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それでは種親のオスに引き続きメスについて独断と偏見に満ちた見解をご披露させていただきます(笑)。現状では、我が国のベタメスの扱いはひど過ぎの一言に尽きるでしょう。オスは、それなりに大切な扱いを受けていますがメスは付属品扱いである事がほとんどです。オスを購入すると漏れなく(苦笑)メスも付いて来ますみたいな事が多いのではないでしょうか。購入者はオスは選べてもメスは選択の自由がないと言うのではあんまりだと思います。・・・って言うかそう思ったので、逸品堂ではメスも画像付きで単品販売し購入する方が自由にペアを組み合わせられるようにしました。 じゃあ、逸品堂のメスが最善か?って言うとそんなに世の中は甘くありません(笑)。最近でこそ少しずつ自家繁殖個体を取り扱うようになりましたが、基本的に逸品堂のベタはバンコク産です。したがって、オスメス共にどういった系統でどの程度の固定率かと言う事が正確には判りません。つまり、見た目がそっくりのペアを使って繁殖しても、子供が100%同じ系統で揃うと言う保証がどこにもないのです。 まぁ、個人的にはそっちの方が面白いとは思いますけどね。だって、プロブリーダーじゃない限り、繁殖させた子供が金太郎飴状態で全部同じ表現形ではすぐに飽きが来ちゃうと思います。どうも我が国のアクアリストは純系がお好きなようですが、本来純系とは自分の所で何代も累代飼育して作るべきもので、人様の所から純系のペア貰ってきて繁殖させたものはあくまでも前の所有者の純系だと考えます。まったく私的な暴言をさせていただくならば「まずは自由奔放な組合せでペアリングし、その中から自分の目標を定めて数代かかってその系統を確立する」って言うのが、改良ベタ繁殖の一番の醍醐味だと思います。 ただ、コンテストを最終目標にされる方などは初めからある程度完成されている系統を入手された方が、早く結果を残せるのは確かです。その様な方は、国産の系統を取り扱っている信頼できるベタショップで種親を入手される事をお薦めいたします。逸品堂店主が他店を薦めているんじゃしょうがないんですけどね(苦笑)。それと、おそらくプラカットでは国産の純系と言うのは商業ルートに乗るようなレベルでは確立していないと思います。今回の一連の記事は、あくまでもベタ初心者の方が、お気楽にブリーディングを楽しんじゃおうっ!と言う趣旨で書かれていますので、さらに上を目指す方はサラッと読み流してください(笑) と言うような事で、ベタのメスの選び方に系統や色彩面での制約なんて何もありません。一般にオススメできないと言われている組合せだって、本人が好みであればジャンジャン試しちゃってください(笑)。ただ、奇形を選ばないようにするなどの注意点はオスとまったく同様です。 それと、オスほど明確ではないですがメスにもヒレの形状による区分があります。まぁ、クラウンテールは誰が見たって一目瞭然ですから別として、問題はショーベタとプラカットのメスの区別です。オスならばヒレの長さですぐに判るんですが、メスでは完全な判別は困難です。ちなみに、1枚目の画像がプラカット、2枚目がショーベタのメスです。心もちショーベタのメスの方がヒレが長いのがお判りいただけますでしょうか。実際には、ショーベタ×プラカットと言う交配も頻繁に行われていますので、この両者にははっきりとした境界線はありません。元々は同じ原種ですから、異種間交雑でもありませんしね。 こちらの組み合わせはカラーリングと違い御自由にどうぞって言い切れない部分があります。プラカット♂×ショーベタ♀の組み合わせはまったく問題ありませんが、逆のショーベタ♂×プラカット♀の組合せには少々注意が必要です。と言うのもヒレが極端に小さなバリバリのプラカット♀(笑)を用いると、子供はショーベタと言うにはヒレが短く、そうかと言ってプラカットにしてはヒレの長すぎる中途半端な子供が生まれて来る可能性があるからです。 プロブリーダー達は、このような組合せでプラカットの色彩をショーベタに導入した後、次世代以降でショーベタの系統と戻し交配を行い、最終的にプラカットの色彩を持ったショーベタを作出するのを常套手段としていますが、コレには最低でも数世代の時が必要です。この作業自体は非常に楽しいものですが、保有容器数の少ないアマチュアが気軽に手を出すべき分野ではないと思います。 さらにこの問題を難しくしているのが、バンコクのブリーダー達はショーベタとプラカットのメスをきちんと区別していないって事にあります。ブリーダーのファームでプラカットのメスをタタキ池からチョイスし、次に「ショーベタのメスはどこ?」って尋ねると同じ池を指差された事も何回かありましたからね~(苦笑)。そんな訳で、ショーベタのメスが必要な時は信頼できる国産の系統以外は、明らかにヒレが長く伸長しているメスを選択するようにした方が無難でしょう。
2008/10/30
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それでは、次に種親の選別について少々。今日はオス親について考えてみたいと思います。我が家のような特別な環境は別(笑)として、普通はオス親の選定に苦労する事はあまり無いのかもしれません。と言うのも、ベタを複数尾飼育している方はそれほど多くないでしょうからね。そう言う状況下では、必然的に保有する唯1尾のオスが種親となる事になります。 プロブリーダーやコンテストを目指す人以外は、あまり品種にこだわる必要はないと思います。他人がどう言おうと自分の好きな品種が一番!位のおおらかな気持ちを持ってこの趣味を楽しんでいただきたいと常々考えています。保有尾数が少なく選択肢の少ない人は、以下の2つの点に絞ってオス親の決定を行えば十分でしょう。1.病気になっていない事 すごく当たり前の意見ですが(笑)、意外とベタってコショウ病なんかに罹っていることが多いものです。ほんの少しでも病気を持った個体を親に使うと、せっかく孵化してきた稚魚達にそれが蔓延し稚魚全滅と言う事がよくあります。体力のある成魚と異なり、稚魚は魚病薬の使用に耐えることは非常に困難なのです。その為、繁殖水槽には絶対に病原菌を持ち込まないよう注意すべきです。可能であれば、繁殖前に種親たちは、グリーンFゴールド辺りで軽く薬浴させてもいいくらいです。2.先天的な奇形でない事 もう一つ重要なのが、種親の体に異常がない事です。もっとも、ヒレの痛みや鱗の剥がれなど後天的な物は、次世代に遺伝しませんから気にする必要はありません。それよりも、脊椎骨の湾曲などの先天的な欠陥の疑いのある異常は、遺伝形質である事が多いのでこのような個体は種親に使わない方が無難です。せっかく苦労して育成した稚魚が、育ってみたら奇形だらけだったら目も当てられませんから。 まったく個人的な見解ですが、体の水平を上手く保てず水底をヘコヘコ泳ぎ回る所謂「ベリースライダー」も、少なくともベタの物に関しては遺伝的な欠陥だと思ってます。ただ、ベリースライダーで困った点は、幼魚の時にベリーだった個体でも何割かは成魚になると普通に泳ぐようになるってところにあります。これは成長と共にベリースライダーが完治したのではなく、遊泳力が付いたので一見普通に泳いでいるように見えるだけのような気がしてなりません。実際、この手の個体は老成すると、また水底をヘコヘコ泳ぎ回るようになりますから。このような潜在的ベリーは外見からは判別しにくいので実に困ったものです。 プロブリーダーなど、系統の維持や純系の確保に気を使う人以外は上記の2点に絞れば、後はお気楽モードで種親選んで結構だと思います。ただ、もう一つ困った事があるんですけどね(笑)。それは、繁殖に使うとメス親だけでなくオス親もヒレとかにかなりのダメージを受ける確率が高いって事です。 ヒレの短いプラカットであれば、繁殖後もオス親はヒレなどにまったく損傷が無いケースも多々有りますが、これがショーベタともなると、ほぼ確実にオスのヒレはボロボロになり観賞価値は著しく低下します(涙)。例えば、今日の1枚目の画像の個体を繁殖に用いた所、繁殖後ヒレが裂けてしまい、最終的には2枚目の画像のような姿に・・・。もちろん、健康面ではいたって正常なのですが、観賞面から言うと既に終わってます。 手持のオス親をいつまで観賞目的で楽しみ、どのタイミングで繁殖に用いるか非常に悩ましい所です。あまりに老成した個体は繁殖能力が低下しますから、ある程度は決断を迫られます。もっとも、この状況はプロブリーダーやコンテストブリーダーも同様で、コンテストには当然手持の個体の中から一番クオリティの高い個体をエントリーさせたい・・・けれど、当然種親にも一番クオリティの高い個体を持ちたいし・・・。まぁ、悩みと言っても裏を返せばコレが趣味の醍醐味なんですけどね(笑)。
2008/10/28
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ベタは産卵の際に水面にオスが泡巣を作ることで有名です。自然界ではスイレンの葉の裏などを利用して泡巣を作りますが、水槽内で何も水面に浮かんだものがない場合は水槽の隅に泡巣うを作る事が多いようです。しかし、何らかの補強材(睡蓮の葉のような)がない場合、ちょっとした水面の振動や風などで巣が崩壊してしまう事も珍しくありません。 そんな時に便利なのが、今日紹介するコレっ!発泡スチロール板を適当な大きさにカットし、さらに中を切り抜いた状態のものが画像に写っていますが、産卵の際にはスチロール板の内側を用います。あっ、外側もこの後使用しますので捨ててしまわないでくださいね。 使い方はいたって簡単で、このスチロール板の切れ端を水面に浮かべておくだけ。たったコレだけの事ですが、他に水面に浮かんだものが無い水槽の場合ほぼ確実にこのスチロール板の下に泡巣を作ってくれます。 実はこのスチロール板は泡巣の補強材としての効果だけでなくもう一つの利点を持っています。私は物理関係は見事にダメな男なので正しいかどうかは定かではありませんが(笑)張力?って奴の力でしょうか、このスチロール版をガラス面に近づけるとピタッと水槽のガラス面に接地した形で固定されます。この性質を利用して、泡巣を水槽内で一番観察しやすい場所に作らせるのが容易になると言う訳です。 特に老眼の傾向が強い私のようなものにとって(涙)、水槽の奥の方で泡巣とか作られちゃうと、観察しようにもボンヤリとしか見えないので非常に辛いのです(苦笑)。また、水槽の前面に泡巣があれば、産卵後の卵の状態や孵化のタイミングなども正確に把握しやすいと思います。 実際の所、水面に浮かぶ物体であればなんでも代用できます。ただ、今後稚魚の育成の際に残った外枠の方が必要になる為、廃物利用ではありませんが作業後に必然的に入手できる(笑)、スチロール板の切れ端を使うのが「正しいエコ道」ってもんかと思いまして。ちなみに、我が家で用いているスチロール版はダイソーで購入した『カラーボード5色』って奴で、20×15cmサイズの発泡スチロール板が5枚入って100円でした。
2008/10/25
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さて、それではそろそろ繁殖用水槽のセッティングに取り掛かる事にしましょう。ベタの繁殖で絶対に必要と思われるのは、水槽と水位なもんです。あっ、後ベタのペア(笑)。極端な話、保温の必要が無い夏場ならバケツに水張って屋外に設置し、そこにペアを導入してもまったく支障なく産卵してくれますから嬉しいもんです。でも、やはり繁殖の際にあった方が便利って言う小物も当然存在する訳で、そんな小物をいくつか御紹介しましょう。 改良ベタ(スプレンデンス種)のオス親は、別名闘魚って言われるくらい同種間の闘争本能が旺盛な生き物です。困った事に、このファイティングスピリットはライバルのオスだけでなく、パートナーとなるべきメスにも向けられてしまうから困ったものです。水槽内には水しか入っていない所謂ベアタンクで繁殖を試みた場合、かなりの確率でメスはお亡くなりになります。運良く助かった場合でも、ヒレはボロボロでボディもズタズタの悲惨な状況になる確率が高いでしょう。 そんな訳で、ベタの繁殖水槽内にはメスの避難所を必ず設置しましょう!(笑)。要はオスの執拗な攻撃を防げればよいのですから、ちょうどオスの死角になるようなポイントを水槽内に作ってやればよいのです。ウィローモスやミクロソリウムなどの水草を用いてもよいのですが、水草を使うとどうしても水槽内に病原菌や巻貝の卵など、産卵の際に好ましくない輩が侵入する危険性が高まるので、個人的にはオススメできません。一番簡単なのは、ホームセンターなどで小さな素焼きの植木鉢を購入し、帰宅後「空手チョップ」でおおよそ半分に割ったものを水槽に沈める事です。ちなみに、「空手チョップ」でなくてももちろん構いませんが、いずれにしても渾身の力で粉々に粉砕しない様にすることが大事です。それと、当然の事ですがホームセンターの園芸売り場で「植木鉢割の実演会」とかやらない様にね。ただ、半欠けの植木鉢を使用した場合、目敏いと言うか執拗なオスによっては植木鉢の中に潜むメスを探し出して攻撃を仕掛ける奴もいますから、絶対に安全とはいえません。 そこで登場するのが、今日ご紹介のコレっ!別に100均で購入してきたパーティ用の「ズラ」じゃありません(笑)。アクリル毛糸を繁み状に束ねたものです。本来はカラシンやコイ科魚類の繁殖に最適な産卵床ですが、ベタメスの避難場所としても非常に優秀です。水底の半分くらいにモアァと広がる位の塊を沈めておけばほぼ確実にメスはオスの攻撃から身を隠す事が出来ます。中には、余程この場所が快適なのか産卵時になっても一向に毛糸の繁みから姿を現さないメスもいますが、そんな奴は元々繁殖能力が希薄と割り切って考えましょう。普通のメスであれば、機が熟せば隠れている場所から自分で出てきて、オスの作った泡巣の下に行くようになります。 一度作っておけば、ベタの繁殖だけでなく様々な魚の産卵床として非常に重宝しますから、ベタ愛好家なら一家に一つは所有していても損はありません。
2008/10/24
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さて、今日はベタ繁殖の際の水について少し考えてみたいと思います。ただ、実は水質に関しては一番記述が難しいんですよね~。と言うのも、例えば水道水って言っても日本全国かなりの差があるため一まとめに括って話をする訳にもいきません。そんな事と、あんまり難解な話なんて読みたくないと言う人のために、ここではザッと表面的なお話だけにさせていただきますので、変な期待(笑)をもっていた方にはゴメンなさいしておきます。 東南アジア産の熱帯魚の多くは弱酸性の軟水に棲息していると思われがちですが、実際には地域によって大きな差があります。例えば、ボルネオのジャングルの中を流れる細流はウーロン茶みたいなブラックウォーターで、かなり酸性です。これは、落ち葉などから染み出すタンニンなどが大きな要因となっている為で、川の上流の渓流みたいな処では水は透明ですし、それほど酸性に偏ってもいません。 また、メコン流域はどちらかと言うと中性から弱アルカリ性の水質を示す場合も多くバンコク近郊のベタファームの水質などはかなり強いアルカリだったりする事さえあります。幸いな事に我らがベタは水質に対する順応性が高いため、まぁ我が国で人間様が飲料に用いている水道の水であればまず問題なく飼育・繁殖できると思います。・・・と言ってしまうと、ここで繁殖の際の水質論は終了してしまうので、もう少し話をひっぱって行きましょうね。 前述のように、ベタ(改良ベタ)は非常に丈夫なので水道水の蛇口から出てきた水をそのまま使用してもまず間違いなくへっちゃらです。極端な話、塩素中和なんてしなくても成魚のベタならばびくともしません。あっ、これはあくまでもボディの話であって、この方法でショーベタのデリケートなヒレ先が溶けちゃったって、まったく関知しませんからね(笑)。ただ、やはり我が家でも塩素中和剤を使用しています。正確に言うと、塩素中和のためではなく重金属中和効果のために使っています。実は逸品堂が業務拡大した際に、自宅の温室では手狭になったため近くの部屋を借りて、そこを飼育ルームにしているのですが、集合住宅の配管内とか貯水槽とかは色々とマズイ事が多いと考え、必ず中和剤を使うようにしています。 個人的に一番のオススメはスドーが輸入販売しているストレスコートなんですが、最近スドーさんに売る気がないのか、製造元のアクアファーマ社がやる気がないのか、ショップで見かけることが非常に少なくなってきたのは実に残念です。他にも重金属中和効果を併せ持ったコンディショナーは各社から発売されていますから、せっかく塩素中和剤を使うのなら重金属中和効果を併せ持った奴を使いましょう。たとえそれが気休め程度の効果だとしても・・・。 水道水を中和して、水温を25-30℃くらいにセッティングすればベタの繁殖用水の完成ぃ~!なんですが、私はこれに加えて粗塩を少々ブッコミます(笑)。要は、繁殖用水の硬度を少し上昇させるのです。何でこのような事をするかと言うと、我が国の水道水はかなり硬度が低めの事がほとんどです。多くの熱帯魚の飼育には申し分ない水質なのですが、硬度が低い水は水質の急変が起こりやすいと言う問題があります。繁殖用水槽のように、産卵・孵化後大量の稚魚用フードを投与するような環境下では、水質は老廃物や餌の残りが原因の亜硝酸やリン酸などでかなり強い酸性になってしまいます。 もちろん、そうならないために水を替えればよいのですが、やたらに小さな稚魚がワンサカいる水槽の水を交換するのは非常に大変です。まず間違いなく、かなりの数の稚魚を水槽内の水と共に排出してしまう事は必定でしょう。したがって、出来るだけ初期の水替頻度を減らそうと言う目的で、粗塩って言う訳です。肝心の使用量ですが、うーんこれが難しい処です(笑)。元となる全国各地の水道の水質が一定じゃないですからね~。ちなみに私の処では水道水10リットル辺り15g程度の粗塩を投入していますので、大まかな目安としていただければと思います。 そうそう、使用する粗塩のブランドはなんでも結構です。「赤穂の塩」でも「博多の塩」でも(笑)。私の所では「スペインの塩」って言う得体の知れないブランド使ってますが、これは単にこの塩を売っている100円ショップが一番近くにあるというだけの話です。それと、精製塩はダメですからね。ここでは塩化ナトリウムに期待しているのではなくニガリ成分であるカルシウムやマグネシウムの効果を求めているのですから。もちろん、アジシオも止めた方が無難です。ちなみに、アジシオを水槽の中に投与すると水が白濁しますが、そんなことはどうでもいいか(笑)
2008/10/22
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それでは完全に私的見解だけで展開するベタ繁殖論の始まりです(笑)。今日は繁殖用水槽について考えてみたいと思います。通常、魚の繁殖を手がける際には繁殖用水槽はサイズが大きければ大きいほど、繁殖成功の可能性は高くなるものです。例えば、45cm以上のクラスの水槽を用いれば、気が抜けるほど簡単に繁殖できるオデッサ・バルブあたりも30cm水槽とか使うと、オスがメスを激しく追い回すだけでなかなか産卵行動までたどり着けないものです。 その点、「ベタは所選ばず」と言った感じで極端な話2リットル程度の容量のプラケースでも繁殖させる事は可能です。ただ、水槽が小さければ繁殖の際にメスがオスに追い回され逃げるスペースが少なくなる訳ですから、産卵の前後にメスがボロボロになる危険度は増大します。また、稚魚の育成期に水槽の容量が少ないとそれだけ水質悪化の危険性が高まります。 じゃあ、60cm水槽とかがオススメかというとこれも問題が(笑)。産卵までは、大きな水槽の方が楽ですが、稚魚が孵化してから給餌の際にあまりにも広範囲に稚魚が散らばっていると均一に餌を与えるのが難しくなります。遊泳力のほとんどないというか、稚魚の内は水中をポワァ~ンと漂うだけのベタ稚魚は、一ヶ所に餌を投入するとそこにワァッと集まってくるような事がないため、広すぎるスペースは特に使いにくいものです。 結論を言うと、1ペアのみの繁殖を狙うのであれば20cm角のキューブ水槽や30cmのガラス水槽、つまり水量10リットル前後のサイズが一番使いやすいと思われます。また、保有水槽がそれ以上のサイズの場合は、水深を浅くつまり水量を少なめにすれば同じ事です。例えば36cm水槽はサイズは30cm水槽よりほんの少しだけ大きい感じですが、水量的には1.5倍以上ありますので、36cm水槽に半分程度水を張って繁殖させ、稚魚の育成に併せて徐々に水量を増やしていけば、それだけ安定した飼育水がキープできると言う利点もあります。ちなみに、我が家では繁殖水槽群(笑)は冒頭の画像のように36cm水槽が縦置きに多数並んだ物となっております。 次回は、「繁殖に適した水」について独断と偏見に満ち溢れた持論を展開する予定です。
2008/10/20
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逸品堂に皆様からいただく問合せで何と言ってもダントツに多いのがベタの繁殖についてのご質問です。私自身、プロブリーダーではないのでそれほど詳しい訳ではありませんが、その都度わかる範囲でお返事を差し上げています。別に毎回同じようなお返事を差し上げるのに飽きた訳ではありませんが(笑)、ここで一つ「まったくもって私的なベタ繁殖論」と銘打って我が家でのベタの繁殖について少し詳しく御説明したいと思います。本当は逸品堂のHPで「ベタの繁殖と言う」ページを立ち上げればよいのでしょうが、中々まとまった時間が取れないため伸ばし伸ばしになったまま今日に至っています。 そこで、このブログをお借りして少しずつ繁殖についての記事をアップしていき、後日一通り終了した時点で、編集して逸品堂のHPの方に「ベタの繁殖」ペーシを作ろうと言う、実に安易な発想でスタートしてしまいます。 あらかじめお断りしておきたいのですが、あくまでも私個人の私的な方法論ですので「自分の所ではそうじゃないっ!」とか「書かれていたとおりにやったのにうまくいかんっ!」と言う抗議や文句は御勘弁ください(笑)。あくまでも対象が生き物だけに、機械と違っていつでも同じ答えが導き出されるとは限りませんので・・・。 本来であれば、ベタの繁殖に最適なシーズンと言うのは保温の必要のない夏なので、「なぜ、この時期にわざわざこんな規格立ち上げるんだろう?」って言う疑問は持たないように。もちろん、たまたま数人の方から「ベタの繁殖が上手く行かないんですが」って言うお問合せをいただいたので、個別に返事をするのが面倒になった訳じゃありませんからね!よ~くその辺の所理解して下さいますよう、お願い申し上げます。
2008/10/18
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今回仕入れてきたプラカットのうち、ピンク・マルチという品種についてお二人の方から相次いでご質問をいただきました。お二人とも「ピンク・マルチってどんな色ですか?」と言うお問い合わせだったので、これを機にブログでも説明を加えておこうと思います。 まぁ、当然のことながら全身がピンクベースの品種であることは確かなのですが、まだ品種として確立しているほどではないようでその表現形は大きなバラツキがあります。おそらくは、元になる品種から来るものなのでしょうが2つのタイプに大別できるようです。 一つ目がトップの画像のように、ボディは淡いピンクでヒレは濃いピンクのタイプ。これは、品種作出のどこかの時点でカンボジアと言う品種を使っているのでしょう。ちなみにカンボジアとはボディがクリームホワイトで各ヒレが朱赤の古典的な品種です。このタイプの特徴はボディの淡いピンクが美しい発色を見せる事にあります。反面、ボディの地色が淡色系の為か、ボディに染みのように暗褐色の模様が入っている場合がほとんどです。 もう一方のタイプは、ベースがソリッド・レッドなのでしょう、全身がほぼ均一に濃いローズピンクに染まります。ベースとなるソリッド・レッドに良質な個体を用いれば、ソリッド・ピンクの作出も可能と思われるのですが、なぜかそのような個体を今まで目にした事がありません。2番目の画像のように、鱗が暗褐色に縁取られている個体ばかりです。 決して稀少な品種ではありませんが、バンコクのブリーダー達が意識して作出しているような感じがなくどちらかと言うと偶発的な品種のようです。日本人にはかなり受ける色調だと思うのですが、これも国民性の違いなんでしょうかね~?その為かどうかは判りませんが、今のところ明らかにピンク・マルチのメスと判断できるようなメス個体にもお目にかかったことがなく、眼にするのはオスばかりです。また、ほとんどの個体は、鑑賞面から言ってお世辞にも美しいとは言えない物で、とても仕入れる気になりません。綺麗な個体と言う点から考えればかなり稀少と言うことになると思います。 ご質問をいただいた一方の方から「遺伝的には固定されているのでしょうか?」と言うご質問も併せていただきましたが、メスを入手した事がなく親しいブリーダー達が手掛けていない為、情報を入手する事も出来ないので、どの程度固定された品種なのかは私には判りません。ただ、市場に出回る個体の表現形のバラツキから考えると、まだ固定率はあまり高くないのではないかと想像されます。特に、メスにカンボジア系を用いた際の次世代の表現形に関しては、私の乏しい知識ではなんともお答えのし様がないと言うのが、悲しいながら現状です。 種親のメスと言う事であれば、私的な意見ではありますがカンボジア系よりも全身がやや青みがかった、体中に余計な発色のないパステルホワイトの個体がよろしいのではないでしょうか。・・・って、そんなメスを入手する事自体があんまり容易ではありませんけど(苦笑)
2008/10/16
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相変わらず金木犀の猛烈な芳香(苦笑)の毒気?のダメージで絶不調のさかなおやじですが、いつまでもダウンしている訳にも行かず週明けの今日から通常のビジネススタイルに戻しました。そんな訳で、個々のところサボりがちなこのブログもそろそろペースを戻さないとね。 今回のバンコクは、本業の為のイギリス出張の帰途にほんの申し訳程度に立ち寄っただけなので、ベタの仕入れに費やした時間は過去最短だったかも(苦笑)。それでも、結構面白い個体に出会えるところが、バンコクベタ業界の底力なんでしょうね~。 今回目にした個体の中で、個人的に一番インパクトがあったのが今日紹介するオレンジ・バタフライでした。今までも、ヒレ先がクリアに抜けるタイプのバタフライは何度か眼にしていたのですが、今回のように各ヒレの先端部分がホワイトバンドで見事に縁取られている個体はお初でした。このオレンジ・バタフライに限らず、個々最近のバンコクベタ界の流行は、どうもオレンジの様で、オレンジパステルやらオレンジ・マスタードガスやら体のどこかにオレンジの発色が見られる個体が数多く見受けられます。イエロー同様、日本人に好まれる色調かどうかはともかく間違いなくある程度の地位を確立したようです。 ただ、チョット気がかりなのがこの品種がプラカットではなく、ショーベタとしていきなり登場してきたって事です。なんだか、最近はバンコクのプラカットブリーダーにかつての勢いがないような感じがします。以前は、改良ベタの新色はまずはプラカットから発信され、その後ショーベタに移行していくのが筋道だったのになぁ~。 現在のバンコクで、そこそこのレベルのショーベタを探すのはかなり容易です。観光でバンコクに行った人でも、上手くすればかなりのクオリティの個体がビックリするほど安く入手できるかもしれません。下手すれば、わざわざ現地に出向かなくってもネットでバンコクのブリーダーに注文するだけで入手可能ですから(苦笑)。でも、プラカットの逸品を探すのは以前より格段と難しくなってきたのは間違いないようです。また、各ブリーダーが手掛ける系統が共通するようになってきたのも心配なところです。以前は、ブリーダーが10人いれば最低でも10品種以上は確実に仕入れ可能だったのに、今ではどのブリーダーも同じような品種を手掛けていたりします。 ショーベタよりもプラカットのほうが好きな私にとっては非常に心配な方向に進んでいると言う危機感が募ります・・・。やっぱりここは、逸品堂で自社ファームバンコク郊外に立ち上げないと駄目かぁ?
2008/10/14
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全身けだるさに包まれながら、何とか無事帰国いたしました。ただ、日本に着いたとたん、体調はさらに悪化する羽目になりました(涙)。理由は・・・金木犀です。以前から私のブログをご覧いただいている方はご存知かもしれませんが、私は金木犀の香りアレルギー?のようで、あの匂いをかぐと微熱・鼻水・眼のかゆみなどまるで花粉症のような症状が起きてしまうのでした(苦笑)。うーん、こんな事ならもう2週間くらい海外にとどまっていればよかった。 ところで、海外出張前に行ったオークションでの問題が私の予想以上に波紋が広がっていると言うか・・・。まぁ、同情的なコメントの方から批判的な方まで両極端ですが、どちらも貴重なご意見として、コメントをいただいた方には感謝感謝!ただ、今後もこの件で延々と話が続くのも、金木犀のダメージでぐったりしている私にはやりきれないので、ここで私の現在の考えをご披露させていただき、この件は打ち止めとさせてください。 まず。はっきりさせておきたいのは今回私が問題にしたのは連絡の取れない落札者ではなく、Yahoo!の対応についてであると言う事です。確かに「いついつまでに引き取り可能な方のみに入札を限定」と商品説明で明記してあった以上、たとえそれが断りのメールだとしても、なんの返答もいただけないと言うのは問題だと思います。ただ、落札者の方にも何らかのご事情があって、連絡できなかったのかも知れませんから、一概に決め付けてしまう訳には行きません。 出張前のブログでは時間が無かったこともあり説明不足でしたが、一連の流れは以下のようなものでした。・急な海外出張が入り、留守中ベタが駄目になるくらいならばと言う事でオークションに急遽出品。出張前に取引きを完了しなくてはならないため、商品説明文に期日までに取引完了できる方に入札を限定と明記。・複数出品したベタのうち6個体の落札者(2名)が、落札後こちらからメールを出しても音信不通。この2名は、他の出品者の所でも音信普通のようなコメントが多数見られたのと、出張当日が来てしまったので、オークションを取り消す。・その後Yahoo!の管理者から「あなたは次点の落札者に権利を移行しなかったので、大変悪い出品者です」と言う評価が付けられる。 まぁ、ざっとこんな流れです(笑)。確かに、次点落札者に移行しないと「大変悪い出品者です」と言う評価が付いてしまうのは、規約を見ると理解できます(納得は出来ませんが)。ただ、今回のケースで一番の問題はこのトラブッた6個体すべてが、落札者と2番目の入札者が問題のある2人だということです。しかも、4個体は入札者はこの2名のみです。オークションを取り消す際に、画面で「この落札者をブラックリストに載せますか?」と言う文言があったので、彼らには申し訳ないですが以後のお取引を遠慮したかったので、迷わずリスト入りさせました。 Yahoo!側や、今回批判的なコメントをお寄せくださった方は規約だからおっしゃいますが、少なくとも4個体に関しては取引可能な落札者が存在しない状態なのです。もちろん、ブラックリストに載せてしまうと、以後その方とのお取引は自動的に出来なくなってしまうシステムになってます。私がYahoo!の対応で怒りを覚えるのが、このように次点入札者に移行しようにも出来ないケースでも、杓子定規に「あなたは次点落札者に権利を移行しなかったから、非常に悪い」って言う評価を下し、それを改めようともしないばかりか、質問メールに対しての返答すらないと言う姿勢に対してです。 第3、第4の権利者があった2個体に関しては「非常に悪い」と言う評価も甘んじて受けましょう。ただ、次点の権利者が事実上存在しない4個体の評価に関しては、Yahoo!のシステム上の不備としか思えないんですけどね。 個人的にはこの件はここで終わりにしたいと思いますが、今後もご意見などあった場合は真摯に受け止め、可能な限り返答をしていきたいと思います。ただし、感情的なメールなどは誠に申し訳ございませんが、こちらで削除させていただく事になりますので、誠に勝手ながらあらかじめご了承ください。
2008/10/11
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