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先日、某中華料理のお店で食事をしていると、隣の席を新人さんが片付けていました。 その時、後ろから先輩らしき若いスタッフさんが来て、新人さんとこんな会話を交わしました。 先輩『大丈夫?』 新人『はい、もう終わります』 先輩『分かった、ありがとう』 何気ない会話でしたが、この『ありがとう』という言葉に、とても温かな空気を感じました。 決して機械的ではない、心のこもった感謝の言葉でした。このような先輩の下で仕事ができる新人さんは幸せだなあ、と感じました。 『良い職場』の定義はいろいろあると思いますが、やはり大切なのは、『感謝』の言葉がどれほど自然に飛び交うか、ではないでしょうか。 例えば、当法人には『指定共同生活介護ミモザ』というグループホームがあります。 ここに配属されている所長補佐のお話を少ししましょう。 彼女は私から見ても、大変優秀な職員です。 彼女の何が優秀かと言うと、一言で言えば、『視野が広い』事でしょう。 以前、私が他職員と翌日の話をしていた時でした。 冗談交じりの会話の中で、今日出来なかった仕事の話題が出ました。 私自身もそんな話題が出た事すら覚えていないほど些細な話題でした。 ところが、翌日私がその仕事に取り掛かろうとすると、すでに完了していたのです。 私はとても感動しました。 前日のほんの数秒の会話を耳にしただけで、翌日誰に言われるでもなく、先回りしてその仕事を終わらせておく。 仕事自体は難しい物ではないですが、普通にこれを実行できる人は中々いません。 もちろん、自分自身の抱えている仕事もあるのに、です。 家族や恋人の為に頑張れる人は世の中沢山いるかもしれませんが、同じ職場の仲間の為に、こんな細やかな心配りが出来る人は、実は少ないのではないでしょうか。 こういう職員の元で働く事のできる、後輩や部下は本当に運が良いと思います。 彼女は、いつも周囲にアンテナを張り続け、常に『誰か』の為に心を配ります。 相手の立場に立ち、予想し、その先を取る。 この『先を読む』力がある職員程、しっかりとした結果を出します。 同じくミモザの女性職員(アルバイト)が、環境整備点検に同行した時の話をしましょう。 ほとんどの職員は、点検をする際、手前(下の階)から始めようとします。 しかし、効率よく回る為には、実はその逆が正しい。 私自身も点検時は、奥から手前に向かって点検をします。 しかし、この話は今まで誰にもしてきませんでした。 なので、全職員が手前(下の階)から始めていましたが、この職員は唯一私と同じように奥(上の階)から始めたのです。 さらに、巡回の順番をあらかじめ決めておき、鍵を準備していたので、私は殆ど待つことなく、スムーズに点検を終えることが出来ました。 全ては、私の立場に立ち、予想し、先回りする能力があるからこそ出来た事でしょう。 これからの時代、福祉を担う人には、この様な『相手の立場に立ち』『予想』する力が不可欠なのだと思います。 しかし、これは生まれ持った才能なのではなく、日々量をこなし磨いていくものなのです。 理事長 笹谷 寛道
2015.07.31
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私は、職員に向かって、時々こう言います。 そして、職員はいつも険しい顔になります。 まるで、「ひいき」という事が悪い事のように感じるのでしょう。 しかし、そういう職員には必ずこう問いかけます。 「ひいきの反対は?」 当然答えは「平等」です。 「では、社会に出て平等な事は何かありますか?」すると、大体黙ってしまいます。 当然です。 社会は平等ではありません。 常に誰かと比較され、時には努力をしても評価されず、往々にして理不尽で、納得のいかない事ばかり、これが社会です。 さらに、我々のようなサービス業では、お客様に「ひいき」されなければいけない仕事です。 お客様にひいきしてもらわなければいけない職員が、上司にすらひいきされないのであれば、大問題です。 では、どうすればひいきされる職員になれるのでしょうか? たった一つ、『何でも相談してくれる』こと。 上司の役目は、職員に働きやすい環境を提供し、毎日気持ちよく、笑顔で頑張ってもらう事です。 しかし、日常には公私共に様々な悩み事や、辛い事、苦しい事が潜んでいます。 そして、殆どの人はそれを隠して、仕事に全く支障を出さないようにする事は出来ません。 眠れなくて、目の下にクマを作って来たり、ため息が増えたり、体調を崩してしまったり。 そうなる前に解決するべきなのですが、自分自身で解決出来るならば、そもそも悩みません。 かといって、仲間に相談しても解決しない事がほとんどです。 仲間に相談すれば、その時は気が休まり、落ち着くかもしれませんが、事態は好転しません。 なぜなら、仲間と自分は同じくらいの経験値しか持っていないので、自分で解決出来ない事は、同じ経験値の仲間も解決できないのです。 本当ならば、経験豊かなトップに相談する方が圧倒的に解決します。 相談してくれるならば、大抵の事は解決してあげられます。 しかし、相談されないと、何も助けてあげられません。 「何でも相談してくれる」という事は、それだけでひいきされる要因です。 ところが、多くの人が『こんな事を相談して、怒られないだろうか』『忙しいのに、こんな事で時間を割いてもらう訳には』と考えがちです。 ですが、実際は全くの逆なのです。 確かに、トップは時間がありません。 だからこそ、限られた時間は望む人にしか使う余裕が無いのです。 『自分の為に時間を割いて欲しい』と望む職員と望まない職員では、当然望む職員の為に時間を使います。 そして、コミュニケーションは『質より量』です。 沢山時間を共有する職員との間に信頼関係が生まれるのは当然です。 結果的に、大切な仕事は、信頼関係のある職員に任せます。 大切な仕事を任せられる職員は、誰よりも早く成長します。 そして、誰よりも早く出世する事になります。 つまり、早く成長したいならば、どれだけトップの時間を『自分の為に使わせる事が出来るか』という事です。 トップとの距離が遠い人ほど成長は遅い。 例え現場職員であろうと、臆せず自分の為にトップの時間を使わせるような、積極性を持ってもらいたいものです。 理事長 笹谷 寛道
2015.07.09
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新年度も早二か月が経ちます。 巷では五月病なんて言葉も聞きますが、実際、バウムでも入社前と後のギャップに苦しむ職員も居るようです。 さて、バウムでは半期に一度『従業員アンケート』というものを開催しています。 社内における、従業員の満足度・不満足度調査です。 三か月前のアンケートでは、約七割の職員が満足していると答えてくれました。 一般企業に比べれば素晴らしい数字です。 しかし、別の見方をすれば、三割の職員が何らかの不満足度を抱えている、という事です。 実際、今こうしている間にも、ごく少数の現場職員は、他の職員に愚痴を言っています(本人は私に知られていないと思っているようですが)。 断言しますが、愚痴や不平不満を陰でコソコソいう職員は、大体仕事が出来ない職員です。 なぜならば、そういう職員は、自分の『嫌な事から逃げ出したい』だけだからです。 例えば、深夜勤務を例にしましょう。 愚痴をいう職員は、こう言います。 『夜中ボーとしながらパソコンに向かう為に、福祉を志した訳では無いのに…』 かたや、仕事に満足出来ている職員はこう言います。 『たまに深夜勤務が出来ると、溜まった事務仕事が思う存分出来るから、嬉しい』 違いが分かりますか? 他にもこんな例があります。 給料の額に関してです。 愚痴をいう人は、『なぜ僕の給料がこんなに低いのだ。これでは頑張る気も起きない』です。 では、満足度が高い職員はというと、『自分は経験も資格もないのだから、これくらいの金額で当然。でも、これからもっと頑張って資格を取ったり、経験を積んで、いつかもっと沢山の給料を貰えるようにするぞ』。 さて、はっきり言いますが、三年後彼らの給料は天と地ほどの差が出来る事は確実です。 それどころか、私の経験上、愚痴や不平不満をいう職員は、三年ももちません。 その前に居場所が無くなって、辞めていきます。 不思議な事に、そういう職員ほど『他人の為に』とか、『お客様の為に』という言葉を口にします。 私はいつも不思議に思うのですが、誰かの為に何かをしたい、という人が、なぜそんなに自分の嫌な事から目をそらそうとするのか。 自分が嫌な事は、大体他人も嫌です。 しかし、その嫌な事を率先して自分が行うからこそ、誰かに喜んで頂けるのではないでしょうか。 例えば、トイレ掃除。大体の人は、やりたくありません。 だからと言って、誰もやらなければどんどん汚れていきます。 もちろん、自分もやりたくはありません。 嫌です。 それでも、掃除をすれば喜ばれます。 逆に、目の前に美味しそうなラーメンがあります。 みんなが食べたいと思っている。 自分も食べたいから、一人で食べてしまう。 誰も喜んでくれません。仕事も同じです。自分が嫌だと思う事は、誰もが嫌だと思っています。 そこから目をそらし、不満を言っているだけでは、誰からも感謝されません。 嫌な事から目をそらさず、しかもその中にさえ喜びを見出す事の出来る人は、やはり優秀な人です。 少しでも『誰かの為に』と語るのであれば、嫌な事から目をそらすべきではありません。 理事長 笹谷 寛道
2015.07.09
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バウムでは、上下期の始めに政策勉強会を行っています。 半期に一度、方針の変更点や職員の表彰等を行う場です。 そこでは、事前に行われた従業員アンケートにて書かれた、法人への疑問や不満等を、理事長である私が全員の前で答える、という時間があります。 そこでは、こんな質問があります。 『半期に一度行われるお客様アンケートは、人気投票のようになっていて、不公平ではないか』 私の答えはこうです。 『お客様アンケートは、人気投票です。 元からそういうものです。 むしろ、皆さんは何を評価されれば、公平だと感じるのか? まさか、サービス業をしていて、お客様に見えない所で頑張っている姿を評価して欲しい、なんて考えていますか? だとしたら、大きな勘違いです。 お客様は、自分の目で見える、感じる事でしか判断はしません。 例えば、自分がお客様の立場になってみれば良い。 ラーメン屋さんに入って、ラーメンを食べて、『また来たい』と思う時の判断基準は何ですか? ラーメンが美味しいかどうか、店内が綺麗かどうか、接客が良いかどうか、価格が安いかどうか、ですよね。 間違っても店主が厨房の裏で早朝から深夜まで必死に働いている姿なんて、判断材料にはなりません。 どれ程働いていようが、どれほど一生懸命麺を打っていようが、不味ければそれで終わりです。それと同じです。 お客様にとっては、我々が見えない所で頑張っている『過程』等関係ないのです。 お客様はあくまで『満足出来るサービス』にお金を払うのであって、『職員の一生懸命な姿』に払うのではない。 結果が全てなのだと、認めなくてはなりません。 お客様は『信頼出来るから』『話を一生懸命聞いてくれるから』『優しいから』等の理由で評価をして下さいます。 しかし、時には『格好良いから』『美人だから』という理由の時もあるでしょう。 しかし、それもありです。 だってそうでしょう。 我々だって、お金を支払う側になれば、そういう理由で評価をする時もあるのだから。 自分達は良くて、評価される側になった途端に『それはダメ』『不公平』では筋が通りません。 サービス業とはそういうものなのです。』 他にもこんな質問がありました。 『人事異動後の職場の事を、もう少し考えて欲しい』 これも同じです。 そもそも人事異動とは、何の為に行うのか? いくつかありますが、最大の理由は、『職場の空気を変える事』です。 人員が変われば、今まで普通に出来ていた事が出来なくなります。 当然です。 新人が入れば、教える時間が増える。 教える時間が増えれば、通常業務の時間が減る。 すると、期限に間に合わなかったり、クレームが起きたりします。 だから、現場職員にとって、異動は『嫌なもの』です。 しかし、これは逆です。通常業務の時間が減ると、減った時間で出来るように『考え』ます。 無駄を徹底的に省き、業務効率を上げようと試行錯誤します。 そうして、苦労しながらでも、新人に教えながら、何とか通常業務を回す方法を編み出すのです。 そして、それが組織の成長に繋がる。 今まで一時間掛かっていた仕事が、五十分で終わるようになる。 これが大切なのです。 何度も言いますが、仕事は結果が全てです。 結果が変わらない事は、やっても意味がありません。 一人二人の異動では、何も変わりません。 バウムでは、今回の異動において、約二か月間で九割の職員を異動させました。 事業所の過半数が異動をすると、当然業務が回らなくなる。現場が混乱する。 だから、回るように考える。 結果的に組織も人も育っていく。 嫌な事を、手間の掛かる事をこなさなければ、サービスの質は向上しません。 『面倒臭い』『大変だ』という過程に囚われてはいけません。 我々は常に『結果』を見据えて行動していかなければいけないのです。 その為のアンケートであり、異動なのです。 理事長 笹谷 寛道
2015.07.09
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バウムには「改善提案制度」という仕組みがあります。 この制度は、自分の職場で改善したいルールや仕組み等を、理事長である私に直接提案出来るというものです。 この制度の採用率は九割を超えています。 おかげさまで、年間二〇〇件以上職場改善がされています。 さらに、半期に一度開催される「事業所内アセスメント」では半年間の事業所の目標を、月に一度の上司との面談では、日ごろの疑問に思っている事等を上司にぶつける機会もあります。 さらに、所属の事業所とは別に職場環境の改善の為に「委員会活動」という取組みも行っています。 来年度は、「人事評価委員会」「マニュアル作成委員会」「広報委員会」「新卒採用委員会」「内部監査委員会」「PMS委員会」「企画・実行委員会」「方針共有委員会」の八委員会で、職場環境の改善を行います。 その他にも従業員アンケートや各種研修等で、折に触れて働きやすい職場を創る為の取り組みを行っています。 先日、ある事業所のアセスメント時、『職場環境の改善』というテーマで話し合いをしたところ、どれだけ時間を掛けても、良い目標が出てきませんでした。 職員曰く、『現状で満足できているので、これ以上は思いつかない』。 経営者としてこれ程嬉しい事はありません。 もちろん、全ての職員が現状の職場環境に満足している訳ではありません。 だからこそ、前述したように、バウムではあらゆる仕組みを取り入れて、職場環境の改善をしています。 しかし、中には改善提案もしない、上司に相談もしない、アセスメントで意見も言わない、委員会活動にも積極的に参加しない、という職員も、残念ながら居ます。 もちろん、ほんの少しです。 しかし、確実に毎年何人かは存在します。 そして、その何人かはいつも周囲に『不満』を漏らします。 時には、一生懸命努力をしている仲間を平気で傷つけます。 そういう職員にはどのように対応するのか。 選択肢は二つです。 『ゆっくり辞めて頂く』か、『すぐに辞めて頂く』か。 それ以外に道はありません。 冷たいですか? 彼らにもじっくり時間を掛け、しっかり教育をしていけば、他の職員同様真面目に誠実に仕事に取り組むことが出来るようになるはず、と思いますか? だとしたら、あなたは大きく勘違いしています。彼らは決して『無能』なのではありません。 不誠実でも不真面目でもなく、ただ会社の方針が『気に食わない』だけです。 つまり、根本的に価値観が合わないのです。 合わないものは、どれほど時間を掛けても、合いません。 であれば、方針に則って、頑張っている職員に時間を掛けた方が、何倍も価値がある事であり、また彼らにとっても、価値観の合わない会社で、不満をたらたら垂れ流して働くよりは、見切りをつけて次の会社を見つけた方が精神衛生上良いのです。 それでも、優しい職員は言います。 『少しの時間でも一緒に働いた仲間なのだから、出来れば辞めないでほしい、寂しい』と。 これもまた、勘違いです。我々の目的は何ですか? お客様に満足して頂けるサービスを提供する事です。 その為には、全職員の価値観を合わせる事が前提条件です。 一人でも価値観の合わない職員が居ると、それだけでサービスの質は著しく低下します。 あなたのその寂しさでは、サービスの質は上がりません。我々は、そうして辞めていく職員の門出を祝うくらいの心のゆとりは持つべきです。 様々な取り組みの甲斐もあって、バウムは昨年度中の退職者は正職員四十三名中、三名のみ。 その内の二名はやむにやまれぬ事情があっての事です。 なので、実質は一名です。 現場職員の希望は、退職者ゼロです。 しかし、私はむしろ退職者ゼロはあり得ないし、そうであってはいけないとさえ思っています。 お客様のニーズは、日々変わっていきます。 世の中の流れも日々変化します。 その変化に合わせ、バウムも物凄いスピードで変わり続けます。 すると、当然そのスピードについてこれない人も出てきます。 そして、去っていきます。 もし、退職者がゼロだったら、その年は、誰もがついてこれるようなスピードでしか変化できなかった、という事です。 これは、由々しき事態です。世の中の流れに置いていかれている可能性があるという事です。 つまり、トップである私の考えが時代遅れになっているという訳です。 私は責任者です。会社で起こる全ての事は、私に責任があります。 ポストが赤いのも、季節外れの雪が降るのも、バウムの中では私の責任です。 全ての責任を自分が取るからこそ、価値観の合わない人とは一緒に仕事は出来ません。 職員には常にそう伝えています。 理事長 笹谷 寛道※3月に理事長に書いて頂いた記事です。
2015.07.09
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