。株価は将来値上がりする可能性があるけれど、投資銀行発行の証券を大量に買おうとする人間は消滅した。石油産出国や開発途上国も、安全な資金運用を第一にする時代に変化している。儲けるよりも、損をしないことが運用の条件になる。こうやって金融商品の買い手が消えると、投資銀行は資金を入手できなくなる。自己売買で大もうけしていた投資銀行や証券会社が、再び手数料収入時代に戻ることは不可能だろう。高級車で儲けていた乗用車メーカーが、利益の薄い小型車に転換できないのと同じである。金融機関の手数料はせいぜい数%程度だから、何兆円もの利益を生み出さない。 サブプライムローンの焦げ付き率は驚くほど高い。それを隠して商品化し、大量に販売したリーマン・ブラザーズなどのやったことは、まさしく犯罪行為と同等だろう。それに対する警告がまったく行われなかったというのも、お粗末な話になる。世界を統括するIMFの存在意義が疑われるのも必然になる。IMFはNYの金融機関が行っていた「からくり」を見抜けずに、大規模な金融危機を招いてしまった。IMFに代わる国際組織を創設しないと、何度も同じことが起きる。人々は用心深くなるから、証券を売るためにシステムがさらに複雑になっていく。 博打や賭博の嫌いなアジアの金融機関が生き残ったことは幸いだった。400兆円のほとんどは欧米の金融機関が背負うことになった。投資ファンドの多くは破綻に向かい、博打好きなファンドは市場から消滅させられる。地味で堅実な運営をする銀行が世界を支配する時代が来るはずである。そして、金融危機が実体経済にどれだけ影響を与えるかが読みきれない。世界恐慌によって5000万人の失業が生まれると予測されているが、これを救う手立てはない。
2009.04.22
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ネクタリンの苗木に花が咲いている。実るまでの世話が大変なので、果実は避けてきたけれど、冬に植木屋さんで売れ残っていた苗木がかわいそうになり、思わず買ってしまった。1本300円という安さも魅力だったこともある。ネクタリンの果実が収穫できる確率は低く、虫除けの袋かけなども行わねばならない ネクタリンが桃と同族だということは、姿を見ていると理解できる。小さく可憐な桃色の花が咲いている。と思っていたら、昨日の雨で花は散ってしまった。まあ、花だけの桜と違って、お盆のころにおいしい果実の成熟するのを楽しみにしよう。
2009.04.21
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日本史最大の謎は「本能寺の変」と「邪馬台国」だろう。どうして本能寺の変が起きたのかを解明できれば、歴史の大きなテーマが解決する。江戸時代から、さまざまな説が唱えられてきたけれど、明智一族が滅亡させられているので、真相は伝わらなかった。明治以降に多様な解釈が生まれている。しかし、どの説にも弱点があり、いまだに決定版はない。生き残りの証人や歴史的な資料の多かった江戸の歴史家さえ謎を解きあぐねたのだから、現代人が解明できる可能性は少ない。 細川家に光秀の密書が残されている。「本能寺の変」の後に、明智の味方になるように送った親書が秘蔵されていた。そこに書かれていることが、光秀の本音に近いと思われている。しかし、細川一族は同盟を拒絶して、孤立無援になった明智軍は秀吉に滅ぼされてしまう。明晰な頭脳を持つとされた光秀としては、「本能寺の変」後の政策はお粗末というしかない。明智軍だけでは、広大な戦線をとうてい維持できない。秀吉が大阪に到着すると、明智勢の数倍の軍勢が集まり、光秀は惨敗して滅亡させられる。その結果、秀吉の天下が実現していく。 本能寺を攻めた明智の武将は、攻撃する相手が信長であることを知らされていなかった。軍勢を信長に検分してもらうという言葉を信じて京都に向かったという。明智一族の幹部だけが謀反を知っていたくらいだから、毛利や上杉が知らなかったのは無理もない。事件を予見していたら、織田家は滅亡させられていただろう。織田を包囲していたのは、上杉景勝、北条氏政、毛利輝元などだったから、「本能寺の変」を利用すれば天下取りのチャンスが生まれただろう。しかし、京都との距離が遠すぎて、「本能寺の変」を知ったときには、付け込む隙がなかった。さらに、天下統一の野心もなかった。事件を最大限に利用したのは、秀吉と家康になっていく。 日本の歴史に反逆や暗殺は多い。それでも天下取りを狙った家臣の謀反というのは、「本能寺の変」くらいだろう。暗殺した相手が天下人だったったので、戦国の歴史は激変した。どの武将も戦国の戦いで疲弊していたのは事実だろう。京都に上洛するには、莫大な戦費が必要になる。天下統一のチャンスだとわかっていても、辺鄙な地域に存在した毛利一族や北条氏に、天下統一思想は無縁だった。上杉景勝には、織田家の混乱に乗じて、京都まで攻め入るという経済力がなかった。関西経済圏を握っていた織田信長は、その富を背景にして、日本各地に派兵できた。ところが、農業主体の越後では、天下統一の戦費を調達するのが難しく、上杉景勝は混乱を黙って見ているしかなかった。 本能寺で信長が暗殺されても、織田家が滅んだわけではない。織田一族は健在であり、信長の後継者は織田一族が担うはずだった。ところが、一族に想定外の内紛が起きる。後継者をめぐる次男信雄と三男信孝の対立である。信雄が秀吉と手を握り、信孝を柴田勝家が支援したので、織田家は二つに分かれて戦うことになる。賤ヶ岳で宿敵の勝家を倒し、天下人の座に秀吉が座ることになった。名目的には、織田家が上にあるのに、実質的な権限は秀吉が握る。棚上げされていた織田信雄が改易されたことで、織田家は歴史から消えていく。
2009.04.21
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雨の上海で、セバスチャン・ベッテルは才能こそが勝者の条件であることを訴えかけた。フェラーリとマクラーレンの脱落によって、F1レースは活性化している。資金や人員の数によらないレースが出来上がった。ドライバーの実力が勝つ条件であれば、マシン性能の均一化を進めたFIAの策謀は功を奏したことになる。あまりに長かったフェラーリ時代が終わったことで、レースそのものは白熱化していく。 ベッテルの才能はすさまじい。土曜はトラブルによってほとんど走行していないのに、予選でトップタイムを出している。決勝は最後まで雨に悩まされる展開が続き、アクアプレーニングによってスピンやコースオフが発生する中で、ベッテルはほとんどミスをしなかった。水しぶきに悩まされないトップを走れるという条件があったにせよ、卓越した才能を見せ付けた。各ワークスがどういう目でベッテルを見ているかは明らかだろう。こういう才能は大金でワークスに買われていく歴史がある。レースで勝つためには、手段を選ばない宿命なのだから、いずれベッテルとハミルトンの争奪戦が繰り広げられるだろう。 レースは勝たないと意味がない。そのために、チーム首脳陣は知恵を絞る。それが政治的な動きにつながり、怨念や憎悪の原因になる。フェラーリとマクラーレンは、そういう歴史を繰り返してきた。FIAはワークス勢の優位を断ち切るために、さまざまな仕掛けを準備し、09年度に至ってようやく実現させた。ブラウンとレッドブルの勝利は褒め称えられるべきものなのに、それに水を指す動きがすでに出ている。フェラーリやマクラーレンに資金を投じるスポンサーたちは、趣味で金を浪費しているわけではない。 プライベートであり、資金と技術に制限のあるブラウンとレッドブルの勝利は、必ずワークス側の反発を謀略を呼ぶ。互いに戦っているF1チーム同士に友情があるというのは偽りだろう。ドライバー同士に友情があっても、レースに勝たねばならないワークスにそんな甘い感情はない。どうすればブラウンやレッドブルをつぶせるかを考えるのがチーム首脳の役割になる。莫大な投資を行っている企業が敗北を承認することなどありえない。 FIAの狙いは、プライベーターでも優勝できる環境を設定することにある。エンジン規制や予算制限はそれを物語る。突発した世界不況によって、ワークスも豊富な資金を失い始めている。フェラーリの10年間は、シューマッハの腕とロス・ブラウンの技術とマールボロの資金によって完成した。それらが一つ一つ消えていくと、戦いが厳しさを増していくのは仕方がない。フェラーリ1極集中の時代は終わり、群雄割拠の時代になるシナリオをFIAは描いている。そのほうがレースとしては面白いし、TV視聴率も上昇する。英国では、セパンの視聴率が50%を超えたという。降雨による中止に目にあったのに、興行としては大成功している。 こういう群雄割拠を伝統あるワークスが容認するかが、F1の未来を決定するだろう。過去の歴史からすれば、不満をいだいたワークス首脳陣が恫喝などを用いて、元通りの戻そうとするだろう。安い予算とそこそこの技術でF1レースに勝てるようになると、高度な技術や豊富な資金は無駄遣いになる。一番簡単な方法は、ベッテルを横取りすることだから、数年後に契約問題が勃発することは避けられない。せっかく、正道を進み始めたF1世界に、それを崩そうとする陰謀がめぐらされることは避けられない。それゆえに、この世界は裏側が面白いのだけれど。
2009.04.20
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久留米ツツジの赤い花が咲き始めている。小さな株に赤紫の花が咲きそろう姿は、他を圧倒する。ツツジの花がいっせいに開花すると、あちこちの花壇や歩道の植え込みなどでも、華やかな色彩で彩ることになる。 久留米ツツジの改良に執念を燃やしたのは、江戸期の久留米藩だという。西欧風な華麗さでなく、どこかに悲哀のある色彩を感じる。ツツジ類はとても丈夫なので、どこでもたくましく育つ。日本でいちばん植樹されている花がツツジというのも当然かな。
2009.04.19
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フェラーリのKERSシステムは、どこかの専門メーカーが開発しているのだろう。自社開発だとすれば、中国GPでシステムを外すのは不適合ということになる。KERSはプラス80馬力が可能になるので、戦闘力は増す。直線の加速に使うと、後方から追い越すことは難しい。この特性を巧みに使うと、セパンのアロンソのように追越させない手段にも使える。KERSの熟成が進めば、いずれ勝負を仕掛ける道具になってくる。使える道具にするためには、技術の蓄積のためにレースで使い続けるしかない。 現時点で賛否両論が強いのは、FIAの機能制限によって、KERSの性能が抑えられていることにある。エネルギー回収率は20%しかなく、1周に数秒間しか使えないのでは、重量増加によるマイナスが目立ってしまう。回生ブレーキはリア側だけに装備されているから、ブレーキの前後バランスをとることが難しい。トヨタの十勝ハイブリッドは、70%のエネルギー回収率を持ち、前後に回生ブレーキを装備して電子制御を行う。つまり、FIAの規制によって、KERS本来の能力を発揮させていないことになる。規制の網がかけられたのは、性能を同レベルに保つためのF戦略だろう。 フェラーリの総人員は限られているので、KERSに力を入れると他部門の人員や予算を削減するしかない。開発の遅れを取り戻して、レースで戦えるマシンに改良できるまでは、KERSに人員をつぎ込めない。完璧なシステムにするには、相当な資金と増員が必要になり、コスト削減に追われるF1チームとしては解決に当分苦労させられる。KERSを外して、マシンの軽量化とセットアップを完璧にしてから、バランスを見直して搭載するという計画だろう。 トヨタがKERSを搭載していない理由も複雑な事情を思わせる。完璧なステムを持っているのに、FIAの規制で使わせてもらえない。不満足なものを使うくらいならば、時期を待つという作戦だろう。トップレベルの走りを実現したのに、重量を増やして、戦闘力を低下させることもない。搭載しないことが不利な場面が増えるか、規制が緩められる段階を待つのだろう。本当のハイブリッドレース競争になると、どこもトヨタにかなわないことを予感している。トヨタがどの段階でKERSを組み込むかで、F1の流れが大きく変化するだろう。
2009.04.18
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F1マシンのタイムが接近してきている。ポールポジションと最後尾のタイムには、かつて大きな落差が存在していたのに、さまざまな規制強化でタイム差が縮まっている。接近戦を決定付けたのが、シーズンテストの禁止だろう。もともとは、弱小チームの経費削減を狙ったアイデアだったのに、テスト禁止が有力ワークスの開発を縛ることになったのは皮肉というしかない。新たな実験的なパーツを開発しても、それをテストする場がない。レースウィークの金曜日はセットアップに忙しくて、実験的なことに時間を費やす暇はない。 ブリヂストンとミシュランのタイヤ戦争が消滅した後、タイヤへの関心が薄れることを懸念したブリヂストンは、FIAにレッドタイヤのアイデアを提案した。これは米国レースで行われていたアイデアになる。レースで2種類のタイヤ使用を義務付けることにより、タイヤ交換作戦が勝敗を大きく左右する。観客やTV視聴者も必然的にタイヤ交換に関心を持ち、それが結果的にブリヂストンの認知度を上げてくれる。 F1においても、どのタイミングで、どのタイヤを選択するかが勝敗に影響し始めている。今年からは、コースに最適な2種類ではなく、最適と不適合の2種類を使わねばならなくなった。同じセットアップで使うと、1種類は最速タイムを刻む。しかし、不適応になる2種類目のタイヤはタイムが落ちる。どちら側を優先してサスペンションをセットするのか、どちら側をスタート時に使うのかなどを緻密に計算しなくてはならない。この読みを間違えると、あっという間に脱落させられる。 4種類のスリックタイヤのうち、モナコなどの低速コースに適応させたスーパーソフトは、特殊な構造を持っている。トレッドがやわらかく、表面が傷みやすい。トレッドの磨耗度も大きく、無理をするとたちまち火ぶくれが起き、後方から抜かれてしまう。一般的には、ラストの10週程度に使う終盤作戦が有力になる。あるいは、予選で燃料を軽くしてスーパーソフトでラップタイムを狙う作戦も出てくる。序盤でタイヤが磨耗してラップタイムが落ちたら、即座にハードに交換する。いずれにしても、3-3-1のような距離配分の使い方になるから、どの段階でスーパーソフトを使うかが勝負を左右してくる。作戦参謀の腕の見せ所かな。
2009.04.17
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花を観賞する花桃と呼ばれる一族がある。実のなる桃の花は美しいが、色や姿にそれほどの変化はない。花桃の改良には、多くの人が心血を注いだので、たぐいまれな花が咲くようになった。透明な白の輝き、あでやかなピンク、そして源平と呼ばれる紅白の花が咲く種類などが生まれている。 お寺の高い枝の先に咲いている白い花が桃だったとは、最初は信じ難かった。花のつき方はまさに桃であり、梅や桜とは違う。これだけの透明な樹上の白は見たことがない。確かに、これだったならば、実が食べられなくても文句は出ないだろう。美しい花を求めていく人間の執念はとどまることを知らない。
2009.04.15
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互いに相手の手の内を熟知しているとCLの戦いは厳しさを増す。リヴァプールはホームゲームで惨敗しているから、捨て身で点を取りに行くしかなかった。それをどうやって防ぐかが勝敗のカギになる。3点差をつけないと敗退するリヴァプールは、総攻撃体制で乱戦に持ち込むしかない。ファビオ・アウレリオのフリーキックが決まって、流れは形成された。PKで2点差になると、リヴァプールに大逆転の芽が出てきた。 ドログバの足技が決まったのは、そういう雰囲気に染まっていた瞬間だった。ワンツーでサイドを突破したアネルカのセンタリングに足を出したのはドログバだった。足先でコースの変化したボールはキーパーの横をすり抜けてゴールに吸い込まれていく。流れは再びチェルシーに戻り、アレックスの物凄いフリーキックが決まる。弾丸シュートは螺旋を描いてゴールに突き刺さった。最高度に緊迫した場面で、こういうフリーキックを蹴れる人間が存在すること自体信じがたい。続いて、ランパードのボレーシュートが決まり、チェルシーは3-2と大逆転を遂げた。 それでも、リヴァプールはあきらめずに突進する。ルーカス・レイバのシュートがDFに当たってコースが変わり、ゴールに流れ込んだ。さらに、リエラのセンタリングにカイトが頭を合わせて逆転する。そういうエネルギーをもっているからこそ、不足する戦力でリーグ戦やCLを戦い抜くことができるのだろう。この試合にとどめを刺したのは、アネルカのパスを蹴り込んだランパードのワンタッチボレーだった。熟達の戦士が織りなす激しいゲーム展開は、4-4の引き分けに終わった。イングランド勢同士の戦いは、まさに事実上の決勝戦の内容をもっていて、CLの歴史に残る名勝負が刻まれた。
2009.04.15
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F1チームの財政難が深刻化しつつある。有力スポンサーの離脱が続いているルノーは、給与の大幅カットを開始している。アロンソとピケ・ジュニアがまず狙われ、次にブリアトーレ親分が祭り上げられた。上に立つ者が犠牲を払わないと下の者が承知しないのは、どこも同じらしい。アロンソにしてみると、せっかくルノーと契約延長したのにマシンの性能は鳴かず飛ばずであり、契約金まで大幅カットされるのであれば、ブラウンGPに移籍すべきだったと後悔しているだろう。 IT産業と金融機関は、リーマン・ブラザーズ破綻に始まる危機勃発で青息吐息にある。チームとは長期契約があるので即座の解約は難しいが、いずれF1スポンサーからは撤退していく。ほとんどの金融機関は莫大な損失をだしているし、IT産業は消費不況によって赤字に落ち込んでいる。これに代わるスポンサーは限られている。食品や薬品などの生活関連産業でないと、世界不況の影響を受けていてF1どころではない。 ルノー問題の厄介なところは、F1撤退論議と複雑に絡む情勢だろう。大幅なコストダウンが行われても、なお100億円程度の支出は避けられない。それをルノーの宣伝費とみるか、それとも無駄遣いと考えるかで、内部でも激論を続けている。チャンピオン時代ならば、F1投資はプラスの利益につながる。負け組に入ると、それが無駄遣いに見えてくる。計算機片手に損得を考えても、なかなか結果は出ないだろう。 ルノーは新型マシンを開発する余裕はあったはずである。フェラーリとマクラーレンは最終戦まで激闘を続けたので、新型マシンに取り組むのが遅れた。ルノーはチャンスを狙うべきだったのに、予算削減と人員整理に追われて、新型マシンに取り組む余裕を失っていた。コストを削減するとマシンの戦闘力が落ち、成績が低迷するから、スポンサーも離れていく。そうすると今回のようにさらなる予算削減に取り組まねばならない。人員の削減だけでなく、給与のカットを断行するという点が目新しい。 安い予算で優れたマシンを設計して、チャンピオンの座に就いたことは大きな成果だったけれど、安くても勝てるとルノー首脳陣に錯覚させたのはまずかった。安ければ安いほど競争力は落ちることを力説すべきだった。金だけでどうにかなる世界ではないが、金がないとパーツ代にも不自由する。さらに、ルノーにとって深刻なのは公式テストの中止だろう。マシンを改良しようにも、どこをどうすればよいかのデータが手に入らない。テストが行えるのはレース期間の金曜日だけであり、逆転の技術開発を難しくしている。新型パーツの威力を確かめる場すら存在しない。ブリアトーレ親分が賃金カットを受け入れたのも、まあ当然なのさ。
2009.04.15
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八重桜は豪華な雰囲気を漂わせている。清楚な桜とは別の種族にさえ思える。様々な花の中で、八重咲きという変種が生まれている。本来は、オシベとメシベに成長する部分が花びらに進化した種を八重咲きと呼ぶ。 古来、山桜は一重であり、里桜は八重と呼ばれてきた。自然界では存在できない種なので、村人が大切に育成してきたのだろう。山桜よりも10日程度咲く時期が遅いので、ソメイヨシノが散った後でも楽しむことができる。この桜の美しさには見とれてしまう。
2009.04.14
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1997年にインドネシアで古代魚シーラカンスが発見されたのは魚市場だったという。インドネシアでは、古代魚シーラカンスの発見さえも報道されておらず、専門家のみがシーラカンス研究を行っている。そのために漁民は密猟などを行わずに、生息環境は平穏に保たれているという。それを脅かしているのが、シーラカンスの捕獲を狙う日本の水族館や密輸業者というのは情けない。古代魚としての存在さえも知られていないために、魚市場で売買されていても、誰も気がつかないというのは面白い。 数億年の生命をもつ生物は限られている。進化の極点に到達すると、生物はその姿をほとんど変化させなくなる。化石のシーラカンスと現生種はほとんど同じに見える。シーラカンスは深海に生きることによって、白亜紀の絶滅を免れてきた。化石でしか見ることのできない生物が自然の中に生きていることは貴重だろう。インドネシアでは、年に数匹程度が捕獲されているらしいのだが、知名度がないので食品として扱われるらしい。 アフリカ沖で発見されたシーラカンスは、世紀の大発見と騒がれてきた。コモロ諸島では、数百匹が捕獲されているという。おそらく、この数倍のシーラカンスが密猟で捕獲されただろう。最貧国のコモロ諸島の漁民からみると、数年分の所得になるシーラカンス漁は魅力的な仕事になっている。ゾウやトラにしても、生息数が減ると象牙や毛皮の価値が上がり、高値で取引されるために金目当ての密猟を呼び込んでしまう。同じことは魚にも言えるのが、無念だろう。 本来のシーラカンスは浅瀬や淡水にも生息していたはずなのに、それらの種族は白亜紀に滅亡に追い込まれてしまった。生き残ったのはアフリカ沖とインドネシアの深海に生息する種だけである。インド洋全体に広がっていたシーラカンス類は、インド大陸とアジア大陸の衝突という環境の激変によって、二つののグループに分断されたらしい。日本の調査船がロボットカメラで生きたシーラカンスを撮影したと宣伝されているが、これも愚かしい行動になる。生物学者や専門家が研究と称して破壊活動を行うのはどうかしている。インドネシアの深海にひっそりと生息する古代魚はそっとしとくのが好ましい。
2009.04.14
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タイ王国に自由民権運動が起きている。タイは軍閥勢力の発言力が強く、民主化の進展が遅れてきた。民主化が進むたびにクーデターが起こり、社会の進展が断ち切られてきた。ASEAN国際会議を狙って民主派が蜂起したことには、政治的な狙いがあるのだろう。タイにとって、「民主主義に何が必要か」が問われている。軍閥が民主派の蜂起に黙っているわけはなく、いずれ弾圧に出てくる。どこの国でも、血を流さずに自由を手にすることはできないという法則はタイも当てはまる。 ASEANは途上国の連合体であり、経済を優先する政策を採用している国が多い。自由な言論が保障されている国はなく、法と秩序の範囲の中での自由しかない。タイは進歩派のように見えるけれど、軍事力を背景にした軍閥の発言力が強すぎて、とても先進国の仲間入りはできない立場にある。一般国民の反発を恐れる軍閥勢力は、常に一部の民主派と手を握り、自分たちが正面に立たない戦術をとる。現在の内閣は軍閥の支持なしには崩壊する。それゆえに、政治行動に制約があり、民主派の蜂起を呼んでしまう。 政府の実権を握るのは、枢密院になる。上院はすべて非政党の議員で構成されていて、政治的な権力を有していない。下院だけが民主派のよりどころになるけれど、腐敗と陰謀が付きまとうので、国会議員そのものが国民の信頼を得ることができず、そこに軍閥のつけ込む隙がある。蜂起は自由民権運動と同じように弾圧される運命にある。多くの政治家や運動家が弾圧や投獄を恐れ、屈伏してきたことがタイの歴史を進展させない理由だろう。 高度経済成長が貧しさから脱却させ、豊かな社会を建設できる環境は成立直前にある。しかし、すべての権力を軍閥と枢密院が握っているのでは、民主主義は定着しない。タイ国民の多くが心やさしい仏教徒であることも、政治の進化を妨げてきた。現状では、軍閥の思惑に左右されない民主政府が生まれても、長続きはしない。言論を制約している規制を外すことは、軍閥勢力の衰退を意味するので、本気でつぶしにかかるだろう。それがタイの軍閥の実態であり、改革するには長い道のりがかかる。 タイには、民主主義とは無縁の勢力が厳然と存在している。民主派は軍閥と妥協するか、牢獄に行くしかない。ネットが文化の発達と民主化の導火線になっているところは、アジアの共通の現象になる。インドネシアはスハルト独裁政権が崩壊して、民主化の過程にある。マレーシアは総選挙で与党勢力が大敗して、民主化の萌芽が始まっている。経済は先進国に数えられるシンガポールも、政治は独裁体制であり、自由は遅れている。いずれ、ASEAN諸国は社会的停滞に直面して、社会的な危機に陥ると考えられている理由になる。5カ国でさえもこの状態なので、ベトナムやカンボジアが自由を獲得する道のりは長くなりそうな予感がするなあ。
2009.04.13
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果物の中で一番見事な花を咲かせるのは桃だろう。一面に広がる桃畑の中でも、鮮やかな赤色をしている一群の花があった。桃はどこまでも味を追求してきたから、花の美しさは二の次になる。ところが、品種改良が進んでいくと、さまざまな色彩が蘇る。 花の咲き始めと萎れる段階では色も異なるから、さまざまな色彩が畑を彩っている。受粉を重視した桃は、さくらよりもはるかに長期間にわたって花が咲いている。平地と高地では咲く時期も異なるので、桃の種類くらいは覚えないと。
2009.04.12
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チェルシーの邪魔者は、何といってもリヴァプールだろう。マンチェスターUを破ったモウリーニョ時代にも、リヴァプールにはCLで苦杯している。同じプレミア同士の戦いになると、手の内を熟知しているから戦いが厳しくなる。CLを戦う時のリヴァプールは、平常とは違う凄味がある。チェルシーは本来のパワーを抑制されてしまい、何度もリヴァプールに勝利を譲ってきた。積み重ねられた苦手意識を消すことは難しい。 そこで、知恵者であるヒディンク監督は、かく乱戦法を用意していた。さりげなく、DFにイヴァノヴィッチを仕込んでいたのである。この男をチェルシーがモスクワから獲得するには、一騒動が起きている。最高の攻撃力を持つDFという意味をプレミアは理解できなかった。不遇の時間を過ごしていたイヴァノヴィッチにとって、CL出場はめったにない御馳走になる。イヴァノヴィッチの得意技は、ボールの軌道を読んでジグザグに動いてシュートすることに尽きる。ボールがゴール前に落下したとき、それに合わせて素早く動いていたのがイヴァノヴィッチだった。リヴァプールの守備陣は、この動きについていけずに得点を許してしまう。 おそらく、「得点は偶然だ」とリヴァプール側は感じたのだろう。不用意に二度目のヘッドが炸裂する。ボールの軌跡を読んで飛び込み、正確にゴールの中にシュートを叩き込むという流れは同じだった。確かに、世界最強のDFが登場したことは間違いない。フェルナンド・トーレスの先制点で勝ったと確信していたリヴァプール側に焦りが生れ、シュートは枠を外れていく。ドログバの炸裂弾がとどめを刺して、リヴァプールはホーム敗北に追い込まれてしまった。 カイトの渾身のシュートを頭ではじき返したのも、イヴァノヴィッチだった。守備もトップクラスであり、さらに高い攻撃力があるとすればいうことはない。DFラインからの押し上げがあると、前線はずっと楽に展開できる。堅く守ってカウンターを仕掛けるというチェルシー古典路線から進化することもできる。本人はセンターバックが本業であり、MFのボランチもできる言っているから、これは役に立つ人材になる。相手側に警戒されたときにどれだけの働きができるかにかかってくるが、DFの任務は守備なのだから、得点できなくても構わない。紆余曲折を経て、ようやく「チェルシーの復活」が始まる予感がしてきた。
2009.04.12
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ドイツのバイエルン・ミュンヘンともなれば、強烈な攻撃力を持つ欧州クラブの一つになるから、けっして弱者ではないはずなのに、まともなサッカーをやらせてもらえなかった。09年シーズンがバルセロナの最強を実感させる時代になることは間違いない。MFの正確なパスとFWの突破力は、バイエルンの守備陣をほんろうした。このレベルの攻撃に立ち向かったことがないことは、守備陣の鈍さで理解できる。バイエルンのDFラインの予測を超える速さを展開するメッシ、エトー、アンリに振り回されて、あっけなく崩され、前半だけで4点を献上している。 パスサッカーに対する研究が進んでくると、このシステムに対する賛否両論が鋭く対立する。攻撃重視か、守備重視かの選択を迫られると、ふつうはどちらかに一方に割り切るしかない。敗北したバイエルンは、ホームで攻撃を仕掛けるしかなくなった。それに対して、バルセロナは敵地の引き分けでもよく、2試合合計で負けなければトーナメントを突破できる。パスサッカーのメリットは、どちらの戦局にも巧みに対応できることだろう。失点が許されなければ、1トップ気味にして陣形を下げる。攻撃重視だったらば、3トップを軸に前線を押し上げればよい。課題はどこまでもFWの攻撃力にあり、これがないと相手の守備を崩すことができず、パス遊びで終わってしまう。 戦力というのは、ある意味で財務力と一致している。資金がないと有能な選手を集められない。選手を集められなければ、弱者で我慢するか、それともアーセナルのように若手育成に力を注ぐしかない。どちらも一朝一夕では不可能だから、流れを変えるには、数年の年月が必要になる。バルセロナは補強でクラブを強化したけれど、天下を制するにはそれだけでは不十分だった。徹底したトレーニングと意識の改革と指揮官の戦術がものをいう。ジョゼップ・グアルディラ監督が選手の意識を変化させることに成功したのは間違いない。 世界最強はマンチェスターUか、それともFCバルセロナかは興味が尽きないだろう。チェルシーが本来の力をだせば、2クラブにそん色のないゲームができる。リヴァプールとアーセナルは戦力的に一歩劣る。こうなってみると、イングランド・プレミアに対抗できるのは、資金を持つバルセロナしかいないことに気づく。イタリア勢やドイツ勢では太刀打ちできない時代になっている。おそらく、この先数年間はそれが続く。その日暮しのサッカーを続けているイタリアやドイツが復興するには、相当の時間がかかることをバルセロナとバイエルンの戦いが示している。それほどにバルセロナは強い。
2009.04.10
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枝垂れ桜は柳などと違って、自然にあのような美しい姿にはならないという。職人が成し遂げた隠し技の粋が発揮されている。苗木のころから枝を支柱で支えて、自然な曲線を描くように育成していく。大樹になった姿を想定して、枝ぶりを整えていくというから、まさしく名人芸の極致になる。 日本各地にある枝垂れ桜の銘木は、無名の職人によって丹念に形成された姿をしている。人間の目に美しいという姿と自然に伸びる枝ぶりには大差があるから、育成は困難を極める。一度枝が硬くなると曲げるわけにもいかないので、成長過程で少しずつ整えていくしかない。誰も語らないが、枝垂れの秘伝は奥が深い。まあ、超大型の盆栽と考えればよいのかなあ。
2009.04.09
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750機の生産を計画されていた「F22ラプター」は、187機で生産を完了するらしい。政治的な思惑から、この数字が決まっている。ステルス戦闘機1機の値段が150億円という途方もない計画は、経済状況から縮小されて終わる。「どこに敵がいる?」という声に空軍も戦略を考え直すしかなくなった。F15が束になっても太刀打ちできないとされるF22は、高性能すぎて使い道がないというジレンマに落ち込んでしまった。米国の戦場は泥沼のイラクやアフガニスタンであり、戦う相手は自動小銃と手榴弾の反政府ゲリラになる。これらの主戦場で使い道のないステルス戦闘機に大金は払えないという現実論だろう。ステルス戦闘機の主役は、国際共同開発のF35に移行していくことになる。 F15戦闘機でさえ無敵と呼ばれているくらいだから、どこにもF22を上回る戦闘機は存在しない。ロシアや中国の戦闘機がF15並になるにさえ、相当の時間がかかるというから、直接のライバルがいない。戦う敵がどこにも存在しないのでは、高性能ステルス戦闘機の活躍する場面がない。米国の財政が火の車になり、高価なF22を大量に装備するわけにもいかなくなった。日本のFX計画にF22の声が上がる理由にもなる。こんなに高価なステルス戦闘機を買えるのは、たしかにサウジアラビアと日本くらいしかないだろう。 ロッキードマーチン社は750基の生産を前提にして設備投資をしている。米軍の注文が予定外の少量生産で終わるならば、F15と同じように海外輸出を狙うしかない。ところが、超秘密兵器であるF22ラプターには、さまざまな先端技術を搭載しているので、米国議会はF22の輸出やライセンス生産を禁止してしまった。最新のステルス技術が流出することを恐れての処置だろう。米空軍が過剰な性能を要求したために、巨大なブラックボックスになっている。議員たちはそれらの情報がロシアや中国に伝わることを極度に警戒している。F22の輸出ができないと、187機の少量生産で終わるしかない。 F22の足元をすくったのは、同じロッキードマーチン製のF35戦闘機というのは皮肉だろう。F35の開発には、多数の国と企業が参加している。世界中に配備されたF16やハリアーの後継機としてF35は開発されていて、総生産台数は5000機を超えるという、とてつもないビッグビジネスになる。それで、米空軍もさっさと乗り換えてしまった。F35のテスト飛行では、異次元の運動性も認められている。小型で低コストでありながら、F22に見劣りしない性能ならば、F35のほうが予算も少なくて済む。限りないステルス技術を詰め込んだF22の野望は消されていく。結局、闇に包まれたブラックボックスで終わるのかなあ。
2009.04.09
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失敗するだろうと思われていたG20は、オバマ大統領というシンボルの登場によって、分裂と混迷から救われた。本音では、先進国と途上国の対立は根深い。既得権益を守ることに必死の先進国と、先進国市場に風穴を開けないと進出する余地のない途上国側では、議論が常に空回りしてきた。工業製品や農産物においても、発想そのものが違いがありすぎて、議論のまとまりようがない。 混迷する国際経済を救うのは、いまや途上国の成長にかかっている。日本にしても、欧米にしても、経済の成長余力はほとんどゼロに等しい。世界中の経済成長を支えてきた米国消費者市場が破たんに追い込まれると、それに代わる市場はほとんどないことに誰もが気がついている。本気で経済成長を望むのであるならば、輸出ではなく、国内の市場を豊かにしていくしかない。先進国経済の根底に金融危機が存在する限り、米国と欧州は、バブル崩壊後の日本と同じ道を歩むしかない。 世界経済を救うのがBRICになっても、肝心な経済成長に必要な資金が不足している。それを供給してきたのは、欧米の大型金融機関だった。ところが、これらの金融機関は絶滅寸前の状況に追い込まれていて、資金の供給源が消滅している。どこかで工面しないと、途上国の経済成長が止まってしまう。それは世界経済の破壊を意味するから、先進国と途上国はG20で話し合うしかなかった。経済危機に追い込まれて、ようやく対等に議論が行えるようになった意味は大きい。 先進国の既得権益を優先するG7時代には、途上国の会議参加は邪魔でしかなかった。先進国に都合の良い制度や仕組みを構築させるのが第一であり、それを積極的に進めてきたのが米国になる。IMFも米国の言いなりだった。途上国の発言は封じられて、反発を強めていた。経済においても、深刻化する環境問題においても、双方の対立を和らげる方策が考え付かなかった。それを融和させるのがオバマ大統領の登場だろう。米国の指導力が衰えていることを認識しているオバマは、世界を主導することをあきらめている。米国の消費者にもう期待するなとも語っている。多くの国は、米国への輸出で外貨を稼いできた。勃発した金融危機でその米国市場は閉ざされようとしている。 日本も輸出で稼いできた。優れた技術と品質で世界中に工業製品を輸出してきた。その得意先の欧米諸国は金融危機で成長が期待できなくなる。その代役を果たすべき市場は育っていない。日本は市場を開放することに消極的である。中国やインドは貧しい農村部を抱えている。つなぎを期待されていた産油国も原油の暴落で青息吐息になっている。つまり、これから先の数年間は地道に国内経済を立て直すしかない。どこにも、大規模な輸出を受け入れる国はない。そのことを自覚すれば、道はいずれ開けてくるだろう。
2009.04.08
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ツツジ科は4000種もの一族をもつ繁栄している植物になる。日本では公園や街路樹などとしても植えられていて、寒さや暑さに強く丈夫である。花の多様性を生み出す種族としても知られていて、欧米で改良されて大輪のアザレアなどの品種も生まれている。 ツツジの中でも小型の花が多数咲く久留米ツツジは庭木として人気がある。常緑の小さな葉の中に赤い蕾を発見した。多くの蕾が花を咲かせる瞬間を待ち構えている。これは楽しみな展開になってきた。
2009.04.07
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開幕からの2連戦は、フェラーリに反省を迫る展開になった。過去の数シーズン、フェラーリの設計と性能は抜きんでていた。互角に戦えるのは、マクラーレンとルノーしかなく、それを想定していれば負けることはなかった。今シーズンは、ウィリアムズのタイムさえもフェラーリを上回っている。マッサの予選落ちは、そのことを認識していない甘さから生まれている。常にトップを走っていたフェラーリからすれば、マッサの予選落ちを想定していなかったのは無理もない。 雨も降っていないのにレインタイヤに交換したという話は、長く笑い話として語り継がれるだろう。雨雲が迫っている時のタイヤ選択には、作戦参謀も神経を使う。セパンでトップを快走していたロズベルグは、大雨騒動に巻き込まれて8位に脱落している。熱帯のスコールが迫っているときは、万全の準備を怠ってはいけないという見本だろう。ピットの指揮能力は、緊急事態の時にこそ発揮される。セパンの大雨騒動は「フェラーリの笑い話」を提供したけれど、ウィリアムズには深刻な出来事になった。ロス・ブラウンが3位のバトンをトップに押し上げたのとは大きな差になっている。 大雨の予報が出ていて、黒雲が近づいてくると、ピットクルーはレインタイヤを用意する。雨の量を予測して、インターミディエイトか、あるいはヘビーレインを準備しておく。タイヤを交換する時期は、まさしく作戦参謀の能力が問われる。タイヤを素早く交換していても、レインタイヤの種類を間違えたり、順位が落ちては意味がない。天候が激変して、2度目のタイヤ交換が必要になる場合は、いつドライバーがピットに入って来るかわからない。ピットクルーを指揮して、万全の準備を整えておかないと混乱が始まる。 2位に急上昇したハイドフェルドの作戦は、大雨を想定したものだった。夕方に起きるクアラランプールのスコールは、常に大量の降雨になることを計算して、最初からヘビーレインに交換している。タイム的には不利になっても、2度目の交換をしなくて済む。上位のドライバーたちはタイムを優先して、まずインターミディエイトに交換したので、雨が激しくなると2度目の交換を強いられている。ハイドフェルドはピットストップを1回節約でき、一気に2位に上昇した。レース序盤に上位にいると、こういう大胆な博打作戦は取りにくい。フェラーリは大失敗をしでかしたが、即座に大雨が降っていれば賞賛されただろう。先が読めないのがレースであり、博打作戦がプラスか、マイナスかは女神しか知らない。
2009.04.07
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上空に黒い影が広がってきたとき、クアラランプールに雨雲が接近していた。熱帯気候では、上昇気流が冷やされるとスコールが地上を見舞う。クアラルンプールの夕方はこの気象条件に合致するから、警告が出ていた。にもかかわらず、夕方のレースが強行された背景には、欧州の視聴率にある。一人でも多くの視聴者を獲得することが、TV放映権料の増加につながる。1ドルでも余計に儲けねばならないエクレストンとしては、雨が降ろうが、砂嵐が起ころうが、夕方のレースを断行するしかない。 雨が降るとレースは滅茶苦茶になる。しかし、それが波乱万丈の展開になり、視聴率は大きく上がる。いつもの退屈な行列が形成されず、常にスリリングな展開が待っている。ドライバーにとって濡れた路面は厄介な存在でも、TV関係者には御馳走にしか見えないだろう。水しぶきの上がる映像は、別次元の緊迫感を呼ぶ。まったく前が見えないのに、ドライバーはアクセルを踏んでいる。レース中止のレッドフラッグに腹を立てていたのは、TV関係者とFOMだろう。ダイナミックで予測がつかない展開ほど面白いものはないのに、途中で終わってしまった。 マレーシア関係者はスコールの危険を回避するために、来年度は昼間レースを切り替えるつもりらしいが、貪欲なエクレストンが了承するかは分からないだろう。TV視聴率上昇のためには、黒い雲が迫ってくるほうが緊迫感をよぶ。FOMはこの不安定な気象条件を手放すわけがない。レースの安全性や観衆の迷惑よりも、TV視聴率と金儲けが優先されてしまう。それがF1世界が荒波を生き残る手法になる。 雨が降ると、ピット戦術が結果を左右する。ロス・ブラウンは激変する天候に巧みに対応させて、バトンの優勝を導いている。フェラーリは早すぎるタイヤ交換によって、順位を失った。トップを快走していたロズベルグは、豪雨に妨害されて下位に沈んでいる。マレーシアはレース戦略の重要性を悟らされる展開になった。1位にいたから1位になるのが当然とないかないのがレースになる。一瞬の最適な判断が勝利につながるなら、ロス・ブラウンにかなう奴はいない。 戦闘力はブラウンとトヨタが一歩リードしている。レッドブルの速さはほとんど互角だろう。開発に苦しんできたウィリアムズがトップランクに復活してきたのは、想定外の喜びになる。マクラーレンは開発が遅れ、フェラーリは混乱しているので、このチャンスを生かさないと、チャンピオンに届かない。ブラウンの未来は資金が不足するかどうかにかかってくる。有力スポンサーを確保するには、レースで勝つしかないし、それを現実に成し遂げていることに驚かされる。撤退したホンダのエンジニアたちは、今何を思っているだろうか。
2009.04.06
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コブシの花が咲き始めた。まだ、一輪しか咲いていないけれど、その美しさは隔絶している。繊細で薄く、頼りなげな風情をしている。樹木の姿は無骨なのに、白い花の姿はたとえようもなく美しい。 近縁の不思議な花に「コブシモドキ」がある。四国に自生する唯一の樹木が発見された貴重な花になる。3倍種なので子孫を残すことができず、すでに絶滅種として語られている。コブシの自生しない四国の地にどうやって定着したのか、どういう進化の過程を得て滅亡にいたったのかもすべてが謎の花という。わずかに数株が残されているらしい。一度、ぜひ見てみたい。
2009.04.05
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ブラジルは深刻な世界不況の中において、数少ない発展地域になる。貧しければ貧しいほど、経済に成長する余力があり、不動産バブルや投資ファンドに無縁だったブラジル経済には、金融危機が与えるダメージも少ない。経済成長は人間の欲望と複雑に絡み合っているので、野心家が多ければ経済は発展していく。悟りやあきらめの境地になったらば、働く気など起きない。ブラジルの貧しさが高度成長の根底にある。しかし、貧しさは、別の問題も生み出している。 南米の大都市共通の課題は、農村部から流入してきた人々が住むファベラの存在だろう。あまりに貧しすぎて家を買ったり、都心部にアパートを借りたりできないと、人々は周辺の山野に勝手に家を建てて住んでしまう。土地の不法占拠によるファベラが生まれる。道路や電気や水道すらもなく、雨をしのぐのがやっとの家が何万件も密集してくると、深刻な環境問題が起きる。地区の人口が激増すると、都市周辺の自然や環境は破壊され、廃墟のような街並みが続く。南米ではありふれた光景だろう。 南米の政府や自治体は、住民の反発や騒動を恐れて、ほとんど何もしてこなかった。警察さえも立ち入ることをためらう密集地帯が拡大していくと、マフィアや麻薬組織の支配する無法地区が生まれる。次々に人々が押し寄せるので、ファベラの面積は10年間で2倍になったという。ブラジルには新たな住宅街を建設する資金が不足しているし、貧富の格差が大きいので、効果的な解決策はない。ブラジルに経済力がつけば、いずれ住宅問題は解決できるけれど、そこまでに時間がかかる。 そこで、壁で仕切ってしまおうという考えが生まれたらしい。ファビアを拡大させないためには、地区の外側にコンクリートの総延長11キロの壁を建設してしまえばよい。建材や薪取りなどで破壊される森林を保護する目的もある。たしかに、壁で遮ってしまえば、それ以上発展する可能性はなくなる。しかし、その中にある貧困問題は何ら解決しない。都市に流入してくる貧しい人々を受け入れる住宅建設がおこなわれない限り、壁ができても、ファビアが見えにくくなるだけだろう。
2009.04.05
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こういう出来事が起きてしまうというのは信じがたい。トゥルーリの3位失格を聞いた時には、単純なミスかと思われた。しかし、詳細が伝わるにつれて、悪意のある策略だと判断され、ハミルトンが失格になってしまった。トゥルーリのイエローフラッグ見落としなどではなく、ハミルトンがスローダウンして抜かせたのに、事情聴取でそれを隠したのである。レース直後のインタビューで、ハミルトンは意図的に抜かせたと語っていたから、なんて間抜けなスチュワードだと思っていたら、結論はひっくり返ってしまった。 レース直後のインタビューで、ルイス・ハミルトンは無線で抜かせるように指示されたと語っている。いきさつは単純だった。イエローフラッグが出ている最中にトゥルーリがコースアウトしてしまい、その瞬間に追走していたハミルトンは追い越しをしている。前車がコースアウトやトラブルなどでスローダウンした場合、黄旗であっても抜いてかまわない。ところが、コース上のトラブルにナーバスになっていたマクラーレン首脳は、ハミルトンの処分を恐れて、トゥルーリを先に行かせることにした。指示を受けたハミルトンは、スローダウンしてトゥルーリを先に行かせたのである。 スチュワードはこの2度目の追い抜きを違反行為として処罰している。トゥルーリがイエローフラッグが出ている最中に追い抜き行為をしたと断定したからになる。トゥルーリは査問において「ハミルトンがスローダウンしたから抜いた」と主張したけれど、スチュワードはマクラーレン側の主張を信じて、トゥルーリを失格処分にした。直後に、ハミルトンのインタビュー記事が報道されたので、偽証騒動に火がついてしまった。インタビューはレース直後に行われ、FIAの事情聴取の前に収録されていて、ハミルトンも素直に事実を語っている。 FIAによってトゥルーリ失格の結論が出たあとで、スクープ記事が出た。わざとトゥルーリを前に行かせたのに、審問ではハミルトンがその事実を語っていないことに驚かされた。マクラーレン側は、物証として提出した無線の記録の一部を消していた。トゥルーリの証言には裏付けがなかったので、失格の裁定が下された。これらの陰謀を企てたのは、20年以上もF1に関わっているマネージャーとされ、マクラーレンから停職処分を受けている。どうして、そんな見え透いたことをやったかはわからない。 英国ではマクラーレンに対して厳しい批判の声が上がっている。見え透いた偽証を信じて裁定を下したスチュワードもお粗末だが、ばれないと信じて陰謀を企てたマクラーレンも愚かすぎる。マネージャーが何を証言したかさえも、マクラーレン首脳は知らなかったという。ハミルトンの正義感のなさも批判されている。マネージャーが陰謀を企てたとしても、それを遮る良心を持ち合わせていないというのも信じがたい。結局、再審問においてマクラーレン側が偽証を認めたので、ハミルトンの失格が決まった。これが普通のドライバーだったら笑い話で済むけれど、チャンピオンなのだから批判にさらさせる。これからのハミルトンの言動はすべて疑われることになり、人格そのものも疑われてしまう。そういう意味で、この事件は後味の悪い物語になっているのは仕方ないだろう。
2009.04.04
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モミジの樹を植えたのは初めてなので、紅い芽が出てきたのには戸惑っている。それも強烈な色彩がはじけている。この季節には、真っ赤な色素が樹木の中に満ちているに違いない。どんな花よりも鮮烈な紅色を見ていると、不思議な感覚にとらわれてしまう。 昨夏には、普通に緑の葉だったから、いずれは葉の色が緑に転換していくのだろう。昔からモミジは品種改良が繰り返されてきたから、この桂という樹種は色彩の変化を見せられるのかもしれない。これは楽しみになってきた。
2009.04.03
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レースには、目に見える変更と目に見えない変更がある。緑のペンキにマークされたソフトタイヤとハードタイヤの中身は大きく変化している。昨年までは、基本的に1と2、あるいは3と4のような隣り合わせのグレードがレースに使用されていた。そのために、タイヤを交換してもパフォーマンスに違いが出ず、2種類使う意味がないと批判されていた。ソフトとハードに違いがないのでは、どちらを使っても違いが出ず、レース戦略に差が生まれない。 今年度からは、ブリヂストンは1と3、2と4などの飛ばしたグレードを使用することにした。これならば、選択したタイヤに性能の差が出るので、タイヤ戦略が成立する。かなり性格の異なるタイヤを2種類交換することになり、タイヤに関心が生まれることを狙っている。オーストラリアGPでは、ソフトタイヤに磨耗がつきまとい、グリップが落ちてしまった。これに対処するには、ソフトタイヤは短時間使うしかない。必ず2種類のタイヤを使わねばならないので、そこに戦略と計算が生まれてくる。レース時のタイヤ交換戦略への関心が高めて、ブリヂストンの存在感を高めたいのだろう。 一つ目の作戦としては、軽い燃料で予選を戦い、スタート時にソフトタイヤを使う。序盤に短時間ソフトタイヤを使って、ピットでハードタイヤに交換すれば、短・長・長の作戦が完成する。もうひとつのパターンは、重い燃料で予選を戦う。スタート時にハードタイヤを使い、1回目のピットストップでもハード、2回目にソフトに交換する。これでレース戦略に柔軟性が生まれて、予想外のアクシデントなどにも適切に対応できる。この作戦の弱点は終盤にソフトタイヤが磨耗して、追撃されることだろう。磨耗によって露骨にタイムが落ちるから、ベッテルのように逃げ切ることができなくなる。 最初にソフトタイヤを履くと、序盤が不利になる。混戦の中から抜け出したり、接近戦を戦うにはハードタイヤのほうがよい。メルボルンで使われたソフトは、グレードが「スーパーソフト」なので、コンパウンドがやわらかすぎてあっという間に磨耗してグリップしなくなる。これだけ性格が違うと、常に追越が発生してレースは面白くなる。確かに気温や路面温度の変化を読み込まないと、思わぬ敗北を喫することになる。コースや路面状況を外したタイヤがブリヂストンによって用意されるのは展開を複雑にする。慎重なタイヤ選択とライバルの作戦を読むことがものを言うようになる。知恵を絞ったタイヤ戦略によるピット作戦が始まる。
2009.04.02
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オバマ政権において、どうやってGMを再建させるかが最大の課題になる。GMやクライスラーに公的資金を与えて一時的に存続させても、自動車企業としてまともに再建できる可能性は低い。あまりにも赤字体質が深刻すぎて、財務内容を改善することは不可能に思える。1兆円の赤字を解消するには、1兆円の黒字を生み出さねばならない。こういう厳しい不況の中で、莫大な利益を上げることは、ほとんど夢物語になっている。政府が多少の公的資金を投入しても、焼け石に水だろう。 オバマ大統領が自動車産業を救済する意思があることは知られている。ブッシュ政権がGMを切り捨てようとしたのをとどめたのも、オバマ大統領の意思になる。ところが、GMとクライスラー首脳は新政権の姿勢に甘えて、まともな改革案を提示しなかった。どうせ政府に救済されるならば、倒産はありえないから、経営の見直しはほどほどでよいと考えてしまった。あまりに楽観的な再建策は、オバマ政権の怒りを買って、GMのワゴナー会長は更迭されている。おざなりな改革案が提出されるとは思っていなかったからだろう。これが自信満々の独裁経営者の罠になる。こんな危機に直面してに、おざなりな改革案を政府に提出する心理がわからない。 救済が前提になれば、どんな改革案でも受け入れられるという考えがワゴナーにあったことは間違いない。これだけの乗用車の販売減に対して、即座の工場閉鎖などの強い処置をとらないと、流通段階に在庫があふれかえってしまう。まず、販売台数と生産台数の数を一致させないと、経営破綻は避けられない。不況で売り上げがないのに、工場を稼動させては莫大な赤字が生まれる。GMをつぶせるわけがないから、書類の体裁さえ整えておけば、公的資金で救済されると信じていたとすれば、愚かというしかない。 6月1日が提出の期限になるという。オバマ政権を納得させないと、政府融資は停止される。運転資金の不足しているGMは、この段階で破産するしかなくなる。販売店と部品企業も嵐に巻き込まれてしまう。同類のクライスラーは再建の可能性すらなく、フィアット頼みに終始している。2ヶ月間で本当に黒字化できるプログラムを書くことができるかには疑問の声があがるだろう。GMは最終局面に向かって進んでいる。
2009.04.01
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