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2004/07/10
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カテゴリ: カテゴリ未分類
「アーサー王と円卓の騎士」は有名な物語だが、実はアーサー王がどんな人物だったかよくわからないようだ。実在はしたらしいが、今日残っているのは魔法使いなどが登場するファンタジー物語。今回の映画は、アーサーを等身大に描いた意欲作...というふれこみである。

映画自体はエンターテインメントに仕上がっており、十分楽しめるものだ。ところが、Entertainment Weeklyの製作裏話の方がもっと面白かったのでご紹介。

この映画は実はディズニー配給の2004年のクリスマス映画だった。当初この映画は冬の観客、オスカー・レースを目指したシリアスなものを期待した大人の層のために、暗く重く、より虐殺シーンを忠実に仕上げる予定だった。ところが、ディズニーが春の映画で興行的に失敗したことから(テキサス民兵とメキシコ軍の戦いを描いた「アラモ」、ヴィーゴ・モーテンセン主演の砂漠の馬レース「ヒダルゴ」)、夏にどうしても大作でお金を回収しなければならなくなったのだ。そこで白羽の矢がたったのが、未だ製作中だった当作。4か月以上も早い公開が決められ、しかも作品を夏の観客向けに方向転換しろというのだ。

ここで大切なのが、アメリカのレイティング制度。アメリカで公開される映画にはレイティングが義務づけられるのだが、R指定(完全に大人向けのもので、子供に見せられないとされる汚い言葉の言い合いや残酷なシーンが含まれるものが対象)、PG-13(子供も大人同伴であれば鑑賞可能。実際には子供同士で来ている場合が多い)などがある。観客に子供の多い夏休み映画でブロックバスターを目指すのであれば、PG-13が不可欠だ(ちなみに、スパイダーマンはPG-13。昨年のMatrixはRでヒットしたので、「R指定としては最大のヒット」といううたい文句が着く)。当初「キング・アーサー」はR指定を想定しており、斬首や拷問などの残虐なシーンが多かった。ところが、最近のイラク戦争を彷彿とさせるそういうシーンに観客が辟易しているのではないかという配慮が入り始め、また配給のディズニーの言うことを聞いてPG-13にしたいというプロデューサーのジェリー・ブラッカイマーの意向もあり、監督は編集でここを削り、あっちを削り、ついにはマイルドな戦争映画になってしまった...。冗談を言う会話シーンを増やし、エンディングも変更を余儀なくされた。仕上がったのは、PG-13映画。監督は自分の作品をお金のために曲げられたと傷心らしい。彼を気遣ったプロデューサーは、監督が本当に作りたかったR指定バージョンをDVDで発売すると約束した...。

重ねて言うが、映画自体は脚本もよくとても面白い。ただ、「ブレイブハート」などと比べると、肉弾戦の感じがないというか、余り血も出ない(実際の戦争がどれぐらい凄惨だったかなんて、映画で知っても仕方が無いんだけど)。自分のやりたいように、残酷さも何のそのと「キル・ビル」を製作できたタランティーノがいかに恵まれていることか...。

追記:週末の興行収入は$15ミリオン第3位(1位はスパイディ、2位はアメリカ人にしか受けないコメディ)。$90ミリオンの制作費回収は困難かも...。これだけ監督のプライドをズタボロにして、結局結果が良くなければ監督も浮かばれないよね...。だいたいスパイディ公開の翌週に、観客層がかぶる映画をぶつけちゃいかん。どうする、ディズニー。





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Last updated  2004/07/11 01:28:26 AM
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