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最近中途入社の職員やご利用者様とはほとんどお会いする事もなく、お互い顔も知らないという事が多くなってきました。 そこで、少し私自身の事をお伝えしようと思います。 私が、バウムを設立したのは約十年前、二十四歳の時です。 その頃から今に至るまで、何度も聞かれた質問の一つに、『座右の銘は?』というものがあります。 二十四歳の若造にそんな大層なものがある訳もなく、当時はその都度適当に答えていたと思います。 しかし、気付けばいつの頃からか私にも座右の銘が出来ていました。 『やれる人がやる』です。 勘違いしないで欲しいのは、ここで言う『やれる人』とは、『才能のある人』を指しているのではありません。 ある事柄に対して、自分の欲を犠牲にしてでも『情熱を燃やす事の出来る人』の事です。 私は、職人の父と、商売人の母の長男として生まれました。 父の家も、母の家も共に自営業をしており、周囲にサラリーマンと呼べる大人はほとんど居ませんでした。 始業時間はともかく、終業時間というものがありませんでしたし、休みもあまりありませんでした。 食卓を家族で囲むという事も無かったですが、週に一度、日曜日には必ずどこかに連れていってくれたので、寂しいという感情は全く無かったと思います。 このような環境で育ったせいでしょう、私は『仕事』に対して非常に特異な考え方を身に付けました。 時にその考え方を私はこう表現します。『歯を磨くのと同じ』と。 つまり、誰でも朝起きたら歯を磨きます。 それは当然の事なので、そこにストレスも義務感も感じないでしょう。 ごく当然に毎朝鏡に向かい、歯ブラシを手に取る。休むことなく毎日。 私にとって、仕事とはそれと同じです。 朝起きて洗面台に向かうようにごく自然に職場に向かいます。 当然、ストレスや義務感は一切ありません。休むことなく、毎日です。 朝起きてから、夜眠るその直前まで仕事をしていますが、本当に一切のストレスは感じないのです。 だから、最近の聞かれて困ってしまう質問は、『辛い事は?』です。正直ありません。 いや、正確にはあるかもしれませんが、いちいち覚えていません。 所詮その程度です。 友人から言わせれば、『お前の人生は酒の肴に丁度良いくらい波瀾万丈』だそうです。 普通であれば、どこかで心が折れていても仕方が無いとも言われますが、前述したように、私は商売人の息子です。 底なしの楽観主義と、『捨てる』事にかけては並ぶ者は居ません(商売人は損になると判断したものは、即座に捨てます。物でも、記憶でも)。 ただ、義務感は無いと言いましたが、使命感はあります。私は経営者です。 何十人もの職員とその家族、ご利用者様の人生をお預かりしています。 経営者になると決めた時、普通の人生は捨てたのだと思います。 友達と遊んだり、仕事で悩んだり、仲間に相談したり、時には逃げ出そうとしたり、ゆっくり休んだり。 その全てを捨てました。 友達と遊ぶ時間も、悩む時間も、相談する事も、逃げ出す事も、休む事もしなくなり、その全てを経営という仕事に注ぎました。 こうして書き並べると嘘っぽいですが、実際この十年間で友達に会ったのは、結婚式に呼ばれた時くらい(それでも理解して友人で居てくれる優しい人達です)。私 が悩んだり、相談したりする姿を見た人なんて居ないと思いますし、トップが逃げる事を考えるなんてもっての外です(この十年間冗談でも『辞めたい』といった事は一度もありません)。ここ二年ほどは、会社の方針もあり私も休みを取るようになりました。 旅行に行くと言ったら、昔から居る職員は驚いていました。私が名古屋を一日以上離れる事など、今まで一度も無かったからです。 しかし、もちろん旅行先のホテルでも仕事です。一緒に行った人には呆れられましたが。 私は、この生き方を辛いと思った事は一度もありません。 異常だと思われるかもしれませんが、中小企業の社長とは皆このような感じです。 私は『たまたま』こういう生き方にストレスを感じない。 だからこそ、経営者が務まる。仕事に少しでもストレスを感じる人は、経営なんて無理してしない方が良い。 私が言う『やれる人』とは、こういう事です。そして、やれるからには全力を出さなければいけない。 『やれる』のに『やらない』事は罪です。私は経営という仕事を『やれる』。 だから全力を出さなければいけない。特に経営という責任の重い仕事であれば、なおさらです。 こういう書き方をしていると、何もそこまでと思われるかもしれません。 けれど、逆に考えてみて下さい。 皆さんが私の部下だったら? 仕事で悩んでいる時、相談したいのに『今日はデートだから邪魔しないで』と言われたら? 緊急で困っている時、家族との時間を大切にしたいからという理由で、連絡がつかなかったら? 上司は『困った事があったらいつでも相談して』と言います。 でも本当に『いつでも』相談に乗ってくれる人は実はそんなに多くないのではないでしょうか。 だから信頼されない。経営者は、従業員にとって最後の砦です。 だから私は『いつでも』大丈夫なようにしています。 しかし、これはあくまで自分自身に課している事であって、他人には求めません。 社員にも『自分(家族)を犠牲にするな』と常に言っています。 もちろん、私もこの生き方を一人で完遂出来るとは思っていません。 何人かの人の協力があってこそです。 その人たちへの感謝を込めて、次回のテーマにしていきます。 理事長 笹谷 寛道
2015.08.28
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