inti-solのブログ

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2016.12.27
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MRJ、5回目の納期延期へ 三菱重工社長、考え示す

MRJは当初、13年に納入を始める予定だったが、設計変更などでこれまでに4回延期した。宮永社長はインタビューで、「機体への評価は国際的にも高い」と強調しつつ、「必要なテストがまだたくさんある。正直言って今の通りやってもなかなか難しい。1月中には対応を公表したい」と話した。

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納入時期が遅れれば、発注した航空会社への違約金が発生するし、それによって損益分岐点が上がってしまいます。しかも、その遅れに業を煮やした航空会社から発注をキャンセルされるリスクも高まります。つまり、遅れれば遅れるほど赤字になる可能性が高まる、ということになってしまいます。三菱重工という一会社が赤字をかぶるだけのことならともかく、このプロジェクトには国費が投じられているので、それで赤字を残すことは勘弁してほしいなと思います。
Wikipediaによると、MRJの受注数は、現在確定発注が243機、オプション180機、購入権24機(製造スロットの確保はないが、特定の期間内に確定した発注条件と同条件で航空機を購入できる権利、とのこと)、合計447機となっています。

こちらの記事 によると、MRJの開発費は当初1500億円と見込まれていたものの、これが昨年の時点で倍の3000億円に膨らみ、現在では4000億円とも見られているそうです。その結果、開発費の回収には1500機以上の販売が必要と見られている、ということです。合計447機の売約では、まだまだ全然元が取れない、と言うことになります。現時点でもそうなので、また納期延期となれば、開発費は更に膨らみ、開発費回収に必要な販売数は更に上がることになります。
果たして、受注数は今後更に伸びるのか、開発費はどこまで膨らむのか、そして納入時期は後何回延期されるのか、不確定なことばかりですが、残念ながら黒字化できない可能性がかなり高まってきているように思います。

当初予定では、2013年には納入開始のはずだった、というのですが、YS-11以来の長いブランクがあって、しかも、そのYS-11は作れば作るほど赤字が増えていったという残念な経験となっています。つまり日本には旅客機の開発、製造に関して、うまく行った経験がないのです。それにもかかわらず、MRJの開発計画は、あまりに楽観的に過ぎた、というしかないように思います。
ともかく、約500億円の国費が注ぎ込まれているのです。それが貸し倒れになるような事態は避けてほしいものです。





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最終更新日  2016.12.27 22:53:42
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