inti-solのブログ

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2024.01.10
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テーマ: ニュース(100302)
【鮮明化映像】カメラがとらえた衝突直前の海保機、一部始終


赤い丸で囲まれているのが海保機で、機体のライトが画面右から左に向かう様子が見えます。海保機は向きを複数回変えながら滑走路へと進むと、滑走路上で停止しました。
そのおよそ40秒後、画面右上からJAL機が滑走路に進入、海保機と衝突し激しい炎が上がりました。

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事故発生後から羽田空港の定点カメラの映像が繰り返し報じられています。しかし、衝突した海上保安庁機が、いろいろな映像を見てもまったく見えず、まるで着陸してきた日航機が突然爆発したかのように見えました。
しかし、この鮮明化された映像では、確かに海保機の動きが見えます。
ただし、動いている間は光源が移動しているので見えますが、滑走路上に停止してしまうと、赤丸で囲まれていないとまず分かりません。
これは映像だけの現象で、肉眼なら分かったのでしょうか?
おそらくそんなことはないでしょう。夜間は遠近感がつかみにくい上に、海上保安庁のDHCー8は他のジェット旅客機より小さいので、尚更距離感が分からない可能性が高いです。旅客機としての運行ではないので、おそらくキャビンには明かりは点灯していなかったので、窓から漏れる光もなかったものと思われます。そうすると、尚更暗い。

事前に「事故を起こすかも」という予測の元に双眼鏡で探せば、恐らく発見できただろうと思いますが、空港がもっとも混雑するであろう休日の夕方の時間帯、離着陸の度にそんなことをする余裕はなかったでしょう。

ただし、羽田空港の管制塔には、着陸機が接近中に別の機が滑走路に進入すると、モニターに警告が表示されるシステムが 導入されているそうです 。ならばそれを見落とした、ということになります。もっとも、記事によると、この機能は「管制官が自分の目で見て指示する際の補助的な表示であり、常時その画面を凝視することを求められる性質のものではなかった」そうです。

このことも含めて、管制官の注意力次第で海保機の誤進入に気付けた可能性はあります。なので管制官に事故の責任がまったくなし、とはならないかもしれませんが、明らかになっている通信記録からは海保機の誤進入が事故の主因であることは間違いなさそうです。

別報道によると、管制官とのやりとりで、離陸の順番を「ナンバーワン」と指示したことが、海保機の誤認の一因になったのではないか、ということです。着陸機が先に着陸したあとで最初の離陸」という意味ですが、海保機がそう受け取らなかった可能性がある、というわけです。それで、国交省は管制官に「ナンバーワン」は使用しないよう通知した、とも報じられています(元々、「ナンバーワン」は正しい管制用語ではないようです。)。

海保機が機長以外全員亡くなったのは残念ですが、事故の状況を見ると、日航機側に死者がでなかったのは、紛れもなく奇跡です。乗員の対応が素晴らしかったことは間違いありません。
それに加えて、おそらく、機体の外側はあっという間に炎上したものの、乗員乗客のいるキャビンは脱出が終わるまで火が回らなかったことが大きかったように思います。それは、胴体部が衝突で折れたり割れたりしなかったからです。胴体に穴があけば、そこから火が侵入する可能性が高く、そうなれば、あっという間に機内にも火が燃え広がったでしょう。

この写真を見る と、日航機は機首とその下面は損壊して、前脚は折れたようです。しかし、機首付近を除くと、事故直後の時点では胴体には大きな破損は見られません。主脚も、折れていなかったようです。
JALのA350と海保のDHC-8は、機体のサイズもかなり違いますが、機体の高さもかなり違います。DHC-8の胴体上部が、A350の胴体底部よりわずかに高い程度です。だから、追突の際、A350がDHC-8にのしかかるように衝突したので、A350側の胴体の破損がそれほどひどくなかったのだろうと思います。
いずれにしても、いくつかのミスと不運が重なって起こってしまった事故ですが、その中で大変な僥倖と乗員の素晴らしい対応のおかげで、全員生還という奇跡が起きたのではないかと思います。同じ僥倖がまた起こる期待はしない方がいいかもしれません。





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最終更新日  2024.01.10 22:16:56
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