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久しぶりの川上健一の新作。期待に違わず、らしく、笑いあり、涙ありの作品です。舞台となる野球チーム「ジンルイズ」のメンバーは、わずか9名。しかも、そのメンバーは下は20歳から上は81歳まで、元プロ野球選手、ラーメン屋の店長、女性ととても多彩。しかし、どのメンバーも野球大好き。やがてあることをきっかけにして、メンバーに少しずつ変化が起こり始めます。そして、「ジンルイズ」も連勝を始めます。ココまで書くと当たり前のファンタジー小説のようですが、そこは川上健一。一ひねりも二ひねりもあり、そうは問屋が卸しません。本当に楽しい小説でした。人生を楽し見たい人にうってつけです。発行:PHP研究所価格:1600円+税初版:2009/9/16評価:B
2009年10月21日
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朝日新聞の書評で見て購入したのですが、書評に掲載されただけあって、期待に違わず面白いミステリーでした。自称探偵の矢能が、依頼現場に行ってみると、死体と、そして謎の覆面男に遭遇。その男を追っていると、武道家、やくざ、情報屋、国会議員、警察官と訳ありの人物がだまし、だまされの絡み合い、事件を一層複雑化していきます。ユーモアあり、バイオレンスありととてもメリハリがあり、一気に読ませてくれました。その中に、登場するのが小学校2年生の栞ちゃん。この子が一服の清涼剤のような存在で、途中途中でほろりとさせられます。さて、誰が悪人で、犯人は誰なのか、面白い小説でした。ぜひ、シリーズ化を。発行:講談社価格:1500円+税初版:2009/7/29評価:Bアウト&アウト
2009年10月12日
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関川夏央は漫画家でもあり、小説家、ノンフィクション作家でもあります。その中でも鉄道ファンでもあるらしく、過去にも「汽車旅放浪記」(既読)の作品があります。内容は、各雑誌などに書き綴ったエッセイを集めたもので、特に統一感を持って書かれてはいません。その中でも自分が惹かれたのは、宮脇俊三について記した文章です。やはりこの頃の鉄道紀行の文は、少なからず宮脇俊三の影響を受けている人が多いようです。やや物足りないところもありますが、気軽に読むには良い一冊です。発行:NHK出版価格:1400円+税初版:2009/7/20評価:C寝台急行「昭和」行
2009年10月10日
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映画は、雄大な山の景色に惹かれ、みたいと思っている。(まだ見ていない・・・)公開に合わせるように文庫本は買ったのだが、何となく、本に距離を置いていて読み始められなかった。その間に本にお茶をこぼしてしわしわになるし、余計遠のいていた。出かけるのに適当な文庫本が無く、仕方なくカバンに入れ、電車の中で読み始めたら・・・・。これが予想以上に面白く、あっという間に読み終えてしまった。山岳小説を書かせたら、新田次郎はピカ一でしょう。まるでドキュメントのようです。これは映画を早く見なくては行けません。測量官・柴崎芳太郎が三角点設置のため劍岳初登頂を狙いますが、同時に日本山岳会も・・・・。神々の山と恐れられている、劍岳に困難と闘いながら、いかにしてそれを克服したか。その闘いとともに人間の壮大さも描きます。発行:文藝春秋(文春文庫)価格:686円+税初版:2006/1/10評価:B劒岳〈点の記〉新装版
2009年10月09日
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著者は、1982年にベトナムから日本に難民として来た入国しました。入国するまでに何度もボートで亡命を図り失敗してやっと出国できたという波乱にとんだ過去を持っています。しかし、彼は周囲の支援もあり、見事杏林大学医学部に入学し、1994年には医師の国家試験に合格し、その後日本に帰化しました。そんな彼が、はじめは水道水を安心して飲める日本に非常に驚いていましたが、そのうちに当たり前にミネラルウォーターを買い飲んでいく、そんな自分を冷静に見つめながら、日本での生活の幸福を実感しています。ただ、内容は伝わってくるのですが、やや理屈っぽさが彼の伝えたいことを薄めてしまっている気がします。発行:新潮社(新潮新書)価格:680円+税初版:2009/9/20評価:C日本人が知らない幸福
2009年10月06日
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まさか今になって宮脇俊三の新刊が読めると思いませんでした。といっても、これまでに雑誌などに掲載された単行本未収録作品を集めた随筆集です。まさに宮脇俊三の終着駅と行ったところでしょうか。内容的には、氏の著作を読んでいる方ならどこかで読んだな、あるいはこれはあそこのことかなとわかるものが大半でした。かといって決して宮脇節は現在で、十分楽しめるものです。発行:河出書房新社価格:1600円+税初版:2009/9/30評価:B終着駅
2009年10月02日
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