inti-solのブログ

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2019.03.15
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テーマ: ニュース(100302)
日本も737 MAX運航停止 国交省、FAA決定受け


日本の航空会社では、全日空が737 MAX 8を2021年度から最大30機導入するが、現時点で運航している航空会社はまだない。
737 MAXの墜落は、10日に起きたエチオピア航空ET302便(737 MAX 8)の事故で2件目。2018年10月29日に起きたインドネシアのLCC大手、ライオン・エアJT610便(737 MAX 8)が最初で、現時点で原因は判明していない。
10日のET302便墜落を受け、CAAC(中国民用航空局)は翌11日に中国国内の航空会社に737 MAXの飛行停止を指示。中国を皮切りに、各国の航空当局が737 MAXの飛行停止を命じ、12日には、EASA(欧州航空安全局)も飛行停止措置を取った。
米国では、トランプ大統領が13日に737 MAXの運航停止を指示。これを受け、FAAが米国内での飛行停止を命じている。

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先日、エアバスが、フラッグシップであるA380の生産中止を決めた件が報じられましたが、今度は米ボーイングのB737MAXの連続事故です。事故原因は現時点では不明ですが、2件の事故の経過が非常に似通っており、両方の事故が共通の原因によって起こった可能性が示唆されています。同一機種が同じ原因で墜落、となれば、それはその機種に共通の、何らかの欠陥があることが疑われます。目下のところは、オートパイロット(自動操縦装置)に疑いの目が向けられている状況です。物理的な欠陥か、ソフトウェア上の欠陥かは分かりませんが。

A380の生産中止はエアバスにとって大打撃ではありますが、事故を起こしたわけではありません。また、元々超巨人機は、飛行機メーカーにとって「売れ筋」商品ではありません。エアバスとボーイングという二大メーカーにとって、もっとも売れ筋なのは、エアバスのA320とボーイングのB737という小型機です。その、飛行機メーカーの屋台骨を支える小型機で、構造的欠陥を伺わせる事故を連発してしまったことは、ボーイングにとっては深刻な打撃でしょう。

当然ボーイングとしては、欠陥はないと主張するよりほかにない訳ですが、それが客観的に見て説得力があるかどうかは別の問題です。実際のところは事故原因調査を待たなければ分からないものの、状況証拠としては、割と黒に近いグレーです。にもかかわらず、FAAは、ボーイングの弁解を鵜呑みにしたのか、巨大飛行機メーカーの経営を慮ったのか、直ちにB737MAXの飛行禁止措置を取ろうとはしませんでした。
しかし、この間にB737MAXに真っ先に飛行禁止措置を取ったのは、なんと中国の民用航空局です。その背景には、エチオピア航空の事故には中国人の乗客が少なからず含まれていたことがあるのでしょう。この決定に、同じくB737MAXの事故があったインドネシアなどが追随、更にEUも飛行禁止措置を取ったことから、遅まきながら米国FAAも飛行禁止措置を取り、更にそれをみた日本の国交省航空局も飛行禁止措置をとったわけです。

一連の流れをみると、中国の動きがB737MAX飛行禁止の流れを作ったことが分かります。もちろん、中国が動かなくても、EUが飛行禁止にしたでしょうけど。
かつて、事実上世界の民間旅客機の生殺与奪の権を握っていたFAAは、今回の件では、主体的な判断で航空機の安全性について世界をリードする姿勢はありませんでした。中国の動きを見て、EUの動きを見て、仕方なくその後追いをしただけです。
航空機産業という、第二次大戦後米国が圧倒的な支配力を見せてきた分野においてさえ、米国は先導する力を失った、ということなのでしょう。

ところが、そのFAAより更にB737MAXの飛行禁止措置が遅れたのが、我等が日本です。明らかに遅きに失したFAAの動きに、更に遅れて追随しただけ。その決定は実質的には無意味なものでした。何故なら、日本の航空会社はまだB737MAXを導入しておらず(引用記事にあるとおり、全日空が2021年導入予定)、日本に乗り入れている外国の航空会社も、既にB737MAXの飛行を取りやめていたからです。事実を追認しただけです。要するに、FAAの判断によらずに自己の判断で米国の旅客機に不利益な飛行禁止命令を出す勇気が、日本にはない、なぜなら米国の属国だから-ということなのではないかと疑りたくなります。





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最終更新日  2019.03.15 20:16:25
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