音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2018年11月16日
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カテゴリ: クラシック音楽

この前ベルクのヴォツェックを取り上げたが、またまたヴォツェックのレビュー。
今回は映像作品で、昨年のザルツブルグ音楽祭での上演。
指揮はユロフスキーで演出は南アフリカのヨハネスブルグ出身の ウイリアム・ケントリッジ (19550-)。
彼は「動くドローイング」として有名な手書きアニメの作家で、映像の世界でも活躍しているようだ。
日本でもよく知られた存在で個展も開かれているようだ。
オペラに関しては魔笛(モーツァルト)、ウリッセの帰還(モンテヴェルディ)、鼻(ショスタコーヴィチ)などを手掛け、メトロポリタン歌劇場ではベルクの「ルル」の演出も行っている(2015)
日本でも、先月 魔笛 の上演が行われたばかりだ。

舞台上に雑然と置かれた椅子や机、木製の階段などの小道具や装置、鉄条網、戦場を思わせる抽象的なモノクロの映像、キャストにはないガスマスクをつけた衛生兵みたいな服装の人たちなどで、なんともまがまがしい世界が描かれている。
X線でとられた動く馬とか、何というかグロテスクな趣味がこれでもかと写されて、オペラの筋とどう関係しているのか理解に苦しむ。
こういう印象を持たせたということは、このオペラの雰囲気に沿っているということも言えるわけだが、個人的にはあまり見たくない景色だった。
また、マリーの子供が木でできた人形で、これまたガス・マスクをつけている。
木馬が松葉杖になっているのも理解できない。
キャストの動きも少なく、殺人の場面も暗示にとどまっている。
酒場の場面でのダンスは、人形が踊っているような、ぎこちない踊りだ。
最近はリアリティを重んじる演出も多いが、舞台はあくまでもきれいなものが多い。
この演出は舞台のごちゃごちゃとした舞台と薄汚れたようなアニメ、暗い照明で、見ていてあまりいい気分にはなれない。
ということで、演出に関しては全く賛同できなかった。
音楽はユロフスキーの引き締まったテンポ、歌手陣の優れた歌唱で、とても楽しめた。

当初リッピングした音声を聴いていたのだが、映像とともに見るとまた別な感じがする。
とにかく、映像のインパクトが強く、音楽がおろそかになる恐れが強いので、音楽だけを楽しみたい時には映像は見ないほうがいい。
タイトルロールはなんと、マティアス・ゲルネ。
彼がこの役をやるとは思っていなかったので、とても興味深く見た。
いつもながらの立派な歌唱だが、声が太すぎるし、弱い人間としてのヴォツェック像の表現が少し不足していたような気がする。

マリーは Asmik Grigorian (1981-)はリトアニア共和国のヴィリニュス出身の歌手。
リトアニアの国立歌劇場でデビューし現在はヨーロッパで広く活躍しているようだ。
大変うまい歌手で、舞台のイメージも当方がイメージするマリー像に近い。
このパッケージはDVDとBDが一緒に入っているという珍しいものだが、管理はしやすいだろう。
メディアの製造費は大したことはないので、こちらのほうがいいのだろう。
日本語字幕が付いていないのは、残念だった。

PV
PV インタビュー付き

Jurowski Berg:Wozzeck

Matthias Goerne, Wozzeck
John Daszak, Tambourmagor
Mauro Peter, Andres
Gerhard Siegel, Hauptmann
Jens Larsen, Doktor
Asmik Grigorian, Marie

Vladimir Jurowski
Konzertvereinigung Wiener Staatsopernchor
Salzburger Festspiele und Theater Kinderchor
Wiener Philharmoniker

Recorded in 1987 at the Vienna State Opera





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Last updated  2018年11月16日 17時12分06秒
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