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『Fantasy Earth Zero』~メルファリア大陸の物語~第一章・第4話「セスタス」任務を終えたアイナが駐屯地に着くと他の人はすでに昼食をとっていた「わぁ…みんな終わってたんだ…」(「みたいね…けっこうがんばったのにねぇ」)「えらく時間がかかったようだな…ミッションが終わらないと身体を休める時間が少なくなる午後もがんばれよ」隊長はそう言って昼食のパンと牛乳…干し肉をアイナに配布した周りで昼食を取っていた新人達がそれを聞いてクスクスと笑う「えっと…午後は何をするんですか?さっきの戦士さんが今日は終りって言ってたんですけど…」アイナはそう言って隊長に指令書を手渡した「うん?なんだって?…本当だ終わってるじゃないか…すごいな…久しぶりに午前中で全部のミッションを終わらせた奴に出会ったよw」隊長はそう言ってアイナの頭を撫でたそれを見た新人達は食べるのを止めてただ呆然とアイナを見ていた(「みなさいな!してやったりよ!ふふ~んだ!」)「それじゃ…これが報酬の書類だ、道具屋とバンクに提出すればそれぞれ受け取る事ができる…で、スキルポイントとリングだが…少し多めに出しておこう」隊長はそう言って小袋にリングとスキルポイントのコインを入れなおしてアイナに手渡した「ありがとうございます♪」アイナは小袋を受け取ると隊長に笑顔で頭を下げた「では、明日は今日と同じ時間に集合…クラス別の講習会になるから今日はゆっくり休め!ご苦労さん」こうしてアイナの初めての任務が終了した疲れのためか早めの夕食をとり入浴を済ませベットに入った「今日はありがとう…」(「うん?」)「だって…あなたがいなきゃ今も終わってないかも…」(「あぁ…そんなの気にしないのw私もあなたなんだから…明日もあるんだし早く寝なさいな」)「うん♪…おやすみなさい」(「おやすみなさい…」)「・・・・・寝たみたいね…さて、ここからは私の時間よ…フフフ」そう言ってアイナはベットからムクリと起き上がるサッと身支度を整えると宿舎を後にした…そして夜が明ける…「おはよう諸君!夜になってしまった者も居いたが…昨日、全員ミッションを無事に終える事ができた。3日目の今日はクラス別にマスターから訓練を受けてもらう、終了次第現地で解散し明日の模擬戦に備えてもらいたい…以上!解散!」いつもの戦士の訓示が終り皆それぞれのクラスマスターの元に向かった「おおおお来たな我が弟子よ!」到着したアイナをボルクスが迎えたアイナは苦笑いで答える「どうだ?そのナイト君は」「かわいいです…でも時々落ちるのでヒモで…」アイナがそう言いかけると「ならん!それはならんぞ!」ボルクスがそう一喝した「セスタスの基本は体内の気のコントロール…頭、首、胸、腰、足…身体に気の流れの軸が通って始めて真価を発揮する!頭の上に乗せたそれが落ちるうちはまだ未熟!精進しろ!」「は、はい…ゴメンなさい」(「そんなに…言うほどの事かねぇ」)「では、講義に入るが…まずは流派の話からしよう…我がセスタスの技は流派を切り替える事で同じスキルでも違った効果を生み出す事ができる!流派には『ベンヌ』と『ルプス』の2種類がある事を覚えよ!」ボルクスはそう言いながら目の前で流派の切り替えを行った「ルプスは主に対人、ベンヌは主に対物…こう覚えておいてくれれば良い。そしてどのクラスにも言える事だがスキルツリーというのは知っているか?」ボルクスの質問にアイナは首を振って答えた「ならばそれから教えよう…スキルツリーとは、スキルを覚えるための順序…とでも言った方がいいかな?より効力の大きなスキルを覚えるためにはその素となるスキルを覚えねばならぬ…という事だ」「なるほどぉ…」アイナはそう答えたもののイマイチ理解できては居なかったそんなアイナを見たボルクスは「そうだな…例えば肉まんだ!」「へ?」アイナはボルクスの唐突の発言に首をかしげた「肉まんとは…肉と野菜を絶妙なバランスで混ぜて煮込んだ具を饅頭で包んだ物だが、手にとっていきなり中の具を食べる事は出来ない…具を食べるためには外の饅頭をどうにかせねばならんのだよ、そして饅頭の生地と具の旨み…加えて溢れ出して口中に広がり至福の時を作り出す肉汁、濃厚の味を引き立てる野菜の力も忘れてはならん…加えて、あのタケノコのなんとも言えない食感!これが大事なんだ!これらが全て合わさり、まるでバラバラで独立した単音を合わせ増幅し共鳴して奏でるシンフォニーのような大きな至福へとうねり高まる…この感動に勝るものはナシ!肉まんとはな…とても奥が深いんだよ、単純に出来てるようで…複雑!これをだな熱いうちにハフハフとしながら食べるのだよ…まさに人の作り出した極み!宝に匹敵する!」(「な、なんか…違う話しになってない?…どんだけ肉まんが好きなの?この人は…」)「な、なるほど…つ、つまり、上位のスキルを使うためには基本のスキルを覚える必要がある…と」「おお!そうだ…スキルの話しだったな…つい熱くなってしまったw」(「熱くなるほどの話?」)「さ、さあ?」アイナは苦笑いを浮かべる他なかった「で…スキルツリーだが、いずれは全てのスキルを覚える事になるのだが…過程においてどうしても先にどちらかを選ばねばならなくなる…それが『ゲイザースマッシュ』と『サクリファイス』の2つだ」「ゲイザースマッシュと…さ、サクリ…ふぁうゅっ!」アイナは復唱しようとして舌を噛んでしまった「ははは!ゲイザーとサクリで覚えればよいwゲイザーは我らセスタスの技の中でもトップクラスの破壊力を持っている…ルペスで使えば対人に多大なダメージ、ベンヌで使えば建築物に多大なダメージを与える事ができる。対してサクリは建築物を操る技だこの世界において我らセスタスだけが使える秘術中の秘術だ、ルペスで使えばアロータワーを強化する事ができベンヌで使えば建築物を修復する事ができる…どっちにするか?」「うーん…建築物ってそんなに簡単に壊れちゃうの?」「無論、我らの手にかかれば強固な建築物を破壊する事は赤子の首を捻るようなもの…建築物を破壊されれば前線が崩れたり領域崩壊になり逆転敗戦なんて事もある。故に自軍の傷ついた建築物を修復できるならば先のような状態も未然に防ぐ事ができるからな…どちらの技も重要だ」アイナはしばらく考えたのちにサクリファスを先に覚える事にした「うむ、サクリファスを先に覚えるか…よかろう、それではそちら側のスキルツリーから説明しよう…サクリファスを覚えるにはまずドレインクローを取得する必要がある…ドレインクローとは対象にダメージを加えつつその中から少しだけ己が生命力を吸収する技だ…ルプスで使えば対人から、ベンヌで使えば建築物から少量だが奪う事ができる序盤では主軸の攻撃手段になり後半では補助回復としても使える技だ。続いて覚えるのはハームアクティベイト…また舌を噛むとイカンのでハームと覚えると良い。ハームはちょっと特殊な能力でなルペスでは少々使いどころに慣れが必要だ、例えば火炎状態や毒状態の敵に使う事で効果が出るのだが…状態異常の敵にハームを使うとその状態異常を解消するんだ」「うーんと…治してあげるの?」「結果的にはそうなる…が、ただ治すだけでなく代わりに相手にダメージをまとめて与える事ができる。ただし、状態異常の相手を乱戦の中で見つけるのは大変だし…それに近づいて技を決めるのは卓越したセスタスでもかなり骨が折れる…対してベンヌで使う場合は対象物を内部から破壊する事ができる優れた技だ。上級セスタスの場合はハームを決めてからゲイザーを叩き込む、ゲイザーのない序盤であればハームからドレイン…回復したらドレイン…これを繰り返す。もしくは状況によってはハームのあと入れられるだけドレインを使いあとは通常打のラッシュ…って方法もある」「なるほどぉ」「そして先に説明した奥義サクリファスだ!サクリはセスタスの代名詞だ極めて損は無い…では伝授しようスキルポイントのコインを出しなさい」アイナはそう言われてミッションで貰ったコインを全部ボルクスに渡した「ほぉ…えらくがんばったみたいだな…22枚も持ってるのか」コインを見て驚いたボルクスにアイナはニコニコとうなずいて答えた「これならば…一気にサクリを極めて…かつゲイザー側のツリーの出だしになるインテンスファイも極められるな…ではとりあえずスキルを伝授しよう」ボルクスはそう言ってアイナの額に手をかざすとなにやら呪文を唱え始めるしばらくするとボルクスの周囲を魔法式が取り囲んで回りだす魔法式はやがて収束されてボルクスのかざした腕を通じてアイナに移るアイナの体が一瞬輝いたかと思うと魔法式は消えてなくなった「よし…これでスキルが使えるようになったぞ…あとは使いたい時にそのスキルを思い浮かべるだけで切り替えられる」「は、はい…」「さて…ファイまで伝授したのでついでにこれから取得するゲイザー側のツリーを教えるが…ちと難しいぞ…と言ったところでお茶にしよう…休める時に休むのも重要なことだ!」「は~い♪」アイナはボルクスの指示に従いお茶の支度を始めた(「休憩かぁ…じゃあ私はちょっと寝ようかな…昨日、寝付けなくてね…」)「うん…オヤスミ…」…『To Be Continued♪』
2011/05/29
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『Fantasy Earth Zero』~メルファリア大陸の物語~第一章・第3話「初めての任務」『ネツァワル王国・駐屯地』アイナは昨日ボルクスから貰ったナイト君人形を頭に乗せて集合場所に向かって歩いた(「えらくご機嫌な事でなによりねぇ」)「うん♪だってかわいいじゃんw」アイナは嫌味っぽく言われたにもかかわらず笑顔でそう返した集合場所に着くとすでに数人集まっていた「ねぇ…あなたはどのクラスに決めたの?」「私はソーサラーよ♪だって…マスターの装備がステキで…あなたは?」「私はスカウト♪前線は怖そうなんで弓ならいいかなぁってねw」アイナの前にいた2人の女の子のそんな会話が聞こえてくる(「ほらやっぱり軽率だったのよ」)「いつまでも言わないでよ…決めたんだからいいじゃん」アイナはそうつぶやいて口をとがらす「でさ…変なのに声かけられなかった?」「かけられたよぉ…おお!なぜ神はセスタスの素質を私ではなくこの者に与えたのであろうかぁ!とか言ってさ…ミエミエよね」「やっぱり言われた?あんなのに騙されないっていうのw」「しかも今ならこの人形をあげよう!とかって…いらないってのw」「ウケるよねぇ…あんな物に釣られないってw」「そそw」(「居るわよねぇ…ここにw」)「騙されたんじゃないもん!」アイナはついいつもよりも大きな声で反論してしまい周囲の注目を浴びるその視線はアイナ本人から頭の上にのった人形に移り…そして視線が外れる肩がかすかに震え笑いを堪えているのがすぐにわかってしまう(「絶対に間違ってなんかいないんだから」)アイナは心の中でそうつぶやいた「時間だ!ではこれから訓練を開始する…これより武器と指令書を配布するので名前を呼ばれた者は前に!受け取った者は速やかに装備して元の場所に戻れ!」昨日の戦士がそう言って名前を読み上げ始めたウォリアーにはハンドアックス、ソーサラーには杖…といった感じに武器が渡された「次!アイナ…クラスはセスタス!」「ハイ!」アイナは名前を呼ばれて元気よく返事をして前に出たすると周囲から笑い声が聞こえてくる「今回セスタスは君1人だ…コストの割り振りや活動範囲も大変に難しい…がんばれよ…武器はこの手甲だ」戦士からアイナはゴツく不恰好な武器を手渡されたアイナは手甲を両手に装備する「ちょwwwなんすかアレw」「ウケるwおなか痛いw」「訓練の前に笑い死にしちゃうよぉ」「俺…このハンドアックス渡された時はマジねぇし!とか思ったけど…アレよりましかw」笑い声と共に飛び交うそんな声を聞いてアイナはうつむいた「静まれ!貴様らはまだ戦場のなんたるかを知らん!この世界に不必要なクラスなどない!それが解らぬ者…他を笑う者はいずれその報いを受ける!覚えておけ!」戦士のそんな一喝で辺りは静る…アイナは元いた場所に戻ったが…周囲ではまだ密かに誹謗や中傷の笑い声が聞こえてきていたそして全員への武器の配布が終わった「武器の配布はこれで終りだ…防具はそれぞれ渡された指示書で基本的な訓練を受けてもらう過程で配布する…また、そのミッションで成績に応じてスキルポイントも配布する…明日行うクラス別の講習会でそれぞれのマスターからスキルと交換してもらえるので頑張ってくれ!解散!」戦士の訓示が終りそれぞれ指令先へと向かったアイナは足取りも重く…今朝この場に来た時とは正反対の沈んだ気持ちで指令先に向かった(「もぉ…なにしょぼくれてんのよ…自分で決めたんでしょ?だったらさっき笑った奴等全員見返してやりなよ!」)「え?」(「え?って何よ!」)「だって…ほらみなさい!って言われると思ってたから」(「確かにそのクラスを選んだのは反対よ…でもね、あなたは私でもあるの…あんたがバカにされるって事は私がバカにされてるって事なの…解る?」)「ゴメン…」(「だから…そうじゃなくって全員のツラはきっちり覚えてるから10倍…いや100倍返しよ!やるからにはやってやろうじゃないのよ!」)「あ、ありがと…」(「な、なんか勘違いしてない?は、励ましてなんかいないんだからね!頭にきてるだけよ!」)「うん…がんばる!」そして、アイナは指令先に着き…書簡を届けるという指令を受けるその中で基本的な戦い方をモンスター相手に実地訓練形式で学んだ頭装備、腕装備、鎧と腰の装備を貰いそして最後の足装備を貰う指令に入った「お?…へぇ午前中に俺のとこまで来るのがいるとはね…今回のひよっこは期待できるかもなw」スカフォードに座ってタバコを吸っていた戦士が走ってくるアイナを見てそうつぶやく「はぁ…はぁ…はぁ…お、お願いします!」アイナは肩で息をしながらスカフォードの上に座ってる戦士にそう言った「よっしゃ!やるかw」戦士はそう言ってスカフォードから飛び降りるとアイナに水の入ったボトルを投げ渡すアイナは受け取るとお辞儀をして水を飲み始めた「今回のミッションはクリスタル掘りとアロータワーの建築だ」戦士の言葉にアイナはうなずいて返事をする「アロータワーは自動的に矢を放ち自軍を守ってくれる戦争に不可欠な建築物だ…だが、どこにでもボコボコ建てられるわけじゃぁない…数も決まってる上に自軍のエリアにしか建てられない」戦士はアイナにそう説明した「で…俺は今、クリスタルを18個持ってる、向こうに池に囲まれた小島がある…俺は今からそこに行ってオベリスクを建てる」戦士は指で方向を示してアイナに説明した「お前さんはあっち…少し走ったところにでかいクリスタルがあるんで、そこで15個クリスタルを拾ってそのまま北上して俺のとこに来て欲しい…OK?」戦士の問いかけにアイナはうなずいて答えた「ただし…池の手前にはハーピーが5匹くらい居るんだわ…そいつらを倒さないと俺の所には来れない…ハーピーは知ってるよな?たぶんいくつか前のミッションで見たはずだ」「下半身が鳥っぽいのかな?」「そそ…それよ、ただし今回のは強さはたいして変わらないが…気が荒いんでお前さんを見つけると一斉に襲い掛かってくる…もちろん俺が手助けした時点でミッションは失敗…THE END!」戦士はそう言って親指を突き立てて首元に一線引くと指を下向きにして不敵な笑顔で笑うアイナは苦笑いを浮かべた「ほんじゃ準備はOK?…レディー…GO!!!」戦士はアイナがうなずくのを確認するとそう叫んでミッションはスタートした戦士は説明したとおりに目的地に向かって走り出すアイナも指示された方向に向かって走り出したどのくらい走ったか前方に大きなクリスタルが見えてきたアイナはクリスタルに駆け寄ってその場にしゃがんでクリスタルの破片を拾い始めたこのクリスタルは一定時間に一定量の破片を周囲に生み出す戦争の時などこれを拾い集めて建築物を呼び出したり召喚をしたりするまたクリスタルは決まった量しか生み出してはくれずその量に達すると輝きを失って一時的に機能しなくなる「よし…15個集まった♪」アイナはクリスタルを専用の袋にしまい目的地に向かった小高い丘を駆け上がると目的地の小島が見えた確かに小島につながる橋の手前にハーピーが6匹ウロウロしている「6匹か…一斉に襲ってこられると大変かなぁ」(「大丈夫よ…あんたには私がついてるじゃない!周囲の状況は私が教えてあげるからアンタは確実に1匹づつしとめなさいな」)「う、うん…がんばる」(「じゃあ行こう!」)アイナは目的地に向けて一気に丘を駆け下りたそれに気がついたハーピーは一斉にアイナに向けて走り出す「おいおい…真っ向から突っ込むバカがどこに居るんだよ…囲まれないように回り込むのがセオリーだろ…見所あるかと思ったがマグレってやつか?」小島でアイナの行動を見ていた戦士がそうつぶやいた確かに戦士の言うとおり散らばっているハーピーをうまく正面に入れるように回り込んだ方が安全に戦う事ができた案の定…アイナは6匹のハーピーに取り囲まれてしまうアイナは正面のハーピーを手甲で数発殴りつけると右にステップしてハーピーの攻撃をかわす(「右のやつが攻撃態勢に入ってるからしゃがんで足を払う!…そしてさっきの奴にもう1撃!」)アイナは言われたとおり右から襲い掛かってきたハーピーの攻撃をしゃがんでかわすと足を払って転ばす…そしてさっき攻撃したハーピーを数発殴りつける(「よし!一気に正面に抜けて回り込んだらもう1撃!そしたら右にステップ」)(「右に飛んだらさっきの奴にトドメ!反転して後のやつに攻撃したら左に回避」)(「できるじゃない!そのまま目の前のを殴っちゃえ!そしたら一回退いた方がいいかな…」)アイナは声の通り攻撃をかわしながら仕掛ける「な、なんだ?…あいつ周りを見てる素振りがないのに…ハーピーの動きを察知してやがる…」戦士は6匹のハーピーに囲まれながら善戦するアイナを呆然と見ていたあっという間に3匹倒し終わった頃にはハーピーはひと固まりになっていたこうなればこっちのもの…回り込みながら攻撃を加えて1匹づつ確実に潰していった(「ラスト最後の1匹♪一気に殴り倒しちゃえ♪」)アイナは集中攻撃を加えて最後の1匹を沈めると橋を渡って戦士の元に駆け寄った「や、やるじゃねぇか…ほらよクリスタルをやるからアロータワーを建てちまいな」戦士はそう言ってアイナにクリスタルを手渡した「あのぉ…どうやって建築するの?」「ああ、説明してなかったっけ?建築とは言うけどさ…ようは召喚してるんだよ…難しい呪文とかはいらねぇからここに何を建てるか大きな声で『何を建てます』って叫べばいい…それと戦場では仲間にも伝えないといけないからここの座標も付けた方がいいな…ちなみにここはD6だ」「えっと…[D6]ここに、アロータワーを建てちゃいます!!」アイナがそう叫ぶと持っていたクリスタルが輝きを放って消えるすると目の前の地面からアロータワーが湧き上がってきた「わぁ…すごーい」「ご苦労さん…ミッションはこれで終了!まずは指令書にスタンプ…と、それでこれが足装備…あとはスキルポイントのコインだ…手際も良かったしハーピーともよく戦ってたから2枚オマケしといてやるよw」「ありがとうございます♪」「だが、今後はできれば正面から突っ込むのはやめようぜ…見てるこっちの胃が痛くなっちまうw」「気をつけます…」「これで今日のミッションは終了だ…明日はクラス別の講習会で明後日は総合演習!またそん時会おうぜ!じゃな!」戦士はそう言ってアイナの前から走り去った…『To Be Continued♪』
2011/05/23
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『Fantasy Earth Zero』~メルファリア大陸の物語~第一章・第2話「ふたつの心」『ネツァワル王国・駐屯地』「…であるからして、我々はこの戦乱の世を平定するために日々戦っているわけだが、戦況は膠着状態…故に君達のような勇猛な新人を我々は歓迎する!」鎧で身を固めた戦士がまだ装備もろくに整っていない数人の新米兵士にそんな訓示を飛ばしていた「諸君らはこれから訓練を受けてもらい、いずれは戦場に向かう事になるのだが…その前に自分に合ったクラスを見つけるという職務がある!まずはこの駐屯地内にいるそれぞれのクラスマスターから話を聞き己が進む道を決めてもらいたい!それでは明日の同時刻にこの場に集合!以上解散!」戦士の訓示が終り聞いていた新米兵士達は解散したその中に1人の少女がいた…少女の名前は『アイナ』この話の中心的な人物となるそしてこのアイナという少女は他の人にはない変わった能力を有していた「ふぅ…お話長くてよく理解できなかったよ…もう少し簡潔にまとめてもらわないと…」(「なに言ってるのよ!ようは戦場に行って敵を端から殺ればいいんでしょ?簡単じゃない♪」)「ち、ちょっと…殺るとかそんな物騒な…」(「はぁ?物騒ってなによw殺らなきゃ殺られちゃうのよ?…アンタが死ぬと私も死ぬんだからシャキっとしてよね!」)「う、うん…が、がんばる…」(「さぁ、マスター達の話を聞いてサクッと決めちゃいましょ!」)そう…つまりこのアイナという少女はもう1人の人格を持っていたのだった多重人格といってしまえばそれまでなのだが…なんと今のように別の人格と会話できてしまうただし、中の人格の声は他人には聞こえないがアイナは中の人格と会話するためには声に出さないといけないため時と場合によっては独り言をつぶやくあやしい少女ととらえられてしまう事もある「えっと…最初は誰の話を聞こうかな…」アイナがそうつぶやいて辺りを見回してると(「私的には乙女のロマンの魔法少女ね♪…という事でとうぜんソーサラーのマスターからよ」)アイナは比較的に中の人格に押し切られる事が多く流される事が多いという事で今回も流されるままソーサラーのマスターの元に向かった「おおお!そこ行く娘よ待たれよ!」突然、そんな声がかかりアイナは足を止めて声の方向に目を向ける「Σ(´ロ`;)」(「ちょっと…なにアレ…品性の欠片も感じられない」)「う、うん…」声をかけてきたのは筋肉質のおっさんだったしかも、確かに「品性の欠片もない…」と言われてもしかたがないような格好だった加えて頭の上には小さなサルが乗っかっている(「な、なんで頭にサルを乗せてるんだろう…この人」)「うん!見れば見るほど君からは才能を感じる!まさにセスタスになる運命を背負って生まれてきた!そう言っても過言ではない!」声をかけて来たおっさんはそう言ってアイナの両肩をつかんだ「は、はぁ…」(「はぁ…じゃないでしょ!あんなの勧誘の上等文句よ!鵜呑みにしちゃダメよ!」)「う、うん…」「申し遅れた!私の名前はボルクス…この地にてセスタスの奥義を伝えている者だ…お前さんの名前は?」「あ、アイナです…」(「ちょっと!なに名乗ってんのよ!こんなの適当にあしらって他にに行くわよ!」)「う、うん…」「ところで…アイナ殿、君は…戦争をどう思う?」ボルクスは突然そう質問してきた「え、えっと…」アイナが答えに迷っていると「不毛だとは思わんか?人同士が争い殺し合う…これほどの悲しみはない」ボルクスはそう言ってため息をついた「よく聞いてくれ…我らセスタスは確かに人に対する技もある…が、それ以上に建築物を操り戦況を変える技も持っている…これの意味する事がわかるか?」アイナは首を横に振って返事をした「数あるクラスの中でセスタスだけが平和を作り上げる事ができる…この戦乱の世において必要不可欠なクラスなのだよ」「へぇ…そうなんですか?」(「コラ!のまれちゃダメでしょ!」)「そうだ…セスタスは真の意味でこの戦乱の世を収める役目を啓示されたクラスなんだ…そして君からは私でも羨むほどの素質がにじみ出ている」(「おっさん!いい加減にしろ!この子を惑わさないでよ!」)「そういえば…最初にコレを見ていたな?」ボルクスはそう言って頭の上のサルを指差したアイナは黙ってうなずく「こいつは私の相棒…常に頭の上にいる…こいつはどんな過酷な戦場でも私の頭の上から降りる事はない…なぜなら私の頭の上が安全だと知っているから降りん…つまり生き物を愛し守る事…全ての生命に敬意を払い尊む…コレだ!他のクラスでは絶対に到達できない崇高な領域!」ボルクスは熱い視線でアイナに語りかけた(「とりあえず断りなさい!また来ます!そう言えばイイのよ!」)「あ、あのぅ…他のマスターのお話を聞いてみたいので…」アイナがそう言いかけると「そうか!やる気があるのか!私の目は間違ってはいなかったようだな!ガハハハハハハハ!」(「なにがガハハハハハ!よ…人の話聞いてるの?」)「い、いや…そんな事は一言も…」「そうだな…その意思を尊重しなければいかんなぁ…さすがにこのサルはやれんが…おおお!代りにコレをあげよう!」ボルクスはそう言うと足元の袋をあさり何かを取り出してアイナに手渡す「か、かわいい…」「だろ?これはな伝説のデザイナーのカイ氏が生んだ『ナイトくん』だ!セスタスとなった君にはよく似合う!乗せてやろうw」ボルクスはそう言ってアイナの頭にナイト君を乗せた(「ち、ちょっと!早く返しなさいよ!このままじゃこのワケワカンナイおっさんの言いなりになっちゃうじゃない!」)「あ、ありがとうございます♪」(「はぁ?アンタねぇなにお礼言ってるのよ!」)「でも…これ気に入ったもん…かわいいし…」(「そういう問題じゃないでしょ!」)「いいの…私はたぶんこのクラスで戦うのが向いてるんだと思う…だって戦争嫌いだし…」(「あっそ…もういい…好きにしなさいな…」)「よぉし!ではここにサインを…そうそう…うぅむ!これで君は今日からセスタスだ…明日の訓練では堂々と胸を張って答えるが良い!」ボルクスはアイナの両手を強く握り何度も大きくうなずいた「あ、ありがとうございました」アイナはそう言ってボルクスに頭を下げた「うむ…何かあったら私のところに来なさい!」ボルクスはそう言ってアイナの背中を叩いたこうしてアイナはセスタスとなり、1人の戦士として戦乱の世に飛び込んでいく事になる…『To Be Continued♪』
2011/05/15
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『Fantasy Earth Zero』~メルファリア大陸の物語~第一章・第1話「5つに割れた魂」「できた♪」フリルがふんだんに使われた真っ黒いドレスを身に付けた少女はそう言って手にした宝玉を見つめた「ホントは…堕ちた魂を戻す事は理(ことわり)に反する事…でもあなたの悲痛な叫びに私はもう耐えられない…心配よね我が子が成そうとする事が…」宝玉は少女の語り掛けに反応するかのように中で青白い炎を揺らがせた少女は大事そうに左手で宝玉を抱えると大きな鏡の前に立ち右手を突き出して呪文を唱え始める鏡はまばゆく輝いて広大な平原を映し出した「じゃあ…行くわよメルファリアに…」少女はそう宝玉に語りかけると鏡の中へと消えて行った『エスセティア大陸 始まりの大地』「よし…今度は誰も居ないようね…下手に見つかると厄介な事になるし」少女は苦笑いでそうつぶやいた「あとは…この魂をこの大地に開放するだけ…と」少女は懐から大切に抱えていた宝玉を取り出すと頭上に掲げて呪文を唱え始める「汚れなき御魂よ…我が手より羽ばたけ!…このメルファリアに新たな希望として…」少女が詠唱を終えたその時…「やっぱり貴女でしたか…時折、妙な気配を感じてはいたんですが…」背後でそんな声がかかる背後には真っ赤な髪の青年が腕組みをして少女を睨みつけていた少女は思わずビクっと反応して宝玉を手から滑らせてしまう「!!!!」まるで時間全てがゆっくりと流れるかのように宝玉は落下する少女は慌てて落ちていく宝玉を拾い上げようと手を伸ばす少女の左手の指先が落ちて行く宝玉に触れるそして確実に拾い上げようと素早く右手を宝玉の下へと滑り込ませるが、宝玉はまるで何かに操られるかのように落下の軌跡を変えて少女の動きとは正反対の方向に落下するその瞬間…いっきに時の流れが戻る「ガシャーーーン」少女の足元で宝玉が5つに砕け散った少女は手を差し出した状態で硬直した「はぁ…貴女はいったいこの地で何を…」声の主の青年ががため息混じりにそう言いかけた言葉を少女は胸座を掴み無理やり止める「いきなり声なんかかけるから!落ちちゃったじゃない!」少女はそう言ってやり場のない怒りを青年にぶつける「割れちゃったじゃない…って言われてもねぇ…勝手に人の世界に踏み入って暗躍する貴女が…って…まさかそれは魂の宝玉?」「そうよ!ってか…暗躍って聞こえが悪いわね!あんたの事をアイナさんが心配ばっかりするか…!!!!」少女はそこまで言いかけた所で手で口をふさいで言葉を止める「今…アイナさんって…まさか!その宝玉!そうなんですか?凛さん!」「あ…イヤ…違うって言えば違わなくもないんだけど…なんていうか…ほらぁ色々あるのよ!」少女は口ごもってしまい無理やりごまかす「割れて大丈夫な物…ではないですよね…それ」「まぁ…割った事なんかないからねぇ…そうよ!今まで一度だって割った事なんかないのよ!どうしてくれんのよチビ焔!」立場が悪くなったためか少女は事の発端を無理やり青年に擦り付ける「!!!!」青年の反応を見た少女が視線を割れた宝玉に移す「!!!!」割れた宝玉の破片の1つが輝きながら消えていったそしてまた1つ輝き始める「凛さん…貴女はこの宝玉でこの地に母さんを降ろそうとしてたんじゃないですか?」「ま、まぁ…そんなところね」輝いた破片がまた1つ消え…違う破片が輝き始める青年はまだ輝いていない2つの破片を見つめる1つは今まで消えていった物と同じくらいの小さな破片もう1つは今までよりも大きな破片だったそして大きな破片を残して全ての小さな破片が消えた青年はその残った破片をそっと拾い上げる大きな破片には今にも2つに割れそうなほどの大きなヒビがはいっていた「もしも…落としていなければどうなってました?」青年は宝玉を見つめながら少女に問いかけた「今みたいに輝いて消えるのよ…そして魂は具現化してこの地に降りるの…」少女がそう答えた時、青年の手の上で残った大きな宝玉が輝いて消えていった「割れた宝玉の破片は5つ…そしてこの世界も5人の王と5つに割れた国家で争いが続いている…偶然なのかな?」「と、とりあえず…探すわよ!」「探すって…何を?」「アイナさんに決まってるでしょ!…宝玉は割れたけど確実に転生の術は発動したのよ…どこかに降りてるはずなのよ…絶対…」「でも、俺にはやる事が…」青年は少女から視線を外してうつむきながらそうつぶやいた「あっそう!…いいわアイナさんは私が探す…私にも責任の一端はあるから…っていうか、あんたがいきなり声をかけなきゃこうならなかったんだからね!…それと!あまりアイナさんに心配かけるような事だけは止めなさいよ!」青年はそんな少女の言葉に何も答える事なく視線をそらし続けたしばらく2人の間に沈黙がつづく「じゃあ…私は行くから」少女はそう言って青年の前から消えた青年は空を見上げると「母さんに心配かけてたのか…でも、残された時間はわずか…こうするしかないんだよ…」青年は誰に言うわけでもなくそうつぶやいた…『To Be Continued♪』
2011/05/08
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『Fantasy Earth Zero』~メルファリア大陸の物語~序章・第6話「-ホルデイン-」『ホルデイン国・王城』玉座に座ったワドリーテは今日も憂鬱そうに頬杖をついて窓の外の空を眺めていたこの玉座で憂鬱そうに頬杖をついている美しい女性が現在のホルデイン王国を治めている女王ワドリーテ・ベルクシュタイン・ホルデインである「あの日いらい…毎日うわの空ですね…」「うむ…困ったものだ」ワドリーテの姿を見て外務長のアルベルトと大臣のイグルーは顔を見合わせて大きなため息をついたこの2人が口にした「あの日」というのは今から数日前の話突然とクロノスという異世界の大陸から現れたアイナという少女が原因だった元々若くして王位についたワドリーテには心を許せる歳の近い友は城内にはいなかったため知り合いとなったアイナの存在はとても大きかったしかし2日という短い間でアイナは元いた世界に戻ってしまったそれからワドリーテは今のような状態となっていた「ここのところ平穏が続いてますが…戦でこのような状態では志気は保てません」「そうだな…もしも敗戦が続く様な事になれば姫を信じてついて来ている者達を裏切る事にもなる」アルベルトとイグルーがうなだれ、また大きなため息をついたその時…部屋に近衛騎士団長のオライオンが飛び込んでくると「クラウス山脈にエルソードが仕掛けてきました!」オライオンはイグルー達にそう報告した「ダメか…」イグルーはいつもならばいち早く戦の準備を指揮するはずの姫に反応が無いのを見てうなだれた「姫…エルソードが仕掛けてきました迎撃の準備をいたします」アルベルトはワドリーテの傍まで行ってそう告げた「あ!…ゴメンなさい直ぐに準備を…」ワドリーテはその言葉を聞いて我に返り慌てて玉座から立ち上りそう言い掛けた時…「その様は何事ですか!今の姫様に兵1人として付いては来ませんぞ!」いつも物静かで声を荒げる事など無いアルベルトが部屋中に響き渡るほどの怒鳴り声を上げたあまりの状況にワドリーテはおろかイグルーやオライオンも硬直する「姫が姫でいる事がどれほど辛き事かは我々も…そして国民全員が知っております…故に皆、姫に命を預けて戦場に赴くのです!…今の姫にその価値があると思えますか!」アルベルトは呆然としているワドリーテにたたみ掛けるようにそう言い放った「アルベルト!落ち着け!」イグルーがアルベルトに駆け寄って肩に手を置いてそう言うと「落ち着いておりますよ…ここの誰よりも…だからこそ言っているのです…姫様、今日は戦場には赴かないで下さい我々が指揮をしてこの一戦を収めてきます…姫様に対してこのよう振る舞いをとった責は戦の後にどのような罰も受けます。では失礼いたします」アルベルトは国主である姫に強く言い放つとオライオンに指示を出しながら部屋を出て行った「姫様…申し訳ないですな…しかし私もアルベルトと同意見です…今日のところは我々に任せてください。姫様にはいち早く立ち直ってもらい今まで以上の采配を振るって頂けると信じております」イグルーはアルベルトの暴言を擁護しつつもきちんと釘を刺して部屋を後にしたワドリーテは天井を見上げながら大きなため息をついて玉座に座り込んだそれからどのくらいの時がたったのだろうか…「私とした事が…情け無い…」静まり返った部屋にそんなワドリーテのつぶやきが響く「いいんじゃないのかな…その思いを明日につなげれば」部屋の入り口でそんな声が聞こえワドリーテは玉座の脇に据えた剣に手をかける「会いに来るのが遅くなってしまい無駄な思案を増やしてしまったようで申し訳なかった…」声の主はそう言いながらワドリーテの座っている玉座の方に歩いてきた「お、お前は…」ワドリーテは声の主の姿を確認してそう声を漏らした「この前はきちんとした挨拶もできず申し訳ありませんでした。改めまして私は焔と申します」声の主はそう名乗って玉座の前で片膝をついて頭を下げた「どういう事か…説明して頂けるのですか?」ワドリーテは剣に手をかけたまま焔に聞き返した「まずどこから話しましょう…ここメルファリアとクロノス大陸とではかなりの時間軸のズレがあります。私がクロノス大陸で生まれる前…当時クロノス大陸を掌握していたシドスいう元凶が討伐されました。その際の犠牲者の1人に私の父…焔がいました。母の名はアイナ…先日この地に迷い込んできた母はおそらくその頃のアイナでしょう。なぜにこの地に迷い込んできたのかは私にもわかりません…もしかしたら私の亡き母を思う気持ちがそうさせてしまったのかもしれません」焔は淡々とワドリーテに語り続けた「その後…一度は平和を手にしたクロノス大陸もまた争乱と混沌の時代に入ります。まぁ…この地のように人同士の戦争ではありませんが…熾烈な戦いの末に私の師でもあり母の良き友であった悲魔という方が我が父と同じように自身を犠牲にして争乱を収めました…その最後の言葉に従い私はこの地を創造したのです」「え?」ワドリーテは焔の言葉に対し思わずそんな声を漏らす「まぁ…そうそう信じてはもらえない話だとは思いますけど…事実です。我が母であるアイナは天族と呼ばれる神族の血を引きし者…父である焔は同じ神族であり天族と相反した側に立つ魔族でした。母は過去において瀕死の重傷を負った際に父の血を受けて命を救われた経緯を持ちます…故に私と同じこのような翼を持っています」焔はそう言ってワドリーテの前で白と黒の大きな翼を出して見せるワドリーテは声を出す事すらできずにただ呆然と焔の話を聞いた「我が師…悲魔の遺言は堕ちていく魂を1つでも多く救い…そしてまた生まれ返させる事でした…故にこの地は魂が堕ち逝く最期の地である冥府の手前に創られています。受け皿となるべく創ったはずのこの地ではありましたが…残念な事にそれぞれの魂が持つ因縁を消し去る事はできなかったのです。因縁は幾千幾万の時を経て積もり始め…現在の混沌と争乱を生み出しました。本来この地を支えるはずのクリスタルは戦乱の糧としてあらぬ使い道をされ今ではやっとこの地を支えてるに過ぎない程度の力まで消耗してしまいました…この争乱がこのまま収まらないのならいずれ近い将来この地は崩壊してしまう…魂の争乱はもうそんなところまでこの地を追い込んでしまっているのです」焔はそう言ったところで話を止めて窓辺から空を見上げる「つまり…無益な戦いは止めろ…と、そう言いたいのですか?」「結論で言えばそういう事です。しかし…そう言って収まるのであればもうとっくに収まっているでしょう…故に私は各国の王と語りどうするべきか考えようと思ってます。」「なぜ…もっと早くにそうしなかったのですか?」ワドリーテは恨めしそうな声で焔にそう問うた「確かに…争乱がここまでになる前に手を打てなかった私の罪でもあります。しかし私は人の…人にしかない心に賭けてきました。いずれ気がつくのでは?いずれ正しき道に戻るのでは?と…それに争乱の渦中では何を言っても無駄ですしね…しかし今の王の方々ならば耳を貸してくれるのでは?そう思ったまでです」「では…この話は他の王の方々にも?」ワドリーテの問いかけに焔は首を横に振った「いずれ近いうちには全員に話はしますが…ここまで話したのはあなたが初めてです…」「私にどうしろと?」「戦いを今すぐ止めろとか、誰かを立てて負けを認めろとかそういう事ではありません。考えて頂きたいのです…何がために戦い…そして何を目指すのか…私が聞きたいのはそれです。」ワドリーテは焔の言ってる事が理解できず首を傾げる「あなたが今、王として戦っている事には意味があると思います…まずはそれを聞きたいのです。全ての王からその答えを聞いた上で考えてみます。平和な世を作るにはどうしたら良いのかを…」焔はワドリーテを見る事なく窓の外を眺めたままそう答えた「わかりました…今一度考えてみます」「恐縮です…その言葉、その心に感謝いたします。またいずれ答えを聞きに参ります」焔は振り返りそう言うと深々とお辞儀をすると羽織を翻してその場から消えた「痛い…」ワドリーテは思わず自分の頬をつねりそう声を漏らすそこにイグルーとオライオン…そしてアルベルトが戦場から帰還してきた「姫様…エルソードの軍勢を返り討ちにしてきましたぞ」イグルーはそう言ってニヤリと笑った「アルベルトの采配は見事でした…病に伏した姫のためにどうかこの一戦を勝利してくれと兵に頭を下げて…上に立つ者としてそこまでの覚悟と決断は出来ません!故に先の暴言についてはなにとぞ…」オライオンがイグルーの横に座りそう言い掛けるとその言葉を押しとめてアルベルトが一歩前に座る「姫様…どういった事情があれ、家臣である者が国の主にあのような暴言を投げつける事はあってはならぬ事…いかような処分も受ける覚悟は出来ております」そう言って携えた剣を外し目の前の床に置いた「アルベルト…ありがとう…私はあなたの言葉で目が覚めました…私が誰であるか何をすべきなのか…忘れていました。これからも傍で私を支えて下さい」ワドリーテはそう言うと玉座から降りアルベルトに頭を下げた「ひ、姫様…滅相もございません…頭を!どうか…どうか…どうか頭をお上げください!」アルベルトはそう叫んで両膝をつくと額が床につくほど頭を下げて後ずさりを始めた…その姿奇妙な生き物のようにも見え、ワドリーテが思わず吹き出して笑うつられてイグルーとオライオンも笑い出す「私は独りなのではなく…皆がついている事を…支えてくれているという事を忘れていたのかもしれません」ワドリーテは玉座の横に立ち部屋の天井を見据えてそんな言葉をつぶやいたそして…この日から半年の月日が流れた後…5つの国の王達が初めて顔を揃える事になる……『To Be Continued♪』
2011/05/01
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