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今年も2009年の1年間で、私ねぼすけが読んだ89冊の本の中で、お勧め(少なくとも読んだ時間がもったいなくない)本の個人的なランキングを、2008年ランキングに続いて発表します。したがって、2009年以前に出版された本も含まれています。 その前に、私ねぼすけの読書の作法を紹介します。電車通勤の会社までの往復時と出張時の交通機関の中やその他細切れの時間を利用して、2-3冊並行して読むのが読書のスタイルです。昨年度と少々読書環境が異なり、一週間で1-2冊程度読むペースになる予定です。 また、本の入手方法は、三通り。一つ、この本を読もうと思う際にはアマゾンか楽天で発注、二つ、新書は近くの本屋で古本はブックオフなどでぶらぶらと見て気になる本があれば購入、三つ、自宅から少し遠い図書館で借りる、この三つがだいたい冊数にして1/3づつ程度を目標とするポートフォリオを目指す予定です。 興味がある本のジャンルは、自然科学系(最近は生物学、物理学)・ビジネス人文社会系(特に経営・マーケティング分野、最近は心理学・社会学も)・今話題の本といった所。ほとんどがノンフィクションで、小説やハウツー本はめったに読みません。特に小説は、面白い本を読みだすときりがなく、後をひくことを恐れてあえて避けています。それでは、発表です。第 1位 利己的な遺伝子 (リチャード・ドーキンス、紀伊國屋書店:2006.5) 文句なく第1位。進化とは、遺伝子が生きのびることとであり、生物自体は、我々人間も含め、遺伝子が住むための生存機械であるとの衝撃的主張がこめられている。この本を読めば、全く専門的知識がなくとも、遺伝子に対する筆者の意図が十分に楽しめて納得するであろう。更に、「盲目の時計職人」・「虹の解体」・「神は妄想である」と一連に読めば、R・ドーキンス流の進化論の全てが分かる。第 2位 反貧困-すべり台社会からの脱出(湯浅誠、岩波書店:2008.5) 今の日本の貧困問題を取り扱う本の中でも、出色かつ必読の書。具体的事例を踏まえた上で、統計データも活用した分析やその論理的な主張を述べ、圧倒的な説得力がある。この本こそ、難しいことを易しく・易しいことを深く・深いことをおもしろく記述していると言える。第 3位 希望格差社会(山田昌弘、筑摩書房:2004.11) 日本の格差問題を取り上げた最初の本であり、問題提起を行った出色の本と言ってよい。社会が不安定化する中で、若者の勝ち組と負け組の格差がいやおうなく拡大し、努力は報われないと感じた人々から希望が消滅し、将来に希望が持てる人と将来に絶望している人が分断されている現代日本の社会を強烈に主張している。第 4位 日本にノーベル賞が来る理由 (伊東乾、朝日新聞出版:2008.12) 筆者の、ノーベル賞(特に物理学賞)に対する非常に深い洞察と博識に圧倒されること間違いない。読後、基礎科学と文学や平和の問題が、実は密接に関連することがわかる点で、ノーベル賞に対する見方が読む前と変わること請け合い。第 5位 生命-最初の30億年 (アンドルー・H・ノール、紀伊國屋書店:2005.7) 古生代・カンブリア紀にカンブリア大爆発と呼ばれる多種多様な生物が現れるまでの、35億年前から5億年前の「最初の生命の30億年間」に何があったのかを分かりうる範囲で、なるべく仮説に偏らず科学的な事実を元に述べたすぐれた本。生命の起源に限りなく近づく。第 6位 イノベーションの達人(トム・ケリー、早川書房:2006.6) イノベーションを起こすために必要な人材の特徴を10列挙して具体的に解説した本である。述べられていることやその事例は非常に興味深く、引用や語彙も気が利いている。惹きこまれること間違いない。第 7位 高学歴ワーキングプア (水月昭道、光文社:2007.10) 就職先が乏しいにもかかわらずなぜ多数の博士卒を持つ人が多くなったのかという疑問の答えが、この本には書いてある。曰く、「大学院重点化政策の名の元に、大学院へ進学する大量の学生(収入源)確保を図ると同時に、一流大学の大学院卒の研究者が二流・三流大学の教員ポストを独占することによって、全体の教員ポスト需要数とドクター供給数が著しく乖離したことによって、大量のドクター・ポスドクのフリーターが発生した」と。説明が簡潔で分かり易い。第 8位 クルマは家電量販店で買え(吉本佳生、ダイヤモンド社:2008.11) 「スタバではグランデを買え」の続編としての分かり易い経済学の第2弾。経済学の基本であるモノやサービスの価格決定メカニズムを、身近な例を多用して非常に分かり易く示した本である。前作は、機会費用・取引コストを中心とした経済学の基本の解説であり、今回はもう少し応用編といった、ゲーム理論や政治・社会面の要因も踏まえた解説本である。第 9位 脳のなかの幽霊、ふたたび (V.S.ラマチャンドラン、角川書店:2005.7) 神経科学者でもある筆者が、脳の仕組みを一般の方々に身近に感じてもらえるようにしたいとの思いで執筆された本。脳の一部が損傷する事例でもって何の機能が損なわれるかという事実が積み重ねられてきたにすぎず、根本的な脳の仕組みは未だ全く解明されていないことが分かる。第10位 最高学府はバカだらけ (石渡嶺司、光文社:2007.9) どうして大学生はバカだらけになってしまったのか、また、そんな学生を一人でも入れようとする大学側の事情とはなんなのかを、筆者が取材を通じて得た証言やデータを多用して分析した本である。内容が具体的であるがゆえに、タイトルも秀逸で新書としてとても面白く仕上がっている。 ちょっと好みが偏っているかも知れません・・・
2009.12.23
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この半年間、読了のままたまっていた本の書評をUPできました。仕事でもプライベートでも環境に大きな変化があり、パソコンに向かう時間がとれなかったことと、読書のための時間そのものが上手に工夫できなかったことが要因です。これからは、ぼちぼちとおこなっていきます。
2009.12.23
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トム・ケリー、ジョナサン・リットマン(鈴木主税=訳)「イノベーションの達人! 発想する会社をつくる10の人材」(早川書房、2006.6)を読んだ。プロダクトデザイン会社IDEOのゼネラル・マネジャーが執筆した、イノベーションを起こすために必要な人材の特徴を10列挙して具体的に解説した本である。イノベーションとは言え、製品・サービスのデザイン面やマーケティング面での成功のコツ・ツボであり、技術開発・技術革新ではない。 しかしながら、述べられていることやその事例には非常に興味深いことがたくさんある。「人類学者」としての特性は、なんども見たことがあるのに・初めて見たような視点で見れることであったり、「ハードル選手」としての特性は、どんなに悪い状況でも一筋の明るい希望を見つけることであったり、「経験デザイナー」としての特性は、何が真実かを嗅ぎつける勘をもっていることであったり、「語り部」としての特性は、要するにと思いつつ話を聞かないことだ。 また、引用や語彙も気が利いている。・「私は失敗したことがない。一万通りのうまくいかない方法を発見しただけだ」 by トーマス・エジソン・「私はいつでも学ぶ用意があるが、かならずしも教えられることが好きなわけではない」 by ウィンストン・チャーチル・「ビジネス・リーダーは、事実と真実の違いに意識的であるべきだ。企業はあまりにも 事実ぎりぎりのところで語りすぎ、本来はもっと中心部の真実を貫徹すべき」・「私たちの多くは、他人の物語を理解するとき、近道をしようとする悪い癖がある。」 自分がもっとクリエイティブな部門にいたら、もっともっと感動したと思う。でも、非常に良い本には違いない。(評価 星五つ:★★★★★)イノベーションの達人!
2009.12.23
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相田洋(あいだ・ゆたか)「NHK 電子立国 日本の自叙伝[下]」(日本放送出版協会、1992.2)を読んだ。かつて半導体王国・日本と呼ばれた電子立国が、いかにして生まれ築きあげられたのかを日本の半導体文明の発達を担った人たちへの豊富なインタビューと史実に基づき、海外も含めた半導体産業の歴史的全貌を描いたドキュメンタリーである。下巻は、米国発の半導体技術を、日本独自の新技術をからませながら日本での電卓戦争を経て集積回路からLSIチップへと進化して世界に日本が羽ばたいてゆく話が描かれている。なお、上・中・下巻の後に完結巻があるようで、またいつか読んでみようと思っている。さすがNHK番組だけのことはあり、DVDも出版されているようだが、本書もそれなりの読み応えがある。 当時、日本が主に米国の技術を模倣して経済成長をし、基礎研究ただ乗りと非難されたが、真似だけでここまでできないし、模倣先の米国を超えることはない。真似だけならば他の国でもできるだろうが日本は「自らは歴史の流れを変えるほどの技術を生み出せないけれど、いったん方向が明確になり標的が決まると、またたくまにオリジナル技術に迫り越えていく力が日本にはあった」ために成功したのである。そしてそのために、日本の技術者はよく考え・力の限り努力したのだということが本当に良く分かる。 また、LSIの牽引車が米国はNASAと国防総省であったのに対し、日本人には算盤で慣れ親しんだ民需の電卓であったことも幸いした。やはり、競争ないところに発展なしである。そして、made in Japanは高品質というブランドも獲得していく。時代の歯車は、いったん動き出すと良い方向良い方向へ流れていくものだとつくづく思う。逆に、今の日本の状況を見れば分かるように、いったん悪い方向へ狂い出すと歯車は、おいそれとはもとには戻らないことがわかってしまう。 技術者であれば、電機業界に関係のない者も必読(必見)の本(DVD)だと思います。
2009.12.23
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相田洋(あいだ・ゆたか)「NHK 電子立国 日本の自叙伝[中]」(日本放送出版協会、1991.12)を読んだ。上巻の読了から時間は経ったが、これもまた面白い本であった。かつて半導体王国・日本と呼ばれた電子立国が、いかにして生まれ築きあげられたのかを日本の半導体文明の発達を担った人たちへの豊富なインタビューと史実に基づき、海外も含めた半導体産業の歴史的全貌を描いたドキュメンタリーである。中巻は、米国ベル研究所で生まれた半導体が、様々な経緯を経てゲルマニウムからシリコンへ、またトランジスタの製造法の核心がどのように生まれ、集積回路へ飛躍していったのかが描かれている。 初期のトランジスタは、ほぼすべて米国が主要な技術を開発したといってよい。日本は、ただ後を追っていただけで、特許にかいくぐり抵触しない別な方法を開発したにすぎない。とはいえ、昔の日本の企業は、日本人が発明したものを工業化することに長けていない。八木アンテナしかり、マイクロウェーブしかり、フェライトマグネットしかりである。すべて日本で生まれながら、外国が工業化している。日本人が発明して日本で工業化したものは、ビニールとグルタミン酸ソーダぐらいしかない。 実際、半導体生産に非常に重要な初期技術である、酸化膜法・ガス拡散法・プレーナ技術・集積回路技術は、米国の発明個人名が特定できるほど米国である。だが、その初期の半導体集積回路の需要先としては米国が軍需と宇宙開発であったのに対し、日本は電卓を中心とした民需であったことが大きな違いである。そのことは、下巻に詳しいのでまた別途・・・。評価も、下巻で行います。
2009.12.23
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独立行政法人科学技術振興機構社会科学技術研究開発センター=編者「科学技術と知の精神文化 -新しい科学技術文明の構築に向けて-」(丸善プラネット、2009.3)を読んだ。本書は、JST主催のワークショップ講演・討論の再編集である。 最近、民主党政権の事業仕分けで色々な意味でやり玉にあがった科学技術であるが、本書は、科学技術の歴史からこれからの科学技術文化の構築に向けた議論まで、様々な奥深い内容を含んでいる。ただ、ほとんどの参加者が学者であり、その専門知識に基づく質問や専門用語を用いた論旨の構築など、どこか見知らぬ土地での見知らぬ人々のお話といった感もないことはない。従って、記憶に残る具体的内容がほとんど思いつかなくて残念。(評価 星三つ:★★★☆☆)科学技術と知の精神文化
2009.12.23
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山田昌弘(やまだ・まさひろ)「希望格差社会 -「負け組」の絶望感が日本を引き裂く」(筑摩書房、2004.11)を読んだ。「パラサイト・シングル」や「婚活」の造語を名付けた社外学者の書である。社会が不安定化する中で、若者の勝ち組と負け組の格差がいやおうなく拡大し、努力は報われないと感じた人々から希望が消滅し、将来に希望が持てる人と将来に絶望している人が分断されている現代日本の社会を「希望各社社会」と名付けている。 これまで例外的とされ社会問題とはならなかった、教育・受験・就職・職業・結婚・生活そのすべてで格差が問題視されその要因を説く幾多の書物があるが、本書はその格差問題の最初の本であり、問題提起を行った出色の本と言ってよい。少し若者に厳しすぎるきらいはあるが、豊富なデータと緻密な分析には迫力さえ感じる説得力がある。 潔く諦めること・足るを知ることは古来、「サムライ」や「武士道」に込められた日本の美徳であった。一方で、現代では、諦めたらそこで終わりなんだ!とか、全員が無限の可能性を秘めているんだ!とかいった言葉が新鮮で強烈に、個性というベールを纏ったまるで信仰の教義のように語られたこともあった。ちょっと冷静になれば、どちらがより正しいのかは分かると思うが、今やその「希望」としての可能性さえも、過去から続くその人の置かれたデフォルトとしての現在の地点が、将来の取りうるより良い選択肢としての道が、極端に可能性があるのかないのかが明らかになってきたということであろう。 そんなことは、生まれながらに貧乏か金持ちであるとかの生活・教育環境や、就職に対する受験戦争・大学偏差値の位置づけなど、昔から本質的な状況はさほど変わってはいない。すなわち昔から、より上を・より良い生活環境を目指す上での、合理的な「あきらめ」させるシステムは連綿と継続している。根本原因は、一億総中流時代からいきなり、制度的な担保もなしで一億総競争的勝ち負け時代に、心の準備も・戦いに備える準備もなく突入してしまった・あるいは突入したことにさえ気づかなかったことにあるように思える。現代社会においては、希望は誰にでもそう簡単に持てるものではなくなってしまった、そう希望の格差が厳然たる現実として広がってしまったのだ。その結果、平凡以下でやる気が失われた人々が茫然としている社会なのである。色々と考えさせられます、一読の書です。(評価 星五つ:★★★★★)希望格差社会
2009.12.23
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S.W.ホーキング「ホーキング、宇宙を語る 」(早川書房、1989.06)を読んだ。ご存じ車椅子の天才物理学者である筆者の、デビュー作品にして当時のベストセラー本である。「ホーキング、宇宙のすべてを語る」と「ホーキング、未来を語る」は既に読んだので、改めて昔の本を読んでみた次第である。本書の原題は、「A BRIEF HISTORY OF TIME」であり、宇宙論の核心は時間の概念であるとしても、あまり適切なタイトルではない。とはいえ、内容は充実している。図表がほとんどないのはご愛敬としても、宇宙はどうやって生まれどんな形をしているのかを分かりやすく示している。 内容の具体的な話は、あらすじでは「未来を語る」や「宇宙のすべてを語る」と同様であるが、この本のほうがより以前に出版されている事実を考えると、本当に筆者は「難しいことを分かりやすく伝える」ことが天才的にうまいと思える。(評価 星四つ:★★★★☆)ホーキング、宇宙を語る
2009.12.23
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松永和紀(まつなが・わき)「植物まるかじり叢書5 植物で未来をつくる」(化学同人、2008.3)を読んだ。本書は、植物生理学を学んだサイエンスライターの筆者が、植物ゲノムや遺伝子組み換えの最前線の研究者のインタビューを通じ、植物研究がいかに大事かを記した本である。それゆえ非常に真面目な内容である。 昨今の、バイオマスエネルギー利用技術として、アメリカやブラジルがバイオエタノールの生産でメジャーであり、欧州はバイオディーゼルで世界の先端を走っていると聞く。一方、日本は、古来より酵母を利用した日本酒の製造や各種品種改良技術や世界有数の森林大国として植物分野での研究は得意分野ではなかったのか。その割には、日本でのバイオマスエネルギー・特に輸送用燃料について小規模な生産の話は聞くが、世界的には植物分野で影が薄いように見える。もっとも専門家ではないので、本当は違うのかも知れない。 この本で、少し日本もまんざらすてたもんじゃないとは思うものの、なにかもどかしい気もする。自動車産業とエレクトロニクス産業を日本のツートップ業界と考える日本人が政策当局も含めたくさんいる中で、第一次産業である農業と親和性の高い植物研究が大手を振ってつき進める未来はそれほど明るいのだろうかと考えてしまう。(評価 星三つ:★★★☆☆) 著者のブログもあります。植物で未来をつくる
2009.12.23
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桐山秀樹「目利き シリコンバレーのスター経営者たちがもっとも信頼する日本人」(日経BP社、1999.10)を読んだ。ノンフィクション作家の桐山秀樹氏が、CTC・伊藤忠テクノサイエンス株式会社代表取締役社長の佐武廣夫氏のシリコンバレーでの活躍を、サン・マイクロシステムズ社のスコットG・マクネリ会長やオラクル社レイモンドJ・レイン社長兼CEO、シスコシステムズ社ジョンT・チェンバース社長兼CEOらのインタビューを元に、シリコンバレーの成り立ちや動向を実話として仕上げた本である。 少々古い本であるので、グーグルやアマゾンは登場しない。だたし知識として、シリコンバレーの地域の内容が非常によく分かる本であるとともに、シリコンバレーにある会社の栄枯盛衰も大変ためになる本ではある。 ただ、この本を読んだ感想としての違和感は、別な点にある。商社としてのCTC佐武氏は、「国産」にはこだわらず、良い製品であれば「シリコンバレー」から日本へ持って帰ることにいささかの躊躇もない。これは、日本の顧客のためにもなろうし、商社としては当たり前のことかも知れない。ただ、国益というものを考えれば、日本の半導体メーカやソフト開発メーカにはたまったもんじゃないと言える。この点は、非常に機微なポイントで、全面的に肯定する気持にはなれない。国内産業育成か、海外の良い製品を使った産業の競争力強化かどちらに重きを置くかによってその価値観としてのスタンスは大きく異なるであろう。 とはいえ、伊藤忠の人材ってすごい人がたくさんいるものである。現在TV放映中の「不毛地帯」の主役壱岐正のモデルは、元伊藤忠会長の瀬島龍三(せじま りゅうぞう)であるし、身近な知り合いの方々もそれぞれそれなりに逸話の持ち主でもある。どうしてこうなるのかは、会社の内部の人間にしか分からないことかも知れない。(評価:星三つ ★★★☆☆)目利き
2009.12.19
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吉本佳生「クルマは家電量販店で買え -価格と生活の経済学」(ダイヤモンド社、2008.11)を読んだ。秀逸な前作の「スタバではグランデを買え」の続編としての第2弾である。この本も、前作同様、経済学のもっとも基本であるモノやサービスの価格決定メカニズムを、身近な例を多用して非常に分かり易く示した本である。前作は、機会費用・取引コストを中心とした経済学の基本の解説であり、今回はもう少し応用編といった、ゲーム理論や政治・社会面の要因も踏まえた経済学の解説本である。 題材も、クルマの他にも大学の授業料や二酸化炭素排出権取引価格まで幅広い上に、とても平易な説明と、一般的ではない変わった切り口の分析が盛りだくさんで、書籍自体飽きさせない構成になっている。本当に良書である。ちなみに、表題の件は前作同様、筆者が「買え!」と薦めているわけではありません。単なるキャッチコピーです。(評価:星五つ ★★★★★)クルマは家電量販店で買え!筆者のブログもあります・・・「損益は糾える縄の如し」
2009.12.19
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