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2004/07/03
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カテゴリ: カテゴリ未分類
アメリカを嫌いになれる映画...というのは語弊があるかも知れない。ブッシュ政権が大嫌いになれる映画と言った方がいいだろう。先週興行成績第一位、民主党保守派の大反対と公開の妨害を振り切っての一般公開で、返って話題を呼んだようだ。

内容に詳しく触れるのは他の映画評論家に任せるとして(日本でも公開されるようだし)、アメリカに住む私の思ったこと。私はこの国の政治はどうあれ、アメリカの主に文化が好きで移住してきた訳だけど、たかが5年ちょっとでも住んでみるといろいろなことがわかってくる。例えばアメリカは日本人が思っているほど人種が解け合っていないとか、人種、貧富(階級)、学歴、性(ゲイ差別も含む)の差別が根深くあるとか、海に面している州と内陸の州では違う国かと思うほど考え方や文化が違うとか。NY、サンフランシスコ、ロサンゼルス他の大都市に住むリベラル派は少数派で、アメリカ人の大部分は保守的で自分の国が一番と思っており、異端なものを嫌い、神様を信じている...というのが私の感想。だから2000年にもなってもブッシュみたいな人が大統領に当選する。

2000年の大統領選挙の茶番は映画でも描かれているんだけど、当時私は結構「自分の一票が大統領選の投票になる」というアメリカの制度に感動していた。自分の一票はどこの誰にどういう風に行くのかもよくつかめないし、誰に投票したって首相は知らない人がなる日本のシステムに懐疑的だった。ところがアメリカの投票システムもかなりいい加減であるらしいこともわかってしまった。

ともあれ、問題はブッシュが当選したあとの歴史だ...。ブッシュが大統領でなければ9/11は起こらなかったか? 答えは多分Noだ。では、イラク戦争は起こったか? 答えは、どうだろう。Yesのような気がする。戦争に至った経緯を映画では描かれるんだけど、最初のイラク爆撃の時のナレーションが忘れられない。

「今までアメリカに戦争をしかけたことのない国、ひとりのアメリカ人をも殺したことのない国...」
その国にアメリカは爆弾を落としたのである。

私が開戦の話を聞いた時は、アフガニスタンに宣戦布告したんだと思っていた。誰もが思ったはずだ。「なんでイラクなんだろう」。確かにフセイン政権はひどいのかもしれないが、あの国はあの国でバランスが取れていたのかも知れない。今フセインを求めるデモが起こっているのも自然かも知れない。クルド人難民虐殺など問題が皆無な訳では決してないだろうが、それは独裁者を選んでしまった当事国やアラブ諸国でまず第一に考えなければいけない事で、第三国であるアメリカが世界の警察とばかりに乗り出すような話ではなかったはずだ。

世界一の軍事力を誇るとはいえど、前線に行く兵士は、ハンバーガーを食べてテレビを見てバスケットボールをしていた普通のアメリカの田舎の青年たちである。大部分は貧しく、食費と教育費のために軍にサービスしている青年たち。海外旅行で他国の文化に触れたこともなく、いきなり占領軍として言葉も宗教も違う国に行くのである。その悲しいほどの無教養さが引き起こす問題は例のアブグレイズ刑務所事件がいい例で、イラクの一般家庭の家に土足で踏み込み、怯えて泣き叫ぶ家族を尻目に男性を地べたに伏せさせて連行するなどの暴挙は、「人間としての尊厳を傷つける」などという基本的人権の思想などはおよびもしないだろう。それが戦争? 何のための戦争かもわからないのに?

この映画は、人が何となくわかっているが、余りテレビなどでは報道されないこと-戦争とはきれいごとではなく、実際には血みどろの残虐行為の横行-を映像化しているのだが、目をつぶりたくなるシーンも多い。映像のインパクトというのは強烈で、それをブッシュ政権が悪者と演出したようにも思えてしまう編集はどうかとも思うが、それ以上にしっかり目を開いてみなければいけない事実が含まれている。私は個人的に、日本でもアメリカでも、税金も納めてような子供や、妄信的反戦論者が子供や赤ちゃんづれででも「戦争反対」と叫ぶのを見るのが余り好きではなかった。国には国の事情があると思っていたから。どうやら私のそういう態度も浅はかなものかも知れない。収集のつかなくなった世界事情、これからどうなっていくんだろうと思うと、未来は余り明るくないような気がしてならない。





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Last updated  2004/07/06 11:00:22 PM
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