音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2019年02月22日
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カテゴリ: 映画


原作はジェームズ・R・ハンセン著のニール・アームストロングの伝記「ファースト・マン」
「ラ・ラ・ランド」のデイミアン・チャゼル監督とライアン・ゴズリングが再び組んだ映画。
伝記に基づいてるので、事実に忠実に描かれているだろうが、そのリアルさは半端ではない。
軍用機のテストパイロットや宇宙飛行士の大変さが少しはわかったような気がする。
今でも変わらないとは思うが、いつ何時死に直面するかもしれない状況を常に背負っている宇宙飛行士たちの苦悩がひしひしと伝わってくる。
発射の時の振動や、音のリアル感が凄く、振動やGこそ感じないものの、実際に宇宙船に乗りこんでいるような緊迫した感情に襲われる。
訓練しているとはいえ、その時は逃げ出したいような気分に襲われるのではないだろうか。
また、トラブルに見舞われた時の緊迫感も凄く、こういう人たちの肉体と精神の強靭さは凡人には理解できないだろう。

アームストロングが月へ出発する前の日に、妻のたっての願いで、子供たちにミッションについて説明するシーンが出てくる。
当時のリスクの大きさを考えると、行く方の気持ちも、残された家族の気持ちも察するにあまりあるシーンだ。
地球に帰還して、隔離されている建屋での夫婦の再会のシーン。
ガラスごしに無言で指を重ね合わせるところが、静かな感動を呼ぶ。
宇宙船や当時の管制の様子、使用している機材など、正確に再現されていると思われる。
レゴリス(月の砂)に覆われている月の表面の様子もリアルの再現されている。
余談だが月の表面にはヘリウム3が多量にある。
理由は月には地場がなく、太陽で起こった核融合の生成物の一部であるヘリウム3が太陽風に乗って月に吹き付けられて、地表に捕獲されているからだ。
東京福祉大の遠藤誉氏によると、中国が月を狙っているのは、ヘリウム3を地球に持ち帰って、核融合発電に使おうという目的だそうだ。
これが出来れば全地球の10倍以上のエネルギーが得られると中国では計算されている。

閑話休題


また、事故による死者が出たために、アポロ計画があやぶまれる背景である議会や国民の反対運動が描かれていたことも、アポロ計画のむずかしさを伝えていた。
こういう風景はどこの国でも見られるものだが、生半可な知識で反対するのはどこの国でも見られる風景だ。
また月へ到達するために、1つ1つの技術的課題を克服する過程が丁寧に描かれていて、とても参考になった。
今までランデブーの必要性がわからなかったが、この映画を見て初めて理解できた気がする。
ところで、アポロ計画のもたらした技術の進歩はなんだったのだろうか。

当時議会で反対されて計画が頓挫していたら、現在の状態になるまでには10年以上遅れていただろう。
当座のことしか頭にない議会など、足手纏いの何者ではない。
そういう事を考えると、宇宙飛行士だけが英雄なのではなく、このミッションに携わったメンバー全員が英雄といってもおかしくない。
主役のライアン・ゴブリンの常に冷静さを失わない様子や、妻(クレア・フォイ)の気の強さなど、キャストも素晴らしい。
映画を観ていて月面着陸時が1969年だと知って、ことしが50年目だということに気がついた。
月面着陸50周年記念の映画だったのだ。

公式サイト





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Last updated  2019年02月22日 17時56分05秒
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