島流れ者 - 悪意なき本音

島流れ者 - 悪意なき本音

2004.05.24
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ジャックと私は年が近い。半年しか違わずにお互い37歳。現在結婚して5年目を迎えるが、子供はいない。と言うか、長い期間をかけて結局、二年ほど前に作らないと言うことで同意に至った。ここまで至った経緯をお話しよう。

かれこれ六年ほど前を遡る。まだ付き合いだして間もないジャックと私はお互いに相手がどんな人間であるかを探っていた。私の質問の中に、将来の結婚像、子供を持つことについてと言うのがとても興味のある点であった。その質問に対し、彼の答え。

結婚に対して:
ジャックののお母さんは、彼のお父さんである初めの旦那さんと7年ほどの結婚生活に終止符を打ち、血迷ってヒッピーに走り、(60’s真っ只中)その後に結婚離婚を3度繰り返した後にようやく4人目にしてまともな男性と知り合い、(彼女が正気に戻った)人生の後半に差し掛かった今とても幸せに暮らしているが、それまでに、とんでもない奴らが父親になったお陰で今でもはらわたが煮えくり返るほどの嫌な思いをさせらたので、結婚に関しては明るいイメージがない。今現在ではなんともいえないとの事。

子供を持つことに関して:
これに関しては彼のフィロソフィーに反するので持たない主義とキッパリ。その信条とやらは、この世の中人口が多すぎる。チャイナを見ろ、インドをは凄いぞ。それから今爆発的に増えている(特にカリフォルニアで)メキシカンの移民の増加は留まる所を知らない、と。

(これは、偏見ではなくて、彼らの多くはカソリック教徒なので、子供を作る以外のセックス=罪、中絶=罪、とされているので貧乏子沢山になり、もう白人はマジョリティーではなく、10年もしないうちにヒスパニック系がマジョリティーになるであろうと予測されている。貧乏子沢山というのも偏見ではなく統計的に見て本当のこと。経済力と出産率と密接に関係している。それが証拠にうちはこの、宗教上の理由と、貧乏が重なりどちらとも当てはまっていて、六人兄弟にまで膨れ上がっていったわけ。*詳しくは日記、‘愛は宗教の違いを乗り越える事が出来...ない?! ’を参照)

子沢山でも良いんだが、何しろ僕らの住んでいる地球はグローバルウォーミングをはじめ、いろんな環境汚染のためにそのうち地球規模の飢饉が起きる。そんな中で人口は爆発しているわけだから、そんなところに子供を生んでさらに事態を悪化させるわけには行かない!なんだそうな。

この二つを聞いたときにはこの人この先付き合っていってもなんだか将来がないような...と不安がよぎった。しかし、その当時は南カリフォルニアンライフをエンジョイすればいいやってな具合に能天気であったので、この重大な二点が、後に鉛のように私の頭に重くのしかかるであろうという事などお構いなく、軽く受け流して付き合いを続けていった。



英語に興味を持ち始めたティーンエイジャーの頃に、混血の子供がモデルとして載った洋裁のカタログ雑誌をボーっと見なら、“ああ、英語を上達して外人と(この時はなぜか外人=白人)知り合って、結婚したらこんなに可愛い子供が出来るんだろうな~~。”とお目目にハートを浮かべていたような気がする。とってもミーハーな私であった。

それがなんと二十年近くもたって現実になるかもしれないと言うチャンスが訪れたのにである。気になりだした頃から、もしも子供ができたとして(ピルを飲んでいたのでその可能性はかなり低かったんだが)と言う仮の話をしたり、私がもう30歳を過ぎているので子供がほしいなら今のうちと言うことを遠巻きに会話の中に散りばめていた。その時はまだ彼はまだ若いから、そのうち気が変わるであろうという淡い期待を持っていた。そして、最終段階の35歳の誕生日を迎えた時に今度は真剣に真っ向からこの件に対しての意見を求めた。

私:今まではこの話題を真剣に話していなかったけど、もう私も35歳になったのでここはちょっと逃げないで真面目にに考えてほしいんだけど。たった今現時点で子供が欲しくないと思っても、将来、1、2年後、もしくは五年後に欲しくなったとする。その時にはもう私は40代になっているかもしれないから無理って事になるんだけど、どう思う?

ジャック:(いつもにない厳しい顔つき)う~ん...何で子供がほしいの?

私:今は自分の事で精一杯だから、まだ覚悟は出来てないけど、この先欲しくなるかもしれないから...(本当のミーハーな理由はいえない)

ジャック:今僕たちは幸せだろ?子供がいなかったら幸せじゃないって言うわけじゃないんなら、なぜ子供がほしいのか分からない。

私:でも、もしも将来気が変わったら?その時点で時遅しって事になってもいいの?

ジャック:そうなったらその時は諦めるしかないよね。

私:(沈黙...一分間)分かった。私もあなたがこの件に関しては頑としていて変わらないだろうと承知で結婚したんだから諦めるわ。子供が大好きで仕方がなくってと言うタイプであったらあなたを選ぶことはなかっただろうし。

本当は私を納得させる理由がほかにもあった。ジャックは語らない本音、障害を持った子供の親になる自信がないということ。実は彼の末の妹が、スキッツフリニアと言ってあの、アカデミー賞を獲った’Beautiful Mind’の主人公の病気を持っているのであった。彼女は発病するまでの18歳のころまでは内気ではあるがとても頭のいい普通の子供であったそうだ。しかし発病を機会にいろんな問題を起こしていて、彼の家族の悩みの種なのだ。(これについてはまた今度日記に書いてみようと思うが)したがって、ジャックの言う事は彼女の存在を知った付き合いはじめの頃から、無きにしも非ずと頭の中にあった。彼がこの本音を口にしたのは何年もの間たったの一回だけだったので、このことには触れずに私は納得したのである。

この最後の決着があった後に落胆して精神的におかしくなったと思われかも知れないが、そうではなかった。これを機会に心の中でくすぶっていたものがすっかりと晴れて吹っ切れたのだ。ここまで来るのに実は変わることのない彼のポリシーを恨んで泣いたこともあったのだ。だから、今は他人に子供を生むつもりがあるかを聞かれても以前のように人には分かってもらいづらい夫のポリシーを言い訳がましくすることもなく、キッパリもううちは子供は作らないって事で同意したので、と明るく言えるようになったのだ。(予断だが、こういった質問をする人が無神経だな~と今でも思うのは変わりはないが。)



アメリカに押し寄せる移民はいろいろと問題になっていると言われるが、これは祖先をたどれば皆何処かから来た移民であるということを都合よく忘れた白人たちから見た問題だ。個人的には、こうしていろんな人が寄り集まり混血児がどんどん生まれていけば、人種や文化の違いがどんどんブレンドされて、偏見や差別から来る社会問題が解決されるであろうにと思うのである。アメリカよ、多民族国家を自慢するにはまだ早い。この人種、文化の混じり合いを得てこそ始めて世界に誇ることの出来る多民族国家ではないか!明日のアメリカを背負う混血児たち、ガンバレ~!









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最終更新日  2004.10.25 02:43:31
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